- 就職/転職
- 2024.02.22 (最終更新日:2024.02.29)
仕事を辞めるのは逃げなのか?退職してもよいケース・失敗しない仕事探しの方法を解説
- 目次
仕事を辞めることについて、多くの人が「逃げ」というレッテルを恐れています。しかし、退職は必ずしも逃げであるとは限りません。自分のキャリアや人生を考えると、退職が最善の選択である場合もあります。
この記事では、仕事を辞めるのが逃げでないケースや失敗しない仕事探しの方法について解説します。
仕事を辞めるのは逃げとは限らない
仕事を辞めることは「逃げ」というネガティブな印象を持たれがちです。
2022年に実施されたJob総研の調査によると、退職経験者の45.3%が「嘘の退職理由を伝えた」と回答しています。この調査からも分かるように、退職者の半数近くが「本当の退職理由を上司に伝えづらい」と考えているのです。
参考:Job総研「2022年 退職に関する実態調査」実施報告
しかし、仕事を辞めるのは逃げとは限りません。退職は、ときに自己成長や健康のための必要な一歩となるからです。
自信の状況を冷静に分析し、退職が最善の選択であるかを見極めましょう。
仕事を辞めるのが逃げにならない5つのケース
「仕事を辞めて逃げ出したい」と考える原因はさまざまです。ここからは、退職しても「逃げ」にならないケースを5つ紹介します。
以下で紹介するケースに当てはまる場合は、仕事を辞めるのが最もよい選択だといえるでしょう。
ケース1.精神的に追い詰められている
職場での過度なストレスやハラスメントが原因で精神的に追い詰められている場合、健康を守るためにも、仕事を辞めたほうがよいでしょう。近年ハラスメントは問題視されつつありますが、まったく起きないとはかぎりません。厚生労働省の「令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間にハラスメントを受けた者の割合は56.6%です。その内訳として、パワーハラスメントは31.4%、カスタマーハラスメントが15.0%、セクシャルハラスメントが10.2%となっています。
参考:厚生労働省 令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査
自分の心と体を守ることは決して「逃げ」ではなく、合理的な行動といえるでしょう。
なお、上司との関係性でお悩みの方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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ケース2.辞めたい原因が自分で解決できない
職場環境や人間関係など、自力では解決できない問題が原因で退職する場合もあります。厚生労働省の「令和4年度雇用動向調査結果の概況」によると、転職者の退職理由で多かったのは「労働時間・休日などの条件」や「好ましくない人間関係」でした。参考:厚生労働省 令和4年度雇用動向調査結果の概況
また、職場環境や人間関係などの問題は、上司や先輩に相談しても改善しないケースも少なくありません。自分より知識や経験が豊富な人を頼っても解決しない場合は、環境を変えたほうがよいでしょう。
「自分では問題が解決できない」と判断した場合、環境を変えるのは逃げではありません。
ケース3.会社の経営状況に危機感がある
会社の経営状況が不安定で将来性に疑問を感じる場合、転職を考えるのは賢明な判断です。 「令和4年度雇用動向調査結果の概況」によると、会社の将来が不安になって退職した人の割合は7.1%で、3番目に多いことが判明しました。「会社が倒産する予兆」として挙げられるのは、以下の4つです。
- 役員が退職する
- 経理担当者が退職する
- 上司が頻繁に離席している
- 経費が大幅に削減される
ケース4.今の仕事が向いていない
自分に合った仕事を見つけるのは、自己実現のために必要なことです。「令和4年度雇用動向調査結果の概況」でも、自分の能力・個性が活かせなかったり、仕事内容に興味が持てなかったりして退職した人が一定数います。向いていない仕事に就くと、結果が出なかったり、周囲から目で見られたりするため、職場での居心地も悪いでしょう。「自分の興味・スキルが今の仕事と合っていない」と感じる場合は、キャリアの見直しを視野に入れてください。
ケース5.ほかにやりたい仕事がある
「こんな仕事をしたい」「○○になりたい」といった強い願望がある場合、退職は決して逃げではありません。自分の目標に向かって進むことは、人生を豊かにするからです。また、職業によっては年齢制限を設けている場合もあります。例えば、公務員試験の年齢上限は「30歳」と定められているケースが多いでしょう。年齢制限がなくても、できるだけ体力があるうちに挑戦したほうが、目標を実現しやすいです。
仕事を辞めると逃げだと思われる状況3つ
- 上司に怒られたとき
- 仕事のミスを隠したいとき
- 短期間で退職・転職を繰り返しているとき
1.上司に怒られたとき
上司に怒られたのを理由に退職すると、残された社員から「逃げ」だと思われるかもしれません。ただし、パワーハラスメントに該当するような理不尽な叱責を受けた場合、この限りではありません。明確な理由もなく周りの声や自分の一時的な感情に流されるままに決断すると、後悔するケースが多いです。まずは今の職場で「自分が頑張れること」を探しましょう。問題や課題を乗り越えると、より成長できる可能性があります。
2.仕事のミスを隠したいとき
自分のミスを隠すために退職を選ぶのは「逃げ」と思われる可能性が高いです。理由として、ミスを隠して責任から逃れようとする行為は「不誠実」とみなされ、残された社員からの印象も悪いからです。人間である以上、多少のミスは付き物です。特に新入社員や入社2〜3年目の場合は、自分一人では処理できない業務も多く、失敗の数も多くなるでしょう。
自分のミスは素直に認め、二度と同じミスを繰り返さないよう改善するのが大切です。
3.短期間で退職・転職を繰り返しているとき
短期間での退職・転職を繰り返すと「逃げ」とみなされやすいです。転職を繰り返す理由はさまざまですが、なかには「とにかく現職での不満を解消したい」と考え、退職する人もいるでしょう。この場合、転職先でも同じパターンを繰り返す可能性があります。ただし、うつ病や適応障害などの精神疾患がある場合は遠慮せずに休職または退職し、療養に専念しましょう。
仕事を辞めて逃げ出したいときの対処法3つ
仕事を辞めて逃げ出したいときは、以下の対処法を試してください。
- 辞めたときのデメリットを考える
- 退職したい理由を考える
- 今の職場での目標を設定する
対処法1.辞めたときのデメリットを考える
短期転職をすると転職活動で不利になったり、失業保険が受け取れなかったりするリスクがあります。特に失業保険に関しては、自己都合退職すると2ヵ月の給付制限が課されたり、最悪の場合、失業保険をもらえなかったりします。なお、自己都合退職で失業保険を受け取るには、同じ会社に1年以上勤務しなければなりません。
退職には、失業期間中の不安や経済的な問題などのデメリットもあります。即断即決せず「本当に退職してよいのか」をじっくり考えましょう。
対処法2.退職したい理由を考える
「退職したい」と感じる本当の理由を深く掘り下げて考えることで、問題の本質に気づくことがあります。原因が明確になれば、もしかすると適切な解決策が見つかるかもしれません。問題が自分一人で解決できなさそうな場合、上司や先輩、同僚などに相談すると解決する場合もあります。ほかの人の力を借りても解決できなさそうなら、改めて退職を考えましょう。
対処法3.今の職場での目標を設定する
今の職場で新たな目標を設定すると、モチベーションが回復する場合もあります。特に入社したてのころは、小さな成功体験の積み重ねが大切です。例えば、資格取得や未経験の業務に挑戦するとモチベーションが高まるでしょう。「そこまで大きな目標を達成できる自信がない」という人は「今日中にこのタスクを終わらせる」などの小さな目標から始めるのをおすすめします。
もし目標が達成できず、最終的に退職したとしても「目標達成に向けて努力できる」と、転職活動でアピールできるでしょう。
逃げなくてよい仕事を探す方法4選
先述したとおり、仕事を辞めるのは「逃げ」とは限りません。しかし、可能であれば「逃げ出さなくてもよい職場」に勤務するのがベストです。
適職や理想の職場は人によって異なります。逃げ出さなくてもよい職場を見つけるためには、次に紹介する4つの方法をお試しください。
自分の得意・不得意を分析する
仕事を逃げ出さないために重要なのは「自分ができない・不得意なことを探す」ことです。 苦手分野がわかっていないと、ミスマッチを繰り返す恐れがあります。また、自分の好きなことや、やってみたいことが必ずしも「得意」とは限りません。自己分析では、今の仕事内容やこれまでの人生を振り返り「うまくいったこと」や「失敗したこと」を洗い出しましょう。自分の得意・不得意を見つけると、適職をみつけ、仕事のミスマッチを減らせます。
希望条件を明確にする
新しい仕事を探す際には、給与や勤務地、労働時間など、希望条件を明確にしましょう。希望条件を定めると、自分の理想とする職場を絞り込めるからです。希望条件を紙に書き出してみると、客観的に判断できます。仕事を選ぶうえで、何を重視するかは人によって異なります。収入や福利厚生のみならず、自分が最も優先したい条件を満たしているかチェックしましょう。
転職エージェントに相談する
転職エージェントは、求職者の希望条件に合う仕事を紹介したり、応募書類の添削や面接対策、日程調整を行ったりと、転職活動のサポートを無料で提供してくれます。また、転職エージェントに相談すると、自分では気づかない適職やニーズを見つけられます。転職のプロである「キャリアアドバイザー」が、求職者の経歴やキャリアの悩みを聞いたうえで、どのような仕事が向いているかを一緒に考えてくれるからです。
キャリアアドバイザーが全面的に転職のサポートを行ってくれるため、転職に対する不安や悩みを抱えている人でも安心して転職活動に取り組めるでしょう。
健康経営に取り組む企業を探す
健康経営に取り組む企業は、働きやすい環境が整っている職場が多いです。健康経営とは「従業員の心身の健康に配慮した取り組みを行い、生産性や業績アップを図る経営」を指します。従業員の健康を考え、残業時間が短く、休みを取りやすい企業も多いでしょう。健康経営に取り組む企業のなかでも、特に優れた取り組みを行っている企業は「健康経営優良法人」に認定されています。また、経済産業省が定めた5つの基準を満たし、かつ上位500位以内の企業には「ホワイト500」や「ブライト500」が贈られます。これらの認定は、求人票をみるときの一つの指標となりえるでしょう。
参考:経済産業省 健康経営優良法人認定制度
健康経営に取り組む企業に入社すると、理想的な働き方を実現し、長く勤務できるかもしれません。
仕事を辞めるのが「逃げ」とは限らない
仕事を辞めることが必ずしも「逃げ」であるとは限りません。自分の人生をより良くするための選択として、退職を考えるのも大切です。
仕事から逃げ出したくなったときは自分の状況を分析し、最もよい選択は何か考えましょう。もしかすると、退職以外の道もあるかもしれません。
自分にとって「逃げ」ではなく「進む」ための一歩を踏み出しましょう。
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