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  • 2023.12.26 (最終更新日:2024.01.31)

ホンダの年収はどれくらい?職種別や年代別の平均、賞与や同業他社との比較結果などを解説

青空と緑の芝生をバックに写るホンダ車
目次

ホンダといえば誰もが知る日本の大手自動車・バイクメーカーです。世界的な知名度も高く、毎年の就職人気企業ランキングでも上位にランクインしています。ホンダへの入社を検討する上では、やはり年収が気になってくるでしょう。そこでこの記事では、ホンダの具体的な年収や年齢別・職種別の平均年収、競合他社との比較状況などをご紹介します。

2022年度 ホンダの平均年収は822万円

給与明細と封筒に入った現金給与 ホンダ(本田技研工業株式会社)の有価証券報告書によると、2022年度の平均年間給与は822万1,000円です。この数値は一般職も含めた平均年収であり、総合職に絞ると平均年収はさらに高いことが推測できます。
(参考:本田技研工業株式会社 有価証券報告書

直近10年間との比較では、2012年度の平均年収が721万5,000円だったため、この10年間で100万6,000円増、8%近く上昇していることがわかりました。自動車業界では労働組合による賃上げ要求が活発で業界全体で賃金が上昇傾向にあるため、それに比例した結果といえます。

民間企業の平均年収とも比較してみましょう。国税庁が毎年発表している「民間給与実態統計調査」によると、2022年度の民間企業の平均年収は458万円。ホンダの平均年収はそれよりも約320万円も多い結果となりました。

また、ホンダは上場企業であるため、上場企業の平均年収とも比較してみます。東京商工リサーチの調査によると、上場企業3,235社の2022年度平均年収は620万4,000円です。ホンダの平均年収は大企業が多く集まる上場企業の平均年収よりもさらに160万円多く、非常に高い水準といえます。
(参考:東京商工リサーチ 2022年度 上場企業3,235社「年間給与」調査
(参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

ホンダの平均年収の内訳|賞与や手取りはいくら?

次に年収の内訳をみていきましょう。年収は基本給に諸手当と年2回の賞与で構成されます。諸手当には通勤手当、住宅手当、育児・介護手当、食事補助、リモートワーク手当などが含まれます。賞与は毎年6月と12月に支給され、毎年2月頃から行われる労使の交渉・春闘で支給額が決定する仕組みです。なお2022年度は合計で6ヶ月分、2023年度は6.4ヶ月分の支給実績があります。

また、転職口コミサイトで「基本給はそれほど高くないが、賞与は他社に比べて高い」という意見が見られたため、自動車大手5社の2023年度の年間賞与支給分を比較してみました。各社の春闘での回答内容によると、トヨタが6.7ヶ月分、日産が5.5ヶ月分、スズキが5.8ヶ月分、マツダが5.3ヶ月分という結果となり、実際にホンダは同業他社に比べて賞与が多いことがわかりました。

手取り額については、会社から支給される給与の手取りは税金や各種の保険料が差し引かれて額面の75〜85%になるのが一般的です。2022年度の平均年収822万円を例に試算すると、おおよその手取り額は616万〜699万円程度になることが推測できます。

ホンダの職種別の平均年収【職種別】

続いてはホンダの平均年収を職種別にみていきます。ホンダ独自にはデータを公表していないため、転職口コミサイトなどを参考におおまかな数値を予測してご紹介します。エン・ジャパンが運営する企業情報の口コミサイト「ライトハウスが」現従業員や元従業員からの投稿をもとに調査したデータによると、ホンダの職種別の平均年収は以下の通りです。

  • 営業系(営業、MR、営業企画など):728万円
  • 企画・事務・管理系(経営企画、広報、人事、事務など):707万円
  • IT系エンジニア(アプリ開発、ITコンサルなど):675万円
  • 電気・電子・機械系エンジニア(電子・回路・機械設計など):689万円
高年収を得ているのは営業職や企画職、エンジニアなどの技術職が中心です。中には年収1,000万円以上の人の口コミもありましたが、15〜20年以上在籍し、チーフエンジニアやグループリーダーなど何らかの役職についているケースが目立ちました。
(参考:エン・ジャパン ライトハウス 本田技研工業の年収・給与

ホンダの年代別の平均年収【年代別】

ホンダは各年代の詳細な平均年収を公表していませんが、採用情報ページでは以下の通り月給のモデルケースが紹介されています。
  • 25歳学部卒:27万8,000円
  • 30歳学部卒:35万2,000円
  • 36歳学部卒:41万6,000円
(参考:本田技研工業 待遇・福利厚生
参考として25歳学部卒の月給例27万8,000円から年収を計算すると、年間の基本給が333万6,000円、賞与が6.4ヶ月分で177万9,200円ですので、この時点で合計511万5,200円です。上記の月給例には手当が含まれていないため、実際の年収はもっと高くなるでしょう。次に、上記の月給モデルケースよりも詳細なデータとして、ライトハウスが調査・掲載しているホンダの年代別平均年収からデータを引用してご紹介します。

  • 25〜29歳:509万円(最高年収640万円)
  • 30〜34歳:638万円(最高年収900万円)
  • 35〜39歳:756万円(最高年収1200万円)
  • 40〜44歳:835万円(最高年収1200万円)
  • 45〜49歳:927万円(最高年収1330万円)
  • 55〜59歳:1034万円(最高年収1500万円)
  • 60歳以上:850万円(最高年収1200万円)
※50〜54歳の該当データなし
50代以上になると平均年収が1,000万円を超え、早い人だと30代半ばから1000万円に到達するケースもあるようです。ちなみにdodaが2022年9月から2023年8月までの1年間に約63万人の会社員(正社員)を対象に実施した年収調査によると、年代別の平均年収は以下のようになります。

  • 20代:414万円
  • 30代:447万円
  • 40代:511万円
  • 50代以上:607万円
(参考:doda 平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】

このことから、ホンダの平均年収は全年代で会社員の平均年収を上回ることがわかります。なおライトハウスのデータでは回答者の平均年収が689万円とホンダの有価証券報告書に基づく公式データよりも低い数値で出ています。また、ホンダ公式のデータでは従業員の平均年齢は44.7歳であるのに対し、ライトハウスの回答者の平均年齢は36.5歳です。役職がついて年収が高くなるミドル・シニア層の回答数が少ないと予想されるため、上記はあくまでも参考情報となります。

ホンダの役職別の平均年収【役職別】

ホンダの従業員の給与は毎年のベースアップと、各人の能力評価に基づく等級に応じて上昇していきます。詳しくは後章で解説しますが、同社の採用情報ページによると、役職ごとの年収例は以下の通りです。
  • 一般:569万円〜(月給27万円〜)
  • チームリーダー:715万円〜(月給35万円〜)
  • 係長クラス:847万円〜(月給41万円〜)
  • 管理職:1,198万円〜(月給63万円〜)

「一般」の従業員であっても民間企業の平均年収より遥かに高い水準ではありますが、実力次第で等級が上がり、役職がつけば若い世代でも高年収を狙えるようです。

ホンダの年収は競合他社と比べて高い?低い?

天秤と電卓

ここまで民間企業や上場企業の平均年収との比較結果をみてきましたが、ホンダの年収は競合他社と比べるとどうなのでしょうか?国内自動車メーカー大手8社の2022年度の平均年収と比較してみましょう。平均年収の高い順に掲載し、データはいずれも各社の有価証券報告書から引用です。

  • トヨタ:895万4,285円
  • 日産自動車:850万9,353円
  • いすゞ:777万円
  • 三菱自動車:743万7,000円
  • スズキ:686万4,116円
  • マツダ:658万8,000円
  • SUBARU:658万5,704円
  • 日野自動車654万3,000円

  • ホンダの平均年収は822万1,000円ですので、平均年収での比較では業界3位の位置付けとなり、競合他社の中でも高い水準といえます。なお売上高ランキングでは、トヨタが1位、ホンダが2位、日産が3位、スズキが4位、マツダが5位、スバルが6位、いすゞが7位、三菱が8位、日野が9位です。このことから平均年収はおおむね売上高に比例しているといえます。
    (参考:トヨタ自動車株式会社 2023年3月期 有価証券報告書
    (参考:日産自動車株式会社 2023年3月期 有価証券報告書
    (参考:いすゞ自動車株式会社 有価証券報告書
    (参考:三菱自動車工業株式会社 2022年度 有価証券報告書
    (参考:スズキ株式会社 2023年3月期 有価証券報告書
    (参考:マツダ株式会社 2023年3月期 有価証券報告書
    (参考:株式会社SUBARU 有価証券報告書及び内部統制報告書
    (参考:日野自動車株式会社 有価証券報告書

    ホンダの評価制度

    人事評価をイメージした人形

    元従業員による転職口コミサイトの投稿では「これまでの評価基準は年功序列で年次とともに給料が増える仕組みを採用していたが、近年は実力主義へのシフトが進んでいる」という声が目立ちました。実際にホンダでは高度人材の獲得に向けて賃上げを行う一方、生産性の低い管理職の早期退職を進めている経緯があります。

    新卒の場合は入社5〜8年ほどで昇格の機会があり、上司の評価を得て認定試験を受験、合格することで昇格が認められるようです。昇給は職種ごとに定められた社内資格を取得し、自身よりもひとつ上の職位の業務をこなしていくことで可能となるようです。

    このほか「チャレンジ評価」という従業員の挑戦意欲を高めるための制度を用意しているのも特徴です。結果や実績にかかわらず、自ら高い目標を設定し、その達成に向けて積極的に取り組んだ従業員を評価するホンダの独自制度です。適用者にはチャレンジ加算が賞与に上乗せして支払われます。

    また、従業員の夢ややりたいことを後押しし、モチベーションの喚起を目的とした社内公募制度も設けられています。応募者は書類審査と面接に合格することで自分が希望する部署や業務に就くことが可能です。

    ホンダの福利厚生

    福利厚生

    その会社で快適に働いていけるかどうかには福利厚生も大きく影響してきます。以下にホンダの代表的な福利厚生制度をまとめました。

    住環境

    独身寮、社宅、住宅手当・家賃補助、持家促進制度

    食事環境

    社内食堂、食事補助

    通勤

    通勤手当

    各種保険

    雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険

    その他の福利厚生

    健康管理、厚生制度(財形貯蓄制度、持株会制度など)、社員販売制度、互助会、積立制度

    選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)

    上記で紹介した基本的な福利厚生のほかに、ホンダでは選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)を採用しているのが特徴です。毎年一律で付与されるポイントの範囲内で自分の希望やライフイベントに合った福利厚生メニューを選択できる制度で、例えば以下のようなメニューがあります。

    自己啓発

    書籍購入、資格取得、語学教室、二輪免許取得など

    健康増進

    フィットネスクラブ、健康指導など

    出産・育児

    育児用品の購入・レンタル、ベビーシッター派遣サービスなど

    介護

    居宅介護サービス、施設介護サービスなど

    生活・余暇

    ビジネス用品の購入、クリーニング代、旅行・レジャー費用の補助など

    休暇

    • 年間休日121日
    • 長期休暇あり(GW休暇、夏季休暇、年末年始休暇)
    • 平均有休取得日数18.5日(2022年度実績)
    • 年次有給休暇:年間16〜20日※勤続年数に応じて付与
    有給休暇の取得率は100.4%(2021年度基準)と日本トップクラスで、半日単位や3日連続、5日連続での取得も可能です。土日を含めると最大9連休がとれます。その他の休暇制度では、慶弔休暇や産前・産後休暇、介護休暇はもちろん、生理休暇や子供の看護休暇、不妊治療休暇など他社ではあまり聞かないような休暇制度もあり、子供がいる従業員にもかなり配慮されています。 (参考:東洋経済 CSR企業総覧 「有給休暇の取得率が高い」200社ランキング

    仕事と育児・介護の両立支援

    先述した選択型福利厚生制度のなかには出産や育児、介護をサポートするメニューが豊富に用意されています。職種によってはフレックスタイム制度やテレワークが利用でき、家庭の事業やプライベートの予定などに合わせて最適な勤務時間や勤務場所を選択可能です。一部では社内託児所を設けている地域もあります。

    また、家族の介護や転居を伴う配偶者の転勤などでやむを得ず退職した従業員が再び働けるようになった時に再入社を支援する制度もあります。

    福利厚生が充実している企業をもっと知りたい場合は「健康経営優良法人」を参考にするのがおすすめです。健康経営優良法人とは経済産業省が健康経営に取り組む優良企業を認定・顕彰する公的制度のことで、福利厚生も評価ポイントのひとつになっています。大規模法人部門と中小規模法人部門の2部門があり、毎年経済産業省のホームページで認定企業が公表されているので、企業選びの参考になるかもしれません。

    (参考:経済産業省 「健康経営優良法人2023」認定法人

    ホンダの初任給

    銀行通帳を見てガッツポーズをする女性 ホンダの2022年度の初任給支給実績は、学部卒で22万8,000円、大学院卒で25万4,900円でした。

    ただし、2023年度の春闘で大卒の初任給は前年の2万3,000円増の25万円1,000円、大学院卒は2万1000円増の27万5900万円に引き上げられることが決定しています。ホンダに限らず自動車メーカーでは近年の記録的な物価上昇に見合った賃上げの動きが活発です。

    また、自動車業界では自動運転車やインターネットとの常時接続機能を搭載したコネクテッドカーなど、新技術の開発を担うIT人材の確保が喫緊の課題となっています。人材獲得競争の激化が進むなか、ホンダでも若年層への魅力づけとして初任給の引き上げ傾向が続いていく可能性が高いでしょう。

    ホンダへの就職・転職難易度

    同僚と談笑する会社員の男女 ホンダは上場企業の中でも平均年収が高く、世界的規模の自動車メーカーです。毎年応募する学生が殺到するため、決して就職難易度が低いとはいえません。

    ただ、マイナビに掲載された求人情報によると2023年度の採用人数は男女合計497名と500名近く、十分な採用枠があります。また、全国の国公立大学や私立大学から学部の文理を問わずに採用実績があります。

    ホンダに入社したいという強い気持ちを持って入念な企業研究と選考対策を行いましょう。入社後にやりたいことが明確であれば、難関大学や理系の学生以外でも内定を獲得できるでしょう。

    2022年度ホンダの年収は業界3位|総合職なら1,000万円を狙うことも可能

    スーツ姿で走る若い会社員の男性

    ホンダの平均年収や賞与、福利厚生などをご紹介しました。ホンダの2022年度の平均年収は822万円で業界3位でしたが、総合職に限定すれば1,000万円近くの年収が見込めます。

    近年は年功序列から実力主義の評価体制に移行しつつあるため、若くても優秀で実績があれば高年収が得られるでしょう。

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