• 就職/転職
  • 2022.10.17

35歳からの転職は厳しい?その実情と今からでも間に合う転職を成功させるためのポイント

青空に「Next Stage」のテキスト
目次

一般的に「35歳からの転職は厳しい」と言われています。このことから、35歳以上で転職を考えている人は、尻込みしてしまうかもしれません。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。

この記事では、厳しいと言われる理由や実情をご紹介するとともに、転職にあたって身に付けておきたいことをお伝えします。また、今からできる転職を成功させるためのポイントも解説しているので、これから転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

35歳からの転職が厳しいといわれる理由

腕を組んで考えているビジネスマン

35歳からの転職が厳しいと言われているのはどういった理由からなのでしょうか。ここではその理由をいくつかご紹介します。

若手ではない

転職市場では、以下のような理由から、20代など若い人材の需要が高い傾向です。

  • これまで在籍していた企業に染まっていない
  • 知識やスキルの吸収が早く成長が期待できる
  • 伸びしろがある
  • 柔軟性がありフットワークが軽い
  • 給料を安く設定できる

35歳以上になると、「若手」の年齢ではなくなります。年収の水準も上がることからこれまでの経験が重視されるようになり、企業側が慎重になると言われています。

求められるレベルが高い

35歳を含む30〜40代のミドル層は、どのような実績を積んできたかが重要視されます。そのため、20代の転職と比べると、企業側から求められるレベルが高くなることが一般的です。

転職先の企業にとってメリットをもたらす人材かどうかで選考されるため、これからの伸びしろを期待する「ポテンシャル採用」は、期待できない場合がほとんどです。とくに未経験の異業種への転職を考えている場合、これまでに培ったスキルをどうやって活かすかが問われるため、アピールできる経験などがなければ厳しいでしょう。

キャリアに見合う企業が少ない

35歳以上になると、責任を持った仕事をしてきている人が多いでしょう。それによって、会社に求めることが明確になっているかもしれません。その結果、希望条件を細かく設定してしまい、転職先の企業の選択肢を狭めてしまっている可能性があります。

自分のスキルに見合った好条件の待遇を狙いすぎてしまうと、「自分のキャリアに見合う企業が少ない」と、早々に諦めてしまう可能性があります。

ライフスタイルの変化

35歳以上になると、結婚して家庭を持っている人が多くなります。それによって、自分1人では転職を決断できなくなっていることも、転職が厳しいとされる理由のひとつです。

転職によって、今の生活のレベルを落とす可能性もゼロではありません。そのため、転職へのハードルが高くなっている人も多いのではないでしょうか。また、女性の場合、既婚か独身か、子持ちかどうで、採用の結果に影響が出てしまうこともあります。フルタイムの正社員として働くことができず、転職が難しいと感じている人は少なくありません。

35歳からの転職者数は少ない?

「RECRUIT」のテキストと悩んでいる社員のイメージ

では実際に、35歳以上になると転職者の数は少なくなるのでしょうか。厚生労働省の資料によると、転職率は20代から緩やかに下降するものの30代以降の転職者も一定数いることがわかります。

参考:厚生労働省 令和3年雇用動向調査結果の概要 転職入職者の状況

また、転職エージェントによっては、35歳以上の転職者が半数以上というところもあり、35歳になると転職が難しいあるいは厳しいなどと言われていますが、実際には35歳を過ぎても転職している人が多くいることがわかります。

確かに、求人情報を見ると35歳以上が対象の求人は条件が良くなかったり、専門的な資格やスキルを持っていないと応募できなかったりするものもあります。ただし、最近では少子高齢化による労働人口の減少が問題提起され、即戦力の人材確保に動く企業も増えています。少し前の時代と比べれば、35歳を過ぎても活躍する場所は十分にあると考えられるでしょう。

35歳以上で転職するなら身に付けておきたいこと

笑顔で集まるプロジェクトチーム

35歳になると転職は厳しいとは言われていますが、実際には転職経験者が多くいます。ここでは、35歳以上で転職するために、身に付けておきたいことをご紹介します。

マネジメントスキル

ミドル層になると、リーダーとしての活躍が期待されます。そのため、チームやプロジェクトをまとめたり、若手を教育して管理したりするマネジメントスキルが求められます。

個人プレーではなく、組織として成果を上げるための能力が必要になってくるでしょう。

即戦力になるスキル

35歳以上の転職は、即戦力として求められることがほとんどです。そのため、転職先の企業が求めるスキル内容や基準に達しているかどうかがポイントとなります。

転職後にすぐ活躍してもらえるか、経験数は十分か、知識や対応力が備わっているかなどが重視されます。

自ら動く主体性

たとえ未経験の業界であっても、目的意識を持って主体的に取り組む姿勢は大切です。

35歳は中堅にさしかかる年代です。経営層と若手に挟まれて、なかなか思うように動けないという悩みもあるかもしれません。そんななか、問題解決に向けて動き自ら環境を変えていくような積極性があると、活躍の場も広がるでしょう。

環境に馴染む柔軟性

新しい環境に馴染む柔軟性はどんな職場でも歓迎されます。

柔軟性があれば違う環境に飛び込んでも、自分の知識やスキルを環境に合わせて活躍することができます。35歳以上になると、20代の頃と比較して徐々に柔軟性がなくなってくるものです。しかし、常に責任感を持って仕事をこなしてきていれば、対応力や柔軟性が身に着いているでしょう。

35歳からの転職にともなうリスク

PCを前に首を傾げる女性

転職するにあたっては、リスクもなくはありません。転職後に後悔することがないように、あらかじめ以下のようなリスクがあることも知っておきましょう。

年収の減少

転職すると、一時的に年収がダウンしてしまうことがあります。

即戦力として期待されて転職すると年収が上がることもありますが、一般的に企業側が慎重になるため、採用時の年収は下がることも考えられます。ただし、売上を伸ばしたり、昇給の評価基準をクリアするといった結果を出していくことで、活躍は認められるはずです。また、スキルを評価されて転職する場合は、最低限必要な年収の金額を選考時に伝えておくことで、大幅な年収ダウンを防げる可能性があります。

役職の変化

転職すると、前職と同じ役職ではなくなったり上司が年下になったりすることがあり得ます。

しかし、役職をもらうことが転職の目的なのでしょうか。転職することで自分がなし得たいこと、挑戦したいこと、どう活躍していきたいかなどを明らかにしておけば、役職の変化はリスクではないかもしれません。転職先でのキャリアビジョンを明確にしておくことが大切です。

35歳からの転職を成功させるポイント

親指を立ててgoodポーズをするビジネスマン

最後に、35歳からの転職を成功させるポイントをご紹介します。今からでもできることばかりですので、転職活動する人は参考にしてください。

即戦力として活躍できる職場を選ぶ

まず、これまで積み上げてきたキャリアを活かして、活躍できる職場を選ぶことが大切です。

未経験の異業種分野にチャレンジする場合も、これまでの経験を活かせる職種や環境を探すのが得策です。あるいは、事前に業務で使える資格を取得するなど、何かしらアピールにつながる材料を準備しておくとよいでしょう。

これまでの経験とスキルを整理する

35歳以上になると、社会人経験が豊富になり経験やスキル・知識が蓄積されています。そういった経験・スキルを、より具体的に、そして詳細に整理しておきましょう。

経験したプロジェクト数やそこから得た知見量などは、20代の時より確実に増えているはずです。自分ができることを棚卸しておくと、書類選考や採用面接でアピールしやすくなります。また、応募する企業に合わせた履歴書が作成できるでしょう。未経験の業種・職種への挑戦を目指す際にも、これまでの経験をどう活かせるのか整理することをおすすめします。

採用面接での志望動機の伝え方については、下記記事も参考にしてみてください。

関連コラム

履歴書は手を抜かない

履歴書や職務経歴書は手を抜かず丁寧に作成しましょう。それぞれの内容をしっかり作り込むことで、書類選考の通過率を高められる可能性があります。

最近は、転職サイトから容易に応募できることも多く、応募書類を簡単な内容で済ませている人も多いかもしれません。しかし、応募書類は企業との最初の接点です。そこで印象に残らなければ、選考に進むことができません。また、履歴書や職務経歴書を丁寧に作成して転職サイトに登録しておけば、企業から直接スカウトが届くことが期待できます。

転職は前向きな理由であることをアピール

転職は、前向きな理由であることをアピールするようにしましょう。

実際は人間関係や職場環境などによるネガティブな理由で退職したとしても、そのまま伝えることは企業側に良い印象を与えません。「不平不満が多い人」というマイナスの評価が下される可能性があります。転職の理由は、自分の能力を高めたい、あるいは環境を変えて自分のスキルを確かめて成長していきたいといった、ポジティブな内容で向上心をアピールするのがよいでしょう。

明確なキャリアプランを持つ

特に女性の場合は、キャリアプランを明確にしておく必要があります。

企業を選ぶ上で、産休・育休制度などの福利厚生がしっかりしているかどうかは大切なポイントと言えます。この先のライフイベントを考慮して、入社後に認識のズレがないようにしておきたいものです。近いうちに結婚や出産といったライフイベントが控えている場合は、将来の働き方が見通せる企業がよいでしょう。場合によっては、選考の際に企業側に自分の考えや希望を伝えたり企業側の姿勢を聞いて擦り合わせしておくのもおすすめです。

35歳からでも対策することで転職はできる

35歳からの転職は厳しいと言われていますが、スキルがありそれを活かせる職場であれば転職を成功させることは可能です。ただし、自分のライフスタイルや環境の変化によって、転職に踏み出せない人も少なくありません。特に女性の場合は、35歳という年齢は、結婚や出産などのライフイベントが重なる時期でもあります。そのような場合は、健康経営を掲げる企業へ応募してみてはいかがでしょうか。社員の心身の健康を考える企業が多く、産休や育休のあとの仕事復帰のサポートが厚いことが期待できます。

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