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  • 2021.02.25 (最終更新日:2022.04.06)

テレワークしたいのにできない理由|テレワークに向いている人は?

目次

テレワークとは何か

テレワーク リモートワーク テレワークとは何か?その定義や、リモートワークとの違いを今一度確認しましょう。

テレワークとは

テレワークとは、「離れた所」との意味があるteleと「仕事」のWorkを組み合わせた造語。情報通信技術を用いて時間や場所を有効に使える臨機応変な働き方のことを言います。テレワークといえば在宅勤務をイメージする人も多いことでしょう。しかしサテライトオフィスで働いたりモバイルワークをしたりすることも、テレワークに含まれます。モバイルワークとは、出張先や車内、カフェなどで就業することです。

在宅勤務と言われると、出社を一切しない就業形態をイメージします。ところが1週間に1回から2回程度の頻度で在宅勤務を導入しているのが、日本での在宅勤務でよくある形なのです。在宅勤務と出社勤務の中間的な位置づけなのが、サテライトオフィス勤務。これは本社や支社から離れた場所にあるオフィスに勤務する働き方のことです。通勤の負担を軽くするために郊外にサテライトオフィスを設置する「郊外型」や、地方で新しい雇用を生み出すことを目的とする「地方型」があります。

テレワークとリモートワークの違いとは

結論から申し上げますと、「テレワーク」「リモートワーク」両方の言葉に違いはないと言えます。英語でテレワーカーやリモートワーカーというと、オフィスで働かない人のことを指し、どちらも同じ意味なのです。

とはいえ、一部では細かい定義があるのでどのような意味なのか見てみましょう。

テレワーク・・情報通信技術を用いて時間や場所を有効に使える臨機応変な働き方のこと。在宅勤務やモバイルワークなど、特定の働き方を指す。

リモートワーク・・リモートとは遠隔という意味。リモートワークは、離れた場所で働くこと自体を指す。リモートという言葉は、別の言葉と組み合わせて使うのが一般的である。

このように細かく見ていけば違いはあるものの、2つの言葉の違いをそこまで意識して使っている人も少ないことと思います。テレワークとリモートワークは同じ意味だと考えていいでしょう。

社員目線でのテレワークのメリット・デメリット

テレワーク リモートワーク 企業目線でテレワークを導入するメリット・デメリットについては、よく注目されています。意外と忘れがちなのが、社員目線でのテレワークのメリット・デメリットです。

社員目線でのテレワークのメリット

・家庭の事情と両立しやすいこと
・満員電車に揺られるストレスが減ること

まず、介護や育児など家庭との両立をしやすいことが挙げられます。「働きたいのに、子どもが小さいから育児との両立が難しい」「家族の介護をしていて、毎日出勤するのは難しい」など、さまざまな事情がありますよね。週に3日ほどテレワークができれば、子どもを保育園へ預けた後に家で仕事ができます。

介護では、遠方に住んでいる家族の病院の送り迎えがあるとしましょう。実家が遠方にあったとしても、実家へ行く前後の日を在宅勤務にすることによって「明日また満員電車に乗って出社しなければいけない」というストレスが減ります。テレワークができるから今の職場を退職しなくても良いと思えることによって、気持ちに余裕も出て来るのです。退職を選択しなくて良いことは、社員だけではなく企業側のメリットでもありますよ。

テレワークのメリットは育児や介護だけに留まりません。毎日満員電車に揺られる通勤時間が少なくなることで、通勤によるストレスを減らせるのです。ある研究では、通勤時間が長ければ幸福度が下がる、とまで言われています。満員電車に乗る時間がどれだけストレスを抱えるのか、この情報からも分かりますよね。

社員目線でのテレワークのデメリット

・テレワークによって仕事の効率が下がる人がいる
・社員によって不公平感がある

テレワークが向いていて、仕事の効率が上がる人ばかりではありません。自宅にはゲームやテレビなど気が散る要素がたくさんあるので、集中して仕事を続けられない人もいるのです。また、テレワークで使用するチャットツールでは対面の時より気軽に質問がしやすくなります。上司へ取るに足らないことをすぐに質問するようになり、コミュニケーションコストが増えてしまうこともあるのです。コミュニケーション活性化を重視しすぎた結果、無駄な会議がたくさん増えて仕事がほとんど進んでいない、ということもあります。

テレワークは、社内の全員ができるわけではありません。テレワークができない人もいるので、社員によって不公平感が出てしまうこともデメリットです。オフィスで働く人の中には、テレワークの人は家できちんと仕事をしているのか疑う人もいます。テレワークする人が増えたことにより、オフィスで働く人は電話応対が増えたことに対して不満を持つのです。そのうえ、テレワークしている人が電話に出なければ「本当に働いているのか?」とますます疑ってしまうでしょう。

テレワークで働いている人は、最新の情報が共有できないことに不満を持ちます。オフィスで働いている人たちのチームに入れていないように感じてしまい、疎外感を覚えることもあるのです。どちらの働き方をしても、全員が同じ働き方でない限り不満は生まれるものなのですね。

テレワークをしたいと思う人は多いのにできない理由とは

サラリーマン 悩み

テレワークしたい人のほとんどができていない現状

とある会社の調査によると、テレワークをしたいと思う、もしくはどちらかといえばしたいと思う、と答えた人は全体のおよそ73%に上ります。ところが、テレワークを実際に経験した人は全体のおよそ12%程度です。なぜ、こんなにもテレワークに需要と供給のミスマッチがあるのか確認してみましょう。

外部リンク
参照:MONEYzine テレワークに関する記事より

理由1・帰属意識の強さがあるから

会社への帰属意識の強さが、テレワークが普及しない原因の1つと言えます。本来日本の労働者は、自分の所属している環境を重視する人が多いです。出社するのが大事という価値観の人は、在宅で仕事することに対してイメージが湧きません。チームワークで仕事をすることを得意とする日本人は、1人で仕事をする環境に困惑してしまいます。チームの繋がりがないと心配になる国民性が、テレワークの普及を阻んでいると言えるでしょう。

会社への帰属意識が強いことの原因には、仕事に対する自信が持てないことも挙げられます。テレワークをすることによって出社する場所がなくなることは、自信がなくなることとイコールだと考える人が多いのです。とはいうものの、現在少しずつ個人が認められつつあります。同調圧力があるので少数派の人間が意見を言いにくい風潮もあり、本来の力が出せないことも多いです。テレワークの導入によって個人の力が出しやすい環境になり、会社の生産性が向上することも期待できます。

理由2・セキュリティへの対策に不安があるから

セキュリティ対策に対して不安があるというのも、テレワークが普及しない理由の1つです。テレワークで働く社員を管理しきれないことが原因となり、外部からの不正アクセスや情報漏洩に対応できなくなることも考えられます。テレワークに対して拒否感のない会社でも、セキュリティ対策が不安なため導入しにくいこともあるのです。

理由3・テレワークできる環境が少ないから

日本にはもともとテレワークを導入できる職種が少ないことも、理由の1つ。中小企業では情報のやり取りでいまだにアナログな方法が多いなど、大手の企業と比較してもデジタル化や効率化が遅れている傾向にあります。書類を用いたデスクワークが主流なので、テレワークをしにくいのが原因です。

対面で「報連相」を行うことを大切にしているので、チャットツールやメールなど文面でやり取りが完結することに困惑してしまう特徴もあります。空気を読むことに長けている日本人は、顔の見えないオンラインでのやり取りに不安を覚えやすいのです。

理由4・プライベートと分けにくいから

出社しないことによって、プライベートと仕事を分けにくいことが挙げられます。出社していたころは、多くの人にとって自宅はくつろぐ空間でしたよね。帰宅して家の玄関で靴を脱いだ途端に、リラックスモードになる人もいるのではないでしょうか。テレワークに切り替えたからと言って、すぐに仕事のスイッチが入る人もいれば、そうではない人もいるのです。

また、自宅で持ち帰りの仕事をしているような感覚になり、家でリラックスしにくくなってしまう例もあります。それだけではなく、オフィスで働いている社員に対して罪悪感を覚える人がいたり成果を求めるあまりに根を詰めすぎてしまう人がいたりするのです。

テレワークにはどんな人が向いているのか

テレワーク 先ほど、テレワークは全ての人に向いているわけではないと少し触れました。では、具体的にどのような人がテレワークに向いているのでしょうか?

自己管理を徹底できる人

テレワークに向いている人としてまず挙がるのが、自己管理を徹底できる人だということです。時間が決まっていなければ集中できない人や、誰かに見られていないと丁寧に作業できない人はテレワークに向いていないと言えます。テレワークでは、成果のみが仕事をしているかどうかの判断材料になると言っても過言ではないのです。

先輩や上司に仕事ぶりを見られるわけではありませんから、サボっていたとしても誰にも注意をされません。オフィスに出社していれば、仕事をするために出社したことが明らかに分かります。テレワークの場合は、仕事を開始するという連絡をツール上で行うだけなので、実際に仕事しているかどうかは見えないのです。

すぐに結果を求めない人

テレワークをしていると、オフィスに出社してチームで働いているときよりも成長していることをイメージしにくいのが現状です。なぜなら、ほかの人から承認されたり成果を褒められたりする機会が減るからですね。そのためすぐに結果を求めるのではなく、成長に関して長い目で見られるかどうかがポイントとなります。普段からすぐに結果を求める人や、そもそも仕事に対して成長を求める意思がない人は、テレワークに向いていないと言えるのです。

文章でのコミュニケーションを円滑に進められる人

お伝えした通りテレワークの問題としてよく挙がるのは、対面でコミュニケーションを取る機会が少なくなることです。チャットツールを上手に使いこなせない人は、仕事を進めていく中で分からないことが出てきても相談せずに仕事を進めてしまいます。その結果、後で間違いだったことに気づくのです。

テレワークに必要なのは、簡潔な文章で自分の相談したいことを伝えるスキル。テレワークを導入する前から、文章でのコミュニケーションに慣れるのがおすすめです。チャットツールでも対面でもスムーズにやり取りが行えるのならば、テレワークでも快適に仕事が進められますよ。

テレワークするにはどうしたらいいのか

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テレワークできる職種に転職する

現場仕事などテレワーク導入が難しい職種の人は、テレワークできる職種に転職する方法があります。テレワークできる職種としてまず挙がるのは、事務です。他の社員とペアで仕事をする例もほとんどないので、事務はテレワークに適していると言えます。ワードやエクセルにデータ入力をする仕事は、入力するデータさえあればどこでも仕事が可能です。パワーポイントが使えれば、会議の資料や指示書の作成もできます。事務のデメリットは仕事の成果が分かりにくいこと。仕事の成果が分かりにくく評価されないことに不満を持ち、事務の仕事が合わない人もいるのです。リモート会議を定期的に行って、顔合わせすることが大切になるでしょう。

1人でする仕事がメインとなるシステムエンジニアも、テレワーク向きです。クライアントの要望をヒアリングするために打ち合わせも必要ですが、基本はパソコンに向かって黙々と作業をしています。ITCツールで仕組みが整っていれば、チームで行うプロジェクトでもテレワークが可能。プロジェクトの立ち上げにより仕事の成果が分かるので、人事評価がしやすいのも魅力の1つです。

求人票でテレワークできる仕事を探す

今までテレワークできる仕事を探した経験がないので、探すコツを知らない人も多いのではないでしょうか?テレワークを募集している企業を、求人サイトやハローワークなどを使って探します。正社員を探している場合は、言葉の違いに注意が必要。在宅ワークという言葉は、主に自営業やフリーランスのことを指します。対して在宅勤務という言葉は、家で働く勤務形態のことです。そのため、正社員でテレワークの仕事を探したいときは、在宅勤務という言葉で探してください。

テレワーク導入状況も忘れず確認する

求人票でテレワークができることを謳っていても、実際にテレワークをしている社員は少ない可能性もあります。そのため、テレワークの導入状況も忘れずに確認しておくのがおすすめです。総務省にあるテレワーク情報サイトにて、テレワークの導入状況が確認可能。「テレワーク活用事例のご紹介」から、業種や企業規模などで企業を探してください。気になる企業が見つかったら、PDFファイルを開きます。企業ごとに社員数やテレワークの実施者数、導入による効果などが確認できますよ。

外部リンク
テレワーク情報サイト


また、東京エリアでしたら以下のサイトで探すのもおすすめです。

外部リンク
東京テレワーク増進センター

自由な働き方をするために知っておくと良い制度

オフィス 明るい テレワークのように、「今までとは違った新しい働き方をしたい。」と考えたときに知っておくといい制度があります。それは健康経営優良法人の認定制度。健康経営に取り組む企業の中には、ワークライフバランス実現に向けて新しい働き方を導入している企業があります。その中には、テレワークやフレックスタイムなどを導入している企業もあるのです。

健康経営優良法人に認定されるためには認定項目を満たす必要があります。そのため健康経営を行っているように見せかけて実はそうではないという企業は、認定されにくいと言えるのです。
当コラムでは、健康経営について情報発信を行っています。以下のコラムも、合わせてご覧ください。

おすすめコラム
個人のワークライフバランスは企業が考える時代に。そしてその方法とは?

まとめ

テレワークが普及しない理由や、向いている人、テレワークの企業の探し方などを紹介しました。
  • セキュリティや社員の管理など、テレワークが普及しない理由は1つではない
  • 多くの人がテレワークを希望する一方で、実現できた人は少ない
  • 自己管理ができる人や、文章でコミュニケーションが取れる人が向いている
  • テレワークできる職種を知ろう
  • テレワークの情報を集めたサイトがあるので、導入状況を参考にしよう
日本でテレワークなどの新しい働き方をするのは難しいですが、環境を変えようとしている企業が出てきているのも事実です。「どうせ、自分にはテレワークはできない。」とあきらめる前に、テレワークできる仕事を探してみませんか。今の環境を変える一歩に繋がるかもしれませんよ。
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