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  • 2024.01.23 (最終更新日:2024.01.31)

三菱UFJ銀行の年収はどれくらい?競合との比較や年代別の平均、人事制度なども解説

現金と計算機
目次

三菱UFJ銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループの中核を担う都市銀行です。金融業界の中でも取引先に占める上場企業の数が群を抜いて高く、2023年の東京都内のメインバンク調査(東京商工リサーチ)では三菱UFJ銀行が23.2%で首位を獲得しています。金融業界への就職を目指している方にとって、三菱UFJ銀行でどの程度の年収がもらえるのか気になるでしょう。

この記事では、三菱UFJ銀行の平均年収や、競合他社との比較結果などを解説していきます。

三菱UFJ銀行の平均年収は785万円

給料の封筒と札束、電卓 2022年度有価証券報告書によると、三菱UFJ銀行の従業員平均年齢は39.4歳、平均年収は784.6万円でした。一般職にあたるBS職(ビジネス・スペシャリスト職)も含めた平均年収、総合職に限ればさらに高いことが推測されます。実際、openworkに社員や元社員から寄せられたデータによると、総合職は194人の回答で平均年収808万円、一般職は58人の回答で413万円でした。

(参考:三菱UFJ銀行 有価証券報告書

(参考:openwork

三菱UFJ銀行の平均年収の内訳|賞与や手取りはいくら?

会社員の手取り額は基本給、残業代、年2回の賞与で構成され、額面から社会保険料、所得税、住民税などを差し引いた金額となります。所得税率や保険料率、扶養家族の有無などによって変動するため正確な額を計算するのは難しいものの、一般的には額面の約75〜80%の金額が手取り額です。

三菱UFJ銀行の平均年収をもとにおおよその手取り額を算出すると、784.6万円の75〜80%で年間588万〜628万円、ひと月あたり49万〜52万円となることが予想されます。

三菱UFJ銀行の職種別の平均年収

給与明細と1万札

職種別の平均年収は三菱UFJ銀行独自には公表していないため、転職口コミサイトなどを参考におおまかな数値をまとめてご紹介します。

エン・ジャパンが運営する企業口コミサービス「ライトハウス」に現役社員や元社員から寄せられた情報によると、職種別の予想年収は以下の通りです。


  • 営業系:784万円(平均年齢 35.3歳)
  • 企画・事務・管理系:745万円(平均年齢37.5歳)
  • 専門職系:853 万円(平均年齢41.6歳)

全体的に社内コンサルタントやディーラー、トレーダー、データアナリストなど専門職の年収が高い傾向にあるようです。また、三菱UFJ銀行に限らず金融業界では近年フィンテックの活用に向けてデジタル人材の育成や獲得に力を入れているため、データエンジニアやITアーキテクト、SEなどIT関連の職種も今後高年収が期待できるでしょう。

三菱UFJ銀行の年代別の平均年収

電卓と書類に向き合う男性サラリーマン

続いて三菱UFJ銀行の年代別の平均年収を転職口コミサイトの投稿などをもとにご紹介します。以下はエン・ジャパン「ライトハウス」のデータを参考にした年代別の平均年収と最高年収です。

  • 25〜29歳 平均年収517万円(最高年収1000万円)
  • 30〜34歳 平均年収698万円(最高年収1200万円)
  • 35〜39歳 平均年収764万円(最高年収1600万円)
  • 40〜44歳 平均年収782万円(最高年収1500万円)
  • 45〜49歳 平均年収1053万円(最高年収2000万円)
  • 50〜54歳 平均年収1257万円(最高年収2200万円)
  • 55〜59歳 平均年収1182万円(最高年収2000万円)
(参考:エン・ジャパン ライトハウス

総合職はポジショングレードと呼ばれる職務ごとに昇給する仕組みで、毎年少しずつ昇給はするものの、入社6年目くらいまでは総合職でも一般的な新卒社員の年収と同程度のようです。最初の昇格のタイミングとなる7年目で昇格できれば大幅に年収が上がるとの声が目立ちました。残業の多さにもよりますが30歳で800〜1000万円となり、本部であれば調査役、支店であれば支店長代理などの役職に就く人もいるようです。
(参考:openwork

三菱UFJ銀行の年収は競合他社と比べて高い?低い?

年収格差のイメージ 厚生労働省が運営する職業情報提供サイトのデータによると銀行員の年収は全国平均で607.1万円ですので、業界全体でみると784.6万円の三菱UFJ銀行はそれよりも180万円以上高い水準です。

ただし、銀行員の年収は地域差が大きく、首都圏を中心に拠点を展開している銀行ほど年収も高くなる傾向にあります。三菱UFJ銀行の平均年収は、競合の都市銀行と比べてどうなのでしょうか?SalesNowが2023年11月に発表した「金融業界平均年収ランキングTOP10」のデータをみてみましょう。
  • 1位:三菱UFJ信託銀行 892.4万円
  • 2位:日本政策金融公庫 846.6万円
  • 3位:三井住友銀行 842.8万円
  • 4位:みずほ銀行 793.2万円
  • 5位:三菱UFJ銀行 784.6万円
  • 6位:商工組合中央金庫 784.5 万円
  • 7位:静岡銀行 753.3万円
  • 8位:千葉銀行 750.9万円
  • 9位:福岡銀行 723.5万円
  • 10位:三井住友信託銀行 715.8万円
同ランキングによると競合の三井住友銀行は3位、みずほ銀行が4位、三菱UFJ銀行は5位という結果でした。三菱UFJ銀行は国内最大級となる三菱フィナンシャルグループ傘下の銀行で、グループ全体では業界1位の売上高を誇るものの、銀行単体での平均収入は意外にもメガバンク3社の中で最下位となっています。
(参考:SalesNow 金融業界平均年収ランキングTOP10

三菱UFJ銀行の人事評価制度

人事評価のイメージと1万円札 三菱UFJ銀行の人事評価制度について解説します。

人事制度

三菱UFJ銀行では近年ジェネラリストの育成からプロフェッショナル人材の育成に舵を切っているのが特徴です。2024年度〜2025年度にかけて人事制度を刷新することを発表しており、職務内容に応じて評価を決めるジョブ型制度の導入が決まっています。

また、25年春からは総合職や一般職といった採用コースの垣根を撤廃してプロフェッショナル職に一本化し、幅広い進路や勤務地の選択を可能にすることを目指しています。

評価制度

給与改定は年に一度で、自ら設定した目標の達成度と上司による期末評価による評定が実施されます。基本的な給与水準は部署や支店での職責によりますが、公募によって自分の現在よりも高い職責を目指すことが推奨されているようです。

また、これまでは7年目頃に最初の昇格のタイミングを迎えていましたが、近年の制度改定によって4年目後期から昇格試験の受験ができる仕組みに変わりました。なお昇格には上司の推薦と社内試験に合格する必要があります。役職者の評価はこれまで業績の影響が強かったものの、現在では単に業績を上げるだけでなく後進育成や他部署との協力姿勢なども評価されます。

さらに、役職がつくと同じ職場からランダムに選ばれた部下や同僚からの評価を受ける360度評価の対象となるのも特徴です。これはハラスメントの早期発見などを意図しており、口コミでは上司から部下への一方的な評価ではない公平性を支持する声が聞かれました。
(参考:openwork

三菱UFJ銀行の福利厚生

福利厚生のイメージ 福利厚生は就職する企業を選ぶ上で重要な指標となります。ここでは、三菱UFJ銀行の特徴的な福利厚生制度と、代表的な福利厚生制度を一覧でご紹介します。

連続休暇制度

連続5営業日の休暇を年2回取得できる制度

15年休暇制度

勤続15年で1ヶ月間の長期連続休暇を取得できる

配偶者海外転勤等同行休職制度

配偶者の海外転勤等への同行を目的として最長3年間、最短6ヶ月休職できる

主な福利厚生

  • 通勤交通費
  • 昼食費補助
  • 年間休日120日
  • 有給休暇10日
  • 社宅・独身寮
  • 財経貯蓄制度
  • 従業員持株制度
  • 確定給付企業年金制度
  • 確定拠出年金制度
  • 退職一時金制度
  • ベネフィット・ワン
  • 同性パートナーシップ制度

教育

  • 資格取得支援
  • 語学学習支援

職場環境

  • リモートワーク
  • フレックスタイム制度
  • サテライトオフィスの整備
  • ドレスコード撤廃

育児

  • 保活コンシェルジュ
  • ベビーシッターサービス制度
  • 時間内通院・通院休暇
  • 産前・産後休業
  • 出産祝い金・出産一時金
  • 育児休業(男女)
  • 育休明け研修
  • 時短・時差勤務
ライトハウスの口コミでは、「土日は仕事ができない環境になっているためワークライフバランスへの配慮はされている」「最近は育休を取る男性が増えてきた」「カレンダー通りに休みが取りやすい」など特筆すべきほどの制度はないものの一定程度、働きやすさを評価する声が見られました。

一方で「30歳までに結婚を除く自己都合で独身寮を出た人には住宅補助が支給されない」「独身寮の風呂・トイレが共同」「支店勤務ではフレックスタイム制度やリモートワーク制度を使っている人が少ない」など、ネガティブな意見も聞かれました。

福利厚生制度が充実した企業を知りたい場合や、入社を検討している企業が認定されているか確認したい場合は、経済産業省の認定制度「健康経営優良法人」を参考にするのがおすすめです。認定企業は経済産業省のホームページで公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

三菱UFJ銀行の初任給

初任給から昇給していくイメージ 三菱UFJ銀行の初任給は2023年度入社の総合職の大卒で月給205000円、大学院卒で230000円と10年間以上横並びの状況が続いていましたが、2024年度からは総合職の初任給を5万円アップし、大卒は25万5,000円、大学院卒は28万円に引き上げることが2023年春の労使交渉で決定されました。新卒との給与が逆転しないよう、入社済みの若手社員の給与も引き上げられる予定です。

また、同社の新卒社員向けの募集要項によると、ファイナンシャル・テクノロジ−、戦略財務会計、システム・デジタル、ウェルネスマネジメントの分野においては個人の能力次第で初任給以上の給与を支給する場合があるとされています。

三菱UFJ銀行への就職・転職難易度

スーツで就活に望む女子学生 ここからは三菱UFJ銀行の就職難易度をいくつかのランキングをもとに掘り下げていきます。就職難易度が高い企業の特徴のひとつとして難関大学出身者の多さが挙げられるため、まずはダイヤモンドオンラインが発表した三菱UFJ銀行の2022年度「採用大学」ランキングの結果をみていきましょう。
  • 1位:慶應義塾大学 69人
  • 2位:早稲田大学 43人
  • 3位:東京大学 25人
  • 4位:一橋大学 15人
  • 4位:神戸大学 15人
  • 4位:上智大学 15人
  • 7位:名古屋大学 14人
  • 7位:大阪大学 14人
  • 9位:明治大学 13人
  • 9位:同志社大学 13人
以上の通り私立・国立の難関大学が軒を連ねています。
(参考:ダイヤモンドオンライン
また、東洋経済の2022年度版「入社が難しい有名企業ランキング」トップ200社で三菱UFJ銀行は52位にランクイン。金融業界は安定性の高さで知られており、さらに三菱UFJ銀行は業界トップの大手企業であるため、入社のハードルは高いことが予想されます。
(参考:東洋経済「入社が難しい有名企業ランキング」トップ200社

三菱UFJ銀行の業績と金融業界の展望

データ分析のイメージ 年収は個人の実力だけでなく会社の業績や業界全体の動向によっても左右されます。そのため、ここでは三菱UFJ銀行の過去数年の業績推移を紹介するとともに、金融業界の動向や将来性を解説していきます。

三菱UFJ銀行の業績に関していえば、ここ5年間は新型コロナウイルスが大流行した2020〜2021年にかけて落ち込んだものの、それ以降は堅調に推移しています。
  • 2018年度:4兆8,639億8,700万円
  • 2019年度:5兆3,381億8,000万円
  • 2020年度:4兆1,201億6,000万円
  • 2021年度に4兆508億5,800万円
  • 2022年度は6兆6,298億1,900万円
一方、新卒社員の採用数は5年前の1/3程度に減少し、2023年度は300人程度。デジタル技術を積極的に導入して業務の自動化を進めたことで雇用が減少したことなどが主な要因です。反対にデジタル分野の専門人材を確保するため、同社では特定の部署においては2025年度採用枠を拡大することを発表しています。

今後はイノベーションの創出に向けて高度な専門スキルを持った人材を中心に採用していく流れが加速していくでしょう。

【2022年度】三菱UFJ銀行の平均年収は785万円|専門人材は1年目から高年収が狙える

三菱UFJ銀行の2022年度の平均年収は約785万円で、金融業界全体では5位と上位にランクインしていますが、競合のメガバンク3社の中では最下位という結果でした。

今後、三菱UFJ銀行に限らず金融業界ではデジタル技術の活用による業務の自動化や省力化が進み、人間が行ってきた業務をAIが代行することで雇用が縮小していくことが予想されます。

同社ではデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく中で欠かせないIT人材の獲得に注力しているため、大学で高度な専門知識を学んだ人であれば1年目でも平均より大幅に高い年収が期待できるかもしれません。

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