- 働き方改革
- 2021.07.11 (最終更新日:2022.04.06)
女性が活躍できる働き方とは|仕事を任される人・任されない人の違い
- 目次
日本の女性の働き方は変化したのか
女性の働き方を年代別にみる
1950年代は農業が盛んであったため、女性は子育てと農家を担っていました。当時は働く女性も多かったのです。高度経済成長期である1960年代は、製造業などが盛んになったのでサラリーマンの家庭が増加しました。働きに出るのは男性で家庭を守るのは女性という家族の形は、この頃に確立したと言えます。サービス業が盛んになった1970年代は、家事とパートタイマーでの働き方を両立する女性が増加しました。男女雇用機会均等法が1986年に施行されたことにより、女性が働く法律が整っていきます。男女雇用機会均等法によって共働き世帯が増加し、専業主婦が少なくなりました。2000年代からは不景気の影響を受けて、夫婦どちらかの給料で生活をするのは困難な世帯が増加し、フルタイムで働く女性が増加します。子どもが大学に進学するのが当たり前と言われるようになって、教育費がかさむようになりました。女性の社会進出が進むにつれて晩婚化したり未婚のままの女性が増加したりしたので、出生率が下がります。やむを得ない事情で子どものいない家庭もあります。
働きやすさという点では課題が多い
働く女性自体は増えているものの、働きやすさという点では課題が多いです。英紙が公表したランキングでは、日本は29ヶ国の中で28位に留まっています。30代は多くの女性が子育て期であるため、働くことを一旦諦める女性も多いです。第一子を出産するときに退職を選択する女性は、平成29年でもおよそ半分にのぼります。欧米ではおよそ20年前から、働く女性の減少の対策に取りかかっていました。しかし日本では未だに課題が多いのが事実です。女性が出産と共に退職せざるを得ないのは、家事・育児の負担が多いことが主要な原因になります。家事を担うのは女性だという考え方が根強い日本では、共働きの夫婦においても家事・育児の負担は女性が多いです。長時間労働の男性は家庭の時間が取りにくいことも、原因の1つと言えます。
日本は女性の管理職が少ない
日本は働いている女性の中で、管理職の割合がかなり少なくなっています。管理職の女性の割合が30%を超える諸外国がある中で、日本ではおよそ12%に留まっているわけです。多くの人は積極的・好戦的なことをリーダーに求めています。また男性に望む性質の中にも、積極的・好戦的であることが含まれており、リーダーは男性がふさわしいと考えていることが分かるわけです。女性が管理職になると、周囲に同性の管理職がいなかったり仕事と家庭の両立が難しくなったりします。同じ立場の人がほとんどいない環境では、思うようにストレスの発散ができないので辛いものです。管理職らしい立ち居振る舞いや女性らしさを意識しすぎて、無理をすることもあります。また日本の昇進時期は子育ての時期と被る頃なので、女性が昇進することをためらってしまうのも原因の1つです。非正規雇用も多いので、女性が長期的にキャリアを考えにくいのも課題です。
女性が活躍する職場はどのような場所か
女性の管理職が多い職場
女性の管理職が多いことは、女性が活躍できる職場かどうか見極める指標としてよく挙がります。将来的に子育てをしながら管理職で働きたい場合、その会社にお手本となる女性がいることは心強いでしょう。結婚や出産を視野に入れている女性なら、管理職に育児経験者がるかどうかも大事なポイントになります。男女を問わず管理職に育児経験者がいないときは、理解を得るのが難しい可能性も。女性の管理職が多い職場には、性差に関係なく正当な評価が受けられることや、不当な扱いに対して真摯に対応してくれる可能性を期待する人が多いです。女性社員の勤続年数が長い職場
女性の勤続年数が長い職場は、私生活と仕事の両立がしやすい職場だと考えられます。子育てや介護など家庭の事情があっても、働きやすい職場だと目安がつけられるわけです。最近はテレワークや時短勤務など、少しずつ働き方の選択肢も増えています。就職・転職のさいは、多様な働き方が可能かどうかに重きを置いて情報収集するのもいいでしょう。産休や育休を取得している女性が多い職場
職場で産休や育休を取得した従業員がおらず、妊娠・出産で離職を選ぶ例があります。その会社に産休・育休の制度があるかどうかではなく、取得率を確認するのが大切です。同時に復職した女性が多いかどうかも確認することで、女性が活躍しやすい会社かどうかの指標になります。独自の休暇制度や福利厚生を設けている会社もあるので、希望の条件に合う会社を探してください。チームで働く職場
個人で働く仕事ではなく、チームで働く仕事を理想とする女性は多いです。属人的な仕事は人間関係の煩わしさが少ない面ではいいかもしれませんが、突然休んだときに回らなくなります。属人的な仕事ではフォローを頼むにしても引継ぎが困難ですし、突然休みが必要になったときでも対応のしようがありません。フォローをしてくれる人には本来の自分の仕事があるため、仕事量が多くなります。休むことが続けば周囲の目が気になるようになり、働き続けられなくなる可能性も。チームで働く職場なら女性特有のライフイベントを理解している人もおり、活き活きと働けます。
当コラムでは働き方について情報発信しています。毎日仕事に追われていて、時間がないと考えていませんか。それは単なる思い込みの可能性もあるのです。以下のコラムも合わせてご覧ください。
女性管理職が意識したいこととは
組織の管理に女性の視点を活かすこと
女性が少ない職場では、女性管理職は性別のことが足かせになりがちです。理想を求めるより現状を割り切る方が、組織の管理に活かせることがあります。男女の性質を重視して従業員の管理をすることは、男性が管理職の頃には無い考え方です。女性だからこそ分かる従業員の活かし方を意識するのは、組織の管理にも役立つことでしょう。男女の違いを覚えておくだけでも、仕事の進捗に影響するはずです。男女に同じ仕事を振った場合を例にします。このとき男性は、出来るか否かは別にして「できます」と答える傾向です。しかし女性の場合は、十分に可能であっても「できない」などと否定的に答える傾向にあります。このような情報があれば、指示を出すときの目安になるわけです。
女性である強みを自覚すること
女性が働きやすい職場を作るには、女性の強みをアピールすることも大切です。男性には気づかない思いやりや公平さなどが、女性管理職の優れた点だと考える人がいます。これらの評価を女性管理職ならではの強みとして、積極的に組織の管理に活かしてください。女性管理職ならではの強みを利用すれば、会社も女性の強みを判断できる可能性が高まります。思いやりや公平さは管理職に必要な能力ですし、ライフイベントによって働き方が変わる女性が上司に求めることでもあります。子どもの発熱で突然休みが必要になる人も、子どもがいなくて配慮が必要な人も、上司に気遣いや公平さがあれば安心して働けることでしょう。女性管理職ならではの強みは、日本の会社にとって欠かせない視点だと言えます。
提案によって働き方改革の増進に繋げること
働き方改革は、女性管理職を採用するときの後押しとなっています。会社によって考え方は異なりますが、女性管理職の採用は避けたまま通れない道です。女性には独自のライフイベントがあるので、働きやすい環境において独自の視点から提案できます。管理職ならなおさら、立場を利用して積極的に提案するのがいいでしょう。現在の会社にそのような考え方が広まっていないかもしれません。しかし社会全体で女性の立場を変える動きがあるので、味方になる人もいると思います。ある程度裁量権のある立場だからこそ、働き方改革の波と自分の立場を上手に利用することができるわけです。仕事を任される人と任されない人の違うところ
俯瞰で物事を判断できる人
責任のある仕事を任されるためには、俯瞰で物事を見ることが必要です。自分に仕事をまかせるのはほかの人。つまり自分で自分のことを「仕事ができる人だ」と思っているだけでは成り立ちません。責任のある仕事を任せられる人は、2種類の違いをきちんと把握しているのに対し、仕事を任せられない人は自己評価も独りよがりです。仕事を任される人は相手の目線に立ち、「どう行動すれば仕事ができる人だと思われるか」と常に考えています。上司が仕事のスピードより質を求めている場合を例にしましょう。それなのに上司の考えを無視してスピードばかりにこだわる従業員がいれば、忙しそうでも評価はされにくいだろうな、と思いませんか。仕事を任される人は、上司が「スピードより質を求める」と発表していない場合でも、これまでの言動からその意図を汲み取れます。仕事ができる・できないとは、会社や上司が求めるゴールに向けて動けるかどうかだ、と言っても過言ではありません。そのためには物事を俯瞰で見て、常に相手の目線を意識することが大切です。
まずゴールを確認する人
仕事ではまず、相手が求めるゴールの場所を確認します。ゴールの位置が曖昧な状態で進んでも、はたして今の道順が合っているのかも、どこに向かっているのかも分かりません。仕事をするときも、道順が決まっていない段階からやみくもに始めるのではなく、ある程度のゴールを確認してから取りかかります。- 与えられた仕事は誰を相手にした仕事か
- 相手はどんなニーズを持っているか
- どんな仕事をすれば喜んでもらえるか
速やかに動く人
ゴールを定めたから、安心できるわけではありません。すぐにゴールに向かって動き始める必要があります。これには注意点があり、仕事を任せた上司に「いつでもいい」と言われた場合でも、すぐに動くようにしてください。遠慮の気持ちから「いつでもいい」と言う人がいますが、自分の仕事を優先して欲しいというのは皆が考えていることです。商品を注文したときに、自分の方が先だったのに後の人を優先されたら、少し嫌な気持ちになる人は多いことでしょう。この感覚と同じなので、仕事を依頼したらすぐに取りかかってください。日程を逆算できる人
仕事を任される人の特徴として、「依頼した人を安心させられるかどうか」があります。仕事は進んでいるかどうかよく分からない人よりも、進捗状況が分かる人に頼みたいものです。そのために効果的なのは、逆算した日程を共有すること。前項で仕事のゴールを確認していることと思いますから、そこから取り組むべき業務を割り出せば、相手にも状況が伝えられます。逆算できるだけで相手の評価が良くなる可能性もありますから、仕事で活用してください。積極的に相談する人
仕事において報連相が大事だということは、昔から変わりません。仕事を任せられた人に報連相をすることは当然ですが、注意するのはその方法です。相手から進捗状況を尋ねられたときに、慌てながら説明をするのは良くない例。聞く時点で既に「遅い」と思われているからです。自分で簡単にできると思えるような業務でも、積極的に相談しにいく姿勢の方が好まれます。何も連絡がないと不安になりますが、相談を受けると頼られていると感じるので、嬉しくなるわけです。明らかに相手が忙しい時間に連絡しにいくのはNGですが、頃合いを見計らって少しだけ時間が欲しい、と声をかけるのがいいでしょう。仕事ができる人の言葉の使い方
極端な言葉を使わない
相手によく伝えたいとの気持ちから、「ちゃんと」や「ありえない」など極端な言葉を使いがちになる人は多いです。極端な言葉で叱られると反発したい気持ちになるので、逆効果になります。相手によく伝えたい場合は、日常的に極端な言葉を使っていないか確認してください。目上の人に自分の意見を伝えたい場合
上司のように目上の人へ自分の意見を伝えたい場合は、はじめに相手の意見を尊重してください。最初から否定的な言葉で話し始めると、悪い印象になるからです。友人や職場の人の中に何でも否定から入る人がいて、嫌な気持ちになった人も多いのではないでしょうか。とくに「お言葉ですが」と言ってしまうと、相手に生意気な印象を与えかねません。相手の話を肯定することによって、話を聞こうとしている姿勢を伝えられます。修正を依頼したい場合
相手に依頼した仕事が戻ってきたので確認してみたら、ほとんどが依頼内容と違っていて使えない例も稀にあります。時間に追われているのに単純なミスをされると頭に血が上りそうですが、一呼吸おいておだやかな言葉遣いをしてください。「やり直してくれ」と伝えるのではなく、「依頼内容をもう一度確認してもらえないか」と柔らかく伝えます。おだやかな言葉遣いを心がけることで、時間がないときにお互いがイライラすることを防げるわけです。電話の対応であいまいな表現をしない
電話の対応であいまいな表現をしないようにします。あいまいな表現を使うことによって、電話の相手を不安にさせるからです。大事な内容を話しているときに「多分」や「だと思います」を多用されると、会社の対応に疑問を持ちます。返答に自身がないなら、上司や担当者に確認します。上司や担当者が不在の場合は、いつまでにどのような対応ができるのか電話の相手に伝えましょう。働きやすい職場を探す目安になる取り組み
働きやすい職場を探すときに、目安になる取り組みがあります。それは「健康経営優良法人」制度です。健康経営優良法人制度とは、優良な健康経営を行う会社を顕彰する制度であり、認定要件があります。そのため自分が働きやすいと思う条件と認定要件を照らし合わせたり、会社が公開している情報を確認したりすれば、ある程度の目安がつけられるわけです。以下に経済産業省が発表している健康経営優良法人2021の認定要件を紹介します。
当コラムでは健康経営について情報発信をしています。以下では「女性特有の健康課題や労働問題と会社がどう向き合っていくのか」ということがテーマとなっているので、合わせてご覧ください。
本制度のような取り組みがあることをあらかじめ知っている場合と知らない場合では、転職・就職で職場を探すさいにも行動が変わることと思います。おすすめコラム
女性社員と向き合って健康経営を進めていく
まとめ
女性が活躍できる働き方について考えてきました。性差をなくすことは不可能なので、根本的に全て変えることは難しいと思います。しかし課題は多いものの、少しずつ変化しているのは事実です。働き方改革や女性の活躍の流れに乗って新しい提案をすれば、社風が変わるきっかけになるかもしれません。
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