- 健康経営
- 2023.01.30
50代の平均年収って一体いくら?男女別・学歴別・産業別に詳しく解説!
50代になると、会社での立場が変わったり、将来のことを考えたりして、自分の年収がどの程度なのか気になる人もいるでしょう。平均年収を知ることは、今後の自分の生き方や考え方を変える貴重なヒントにもなり得ます。
今回は、カテゴリーごとに平均年収を調べました。50代からの年収アップの方法やコツも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
50代の平均年収
令和3年の国税庁の調査によると、50代の平均年収525万円になります。
- 50代の平均年収
- 525万円
引用元:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」(令和4年9月時点)により計算
1.【男女別】50代平均年収
50代前半と50代後半の平均年収を男女別にまとめました。
- 50代前半(50〜54歳)
- 664万円(男性)
- 328万円(女性)
- 50代後半(55〜59歳)
- 687万円(男性)
- 316万円(女性)
この調査から、すべての世代の中で「55〜59歳」が最も平均年収が高いことがわかりました。50代後半の年収が高いのは、これまでの会社への貢献や能力が高く評価されているからだと考えられます。したがって、今の年収を維持していくためには、部下のマネジメント力を強化したり、さらなる実績を積み上げていく必要があるでしょう。
2.【学歴別】50代平均年収
ここでは学歴別・男女別の平均年収をまとめました。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(学歴別にみた賃金 第3表)によると、学歴別の平均年収は以下のとおりです。
- 高卒
- 310万円(50〜54歳)
- 314万円(55〜59歳)
- 専門学校卒
- 337万円(50〜54歳)
- 335万円(55〜59歳)
- 高専・短大卒
- 336万円(50〜54歳)
- 339万円(55〜59歳)
- 大卒
- 484万円(50〜54歳)
- 485万円(55〜59歳)
- 大学院
- 611万円(50〜54歳)
- 657万円(55〜59歳)
引用元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(令和4年3月時点)
学歴別の平均年収は、男女ともに高学歴になるほど上がっていました。最も平均年収が高いのは、大学院の50代後半男性です。さらに50代の男女とも、高卒と大学院の平均年収が2倍前後という差が見られます。
このことから、世間でよく聞く「高学歴=高収入」というイメージは間違っていないのかもしれません。しかし、個別に見ると、さまざまな条件が絡み合っているはずなので一概には言えないでしょう。
以下の業種別の平均収入も合わせてチェックしてみてください。
3.【産業別】50代平均年収ランキングTOP10!
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(産業別にみた賃金 第5表)を参考に、業種別の50代平均年収を以下にまとめました。
【産業別】50代前半の平均年収TOP10
まずは50代前半(50〜54歳)の1位〜10位をご覧ください。結果は以下のとおりです。
- 1位 電気・ガス・水道など
- 536万円
- 2位 情報通信業
- 492万円
- 3位 金融業・保険業
- 484万円
- 4位 学術研究、専門・技術
- 480万円
- 5位 教育、学習支援業
- 447万円
- 6位 建設業
- 409万円
- 7位 不動産業、物品賃貸業
- 402万円
- 8位 卸売業・小売業
- 377万円
- 9位 鉱業、採石業など
- 368万円
- 10位 製造業
- 359万円
引用元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(令和4年3月時点)
【産業別】50代後半の平均年収TOP10
続いて、50代後半(55〜59歳)の1位〜10位です。
- 1位 電気・ガス・水道など
- 531万円
- 2位 情報通信業
- 502万円
- 3位 学術研究、専門・技術
- 500万円
- 4位 教育、学習支援業
- 492万円
- 5位 金融業・保険業
- 453万円
- 6位 建設業
- 406万円
- 7位 鉱業、採石業など
- 403万円
- 8位 卸売業・小売業
- 369万円
- 9位 郵便局、JAグループなど
- 362万円
- 10位 製造業
- 361万円
引用元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」(令和4年3月時点)
同調査(16産業中)で最も平均年収が高いのは、50代前半・後半ともに「電気・ガス・熱供給・水道業」でした。2位は、50代前半・後半ともに「情報通信業」です。3位は、50代前半が「金融業・保険業」、50代後半が「学術研究、専門・技術サービス」となっています。
逆に、最も平均年収が低かった産業は、「宿泊業、飲食サービス業」でした。1位の「電気・ガス・熱供給・水道業」と16位の「宿泊業、飲食サービス業」の差は、およそ200万円以上となり、大きな開きが見られます。
「宿泊業、飲食サービス業」は、長引くコロナ禍の影響が大きく、厳しさが続いているようです。今後、人手不足の解消やデジタル化などの対応が注目されます。
4.50代年収の中央値
ここでは50代の平均年収の「中央値」について解説します。「平均値」との違いを比較してみましょう。
平均値は、集めたデータの合計を個数で割った値です。例えば、5人のデータを集めた場合、平均値は、5人分のデータをすべて足して、人数の5で割ったものになります。
一方、中央値とは、5人分のデータを低い順に並べて、ちょうど中央にくる値です。つまり、3番目の人のデータを見ます。
年収に例えると、富裕層が平均値を押し上げていると考えられる場合は、中央値を見た方が現実感がある、と言えるでしょう。厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」から50代の年収の中央値を推定したものが以下となります。
- 50代前半(50〜54歳)
- 448万円(男性)
- 293万円(女性)
- 50代後半(55〜59歳)
- 449万円(男性)
- 289万円(女性)
引用元:令和2年賃金構造基本統計調査の概況(令和3年3月時点)
50代の平均年収と比べて、中央値の方が現実味を感じる人が多いかもしれません。いずれにしても、50代男性の場合、すべての世代の中で年収が最も高かったです。また、女性の場合は、40代から50代後半にかけて年収の上昇傾向が見られました。
50代の平均年収や中央値は、今後の働き方のヒントになったでしょうか。以下に、50代の人がこれから年収を上げるための方法やコツをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください
50代が年収アップするための5つの方法
ここでは、50代の人が年収アップする方法をご紹介します。5つの方法を解説しますので、ご自身の状況に合わせて可能性を探ってみてください。
1.昇進・昇給する
年収アップの方法として最も身近なのは、今の会社で昇進・昇給することです。役職が上がったり、より難易度の高い資格に挑戦したりして、基本給を上げることができないか検討してみましょう。
毎日の業務の中で、改善できることや問題解決できることを地道に積み重ねていくことが、年齢相応の頼もしさにもつながっていくはずです。
また仕事の重要度を見極めることも大事でしょう。いろいろな業務の中で、仕事の大小を見分けることは経営者の視点に通じます。社長の立場に近い人から信頼を得ることで、昇進・昇給への道が開けてくるかもしれません。
2.転職する
50代でも転職は可能です。「50代の転職は難しい」と考えている人も多いかもしれませんが、自分の条件にこだわりすぎず求人を探してみましょう。転職したい業界や職種があれば、挑戦してみてもよいかもしれません。
また、50代にとって健康経営に取り組んでいる企業は多くの利点があると言えるでしょう。健康経営とは、従業員の健康増進を「人への投資」として実施している企業を言います。
生活習慣病予防やメンタルヘルスは、長く仕事を続けるために見過ごすことのできない課題と言ってよいでしょう。「健康経営」というキーワードで検索すると見つけることができます。
関連コラム
3.独立する
50代は、それまで積み上げてきた経験や人脈が豊富であることが強みです。そうした資源を元手に独立する、という選択肢もあるでしょう。うまくいけば年収アップも夢ではありません。
人生100年時代と言われるように、生涯現役で働くことが経済的にも精神的にも求められるようになってきました。50代のうちに独立して、長く幸せに働くことを目標にしてもよいでしょう。
4.副業する
「少しでも収入を増やしたい」「趣味を生かして人の役に立ちたい」と思う人は、副業を検討してもよいでしょう。リスクが少なく始められる、というメリットが魅力です。
給料と副業の収入を合わせて、年収アップが期待できます。以下に、50代の人におすすめの副業をご紹介するので参考にしてみてください。
- 講師業
- 不用品の販売
- ブログ運営
- WEBライター
- 終活ガイド
- 空きスペースシェアリング
このほかにも、さまざまな副業があるのでご自身で調べてみてください。自分に合った副業なら、将来的に独立や本業を上回る収益を上げることも夢ではないでしょう。
5.投資する
年収アップにつなげる方法として、投資も視野に入れてもよいでしょう。銀行にお金を預けていても、金利が低すぎて資産を増やすことはできません。
投資について「難しい」「損するかもしれない」といったネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし自分で勉強して、きちんとリスク管理すれば、将来の資産形成に役立てることができるはずです。
現政府も、国民の資産を「貯蓄から投資へ」とシフトさせようとしています。今後も不景気が続けば、これまで以上に世の中の関心が投資へと向かうのではないでしょうか。
50代が転職で年収アップを成功させる3つのコツ
50代の年収アップの方法として50代の年収アップの方法として、「転職」に対する不安を感じている人も多いのではないでしょうか。確かに、年齢や体力など若い人たちと比べると不利もあるかもしれません。
しかし、個別に見れば、それぞれの経歴や能力、持ち味があるので一概には言えないはずです。では、転職を前提にしたとき、どのような考えで臨めばよいのでしょう。ここでは転職を成功に導く3つのコツをご紹介します。
1.自分の市場価値を知る
50代が転職を考えたとき、まずは自分の市場価値を知ることから始めましょう。市場価値とは、転職市場における人材の価値を表します。「企業側が求めている能力・スキル」と「自分ができること」のバランスで市場価値が決まるので、まずはキャリアの棚卸しや自己分析をしてみましょう。
市場価値には、経験や実績、専門性に加えて「再現性」という要素もあります。再現性は、「どのような環境でも成果を出せる」ことです。このようなアピールができれば、50代の転職も成功しやすいと考えられます。
「企業価値」については以下の記事で詳しく解説しています。
2.選択肢の幅を広げる
50代は、これまで積み上げてきた実績や経験、専門知識などをもう一段上のレベルで転用することもできるはずです。「大局的に自分を捉える」と言い換えてもよいでしょう。
例えば、「営業職」で実績がある人の場合を考えてみましょう。営業職の抽象度を上げて考えると、単なるコミュニケーション・スキルを超えた「顧客の課題を発見する能力」があると捉えることができます。
この課題発見力は、AIが不得意なことです。課題発見力は、商品の企画・開発やマネジメント、業務効率化などに転用できます。このような視点から選択肢の幅を広げることができないか検討しましょう。
3.スキルのアップデートをする
今は、年齢に関係なく学び続けることが必要な時代です。「50代になっても、まだ勉強しなければいけないのか」と気力が出ない人もいるかもしれません。しかし、50代だからこそ新しいスキルを身につけて、できるだけ長く働き続けることが重要になってきます。
最近では、「リスキリング」という言葉を目にする人も多いでしょう。「リスキリング」とは、「新たなスキルを身につける」「学び直し」などを意味します。デジタル社会に対応する際に、よく使われる言葉です。
デジタルツールに対応するスキルとしては、プログラミングやデータ分析などがあります。50代の人におすすめしたいのは、「マーケティング」や「語学」のスキルです。これらを身につけることで、転職を成功に導くことも可能になってくるでしょう。
50代から職業人生の完成を目指して準備する
50代は仕事のキャリアや経験が豊富という強みがあります。これらの資源をどのように生かしていくか、ということが今後の人生を大きくを変えるきっかけになるかもしれません。
50代になって、自身の健康維持や精神的な安定の必要性を強く感じはじめる人も多いでしょう。もし転職を検討中であれば、福利厚生の充実などに積極的な健康経営を推進する企業がおすすめです。
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