- キャリアデザイン
- 2023.11.17
ホワイト500とは?認定要件や従業員のメリット、認定企業の取り組み事例を解説
- 目次
「ホワイト企業に就職したいけど、どうやって判断すればよいのか分からない」と思っていませんか。就職活動・転職活動を進めていくときに「ホワイト企業に就職したい」と考える人は多いでしょう。
しかし、求人を見ただけでは、どの企業がホワイト企業なのか判断できない場合がほとんどです。この記事では、従業員の健康に配慮した経営を行っている大企業に贈られる「ホワイト500」の概要や、認定企業で働くメリットについて解説します。最後まで読むと、理想的な働き方を実現できる企業を見つけられるでしょう。
ホワイト500とは?健康経営に力を入れている大企業トップ500
ホワイト500とは、2016年から始まった「健康経営優良法人認定制度」の1つで、優良な健康経営を実践している大規模法人のうち、上位500社に贈られます。つまり、ホワイト500認定企業は健康経営を実践している大企業のなかでも、特に力を入れて取り組んでいる企業といえるでしょう。
健康経営の考え方
経済産業省による「健康経営」の定義は以下のとおりです。健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。
(引用元:健康経営の推進について|令和4年6月経済産業省ヘルスケア産業課)
簡単にまとめると、健康経営とは「従業員が心身ともに健康に働ける環境を整えて、企業の業績や収益の向上を目指す取り組み」を指します。1994年にアメリカの心理学者ロバート・ローゼンが「従業員の健康が会社の業績向上につながる」と提唱したのが始まりで、日本には2010年ごろに広まりました。
健康経営優良法人認定制度とは?
健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営を実践している企業を顕彰する制度です。この制度は健康経営に優れた法人を顕彰し、社会的に評価される環境づくりが目的です。健康経営優良法人認定制度には「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2部門があります。そして、大規模法人部門の上位法人を「ホワイト500」に、中規模法人部門の上位法人を「ブライト500」に認定しています。
関連コラム
健康経営に取り組む企業は年々増えている
健康経営に取り組む企業は年々増加しています。実際、健康優良法人に認定された企業数は2022年から2023年にかけて大きく増加しているのです。2022年度に健康優良法人に認定された企業は、大規模法人部門が2,299社、中小規模法人が12,255社でした。一方で、2023年度は大規模法人部門は2,676社、中小規模法人は14,012社が健康優良法人として認定され、認定数の大幅な増加がみられました。
(参考:「健康経営優良法人2023」認定法人が決定しました!|経済産業省)
健康経営の広がりは、少子高齢化にともなう労働人口の減少が背景にあります。人手不足が生じると、従業員一人あたりの仕事量が増えて長時間労働や労働環境の悪化を引き起こし、健康疾患の発症リスクが高まるからです。
また、医療を利用する人が増えると社会保険料も増加するため、企業の保険料負担も増えてしまうでしょう。 このような現状を受けて、経済産業省は2010年代から健康経営を推進し、その結果多くの企業で健康経営に取り組むようになったのです。
ホワイト500の認定要件は?
ホワイト500に認定されるには、毎年8〜10月に実施される「健康経営度調査」で定められた、以下の5つの評価基準を満たさなければなりません。
(参考:健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件)
ホワイト500に認定された企業で働くメリット
ホワイト500に認定された企業で働くと、以下の3つのメリットが得られるでしょう。
- 心身ともに健康を維持できる
- 仕事に対するモチベーションが上がる
- 業務を効率化できる
上記3つは「心身ともに健康を維持すれば、仕事に対するモチベーションが上がり、その結果業務を効率化できる」という良い循環を生み出しています。
心身ともに健康を維持できる
健康経営が実践されている企業で働くと、心身ともに健康を維持でき、いきいきと働けるでしょう。従業員の健康状態が良ければ、同僚を互いに思いやる雰囲気が自然に生まれ、仕事や業務上の課題だけでなく、プライベートの相談もできる明るいオフィスになります。また、企業が健康経営に取り組む会社で働けば、従業員個人の健康意識も上がるでしょう。 仕事が忙しくて健康管理を怠ってしまう人や、一人暮らしで健康を気にかけてくれる家族がいない人でも、企業が健康増進をサポートしてくれます。
仕事に対するモチベーションが上がる
仕事に対するモチベーションが上がるのも、健康経営を実践している企業で働くメリットです。理由として、企業が健康経営に取り組むと、従業員は「この会社は自分の健康を考えてくれている」と企業に対してポジティブなイメージを抱くからです。従業員が企業に対して誇りや愛社精神を持つと「企業のために一生懸命働こう」と思うため、仕事に対するモチベーション向上が期待できるでしょう。モチベーションが上がると、後述する業務の効率化につながります。
業務を効率化できる
従業員一人ひとりが心身ともに健康で、業務に対して集中して取り組むようになれば、業務にかかる時間を減らすことができます。加えて、業務の効率化に成功すれば従業員の自己肯定感も高くなり、仕事に対してこれまで以上にモチベーションが上がるでしょう。このように、健康経営を実践する会社で働けば最高のパフォーマンスを発揮することができます。ホワイト500に信憑性はある?認定企業の取り組み事例を紹介
結論からいうと、ホワイト500の信憑性は高いといえるでしょう。その根拠として、ホワイト500は国家機関である経済産業省が認定するからです。
ここからは、ホワイト500に5年以上連続で認定された企業の実例を紹介します。
株式会社オカムラの事例
6年連続でホワイト500に認定された「株式会社オカムラ」では、健康経営を「ワークインライフ」の基盤として位置づけ、従業員の健康に配慮した取り組みを行ってきました。ワークインライフとは、仕事を「人生を構成する要素の一部」と捉え、個人の生き方を優先する考え方です。オカムラでは、社内独自の「オカムラ健康経営宣言」にもとづいて、健康診断や疾病予防対策、有給休暇の取得促進などの取り組みを進めてきました。オカムラが取り組んだ健康経営の事例は、以下のとおりです。
株式会社エムティーアイの事例
株式会社エムティーアイも、6年連続でホワイト500に認定された企業です。主な事業として、女性の健康情報サービス「ルナルナ」や健康データを記録・管理できる「CARADA」など、健康に関するモバイルコンテンツを配信してきました。エムティーアイは人々の健康を支える企業として、従業員の健康維持・増進施策にも取り組んでいます。具体的には、自社サービスである「ルナルナ オフィス」を社内に導入し、オンライン診療や低用量ピルの処方支援など、女性の健康維持・増進に努めてきました。
また、保健師・産業医によるオンラインセミナーやオンラインヨガなど、自宅からでも参加可能な健康維持に向けた取り組みも実施しています。その結果「従業員のパフォーマンスやヘルスリテラシーが向上した」との報告が上がっています。
株式会社アイネットの事例
株式会社アイネットは、5年連続でホワイト500に認定された企業です。アイネットの企業理念「inet Way」には「持続的成長を可能にするエクセレントカンパニーへ」を含みます。この持続的成長を実現するため、アイネットは「従業員の心身の健康」を最も重要な課題として考え、健康経営に関する取り組みを実施しているのです。アイネットが取り組んだ健康経営の実践例は、以下のとおりです。
- 健康診断の受診推奨(100%受診達成)
- インフルエンザ予防接種の費用を一部補助
- フットサル大会の実施
- 高ストレス者または希望者に対する面談・フォロー
- 健康に関するアンケートの実施
- 禁煙プログラムの実施 新卒採用活動における喫煙者の採用見送り
ホワイト500は健康経営を実践している企業の証
ホワイト500は健康優良法人のなかでも特に力を入れて実践している企業の証です。その理由として、ホワイト500に認定されるには経済産業省が定める5つの認定要件をすべて満たす必要があるからです。
ホワイト500に認定された企業で働くと心身ともに健康を維持でき、仕事のモチベーションが上がります。従業員のモチベーションが上がると業務の効率化につながり、さらに仕事を頑張ろうとするため、好循環が生まれるでしょう。
就職活動・転職活動の際には、ぜひホワイト500認定企業を視野に入れてください。
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