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  • 2023.12.26 (最終更新日:2024.01.16)

化学メーカーの優良企業おすすめ10選!ホワイト企業のみつけ方・就活対策もご紹介

ビーカーとフラスコ
目次

「化学メーカーには優良企業が多いのは本当?」「優良企業の見分け方や就活対策が知りたい」と思っていませんか?

化学メーカーは給与が高く、残業時間が少ない傾向にあるため、ホワイト企業に就職したい学生から人気な業界です。また、健康経営に取り組んでいる企業も多く、社員が長く勤務できるよう努めています。

この記事では、化学メーカーに優良企業が多い理由を解説し、おすすめの企業を10選ご紹介します。さらに、優良企業のみつけ方・就活対策などもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

「化学メーカーは優良企業が多い」は本当?その理由を解説

休日にくつろぐ人 結論からいうと、化学メーカーに優良企業が多いのは事実です。化学メーカーは給与が高く残業時間が少ないだけでなく、休暇制度や福利厚生が充実しているのも特徴的です。

また、競合他社との競争が穏やかで景気の影響を受けにくいため、業績不振や倒産のリスクが低く、安心して働けるでしょう。

ここからは、化学メーカーに優良企業が多い理由を実例付きで解説します。

「化学メーカーはホワイト企業が多い」という噂については、以下の記事もご覧ください。

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給与が高い

化学メーカーは給与が高い傾向にあります。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」によると、化学技術者の平均時給は1,407円です。また、全職種の平均が1,265円であることからも、化学メーカーは給与が高いといえるでしょう。

また、化学製品の研究・開発にかかわる「高分子化学技術者」「分析科学技術者」「バイオテクノロジー技術者」の平均年収は619.2万円です。さらに、半導体の研究・開発にかかわる「半導体技術者」の平均年収は640万円程度で、上記3つの技術者よりも年収が高いといえます。

休暇を取りやすい

化学メーカーは他の業界と比較して休暇を取りやすいです。その理由は、化学メーカーはBtoBビジネスで進むからです。

BtoBビジネス(Business to Business)とは「企業・法人を相手にビジネスを展開すること」を指します。化学メーカーの顧客である企業・法人は土日祝休みが多いため、化学メーカーも顧客にあわせて土日祝休みになりやすいでしょう。さらに、化学メーカーは取引先が休みになりやすいゴールデンウィーク・お盆・年末年始にも休みが取りやすいため、商戦期の影響を受けにくいのも特徴です。

また、化学メーカーは有給休暇取得率も高い傾向にあります。具体例として、大手化学メーカーの「三井化学」の2022年度の社員の有給休暇取得率は77%であり、2019〜2022年の4年間すべて有給休暇取得率70%以上をキープしています。三井化学と同じく、大手化学メーカーの「住友化学」でも、2020〜2022年の有給休暇取得率は70〜80%でした。労働者1人あたりの平均有給休暇取得率が62.1%であることからも、化学メーカーは有給休暇取得率が高い企業が多いでしょう。

加えて、化学メーカーは特別休暇制度も整っている場合が多いです。年末年始休暇・産前産後休暇・介護休暇など一般的な休暇制度以外にも、出産サポート休暇・リフレッシュ休暇・ボランティア休暇など、独自の休暇制度が整備されている企業もあります。

残業時間が少ない傾向にある

化学メーカーは残業時間も少ない傾向にあります。オープンワーク株式会社の調査によると、2021年の「化学、石油、ガラス、セラミック」業界の月間平均残業時間は21.1時間でした。全業界の平均残業時間は約24時間であるため、化学メーカーの残業時間は、平均より3時間程度少ないといえます。

化学メーカーの残業時間が少ない理由は、各企業で残業を減らす取り組みが積極的に実施されているからです。例えば「日産化学」では、休日出勤を含めた残業時間が月40時間以内になるよう定められています。実際、2019〜2022年の平均残業時間は約17〜18時間という結果が出ています。また「信越化学」では、本社・支店・一部研究所でフレックスタイム制を導入し、工場・研究所によってはノー残業デーを実施しています。その結果、2021年度の信越化学の月平均残業時間は約20時間に収まりました。

このように、各企業が積極的に残業時間を減らす取り組みを行っているため、化学メーカーの残業時間が少なくなっているのです。

福利厚生が充実している

化学メーカーは福利厚生が充実している企業が多いです。企業によっては、住宅補助・家族手当・通勤手当・フィットネスジム・家族旅行補助など、思いつく限りの福利厚生がほとんど備わっている場合もあるでしょう。

「旭化成」では、全国に社宅・独身寮を整備しており、要件を満たすと入居できます。また、新しく持ち家を購入した際に一定の要件を満たすと手当金が支給されるため、マイホームを購入しやすい環境が整っています。加えて、旭化成では住宅補助制度だけでなく、財産形成や共済制度・育児支援制度・クラブ活動もあり、非常に福利厚生が充実しているといえるでしょう。

福利厚生が充実していると、同じ年収でも使えるお金に差が出ます。福利厚生は企業が社員を大切にしている証拠でもあるため、年収・休日のみならず福利厚生もチェックしましょう。

景気の影響を受けにくい

化学メーカーは景気の影響を受けにくく、業績が安定しやすいでしょう。その理由は、日本の化学メーカーは、世界トップクラスの技術力・生産性を誇り、グローバルに活躍できる競争力の高さを持っているからです。

高い技術力があればさまざまな製品を作れるため、1つの製品に依存せずに済みます。例えば、半導体が不足して家電・自動車の生産が減った場合、別の製品の売上で補填できるでしょう。また、化学メーカーは危険な物質を使用するケースもありますが、日本の企業は技術が高いため、余程のことがない限りは落ち着いて工場を運転できます。

加えて、化学メーカーは取引先が固定化しやすい傾向にあります。先述したとおり、化学メーカーは企業・法人を相手にするBtoBビジネスなので、製品の長期的な供給が求められます。取引先企業としても、安定して材料を確保したいので、仕入れ先を頻繫には変えないでしょう。化学メーカーは、固定化された顧客へ製品を売るため、業績が安定しやすいのです。

業界内の競争が比較的激しくない

化学業界は業界内の競争があまり激しくありません。日本の化学メーカーは長年かけて積み上げてきた高い技術を持っているため、新たな企業の参入が難しいからです。

化学メーカーが生産している製品は「基礎製品」と「高機能素材・材料」に大別されます。基礎製品にはプラスチック製品・合成繊維・洗剤などが含まれます。一方で、高機能素材・材料とは、半導体・IT機器・リチウムイオン電池などを指します。

基礎製品は比較的簡単に製造できるため、後発の海外メーカーに市場を奪われるリスクがあります。しかし、高機能素材・材料は非常に高度な技術と実験の繰り返しによって造られるため、後発のメーカーが競争に参加するのはほぼ不可能といえるでしょう。したがって、競合他社が変わらず、安定して製品を生産できるのです。

化学メーカーの優良企業をみつけるポイント6つ

白衣を着て研究に打ち込む女性 化学メーカーの優良企業を見つけるポイントは6つです。残業時間・離職率・福利厚生はもちろん、研修・教育制度や将来性があるか確認する必要があります。

また「健康経営優良法人」に認定されている企業は、国から「優良企業である」と認められています。求人を探すときは必ずチェックしましょう。

1.「健康経営優良法人」に認定されているか

「ホワイト企業に勤めたい」と考えている人は「健康経営優良法人」に認定されているかどうかを確認しましょう。「健康経営優良法人認定制度」とは、特に優良な健康経営を実践している大企業・中小企業を顕彰する制度です。簡単にいうと、企業の収益を上げるために、社員の健康管理・増進に向けた取り組み(健康経営)を積極的に行っている企業を表彰し「見える化」しているのです。

健康経営優良法人に認定された企業のうち、特に健康経営に力を入れていると認められた大企業には「ホワイト500」、中小企業には「ブライト500」が贈られます。ホワイト500は、経済産業省が定める5つの認定要件をすべて満たし、かつ上位500社以内に入る必要があります。つまり、ホワイト500に認定された企業は「国が認めたトップクラスの優良大企業」といえるでしょう。

ホワイト500には、旭化成株式会社や日本曹達株式会社、三井化学株式会社、花王株式会社、DIC株式会社など化学メーカーも多数選出されています。ホワイト企業を志望する場合は、健康経営優良法人やホワイト500・ブライト500に選出されているかどうかを確認するとよいでしょう。

2.残業時間が短いか

化学メーカーを志望する就活生は、就職四季報やインターネットなどを利用して、応募する企業の残業時間を確認しましょう。化学業界の平均残業時間である21.1時間が目安です。可能な限り、残業時間が「15時間未満」の企業を探すとよいでしょう。

残業時間が長い企業は、適切な人員配置・勤務管理が行われていない可能性が高いと推測できます。人手が不足していたり、上司が部下の仕事量を把握していなかったりすると、残業時間は多くなるからです。一方で、残業時間が短い企業は「無理のない仕事量で利益を上げられる仕組みができている」と考えられます。

また、残業した場合に残業手当(残業代)が支払われるかも重要なポイントです。いくら優良企業といえども、残業時間を0にするのは難しいでしょう。ただし、ホワイト企業であれば残業した分の手当をきちんと社員に支払ってくれます。

3.離職率が低いか

残業時間と同時にチェックしておきたいのが離職率です。離職率が低く、定着率が高い企業は、働きやすい環境が整っていると判断できるでしょう。反対に、残業時間が少なくとも離職率が高い職場には「社員が働きにくいと感じる原因」が必ずあるはずです。

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、新規大卒就職者の3年以内離職率は32.3%です。また、化学メーカーが含まれる「製造業」の3年内離職率は19.0%でした。ホワイト企業に就職したい場合は、3年内離職率が少なくとも30%以下、可能であれば19%の企業を探してください。

また、離職率の他に「平均勤続年数」も確認しましょう。「独立行政法人労働政策研究・研修機構」の調査によると、2022年度の一般労働者の平均勤続年数は12.3年でした。つまり、平均勤続年数が13年以上の企業は長く勤務している人が多い証拠になります。

4.福利厚生が充実しているか

ホワイトな化学メーカーは福利厚生も充実しています。福利厚生は、住宅手当・資格手当など収入に影響するものや、家族手当・育児休暇などライフスタイルの変化に対応するものなど多種多様です。しかし、どの福利厚生も社員やその家族の健康・生活の質を上げるために行っています。福利厚生が充実している企業は、それほど社員を大切にしていると考えてよいでしょう。

また、福利厚生が整備されていると十分な休暇が取れるため、仕事のパフォーマンスも上がります。産前産後休暇や育児休暇はもちろん、企業によっては結婚休暇・ファミリー休暇などもあります。

福利厚生をチェックする際には、将来の生活を見据え、自分にとって必要な福利厚生かどうか考えてみましょう。

5.研修・教育制度が用意されているか

化学メーカーの優良企業を見分けるには「研修・教育制度」にも着目してください。化学メーカーに限らず、ホワイト企業ではさまざまな研修・教育制度があり、若手が成長できるチャンスが与えられます。

人材育成に力を入れている企業は、研修制度が充実している場合が多いです。新入社員研修の他にも、特定のスキルを取得できる研修やライフプランにかかわる研修など、企業独自の研修・教育制度が用意されています。

研修・教育制度の充実度合いは「研修・教育にかかった費用」をみましょう。産労総合研究所の調査によると、2022年度の社員1人あたりの平均研修費用は32,412円でした。この平均額を上回っている企業は、社員の研修・教育に力を入れていると判断できます。

6.将来性があるか

先述したとおり、化学メーカーは新規参入のハードルが高く、競合企業が現れにくいです。 とはいえ、流行や市場動向の流れが速い現代において、将来性があり、業績不振や倒産のリスクが低い企業に就職したい人も多いでしょう。

企業の将来性を測るには、以下の5つをチェックしてください。

  • 利益率が高い
  • 売上高が高い
  • 平均年収が高い
  • 石油製品に依存していない
  • メーカーが取り扱っている製品の市場動向が良好
将来性の有無を判断するうえで、まずチェックしたいのは「利益率・売上高」です。利益率が高ければ事業も安定しやすく、売上高が高ければ手元に残る利益も多いからです。利益率・売上高が高い企業は業績が安定しているため、社員の平均年収も上がります。

さらに、化学メーカーの将来性を測るうえで欠かせないのが「取り扱っている製品」です。化学メーカーは石油を加工して製品を造ることも多いですが、昨今は石油の値動きが激しく、業績にも大きく影響が出ています。よって、石油製品に依存せず、さまざまな製品を取り扱うメーカーは業績が安定しやすいでしょう。加えて、半導体・リチウムイオン電池など、市場拡大が予想される製品を扱っているメーカーは、将来性があるといえます。

就活生必見!化学メーカーの優良企業おすすめ10選

医薬品の実験 ここからは、化学メーカーの優良企業おすすめ10選をご紹介します。

この記事では、金融庁が公表する「有価証券報告書」や各企業のホームページなどを参照に、平均年収・平均勤続年数・月平均残業時間・3年内離職率を提示します。

また、健康経営に取り組んでいる企業については、具体的な施策・結果もご紹介するので、ぜひご参考ください。

花王株式会社

花王株式会社は洗剤や化粧品、ペット用品などを製造している化学メーカーです。従業員の年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率の平均は以下のとおりです。

  • 平均年収:約787万円
  • 平均勤続年数:22.3年
  • 月平均残業時間:9.7時間
  • 3年内離職率:8.2%
健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所の「健康経営銘柄」に8年連続で選定されており、ホワイト500にも6年連続で選ばれています。

花王株式会社は「Kao GENKI ACTION」に取り組んでいます。この取り組みは「自社開発の技術を駆使して健康状態・生活習慣を見える化し、健康への意欲を高めたうえで効果的に健康課題を改善する活動」です。例えば、独自の内脂肪計測技術と生活分析アルゴリズムを用いた「生活習慣測定会」を開催したり、内臓脂肪を溜めにくい「スマート和食」を社員食堂で提供したり、歩行生活年齢を計測する「ホコタッチ」を導入したりしています。

取り組みの結果、生活習慣病リスク保有者が減少し、年代別医療費を抑えられています。

旭化成株式会社

旭化成株式会社は、化学繊維や人口皮革、医薬品、住宅関連用品などを製造している化学メーカーです。従業員の年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率の平均は以下のとおりです。

  • 平均年収:約760万円
  • 平均勤続年数:13.9年
  • 月平均残業時間:22.5時間
  • 従業員離職率:2.04%
旭化成株式会社は「ケガをしない」「ケガをさせない」を目的とした、労働災害の軽減に向けた取り組みに力を入れています。数ある取り組みのなかでも特にユニークなのが「STOPおじさん」です。

STOPおじさんとは「協力会社の従業員が、経験年数5年未満の若手従業員の作業を観察し、現場を歩き回る活動」のことです。若手社員の危険な作業を見たときには作業を止め、危険性を一緒に考えてもらいます。

よい作業や手本となる作業は「グットポイント」として換算され、特に素晴らしいものがあれば、製造所長に直接表彰してもらいます。現場のトップに直接褒められることで、社員のモチベーションが上がり、さらなる労働災害の軽減につながるでしょう。

三菱ガス化学株式会社

三菱ガス化学株式会社は、塗料・溶剤・合成樹脂などを取り扱っているメーカーです。従業員の年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率の平均は以下のとおりです。

  • 平均年収:約882万円
  • 平均勤続年数:18.7年
  • 月平均残業時間:14.8時間
  • 入社3年後離職率:1.2%
三菱ガス株式会社は、ワークライフバランスを推進するために、以下のさまざまな短時間勤務・休暇制度を整備し、2023年にホワイト500に選出されました。

  • 子(就学前)の看護休暇
  • 子(小学3年まで)の育児・介護を抱える社員の短時間勤務
  • 在宅勤務(週3まで)
  • ドナー休暇
  • 配偶者海外同行休業など
上記の制度を導入した結果、2022年度の出産・育児休暇取得後の復職率は男女ともに100%を達成しています。

日産化学株式会社

日産化学株式会社は、主にディスプレイ・半導体・農化学薬品を製造しているメーカーです。年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率のデータは以下のとおりです。

  • 平均年収:825万円
  • 月平均残業時間:17.7時間
  • 平均勤続年数15.7年:
  • 入社3年後離職率:1.6%
日産化学株式会社は、健康保険組合と協働して従業員の健康づくりのための施策を実施し、ホワイト500に7年連続で認定されています。2022年度は、生活習慣病予備群の従業員を対象に、特定保健指導・糖尿病重症化予防プログラム・20〜30代向けのダイエットプログラムを実施しました。

また、日産化学株式会社では、必要に応じてラインケアやカウンセリングサービスを行い、メンタルヘルスケアに努めています。ラインケアとは、管理職が部下の相談に乗り、日頃の職場環境の把握と改善に努めることです。カウンセリングサービスは社員のみならず家族も利用できます。

信越化学工業株式会社

信越化学工業は半導体シリコン・樹脂加工製品・レアアースなどを取り扱っているメーカーです。年収・勤続年数・残業時間・離職率のデータは以下をご参照ください。

  • 平均年収:876万円
  • 平均勤続年数:20.3年
  • 月平均残業時間:19.8時間
  • 離職率:1.4%
信越化学工業株式会社では、定期健康診断の受診や生活習慣病に関する保健指導・メンタルヘルス対策・健康体力づくり活動を推進しています。本社・支店に衛生委員会を設置しており、産業医からの情報提供・指導を受け、職場環境の改善・健康の促進に取り組んでいます。

具体的な取り組みは、体力測定・セミナー・体力向上のためのイベント開催などです。さらに、健康保険組合と保険会社が連携し、社員の家族も利用できる24時間対応のファミリー健康相談窓口を設置しています。

JSR株式会社

JSR株式会社は、半導体・ディスプレイ・合成樹脂などを製造しているメーカーです。年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率は以下をご覧ください。

  • 平均年収:829万円
  • 平均勤続年数:13.7年
  • 月平均残業時間:13.2時間
  • 3年後離職率:6.7%
JSR株式会社の健康経営方針「JSR Health Promotion」では、組織と個人の健全度・労働生産性の向上を目指し、睡眠セミナー・改善プログラム・運動習慣定着化・マインドフルネスなどを実施しています。

JSR株式会社の健康経営方針「JSR Health Promotion」では、組織と個人の健全度・労働生産性の向上を目指し、睡眠セミナー・改善プログラム・運動習慣定着化・マインドフルネスなどを実施しています。

取り組みの一例である「睡眠セミナー」では、睡眠の役割・課題に対する改善策を学んでいます。セミナーの内容は日勤者向け・交替勤務者向けにアレンジされ、2022年度は135名が参加しました。セミナー受講者にアンケートを取ったところ、睡眠の質が「非常に悪い・かなり悪い」の割合が19.4ポイント減少し、「非常に良い・かなり良い」の割合が20.0ポイント増加する成果を上げています。

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社は、建築材料・プラスチック製品・半導体材料・医薬品などの製造・販売を行っている化学メーカーです。年収・勤続年数・残業時間・3年内離職率のデータは以下のとおりです。

  • 平均年収:912万円
  • 平均勤続年数:16.2%
  • 月平均残業時間:19.0時間
  • 3年後離職率:6.9%
積水化学工業株式会社は従業員の心身の健康推進に取り組み、7年連続でホワイト500に認定されました。主な取り組みとして、セキスイ健康保険組合と協同し、積水グループ内で統一した健康診断を実施しています。

また、メンタルヘルス対策として、ストレスチェックの活用・Webによるストレスマネジメント研修・安心して気軽に相談できる相談センターを設置しています。

住友化学株式会社

住友化学株式会社は、合成樹脂・農薬・タッチセンサーパネルなどを製造している化学メーカーです。年収・勤続年数・残業時間・自己都合離職率は、以下のデータをご参照ください。

  • 平均年収:910万円
  • 平均勤続年数:15.5年
  • 月平均残業時間:20.9時間
  • 自己都合離職率:2.0%
住友化学株式会社では「心身ともに健康で豊かな人生の実現」に向けて、さまざまな健康支援施策に取り組んでいます。その結果、4年連続でホワイト500に選出されました。

具体的な取り組み内容は、特定健康診査・特定保健指導・禁煙サポートプログラム・睡眠改善プログラム・ストレスチェックの実施・メンタルヘルスケア研修などです。これらの取り組みは、すべて会社と健康保険組合が共同で実施しています。

三井化学株式会社

三井化学株式会社は、ヘルスケア用品の材料・半導体・リチウムイオン電池材料を取り扱っているメーカーです。年収・勤続年数・残業時間・自発的離職率は以下をご覧ください。

  • 平均年収:892万円
  • 平均勤続年数:18.1年
  • 平均残業時間:1.7時間
  • 自発的離職率:1.4%
三井化学グループの理念は「社員の幸福と自己実現」です。三井化学株式会社では、理念を実現すべく、社員の自主的な健康の確保を支援し、労働衛生にかかわる施策を展開しています。

具体的には、健康診断や産業医・保健師などによる保健指導を通じて、社員の健康管理をサポートしています。2008年からは定期健康診断に特殊健診・がん検診を融合した「総合検診」を開始し、がん検診を受けやすい環境を整備しました。

また、三井化学株式会社では仕事と治療の両立支援を行っています。例えば、病気の対応に悩んでいる社員や、主治医の説明がよく理解できなかった社員などの相談にのり、必要なアドバイスやサポートを行います。就業上の配慮が必要な状況であれば、職場・人事などの関係部署に相談し対応をとっているため、安心して働ける環境づくりができているでしょう。

富士フイルムホールディングス株式会社

富士フイルムホールディングス株式会社は、メディカルシステム機材・電子素材・デジタルカメラなどを取り扱っているメーカーで、7年連続でホワイト500に選出されています。年収・勤続年数・離職率・残業時間のデータは以下のとおりです。

  • 平均年収:1,032万円
  • 平均勤続年数:17.2年
  • 離職率:1.4%
  • 残業時間:20~30時間程度
富士フイルムグループは、2020年に「7つの健康行動」を新設し、グループ社員に実践を呼びかけています。7つの健康運動に該当するのは以下のとおりです。

  • 週1回以上、体重をはかる
  • 自分の健診結果を確認する
  • 週1日以上、お酒を飲まない日をつくる
  • 1日6時間以上の睡眠をとる
  • 平均30分/日以上歩く
  • 直近の歩活(あるかつ)にエントリーする
  • たばこを吸わない
歩活こと「みんなで歩活」とは、チーム対抗で平均歩数を競うウォーキングイベントです。歩活は2016年から国内グループ全体で年2回実施され、参加者数も徐々に増加しています。また、ただ実践を呼びかけるのではなく「7つの健康行動」の各項目の実践度を定期的に確認し、従業員全体の健康促進に努めました。

化学メーカーの優良企業に就職するのは難しい?

電気の実験 化学メーカーへの就職は、企業の知名度が高いほど難しくなります。そもそも化学業界は理系就活生には人気が高い一方で、文系就活生には知名度が低い企業が多いです。その理由として、基本的に化学メーカーは一般消費者向けに広告を打たないため、文系就活生が化学メーカーを知る機会が少ないからです。したがって、他の業界よりライバルが少なくなるため、インターン・就職説明会を通じて早めに企業と接触していれば、優良企業から内定をもらえる確率は高くなるでしょう。

ただし、花王・資生堂など一般消費者を相手にするBtoC(Business to Customer)メーカーは知名度が高いため、就職難易度も上がります。どちらもホワイト500に選ばれている優良企業なのでライバルは必然的に多くなります。

また、化学系メーカーの研究・開発職は学部卒では難しいでしょう。研究・開発職を募集している企業は、修士卒を応募要件にしている企業も多いです。学部卒では研究・開発職に必要な知識・経験が足りないからです。化学メーカーは即戦力となる人材が欲しいため、学部卒よりも知識・経験に富んだ修士卒を採用したがるでしょう。

化学メーカーは文系でも就職できる?

読書をしている人 化学メーカーは文系でも就職できます。文系就活生の場合、事務系総合職をはじめとして、営業・経理・人事・総務・法務が主な部署になるでしょう。それらの部署では、専門的な理系知識がなくても業務に対応できるからです。

一方で、文系就活生が化学メーカーに就職するのは「狭き門」だといえます。化学メーカーはホワイト企業が多いため社員にとって居心地がよく、転職する人が少ないからです。社員が退職しなければ、新入社員を大量に雇用しなくてもよいため、採用人数が限定的になり、就職難易度が高くなります。

また、文系就活生は化学メーカーを選んだ理由をきちんと説明できなければ、内定をもらうのは困難でしょう。理系就活生の場合、大学での専攻と志望動機を結びつけるのは難しくありません。しかし、文系就活生は化学メーカーの業務と結び付けられるエピソードが少なくなるため、ライバルとの差別化を図れなければ採用される確率は低くなるでしょう。

化学メーカーの優良企業に就職するためにやるべきこと6つ

就職活動の面接 化学メーカーの優良企業に就職するには、以下の6つの就活対策を行いましょう。

  • 自己分析
  • 企業研究
  • 化学メーカーが求める人物像の把握
  • インターンシップへの参加
  • 就活エージェントの登録・利用
  • 逆求人サイトの登録・利用
上記の対策法は、他の業界での就職活動でも重要とされていますが、優良企業の内定を狙う人や「就職活動で失敗したくない」と考えている人は、さらに意識して取り組みましょう。

1.自己分析を行う

就職活動で最初にやるべきことは「自己分析」です。自己分析を深めて、化学業界で活かせる長所を明確化すると、内定を獲得しやすくなります。自分についての理解が深められていれば「私の長所は御社の○○という業務に活かせます」とアピールできるでしょう。

また、自己分析を通じて、仕事に対する自分の価値観を知るのも大切です。「優良企業・ホワイト企業に就職したい」と考えている人は多いものの「働きやすい」と感じる基準は人によって異なるからです。自己分析を行い、自分のなかで譲れない条件を決めると、応募する企業がおのずと絞られるでしょう。

自己分析のやり方には、以下の4つの方法があります。さまざまな方法を試して、多角的な視点から自分を見つめなおしましょう。

  • 自分史:自分がこれまでの行動・考えを書き出した自分史を作って自分を見つめなおし、自分の強み・弱みを再認識する
  • マインドマップ:自分の思考をクモの巣状に広げて地図化する
  • ジョハリの窓:「知っていること」と「気付いていないこと」を自分軸・他人軸に分けて自分の特性を整理する
  • ライフラインチャート:過去の出来事・気持ちを可視化し「なぜモチベーションが上がったのか」「なぜ気持ちが沈んだか」などを分析する

2.企業研究をしっかり行う

化学業界の優良企業に就職するには、企業研究をしっかり行いましょう。企業に対する理解を深めると、面接が有利になるからです。「なぜ他社でなく御社を選んだのか」を明確にしなければ、どのメーカーの面接でも使えそうな特徴のない内容になるため、採用担当者に熱意が伝わらないでしょう。

さらに、化学メーカーの企業規模・事業内容・取り扱っている製品は会社によって異なります。そのため「自分のやりたい仕事・研究ができるのか」も意識して企業研究を行いましょう。志望企業が決まってない場合は、大手化学メーカー企業の名前・事業内容を必ずチェックしてください。トップ企業の事業内容を知っておけば、業界の理解をある程度深められるからです。

また、希望する職種によっても深めるポイントは異なります。営業職の場合は「なぜ化学メーカーを選んだのか」という点を説明し、技術職では「大学・大学院での研究と企業のビジョンが合致しているか」「企業に貢献できるレベルの専門的知識があるか」を明確にしましょう。

企業研究を怠らず、企業の特徴・強みを把握したうえで志望動機を作成しましょう。

3.化学メーカーが求める人物像を把握する

志望企業がある程度絞れてきたら、その企業が求める人物像を把握しましょう。新卒採用は就活生の人柄・価値観・ビジョンなどをみて、適性が高い人を優先的に採用します。つまり、企業が求める人物像に近い人物は、それほど内定をもらえる可能性もアップします。企業の公式サイト・求人情報などを見て、化学メーカーが求める人物像を確認しましょう。

化学メーカーが求める人材は企業によって異なりますが、傾向として「論理的思考力がある人」が求められます。化学素材の生産・製造は大規模な工程を経ているため、具体的なデータを使った論理的な説明が求められるからです。論理的思考力は技術職のみならず、営業職にも求められるでしょう。また、研究職は化学薬品や高価な装置を取り扱うため、慎重さも必要です。

加えて、化学メーカーは「協調性」も重視されます。化学製品の製造過程においては、さまざまな分野の関係者と密にコミュニケーションを取る必要があるからです。化学製品はチームで完成させることが多いため、1つの目標に向かって仲間と協力し、達成感を得られる人は化学メーカーの業務に適性があるでしょう。

4.インターンシップに参加して優遇選考を狙う

化学メーカーの内定を獲得するには、インターンシップへ参加するのもおすすめです。理由として、企業に対する理解が深まったり、業務を体験できたりするからです。

また、化学メーカーはリクルーター面接を実施する会社が多い傾向にあります。インターンシップで企業に好印象を残せた場合、リクルーター面接の案内が届き、優遇選考を受けられるかもしれません。

就職活動を有利に進めたい人は、志望企業のインターンシップには積極的に参加しましょう。

5.就職エージェントに優良企業を紹介してもらう

就職エージェントを利用し、化学メーカーの優良企業を紹介してもらうのも手です。就活エージェントは就活生の相談を受けて求人を紹介したり、求人票には載ってない企業の情報を教えたりと、あらゆる面でサポートしてくれます。優良企業に就職したい人は、就職エージェントに相談すると、自分の価値観に合った職場を見つけてくれるかもしれません。

就職エージェントのサービス内容は、以下のとおりです。

  • 就職相談
  • 自分に合った求人の紹介
  • ES添削・面接対策
  • 企業との面接のセッティング
  • 面接後のフィードバック共有
企業側が就職エージェントに手数料を支払ってくれるため、就活生は無料でサービスを受けられます。「就職活動にあまり時間をかけたくない」と考えている人や「就職活動で失敗したくない」と思っている人は、ぜひご利用ください。

6.逆求人サイトに登録する

逆求人サイトに登録すると、企業から面接や特別面談などのスカウトが来ます。プロフィール登録後は企業から声がかかるのを待つだけで、何もしなくても企業との接点を増やせるかもしれません。逆求人サイトを経て大手化学メーカーや優良企業の内定を得ている人は多いため、少しでも優良企業の内定率を高めたいなら利用しましょう。

逆求人サイトは、人事担当者が就活生一人ひとりのプロフィール情報を閲覧し、興味を持った就活生に対して、個別にメッセージを送っています。そのため、書類選考や面接をパスする可能性は高く、マッチングミスの確率は低いでしょう。必ずしも次の選考ステップに進めるわけではありませんが、効率よく就職活動したい人にはうってつけのツールです。

化学メーカーには優良企業が多い | 健康経営優良法人の認定も参考に就活を進めよう

化学メーカーには優良企業が多く「ホワイト企業に就職したい」と考える学生から人気です。その理由は、給与が高いうえに残業時間が短く、休暇制度・福利厚生が充実しているからです。また、業界内の競争が穏やかで景気の影響を受けにくいため、安定して働けるでしょう。

化学メーカーの優良企業をみつけるには、残業時間・離職率・福利厚生はもちろん、教育・研修制度や将来性にも注目しましょう。さらに「健康経営優良法人」に認定されている企業は、社員の健康維持・増進に向けた取り組みを積極的に行っているため、心身ともに健やかに働ける環境が整っているでしょう。就職活動の際に、ぜひご参考ください。

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