- 健康経営
- 2022.11.24
みなし残業って一体なに?みなし残業のメリットやデメリットについて徹底解説!
- 目次
この記事では、みなし残業の概要やメリット、デメリットについて解説していきます。新しく入社した企業がみなし残業を導入していることは少なくありません。みなし残業について正しく理解することで、給料未払いなどのトラブルが起きた際に迅速に対応できます。
転職を考えている場合は、転職先の給与体系やみなし残業について確認しましょう。
みなし残業とは
みなし残業とは、あらかじめ一定時間の残業を想定し、実際に働いた残業時間にかかわらず想定していた残業時間代を労働者に対して支払う制度です。また、みなし残業を導入している企業では、基本賃金に最初から一定の残業代が加算されていることがあります。
そのため、みなし残業が月に20時間と決まっている場合、実際に働いた残業時間が10時間だとしても給料には20時間分の残業代が支払われます。みなし残業は、各従業員の残業時間を管理しづらいときに導入されることが多いようです。
一般的にみなし残業を採用している企業は社外での活動が営業職などに多いのが特徴です。
みなし残業の種類
みなし残業には3つの種類があります。それぞれの特徴についてよく理解することで、企業の報酬体制が把握できます。
事業場外労働
事業場外労働とは、主に労働者の残業時間が把握しづらい場合に利用されます。たとえば、「社外での業務が多い」「会社から連絡や管理がしづらい」「実際に働いた時間の算定が難しい」といった場合などです。これらの職業は、外出が多い営業職やバスガイド、飛行機の客室乗務員などが当てはまります。また、近年では、在宅ワークも主流になってきているため、在宅勤務者も該当します。
専門業務型裁量労働制
専門業務型裁量労働制とは、勤務時間や業務のやり方について、会社側が従業員に対して指示を行うよりも各従業員の裁量に任せた方が効率よく仕事を行える場合に利用される就業制度です。専門業務型裁量労働制を採用している職業は、弁護士やデザイナー、建築士、研究者など専門性が高いところが特徴です。
企画業務型裁量労働制
企画業務型裁量労働制は、専門業務型裁量労働制と少し似ています。勤務時間の配分や業務方針について、会社側が従業員に対して指示を行うよりも各従業員の判断の方が仕事をうまく回せたり結果を出せる場合に使われます。専門業務型裁量労働制と違うところは、対象となる職業が異なる点です。企画業務型裁量労働制の対象となる職業は、財務や経理、人事、広報、労務といった分野になります。
みなし残業のメリット
みなし残業と聞くとあまり良くないイメージを持つ人も多いでしょう。 しかし、みなし残業にはいくつかのメリットがあります。
残業していなくても残業代が支払われる
みなし残業の最大のメリットは、残業していなくても残業代が発生することです。みなし残業はあらかじめ想定された残業代を基礎給料に含めています。そのため、みなし残業が月に30時間と決まっていたとして、実際の残業が10時間でも残業代は30時間分もらえるのです。
残業時間が少ない月でも安定した収入を得られるため、月によって給料の変動があることが少ないでしょう。給料の見通しが立てやすく、生活スケジュールが整えやすくなるため、収入の増減で悩みにくくなります。
業務効率が上がりやすい
通常の勤務時間内だけでも残業代が貰えるため、定時に帰宅できるように仕事を行うようになります。そのため、業務を効率よく回すようになり仕事に対するモチベーションも向上するでしょう。みなし残業は、仕事が遅いなどで残業をすれば単に収入が増えるわけではないため、残業代を多く貰っている人は注意が必要です。
みなし残業のデメリット
みなし残業の良いところばかりに目がいってしまうと、実際に自分が体験した際に苦労するでしょう。みなし残業のデメリットについて理解することで、自分にとってみなし残業が合っているのか否か見極めることが大切です。
一定の残業時間を超えるまでは支払われない
みなし残業は、一定の残業時間を超えないと残業代が加算して支払われません。みなし残業はあらかじめ月の残業時間を設定しています。設定した残業時間を超えた場合は、別途従業員に支払わなければなりませんが、そうでない場合は最初に設定されている残業代を基準にした金額が支払われるのです。
そのため、残業代をより多くもらいたい人は月に定められたみなし残業時間を超えることが必要になります。しかし、あまり多く残業することは企業側にとっても喜ばしいことではありません。かえって、部長や上層部から「タスクマネジメントができていないのではないか?」とマイナスの評価を受けることでしょう。
みなし残業超過分の未払いが発生しやすい
みなし残業はあらかじめ残業時間を決められているため、残業時間に対する意識が薄れやすくなります。自分がどのくらい残業したか管理していないと、みなし残業で決められた残業時間を超えていても超過分の残業代を貰えないことがあるでしょう。企業側も従業員の残業時間を把握することは必要ですが、一般的に従業員がどのくらい残業したかは各々の自己申告がほとんどです。
まずは、自分のタスクスケジュールをしっかりと管理し、働いた残業時間に対して適正な金額を貰えるようにしましょう。基本給が低い可能性がある
みなし残業を採用している場合、基本給が低いことが多いのもデメリットです。基本給を下げてその分をみなし残業代で補填するため、一見すると月々の給料は低いように感じないかもしれません。しかし、月々の給料には残業時間も加算されているため、よくよく考えると労働時間に対して給料が割に合わないと感じることがあるでしょう。
違法なみなし残業をしていないか確認
みなし残業を採用している企業の中には違法のみなし残業を行っている企業もあります。
そのような場合、残業代の未払いや働いた残業時間に対して適正な給料が支払われないこともあるでしょう。自分が転職や入社しようとしている企業が安全であるかどうか確認するためにも、以下の4つのポイントを意識することが重要です。
就業規則や雇用契約書などにみなし残業の説明がない
みなし残業を採用しているのに、企業の就業規則や雇用契約書にみなし残業の説明がない場合は違法と見なされることがあります。みなし残業を採用している場合は、以下の3つを必ず明記しておかなければなりません。
- みなし残業代を除いた基本給の金額
- みなし残業の金額と時間
- みなし残業を超える残業や休日出勤、深夜労働に対する報酬
これらの項目が一切記載されていない場合は、とくに注意が必要です。
従業員の残業時間に対して正しい報酬を支払っていない
みなし残業を超える残業を行った際には、別途残業代が支給されます。たとえば、みなし残業が20時間で30時間の残業を行った場合、みなし残業を超えた10時間分の残業代を企業は払わなければなりません。そのため、みなし残業よりも多く残業した月は、超過した残業代がしっかりと払われているか確認しましょう。
給与明細にみなし残業代についての記載がない
みなし残業代や超過した残業代は給与明細に必ず明記しなければなりません。毎月貰っている給与明細をしっかりと確認する人は少ないでしょう。近年では、給与明細を紙封筒ではなく、Web上で送付している企業も多くなっています。残業代の未払いなどを防ぐためにも給与明細はしっかりと確認しましょう。
月45時間以上の労働をみなし残業としている
みなし残業は原則として45時間以上にすることはできません。これは、36協定で定められており、特別な条件以外で変えることは不可能です。36協定とは、法律で定められた労働時間を超えて残業を行う際に、企業と従業員との間で結ぶ契約のことを指します。45時間以上にするためには、特別条項を設ける必要がありますが、それも一時的なものです。
みなし残業についておかしいと思ったら弁護士に相談
みなし残業を採用している企業で、超過した分の残業代が正しく支払われていない場合や残業代の未払いがある場合は、企業に対して残業代の支払いを要求できます。その際は、自分だけで企業に要求するのではなく、弁護士に相談しましょう。弁護士に相談することで企業に対して代理人として残業代の請求や交渉を行います。また、万が一裁判になってもサポートが可能です。
みなし残業のメリットを正しく理解し自分に合った働き方をしよう
この記事ではみなし残業についてメリットやデメリット、トラブルの際に取るべき行動などをご紹介してきました。みなし残業を採用している企業は多く、自分が転職や入社しようとしている企業がみなし残業を採用しているかもしれません。みなし残業にはメリットとデメリットの2つの面が存在します。自分の働き方に合っていると思う人は、みなし残業を採用している企業に転職するとよいでしょう。
その際には、健康経営優良法人に認定されている企業を選ぶとよいでしょう。健康経営は、従業員の健康を促進し、企業全体の生産性を向上することを目的としています。そのため、健康経営に力を入れている企業では福利厚生が充実しているため、ワーク・ライフ・バランスを重視したい人におすすめです。
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