- 就職/転職
- 2019.09.28 (最終更新日:2022.03.26)
働きやすい職場環境とは。働きにくさを作る原因と対策例
働きやすい職場環境は働きがいに直結する
厚生労働省の調査データによると以下のような記載があります。
「働きがい」は「自分の意見や希望が受け入れられる」「自分の仕事の意義や重要性に対して説明がなされる」といった「自己効力感」が充足されるような雇用管理がなされた場合に高まる傾向があり、「働きやすさ」は「自己効力感」に加え、「相談できる体制」や「福利厚生」に関する雇用管理がなされた場合に高まる傾向がみられる
引用元:厚生労働省 働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書
つまり、社員にとってプラスに感じるような雇用管理制度が充実している働きやすい職場環境が、社員の働きやすさと働きがいに直結するということがわかります。それだけ働く環境というものは大事なのです。
働きやすい環境とは
働きやすい環境が私たちの働きがいなどに影響するということがわかったところで、働きやすい環境とは具体的にどのような環境を指すのか見ていきましょう。
(1)人間関係や雰囲気が良好
人間関係や雰囲気が良好だと、安心して業務に取り組むことができます。コミュニケーションを取ることができているので、チームの連携が取れるようになり、効率的に業務をこなすことができるようになります。上司の顔色を伺いながら仕事をする必要がなくなり、のびのびと仕事をすることができます。
(2)ワークライフバランスがとれる
福利厚生が充実しており、休暇もきちんととることができる、短時間勤務で働くことができるというように、ワークライフバランスがとれた働き方ができる職場は働きやすいです。
過労死のリスクを避けることができるだけではなく、メンタルヘルスのケアにつながりますし、多様な働き方を認められることで、豊かな生活を送ることが可能になります。また、出産後に女性が職場に復帰しやすいというメリットもあります。
(3)研修が充実している
自分のレベルや必要なスキルに合った研修を行っている職場は、社員が働きやすいと感じ、意欲が高いです。無理なく仕事のスキルを身に着けることができるので、特にスキルや経験が乏しい若い人は働きやすいと感じることでしょう。
(4)本人の希望を可能な限り尊重して仕事を与える
自分の希望が通らず、思い通りに仕事ができないと、仕事にやりがいを感じることが難しくなります。誰だってやりたくないことよりも、やりたいことをやりたいと思うものです。「やりたいことができるなら今の職場ももっと意欲的に働けるのに」と思う人もいることでしょう。
そのようなことを考えると、本人の希望を可能な限り尊重して仕事を与えられる職場は、働きやすい環境であると言えます。自分がやりたいことができるわけですから、仕事に積極的に取り組むことができます。
働きにくい環境とは
それでは、働きにくい環境とは、どのような環境を指すのでしょうか。今度は先ほどとは逆に、働きにくい環境の特徴をご紹介します。
(1)人間関係に問題がある
働きにくい職場環境は、人間関係に問題があります。同僚の仲が悪く雰囲気が悪いということもありますし、上司が威圧的で独善的である、モラハラやパラハラ、セクハラといったハラスメントが横行しているという場合もあるでしょう。
職場が働きにくいと感じる人は、働きやすいと感じる人に比べて職場の人間関係が理由で転職することが多いです。それだけ職場の人間関係は、働きやすさに大きな影響を及ぼすのです。メンタルヘルスの不調の原因になることも珍しくなく、無視することができない要因であると言えます。
(2)ワークライフバランスに理解がない
会社がワークライフバランスに理解がなく、育休や有給休暇を満足に取ることができない、短時間勤務の社員を軽視される、残業を強いられることがあると、社員は働きにくいと感じます。
仕事そのものに不満がなくても、このような福利厚生が疎かで仕事をすることばかり強制されるような環境は、働きにくい環境であると言えるでしょう。
(3)正当な評価がされない
上司に差別される、女性だということで待遇が悪いというように、自分のことが正当に評価されない職場も、働きにくい環境であると言えます。自分の頑張りを正当に見てもらえないと、誰もがやる気をなくすことでしょう。
自分の頑張りや能力がきちんと評価されない環境は、働きやすい環境とは言い難いです。
働きにくい環境を作る原因
ここでは、働きにくい環境ができてしまう原因を、女性と残業推奨という観点から解説していきます。
女性が働きにくい職場環境
男女平等が謳われる今の時代でも、女性が働きにくい職場環境であることは変わりません。女性の就業率はあまり高くなく、特に管理職の割合が欧米に比べて極端に少ないという現状を考えると、女性がキャリア形成しにくい環境になっていると言えます。
出産後の復帰の仕組みや育休制度が充実していないことで、女性がキャリアアップすることが難しくなっています。また、男は働き女は家庭という古い価値観が根強く、女性の仕事の待遇が悪くなることも、働きにくさの原因となっています。
残業が暗黙で推奨されている職場環境
日本は残業をして長時間働くことを美徳とする悪習があります。例えば、効率的に業務をこなして定時で帰る社員よりも、ダラダラ仕事をして残業をする社員の方が評価されます。
適切に人材を評価することができないため、頑張っているように見える残業する社員のことを評価してしまうわけです。
このような背景があり、ワークライフバランスをとった多様な働き方や、短時間勤務の労働者を認めることができない働きにくい職場環境ができてしまいます。
働きやすい環境を作るための取組例
働きやすい環境を作るために、企業はどのような取り組みをしているのでしょうか。ここでは、実際に働きやすい環境を作る努力をしている企業を二つご紹介します。
・マルハニチロ
マルハニチロは、漁業や水産、畜産といった食を扱うグローバルカンパニーです。従業員のワークライフバランスの実現を目標に掲げており、育休やフレックス、短時間勤務制度だけではなく、育児を行いながら柔軟に働けるようにするための、育児短時間フレックス制度を制定しています。
さらに、細かい等級を定めて研修を行う人材育成を行い、階層別研修、自己啓発通信研修、資格取得奨励制度などを設けることにより、各人が無理なく成長することができるようにフォローしています。
ワークライフバランスに配慮しつつ、社員のスキルアップに取り組むことで、働きやすい環境を作ることができています。
・ヒューリック
ヒューリックは、不動産賃貸事業を行う企業です。ヒューリックは社員のワークライフバランスを推進することを掲げており、事業所内保育所の開設、子育て支援制度を設けています。
子育て支援制度は多岐に渡り、
- 育休
- 短時間勤務
- 時間外労働の免除
- 時差出勤
- ジョブリターン制度
- 各種補助金、援助
- 子ども休暇
- 配偶者出産休暇
など様々な方法での支援を行うことで、出産や育児を行う社員が働きやすい環境を作る取り組みをしています。
まとめ
働きやすい環境とは、人間関係が良好でワークライフバランスがとれ、研修が充実している職場のことを指します。逆に言えばこれらのことができておらず、正当に評価されない職場は働きにくい環境であると言っていいでしょう。
転職をする際は、働きにくい職場に転職しないように気を付けましょう。
転職先は、今回ご紹介した事例のように、社員のワークライフバランスのために積極的に取り組みを行っている企業を選ぶことをおすすめします。自分にとって働きやすい環境はどんな環境なのか、よく考えた上で転職活動をするといいでしょう。
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