- 健康経営アドバイザー
- 2021.07.26 (最終更新日:2022.03.26)
コミットする健康経営は「見える化」と「見せる化」を意識する
- 目次
コミットする健康経営をめざすには?
「健康経営」は広く知られるようになった一方で、ビジネスの世界では 健康経営に対して「大企業が取り組むこと・良いことだが実際何をしたら良いかわからない・中身はよくわからないが乗り遅れないようにとりあえずやってみたものの目標に向けた取り組みが不透明では?」と多くの課題が存在します。健康経営とは経済産業省は以下のように定義しています。
本記事では、健康経営取り組んでいるけど、もう一歩先に進みたいそんな企業担当者さまに向けた記事になっております。
分かりやすく言うと、「企業の経営目的達成のために、企業で働く人たち一人ひとりの健康を大切にし企業で積極的に取り組んでいこう」という考え方です。これらの考えをもとに健康経営の取り組みを経営目的達成のために『見える化と見せる化』することがポイントになってきます。「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
本記事では、健康経営取り組んでいるけど、もう一歩先に進みたいそんな企業担当者さまに向けた記事になっております。
見える化で健康経営のタコツボ化を回避する
健康経営のような新しい取り組みを浸透させるには、何から取り組めば良いでしょうか。
経営者の「健康宣言」の重要性
まずは経営者自身が健康づくりに取り組むこと、自社になぜ健康経営が必要だと思っているのか、それを経営者の言葉で従業員に語ることが重要です。この経営者のメッセージ=「健康宣言」を発信することが健康経営のスタートとなります。健宣言の内容については、なるべく具体的に、従業員にわかりやすい言葉を用いることが大切です。また健康経営の実践においては経営者の存在感や影響力は大きく経営者のやる気が従業員にやる気に大きく関わってきます。従業員の健康に本気で取り組む姿勢を示すことが大きな一歩となります。
タコつぼ化のリスク
しかし健康経営の取り組みが特定の部分メンバーに偏ると、健康経営の取り組み自体がタコツボ化という障害が生じます。こうなってしまうと必要な業務や第三者の意見を取り入れて取り組みを改善することが難しくなったり、取り組みの一体感や見られている評価されるという緊張感や期待感が失われ、全社的なパフォーマンスが低下したりします。健康経営は本来企業の全部も全業務領域で行う取り組みです。そうなってしまっては本末転倒です。見える化のポイント
健康経営の実践では、そのプロセスを社内で社内で見える化することが重要になります。見える化で基本となるアクションは次のとおりです。- 朝礼や経営報告会など全社が集まる機会に実践状況を共有する
- 部門単位や部門間の会合で集まる機会に実践状況を共有する
- 定期的に全社で利用するメディアで実践状況を共有する
- 日常的に全社で利用するメディアで実践状況を共有する
事業場が複数ある場合は、温度差が出ないように事業場ごとに各担当者を決めコミュニケーションをとる場を作ることも大切です。さらに定期的に発信する社内報や日常的に利用するグループシェア・日報などを活用し、文字によって報告共有を行うことで記録の蓄積が進み全社的な理解が深まります。 健康経営の実践プロセスの見える化が進むとパフォーマンス低下の予防だけではなく、自社の価値観を伝える研修・社史の制作などにも活用できます。
記録の必要性
見える化にはしっかりと取り組むことが求められます。ビジネスの社会性向上の基本ですが、重要なことは一連の取り組みを記録することです。記録は取り組みの改善に役立つとともに社会性を求める顧客に対する説明にも役立ちます。記録を資産と位置付け、資産形成の一環として健康経営の取り組みのチェックに取り組みましょう。記録の作成が健康経営評価のカギ【鍵健康経営の取り組みを記録する】
企業の経営目的達成のために健康経営を取り組んでいるのですから、取り組みの実践は業務となります。設定した取り組みテーマの KPIを着実に達成するためには、成果に至るためのプロセスをしっかりと管理する必要があります。
その鍵となるのが業務プロセスを管理に必須となる記録の作成です。記録は記録作業自体が目的ではありません。記録をビジネスに役立てることが目的です。そのため記録作業自体が、頻雑にならならずあとで活用できるように記録方法や項目について次のような配慮が必要となります。
そして正確な記録には、誰が取り組みに関わったという把握も重要です。自社以外に関与したステークホルダーや果たした役割も記録しましょう。適切な記録は健康経営の発信や改善に不可欠です。記録を業務化できるように現場目線での配慮工夫をすることも大切です。
企業にとって健康経営の実践はビジネスと一体です。経営性や健康だけではなく、その取り組みの経済性が非常に重要な課題となります。健康経営を実践する上で経済性や経営資産活用の効率性を高めるために、次のような方法で取り組みのこういう構成を会計面から評価することが必要になります
その鍵となるのが業務プロセスを管理に必須となる記録の作成です。記録は記録作業自体が目的ではありません。記録をビジネスに役立てることが目的です。そのため記録作業自体が、頻雑にならならずあとで活用できるように記録方法や項目について次のような配慮が必要となります。
- 取り組みを5W1Hで記録しているか
- .業務日報など既存の書式に簡単に追加できるか
- 取り組み結果を可能な限り数値化して記録しているか
- 取り組み結果から読み取れる事柄分析し記録しているか
- 関与したステークホルダーを記録しているか
記録と業務化のポイント
記録は KPI と密接にかかわるためさんも重要なポイントになります。そして数値だけでは結果の意味が分からず今後に役立てることが難しくなる為、記録時点での取り組み結果の分析も必要です。そして正確な記録には、誰が取り組みに関わったという把握も重要です。自社以外に関与したステークホルダーや果たした役割も記録しましょう。適切な記録は健康経営の発信や改善に不可欠です。記録を業務化できるように現場目線での配慮工夫をすることも大切です。
企業にとって健康経営の実践はビジネスと一体です。経営性や健康だけではなく、その取り組みの経済性が非常に重要な課題となります。健康経営を実践する上で経済性や経営資産活用の効率性を高めるために、次のような方法で取り組みのこういう構成を会計面から評価することが必要になります
- 健康問題の抑制解決にかかったコストは取り組みテーマごとに集計して評価する
- 実際の収支が発生しない取り組みでも換算して評価することで見える価値がたくさんある
『見せる化』は『選ばれる力』を作る
健康経営の実践の記録は、企業にとって現預金や機械設備と同様の資産です。この記録という資産は社外に『見せる化』することでステークホルダーからの『選ばれるチカラ』となります。
投資家・顧客・採用活動向けなどによりその利用目的によって異なります。一方レポート作成には時間を要するため並行して日常的な見せる化が必要です。これまで記録に基づいた自社サイトや SNS での発信店舗の POP チラシなどの販促ツールを通じて発信などが、その典型的な取り組みです。
取り組みの発信で「見える化」を強化
見せる化の最も基本的な方法がサステナビリティレポートの発行と自社メディアや店舗などで健康経営の取り組みの発信です。このレポートは CSR レポートやCSR情報などの名称で発行されることもあり、企業の社会的責任について発信するものとなります。投資家・顧客・採用活動向けなどによりその利用目的によって異なります。一方レポート作成には時間を要するため並行して日常的な見せる化が必要です。これまで記録に基づいた自社サイトや SNS での発信店舗の POP チラシなどの販促ツールを通じて発信などが、その典型的な取り組みです。
ニーズに対する「選ばれる力」を高める
また将来の従業員である学生などの企業選びの基準も変わり、企業には経済的安定性だけではなくワークライフバランスや仕事の社会的・意義人間的成長の機会が求められます。しかし自社がどれだけ健康経営の実践を通じて彼らのニーズに答える準備ができていたとしても、見せる化ができていなければ彼らにとっては存在しないことと同じです。だからこそ企業は記録に基づいた『見せる化』に取り組み、『選ばれる力』を高める必要があるのです。
第三者に経営内容を見せることができるレベルへ
健康経営の推進は企業の社会性を高めます。そして企業が自社の社会性の高さを発信にすることによって様々なメリットを引き出すことが可能になります。このような流れを加速するためのポイントが国や自治体などの第三者による認証といった第三者評価へのチャレンジです。従来ビジネスの社会性に関する第三者評価は環境マネジメントシステムのような環境経営領域が主流でした。
一部に顕著な功績によって顧客から表彰される商習慣がある業界もありますが、多くの業界ではビジネスの日常的な活動を社会から評価される機会ほとんどありません。
健康経営の実践の記録という根拠が整っていれば第三者評価へのチャレンジはそれほど難しくありません。様々なメリットを引き出すためにも積極的に第三者評価にチャレンジしてみましょう。
そして健康経営の取り組みを経営目的達成のために「見える化と見せる化」を意識して、「選ばれる企業」として健康経営の取り組みを進めてはいかがでしょうか?
企業の認知度を高める
現在では男女共同参画人材育成や働き方改革・地域貢献・ SGDsなどの各目標に関わるテーマに対しても行われます。第三者による第三者評価は、自社における健康経営の取り組みの見える化の一種であり対外的な信頼性と認知度の向上に役立ちます。健康経営のメリットを引き出す
それは信頼される企業として、採用や新たなパートナーシップ構築の機会を増やしビジネスチャンスにもつながっていきます。また全社的合意に基づき健康経営の実践が、従業員のなかで「自分ごと化」されている企業は第三者から評価されることで従業員のモチベーションの向上にもつながります。一部に顕著な功績によって顧客から表彰される商習慣がある業界もありますが、多くの業界ではビジネスの日常的な活動を社会から評価される機会ほとんどありません。
健康経営の実践の記録という根拠が整っていれば第三者評価へのチャレンジはそれほど難しくありません。様々なメリットを引き出すためにも積極的に第三者評価にチャレンジしてみましょう。
そして健康経営の取り組みを経営目的達成のために「見える化と見せる化」を意識して、「選ばれる企業」として健康経営の取り組みを進めてはいかがでしょうか?
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