-
- 経営者
- 2021.06.21 (最終更新日:2022.03.26)
-
社員が作る企業こそ、これからの時代にふさわしい
- 会宝産業株式会社 代表取締役社長
- 近藤高行
-
- 経営者
- 2021.06.21 (最終更新日:2022.03.26)
-
社員が作る企業こそ、これからの時代にふさわしい
- 会宝産業株式会社 代表取締役社長
- 近藤高行
- 目次
健康経営優良法人顕彰制度の認証企業に与える影響(効果等)をお聞かせください
小林
「健康経営」と一言でいっても、とても幅が広いものです。その中で私たちは何を重視しなければいけないのかということを考えました。その答えを出すには時間がかかると思うのですが、「健康経営優良法人」という項目が会社の中にできることによって、現在会社が行っている健康に関することが、ちゃんと行われているのかというところに目を向けられたというのは大きいと思います。
例えば、「健康診断」です。毎年1回は行うものですが、本当に全員が受けているのかということを、いち社員である私が考えたことはこれまでありませんでした。ですが改めて確認をする機会をもらい、婦人勧奨や血液検査はそれなりにしているものの、特定保健の勧奨はそれほどやっておらず、病気に結び付く検査を受けていないという全社員の傾向を知ることができました。こういうことが知れたのは大きなことだと思いますね。
あとは認証企業になったことで、社長への講演依頼が来るようになったところも、変化したところです。
近藤
世の中の傾向というか、健康経営をしている企業が増えてきているためだと思いますが、発表してください、講演してくださいという話はきますね。そういった依頼が来るたびに、小林を連れていっていますよ。
「健康経営」と一言でいっても、とても幅が広いものです。その中で私たちは何を重視しなければいけないのかということを考えました。その答えを出すには時間がかかると思うのですが、「健康経営優良法人」という項目が会社の中にできることによって、現在会社が行っている健康に関することが、ちゃんと行われているのかというところに目を向けられたというのは大きいと思います。
例えば、「健康診断」です。毎年1回は行うものですが、本当に全員が受けているのかということを、いち社員である私が考えたことはこれまでありませんでした。ですが改めて確認をする機会をもらい、婦人勧奨や血液検査はそれなりにしているものの、特定保健の勧奨はそれほどやっておらず、病気に結び付く検査を受けていないという全社員の傾向を知ることができました。こういうことが知れたのは大きなことだと思いますね。
あとは認証企業になったことで、社長への講演依頼が来るようになったところも、変化したところです。
近藤
世の中の傾向というか、健康経営をしている企業が増えてきているためだと思いますが、発表してください、講演してくださいという話はきますね。そういった依頼が来るたびに、小林を連れていっていますよ。
健康経営に取り組まれた理由、きっかけをお聞かせください
近藤
きっかけは2018年に発足したKAIHO2030プロジェクトですね。このプロジェクトは、2030年の会宝産業を社員が考えよう、作っていこうという考えのもとに作りました。
会宝産業はこれまで、今の会長がリーダーシップをとってすべてのことを決めてきました。その後、代が変わって、私が代表取締役になったのですが、会長のような経営の仕方はできないと思ったんです。ですがその時に周りを見てみると、能力のある社員が沢山いるわけですよ。だったら、私が会長のように会社を引っ張っていくのではなく、社員の力を引き出す経営者になってみようと思いました。
これまで会長がしてきた形とは真逆の経営方針ですが、言われて行動するのではなく、自分で考えて行動するので働くことが楽しくなるんじゃないかとも思ったんです。それに弊社のスタイルというか、何をするにも根回しをしてから実行に移す文化がありまして、それもなくしたいという思いがありました。
弊社は全体会議を毎月1回行っているんですけど、そこでKAIHO2030プロジェクトの発足の発表をリーダーにさせました。
リーダーから発表前に「皆さんに参加するかしないか考えるために一週間の猶予を設けたいと思いますがいいですか?」と相談を受けました。でもそれだと、これまでの会宝産業と変わりません。
会宝産業を変えたくて、このプロジェクトを立ち上げたというのもあるので、「いや、その場で参加したい人には手を上げさせて」と言ったんです。そうしたら、80人弱いるなかの17人が手を挙げました。
まさかこんなに手を挙げる人がいるなんて思わなかったので、本当に嬉しかったですね。会宝産業は変わってきているんだと実感できて。
それから、手を挙げてくれた17人を4チームに分けて、健康経営チームを作り、小林にはリーダー的な役割をしてもらいました。健康経営というのも、初めは全く実感がありませんでしたね。ですが「健康」について改めて考えてみると、働くにしろ、遊ぶにしろ、何をするにしても大切だなと気づいたんです。そういったことを、小林たちが認証制度があるということを含めて調べてくれて、提案してくれました。私は、その話を聞いてOKを出し、健康経営を始めたというわけです。
私が引っ張っているわけではなくて、みんなが考えて提案し、私が判断するという会社になってきているのが、とても嬉しいですね。社員のみんなの成長も見えますし、いい会社になってきたなと実感しています。
きっかけは2018年に発足したKAIHO2030プロジェクトですね。このプロジェクトは、2030年の会宝産業を社員が考えよう、作っていこうという考えのもとに作りました。
会宝産業はこれまで、今の会長がリーダーシップをとってすべてのことを決めてきました。その後、代が変わって、私が代表取締役になったのですが、会長のような経営の仕方はできないと思ったんです。ですがその時に周りを見てみると、能力のある社員が沢山いるわけですよ。だったら、私が会長のように会社を引っ張っていくのではなく、社員の力を引き出す経営者になってみようと思いました。
これまで会長がしてきた形とは真逆の経営方針ですが、言われて行動するのではなく、自分で考えて行動するので働くことが楽しくなるんじゃないかとも思ったんです。それに弊社のスタイルというか、何をするにも根回しをしてから実行に移す文化がありまして、それもなくしたいという思いがありました。
弊社は全体会議を毎月1回行っているんですけど、そこでKAIHO2030プロジェクトの発足の発表をリーダーにさせました。
リーダーから発表前に「皆さんに参加するかしないか考えるために一週間の猶予を設けたいと思いますがいいですか?」と相談を受けました。でもそれだと、これまでの会宝産業と変わりません。
会宝産業を変えたくて、このプロジェクトを立ち上げたというのもあるので、「いや、その場で参加したい人には手を上げさせて」と言ったんです。そうしたら、80人弱いるなかの17人が手を挙げました。
まさかこんなに手を挙げる人がいるなんて思わなかったので、本当に嬉しかったですね。会宝産業は変わってきているんだと実感できて。
それから、手を挙げてくれた17人を4チームに分けて、健康経営チームを作り、小林にはリーダー的な役割をしてもらいました。健康経営というのも、初めは全く実感がありませんでしたね。ですが「健康」について改めて考えてみると、働くにしろ、遊ぶにしろ、何をするにしても大切だなと気づいたんです。そういったことを、小林たちが認証制度があるということを含めて調べてくれて、提案してくれました。私は、その話を聞いてOKを出し、健康経営を始めたというわけです。
私が引っ張っているわけではなくて、みんなが考えて提案し、私が判断するという会社になってきているのが、とても嬉しいですね。社員のみんなの成長も見えますし、いい会社になってきたなと実感しています。
数値的な効果の図り方があればお聞かせください。また数値化が出来ない効果もお聞かせください
小林
昨年の冬に健康に関するアンケートを全社員に向けて行いました。2019年から2020年で健康経営チームの発信がもとで「健康」に関する興味がどのくらい伸びたかを聞いています。その結果がこちらです。
四つの項目があったのですが、少しでも気にするようになった社員が全体の約7割でした。こんなにも多くの社員が「健康」に関心を持ってくれたことにやりがいを感じましたが、同時に変わらなかった社員が3割もいるということは、まだまだ頑張らないといけないなとも感じたところですね。
近藤
数値化できていないところでいうと「元気手当」でしょうか。この制度を作ったのは、2年前です。色々な会社様と意見交換をしている時に教えてもらったのですが、その会社では風邪など体調を崩して会社を休んで病院に行った時の治療費を会社が負担するということでした。治療費を会社が負担すると、体調を崩した社員も、そのご家族も大変喜んでくれているというんです。確かにこれは面白いと思い、弊社でも行ってみようと思いました。
私はいつも提案したいな、企画したいなと思った時には社長室長の佐藤に話をします。すると佐藤が「わかりました。すぐに企画します」と言ってくれるんです。ですが、今回の話をしたら、佐藤は納得のいかない顔をしました。不思議に思って、「何か問題があるのか?」と聞くと、こう答えたんです。
「その話だと、自己管理をしていない人にお金を出し、自己管理をしている人にはお金を出さないということですよね。元気な人には何もないというのは、おかしくないですか?」
そう言われて、私もハッとしました。確かにそうだなと。
その話をもとにして、佐藤が「元気手当」の仕組みを作ってくれました。
この表のような形で、健康診断結果に基づいて現金を支給しています。初年度は超健康ランクが1名いたのですが、次年度は0名になったものの健康、まあまあ健康ランクの二つは増えました。元気手当を目的にというわけではないですけど、こういったものがあると「健康」に関心を持ってくれる社員も増えるのではないかなと思っています。
この他にも施策を行っていることはありますね。健康経営チームがしていることなのですが、その前に一つ。健康経営チームにはビジョンがあります。
それが、これです。ではここからは、小林に説明してもらいますね。
小林
私たちのチームは5人だったのですが、5人全員が初めから健康に関心があったわけではありません。そこでまずは、健康経営を行っている会社に企業訪問をしに行きました。株式会社CRAZY様と株式会社浅野製版所様です。双方ともにアプローチの仕方が違っていて、片方は「ありたい理想」からのアプローチ、もう片方は「課題」からのアプローチでした。方法は違っていても、実際に行動されていて、さらにそこで働いている方がキラキラしているのが、とても印象的でした。お金ではなく、自分の幸せ、人生の幸せを持って働いていることが伝わってきたので、弊社でも絶対に取り入れたいと考えるようになりましたね。
そこから健康経営と向き合って自主勉強会を開き、インプットしたものを持ち寄ってアウトプットして共有する。その中で、いいと感じたものは実践をして、健康に関することを学んでいきました。学びが深まってくると、今度は社内にも広めていきたいという気持ちが強くなり、私たちが作った料理を試食してもらいながらの食育の勉強会を開いたり、外部講師による健康の勉強会をしたり、羽咋市の自然栽培についての勉強会に参加したりしましたし、健康に関する動画配信などもしました。
後は全社禁煙の開始ですね。でもこれは、社長がずっと前からしたかったことですよね。
近藤
そうです。今の会長の時代にあったのは、役員になる人は喫煙禁止というルールーはあったのですが、現場を見るとまだまだ吸っている人がいました。タバコは百害あって一利なしです。さらに、副流煙で周りの人に対しても迷惑をかけるものです。
周りの人のことを考えましょうと言っている会宝産業の社員が吸っているのは良くないことだとは思ったのですが、プライベートな部分にも踏み込んでいる気がして、なかなか言い出せませんでした。ですが、健康経営を始め、健康に関心を持ち始めた人が増えてきているなら、今が会社を変える時なのかもしれないと思い、去年の5月に計画を立て、6月か7月の全体会議で、11月から全社禁煙を行うと発表しました。
もしかしたら、タバコが吸えなくなるなら会社を辞めると言い出す人もいるかもしれないとは思ったのですが、結局11月になっても、そのことで何かを言ってくる人はいなかったんですよね。それから、何かを「決めて」「言う」というのが、私の仕事だなって特に強く思うようになりましたね。
小林
他にも動いていることはあります。2023年から2024年頃に新工場設立が決まっているのですが、私たちの仕事は空間のプロデュースなので、新工場に食堂とジムの設置を考えています。
お昼休憩の時、社員の皆さんはバラバラに食事をされます。ですが、食堂があるとそこに集まってくるんですよね。この前も、久しぶりにお味噌汁で食育の勉強会を兼ねた試食会を食堂で行ったら、食堂が久しぶりに賑やかになりました。食堂は食事をする場であると同時に、コミュニケーションの場でもあると改めて感じたので、新工場ではコミュニケーションの場に繋がりやすいような食堂を作りたいと思っています。
もう一つのジムの設置ですが、ジムは運動不足の解消になるというだけではなく、体を動かしているとアイデアが出やすくなるというのを健康経営チームのメンバーが調べてきてくれて、そのアイデアを採用するつもりです。例えば、トレーニングをしながら仕事の打ち合わせをしたり、会議をしたり、アイデアだしをしたりとか。とてもユニークで、会宝産業らしい空間づくりができると思っています。
昨年の冬に健康に関するアンケートを全社員に向けて行いました。2019年から2020年で健康経営チームの発信がもとで「健康」に関する興味がどのくらい伸びたかを聞いています。その結果がこちらです。
四つの項目があったのですが、少しでも気にするようになった社員が全体の約7割でした。こんなにも多くの社員が「健康」に関心を持ってくれたことにやりがいを感じましたが、同時に変わらなかった社員が3割もいるということは、まだまだ頑張らないといけないなとも感じたところですね。
近藤
数値化できていないところでいうと「元気手当」でしょうか。この制度を作ったのは、2年前です。色々な会社様と意見交換をしている時に教えてもらったのですが、その会社では風邪など体調を崩して会社を休んで病院に行った時の治療費を会社が負担するということでした。治療費を会社が負担すると、体調を崩した社員も、そのご家族も大変喜んでくれているというんです。確かにこれは面白いと思い、弊社でも行ってみようと思いました。
私はいつも提案したいな、企画したいなと思った時には社長室長の佐藤に話をします。すると佐藤が「わかりました。すぐに企画します」と言ってくれるんです。ですが、今回の話をしたら、佐藤は納得のいかない顔をしました。不思議に思って、「何か問題があるのか?」と聞くと、こう答えたんです。
「その話だと、自己管理をしていない人にお金を出し、自己管理をしている人にはお金を出さないということですよね。元気な人には何もないというのは、おかしくないですか?」
そう言われて、私もハッとしました。確かにそうだなと。
その話をもとにして、佐藤が「元気手当」の仕組みを作ってくれました。
この表のような形で、健康診断結果に基づいて現金を支給しています。初年度は超健康ランクが1名いたのですが、次年度は0名になったものの健康、まあまあ健康ランクの二つは増えました。元気手当を目的にというわけではないですけど、こういったものがあると「健康」に関心を持ってくれる社員も増えるのではないかなと思っています。
この他にも施策を行っていることはありますね。健康経営チームがしていることなのですが、その前に一つ。健康経営チームにはビジョンがあります。
それが、これです。ではここからは、小林に説明してもらいますね。
小林
私たちのチームは5人だったのですが、5人全員が初めから健康に関心があったわけではありません。そこでまずは、健康経営を行っている会社に企業訪問をしに行きました。株式会社CRAZY様と株式会社浅野製版所様です。双方ともにアプローチの仕方が違っていて、片方は「ありたい理想」からのアプローチ、もう片方は「課題」からのアプローチでした。方法は違っていても、実際に行動されていて、さらにそこで働いている方がキラキラしているのが、とても印象的でした。お金ではなく、自分の幸せ、人生の幸せを持って働いていることが伝わってきたので、弊社でも絶対に取り入れたいと考えるようになりましたね。
そこから健康経営と向き合って自主勉強会を開き、インプットしたものを持ち寄ってアウトプットして共有する。その中で、いいと感じたものは実践をして、健康に関することを学んでいきました。学びが深まってくると、今度は社内にも広めていきたいという気持ちが強くなり、私たちが作った料理を試食してもらいながらの食育の勉強会を開いたり、外部講師による健康の勉強会をしたり、羽咋市の自然栽培についての勉強会に参加したりしましたし、健康に関する動画配信などもしました。
後は全社禁煙の開始ですね。でもこれは、社長がずっと前からしたかったことですよね。
近藤
そうです。今の会長の時代にあったのは、役員になる人は喫煙禁止というルールーはあったのですが、現場を見るとまだまだ吸っている人がいました。タバコは百害あって一利なしです。さらに、副流煙で周りの人に対しても迷惑をかけるものです。
周りの人のことを考えましょうと言っている会宝産業の社員が吸っているのは良くないことだとは思ったのですが、プライベートな部分にも踏み込んでいる気がして、なかなか言い出せませんでした。ですが、健康経営を始め、健康に関心を持ち始めた人が増えてきているなら、今が会社を変える時なのかもしれないと思い、去年の5月に計画を立て、6月か7月の全体会議で、11月から全社禁煙を行うと発表しました。
もしかしたら、タバコが吸えなくなるなら会社を辞めると言い出す人もいるかもしれないとは思ったのですが、結局11月になっても、そのことで何かを言ってくる人はいなかったんですよね。それから、何かを「決めて」「言う」というのが、私の仕事だなって特に強く思うようになりましたね。
小林
他にも動いていることはあります。2023年から2024年頃に新工場設立が決まっているのですが、私たちの仕事は空間のプロデュースなので、新工場に食堂とジムの設置を考えています。
お昼休憩の時、社員の皆さんはバラバラに食事をされます。ですが、食堂があるとそこに集まってくるんですよね。この前も、久しぶりにお味噌汁で食育の勉強会を兼ねた試食会を食堂で行ったら、食堂が久しぶりに賑やかになりました。食堂は食事をする場であると同時に、コミュニケーションの場でもあると改めて感じたので、新工場ではコミュニケーションの場に繋がりやすいような食堂を作りたいと思っています。
もう一つのジムの設置ですが、ジムは運動不足の解消になるというだけではなく、体を動かしているとアイデアが出やすくなるというのを健康経営チームのメンバーが調べてきてくれて、そのアイデアを採用するつもりです。例えば、トレーニングをしながら仕事の打ち合わせをしたり、会議をしたり、アイデアだしをしたりとか。とてもユニークで、会宝産業らしい空間づくりができると思っています。
これから健康経営を実践する企業に対して、アドバイスをお聞かせください
小林
アドバイスというわけではありませんが、健康経営を取り組んでいる企業を訪問して、実際にやってみると、それほどハードルは高くないと感じることができます。何もしていない時が、一番ハードルが高いように勝手に思っていただけというのはありますね。
後は、先ほど社長が言っていたKAIHO2030プロジェクトは、発表があった時は業務とは別のものという意識がありました。だから、業務外の時間を使って、そのプロジェクトに取り組むんだなって。ですが今は違います。KAIHO2030プロジェクトも業務の一つだと思っているので、業務時間内に食育のための味噌汁づくりをしたり、通常だと出張はないのですが、東京に企業訪問するときも業務時間内にできたので、そういった環境を作ってもらっていることに対して感謝をしています。健康経営を実践する企業になって、社員はとても動きやすくなったと実感していますね。
近藤
弊社ではもともと、出張とか企業訪問とかは経営者や幹部が行うものという考え方でした。それが「健康経営」を取り組むことになって、このルールが変わったんです。経営者や幹部だけが出張に行ったり、経営者や幹部と社員が出張に行ったりだと、主となるのは経営者や幹部です。でも、社員だけが出張や企業訪問に行くと、主となるのは社員です。社員だけで行くということは、行った先でしっかりと話を聞いて、その後報告の為に私たちにアウトプットをする必要があります。経営者や幹部と一緒に行くよりも、社員だけで行く方が社員は責任感を持つようになりました。
小林
そうですね。だから健康経営を始めるのはハードルは高くないのですが、いい意味での大変さは増えたように感じています。
アドバイスというわけではありませんが、健康経営を取り組んでいる企業を訪問して、実際にやってみると、それほどハードルは高くないと感じることができます。何もしていない時が、一番ハードルが高いように勝手に思っていただけというのはありますね。
後は、先ほど社長が言っていたKAIHO2030プロジェクトは、発表があった時は業務とは別のものという意識がありました。だから、業務外の時間を使って、そのプロジェクトに取り組むんだなって。ですが今は違います。KAIHO2030プロジェクトも業務の一つだと思っているので、業務時間内に食育のための味噌汁づくりをしたり、通常だと出張はないのですが、東京に企業訪問するときも業務時間内にできたので、そういった環境を作ってもらっていることに対して感謝をしています。健康経営を実践する企業になって、社員はとても動きやすくなったと実感していますね。
近藤
弊社ではもともと、出張とか企業訪問とかは経営者や幹部が行うものという考え方でした。それが「健康経営」を取り組むことになって、このルールが変わったんです。経営者や幹部だけが出張に行ったり、経営者や幹部と社員が出張に行ったりだと、主となるのは経営者や幹部です。でも、社員だけが出張や企業訪問に行くと、主となるのは社員です。社員だけで行くということは、行った先でしっかりと話を聞いて、その後報告の為に私たちにアウトプットをする必要があります。経営者や幹部と一緒に行くよりも、社員だけで行く方が社員は責任感を持つようになりました。
小林
そうですね。だから健康経営を始めるのはハードルは高くないのですが、いい意味での大変さは増えたように感じています。
学生に対して、企業選びのポイントをお聞かせください
小林
そうですね。入社前に人事とか代表の方に話を聞いたり、企業訪問をすることはいいと思うのですが、実際に働いている社員と話す機会があれば話してみたほうがいいと思います。その企業というよりは、働き方という部分で社員の人と話すことで、自分がしたいと思っていることとマッチできるのかが見えてくると思います。
近藤
弊社は12年ぐらい前までは離職率が30パーセントでした。その当時、私は常務だったのですが、企業説明会の時に業務内容の良い部分ばかりを伝えていました。大変な部分を話すと、誰も応募してこないんじゃないかと思ったからです。ですが、いいことしか言わなかった説明会を聞いて入社をしてきた人たちは、否が応でも現実を知ります。そうすると、1日で辞めたりとか、1週間後に走って逃げていったりとか、そういったことが起こりました。人を入社させるというのは、企業も大変ですが、就職活動をしている人も大変です。少しだけ働いて、言っていたことと違うと思ってやめてしまうのは、その本人にとっても、会社にとってもダメージを受けます。だから今は、企業説明会で良いことだけを言うのをやめました。
先ほども少し話をしましたが、「いい会社に入りたい人はうちにはいりません。いい会社を自ら創りたい人に入ってきてほしい」と伝えるようにしました。入社するのにハードルが上がったので、入社したいという人は減るかもしれません。ですが、このハードルを乗り越えて入ってくる人は、芯の強い人です。実際、この言葉で入ってきた人は、うまくいかないことがあっても、どうすればうまくいくようになるのかと自分で考える社員になっています。離職率は去年3パーセントです。離職率は10パーセントから1パーセントなら良い会社と呼べるのではないかと思っています。0パーセントだと、人が全く変わっていないので空気の入れ替えができていない企業ということになります。
そういった部分にも着目してみるといいのではないでしょうか。
そうですね。入社前に人事とか代表の方に話を聞いたり、企業訪問をすることはいいと思うのですが、実際に働いている社員と話す機会があれば話してみたほうがいいと思います。その企業というよりは、働き方という部分で社員の人と話すことで、自分がしたいと思っていることとマッチできるのかが見えてくると思います。
近藤
弊社は12年ぐらい前までは離職率が30パーセントでした。その当時、私は常務だったのですが、企業説明会の時に業務内容の良い部分ばかりを伝えていました。大変な部分を話すと、誰も応募してこないんじゃないかと思ったからです。ですが、いいことしか言わなかった説明会を聞いて入社をしてきた人たちは、否が応でも現実を知ります。そうすると、1日で辞めたりとか、1週間後に走って逃げていったりとか、そういったことが起こりました。人を入社させるというのは、企業も大変ですが、就職活動をしている人も大変です。少しだけ働いて、言っていたことと違うと思ってやめてしまうのは、その本人にとっても、会社にとってもダメージを受けます。だから今は、企業説明会で良いことだけを言うのをやめました。
先ほども少し話をしましたが、「いい会社に入りたい人はうちにはいりません。いい会社を自ら創りたい人に入ってきてほしい」と伝えるようにしました。入社するのにハードルが上がったので、入社したいという人は減るかもしれません。ですが、このハードルを乗り越えて入ってくる人は、芯の強い人です。実際、この言葉で入ってきた人は、うまくいかないことがあっても、どうすればうまくいくようになるのかと自分で考える社員になっています。離職率は去年3パーセントです。離職率は10パーセントから1パーセントなら良い会社と呼べるのではないかと思っています。0パーセントだと、人が全く変わっていないので空気の入れ替えができていない企業ということになります。
そういった部分にも着目してみるといいのではないでしょうか。
当メディアへ、どんな役割・活動を期待していただけますでしょうか?
今は健康経営で検索をかけると、たくさんのサイトがヒットするようになりました。どの情報が正しくて、どの情報を見たらいいのかが私個人からだとわかりません。御社のサイト「にじいろ」は正しい判断ができる情報を届けることを目的に取り組んでいるとのことだったので、これからも本当に情報を必要としている求職者の方に見ていただけるよう、取り組むことを期待しております。
また弊社の会宝産業という社名には文字どおり、「宝」に「会」える「産業」という意味を込めています。また「かいほう」という言葉の響きにも別の意味をもたせています。その一つが「開放」です。何でもオープンにしていくという意味です。
私たちも社員、お客様、社会へ、知識やノウハウを開放し、世の中の訳に立つことを広げていくということを社名に込めています。御社の考えと私たちも同じ思いだったため、今回は取材を受けさせていただきました。これからも健康経営を広げるための情報発信をしていっていただけたらと思っております。
また弊社の会宝産業という社名には文字どおり、「宝」に「会」える「産業」という意味を込めています。また「かいほう」という言葉の響きにも別の意味をもたせています。その一つが「開放」です。何でもオープンにしていくという意味です。
私たちも社員、お客様、社会へ、知識やノウハウを開放し、世の中の訳に立つことを広げていくということを社名に込めています。御社の考えと私たちも同じ思いだったため、今回は取材を受けさせていただきました。これからも健康経営を広げるための情報発信をしていっていただけたらと思っております。
関連インタビュー
-
- 経営者
- 2022.09.15
- リターンを求めない健康経営! 強みは「利他の心」と「完結力」
- 株式会社二期は、働く一人ひとりの幸福、健康増進、働きやすさの向上、働きがいのある職場の実現のため、 2021年4月3日(土)に「健康宣言」を致しました。その宣言に基づき、社員と会社が協...
- 株式会社二期は、働く一人ひとりの幸福...
-
- 経営者
- 2020.09.14
- 藤野氏が語る、健康経営を行う企業に共通する本質とは
- 2015年、経済産業省が健康経営銘柄の選定を始めました。医師や専門家がそのワーキンググループに名を連ねる中、私もスターターとして選出されました。健康に携わる生業の方だけではなく、経...
- 2015年、経済産業省が健康経営銘柄の選...
-
- 経営者
- 2020.08.12
- 2人の社員が残した気づき 健康経営が地域を巻き込む大きなうねりに
- 私がKDS熊本ドライビングスクールの代表取締役になったのは平成21年。その頃、立て続けに2人の社員が病気で亡くなったんです。ご家族の心痛を思うと苦しかったですし、たった一週間前まで一...
- 私がKDS熊本ドライビングスクールの代表...
-
- 経営者
- 2019.11.14
- 健康経営銘柄をとった企業はある意味先行している
- 我々のモチベーション的には社員を元気にするという事で「元気プロジェクト」って呼んでおりました。リーマンショックの頃で、さらに私たちのインフラ事業は構造不況業種でもあったので、新...
- 我々のモチベーション的には社員を元気...