- 健康経営
- 2022.10.22
試用期間に解雇されてしまう理由とは?解雇されたときの対処法やもらえるお金についてもご紹介
- 目次
「せっかく就職したのに本採用されなかったらどうしよう…」「仕事でミスしてクビになったらどうしよう…」と感じている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、試用期間の解雇は認められにくいもので、正当な理由が必要かつ、従業員の改善が見られない最悪の状態でやっと認められるものです。
今回、試用期間に解雇されてしまう理由についてご紹介します。また、実際に解雇されたときの対処法やもらえるお金についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
試用期間とは?
試用期間は、本採用前に書類選考・面接・採用試験で知ることのできなかった適格性について、実際に業務を通して正確に判定することができる期間を指します。この期間は、約3~6ヶ月と企業によってさまざまな期間で定められています。
もし従業員を本採用しないことを決定した場合は「解雇」にあたりますが、簡単に認められるものではありません。
試用期間に解雇されてしまう理由5つ
1.無断欠勤など勤務態度の悪さ
正当な理由なしに、2週間以上無断欠勤を続け、上司からの出勤の督促に応じない場合、予告なしに従業員を解雇できるとされています。
仮に休日が必要となっている場合には、必ず連絡をして心身の状態による理由によっては診断書などを用意するようにしましょう。
2.注意に対して改善の意思がない
上司の指示に従わない・トラブルを繰り返す・上司に反抗的な言動を繰り返すなど、仕事の迷惑になる言動は非常に大きな問題です。
また、これらのような言動に対して上司から注意をされたのにも関わらず、改善の意思や行動が見られないとなると、正当な解雇理由になります。悪意がなくても注意をされた場合は、改善に努めるようにしましょう。
3.経歴・資格の詐称
経歴・保有資格の詐称が解雇の理由となるのは、最終学歴・職歴・仕事に関わる資格・犯罪歴などの詐称があったときです。
特に、会社の求人内容に応募資格として挙げられていた条件を満たせていなかったと判明したときは、解雇理由として正当であると認められる場合が多いとされています。
4.経営不振
企業が経営不振によって債務超過となってしまった場合や、経営を続ける上で困難性が高い場合に認められる解雇理由となっています。
5.能力不足
採用されてすぐの場合はできないことがあって当たり前ですが、研修や指導があったのにも関わらず能力が全く上がっていないとなると、企業から「能力不足である」「雇用水準を満たせていない」と判断されてしまう恐れがあります。
その企業の業務において求められている能力があるのであれば、真面目に教えられたことを学ぶ努力を積み重ねるようにしましょう。
試用期間の解雇が有効か無効かを判断するには
改善の猶予を与えない場合
従業員の言動に対して改善の機会や猶予を与えない場合は、解雇が無効となりやすいとされています。
従業員の解雇は最終手段とするべきで、上司からの指示も抽象的なものでなく具体的なものを求められており、それでも改善しないときに解雇が有効とされます。
客観的に正当といえない理由によるもの
「従業員の性格や特性が会社に合っていない」といった好みや、他の従業員との仲が理由となる解雇理由は、解雇が無効になりやすいとされています。
しかし問題行動を起こしてしまったり、企業にとって損害となるミスが業務上で頻繁に起こっている場合には、解雇が有効になりやすいため要注意です。業務の精度を上げたり、周りに迷惑をかけてしまうような問題行動は慎んだりと、普段の行動から気を付けるようにしましょう。
採用時に知り得た理由によるもの
試用期間とは、選考段階では分からない実務力を試す期間でもあります。その中で選考段階で知ることのできる、資格・職歴・学歴などを解雇の理由とするのは、無効となりやすいとされています。
しかし選考段階で嘘があったと後から判明した場合は、解雇が有効となりやすいので、悪気がなかったとしてもありのままの情報を伝えるようにしましょう。
試用期間満了前の場合
試用期間満了前の解雇は、残りの試用期間で従業員の業務に対して「改善の機会を与えていないのではないか?」と捉えられたり、就業規則に試用期間満了前の解雇についての記載がない企業が多かったりするため、試用期間満了時の解雇よりも無効になりやすいとされています。
試用期間に解雇をされてしまったときの対処法とは
弁護士に相談する
弁護士に相談することによって、仮に企業との裁判があっても、そのまま内容を引き継いでくれます。ほかにも、素人では対応しきれない専門知識から、企業側との交渉時に有利となる証拠固めまでしてくれるというメリットがあります。
解雇理由証明書の発行
従業員から解雇理由証明書の発行を求められた場合、企業側は遅滞なく証明書を発行しなければいけないと法的に定められています。
引用元:労働基準法第22条「退職時等の証明」
この解雇理由証明書は、企業の解雇理由がまとめられている書類で、のちに裁判をおこなうとなったときに、解雇理由の不当さを証明する証拠として使用できます。
話し合いを提案する
解雇理由に納得できない場合は、弁護士を間に挟んで話を進めるのではなく、まずは「話し合いの場を設けてもらう」というのも手です。
正しい方法で給与・手当の請求をしたとしても、どうしても立場として敵対視されやすく仲たがいしやすくなってしまいます。
もし話し合いをおこなうとなった時には、企業側に許可をもらってから必ず録音をし、裁判が起こってもいいように備えておくようにしましょう。
労働組合に相談する
解雇理由を不当に感じる場合、労働組合に相談することで企業と団体交渉をしてくれるというメリットがあります。
従業員から企業側へ伝えにくい交渉を代わりに行ってくれるため、不当な理由による解雇だけでなく、労働条件の改善や給料の引き上げをおこなえる可能性もあります。
労働基準監督署に相談する
労働基準監督署は政府が運営している機関で、企業が労働基準法を守れているのかどうかを公正に判断してくれるという働きがあります。
もし企業が労働基準法に違反していた場合、法的な摘発や行政指導が入るなど、環境改善せざるを得ないアプローチを与えることができます。
ただし、違法な労働環境である劣悪な職場環境の場合のみの対応となるため、民事の範囲であったときは、アプローチを期待できないというデメリットもあります。
試用期間に解雇されないためにできること
社会人としてのマナーを守る
時間を守る・業務の締め切りを守る・礼儀を守るなど、社会人としてのマナーを守ることは企業に勤める会社員だけでなく、どんな業務形態でも大切なポイントです。
これらに関して、上司からの指導があったにも関わらず改善が見られない場合は、試用期間の解雇理由として十分成り立ちます。
仕事を積極的におこなう
試用期間は、仕事に関する責任感やコツコツと努力できる姿勢など、仕事をおこなっていく上で大切となってくるものがきちんと備わっている人なのかどうかを判断されています。
今後の信頼に繋がるように、細部にわたる業務をこなせるよう積極的な姿勢を見せましょう。
報連相で連携をとる
企業で業務をおこなっていく上で、「報告・連絡・相談」が欠けると協力体制が崩れてしまい、業務に関する情報共有ができていないことによってあらゆる問題が起きてしまいます。
特にプロジェクトチームなどで業務をおこなうとなると、この報・連・相が欠けてしまうと、業務の大きな遅れをとってしまい、状況によっては企業の損害にも繋がりかねません。
試用期間の解雇でもらえるお金4種
1.失業保険
試用期間の解雇で失業保険を受給するには、少なくとも6ヶ月以上の加入期間が必要となります。試用期間は約3~6ヶ月など6ヶ月以内となることが多いので、基本的に失業保険は受けづらいといえます。
しかし、前職を退職してから1年以内であれば、失業保険を受けられる場合もありますので、対応はなるべく早めのうちにおこなうようにしましょう。
2.慰謝料
試用期間の解雇理由が不当・悪質かつ無効とみなされる場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。
試用期間の解雇における慰謝料の相場は、約50~100万円とされていますが、普段の自分の行動の潔白を証明できないと慰謝料の請求は厳しいといえます。
3.解雇予告手当
14日以上勤務した従業員に対して企業が即日解雇をした場合、企業側は従業員に対して解雇予告手当を支払う義務があるとされています。
解雇予告手当は、「30日分の平均給料から割り出した金額」を受け取ることができます。しかし、このときに解雇予告手当を請求すると「解雇に同意した」という解釈になってしまいますので、解雇について企業側と争う意思のある方は請求をしないように注意しましょう。
4.解雇後の給料
試用期間の解雇理由が不当とされ、無効と認められた場合は解雇後の給料を請求することができます。解雇を言い渡されたことで上司からの出勤拒否を受け、「働いていないから給料はもらえないのでは…?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、解雇が不当と判断なればその責任は企業側にある、と判断されます。
しかし、すでに新しい仕事に就いている場合や、副業などでほかの稼ぎがある場合は、給料の約4割にあたる金額が控除対象となってしまいます。
試用期間に解雇をされたら弁護士に相談をしよう
今回は、試用期間に解雇されてしまう理由や実際に解雇されたときの対処法・もらえるお金について解説しました。
もし試用期間に解雇をされてしまった場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。初回の無料相談であれば、お金もかからずに解雇の正当性について、プロの助言をもらうことができます。
また、「従業員の健康を維持することで、企業の業績向上に繋がる」と健康経営を推進している企業に就職することによって、「病気が理由となる解雇」を防ぐことができます。
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