- 就職/転職
- 2022.10.13 (最終更新日:2023.05.15)
ニートが就職するために必要な行動とは?ニート向け職種5選もあわせてお伝えします
- 目次
ニートの人の中には
- ニートを卒業して就職したいけど、やっぱり怖い
- 仕事の探し方が分からない
- ニートの自分に向いている仕事って何?
といった、仕事の悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。確かにニートの人が、自分に合う仕事を一人で見つけるのは難しいでしょう。だからこそ、さまざまな支援があるのです。
この記事では、ニートが仕事を探すための方法や、ニート向けの職種を5つご紹介します。就職活動の前にしておきたいことも解説しているので、働きたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
ニートとは
厚生労働省によるニートの定義
厚生労働省はニートについて、ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書で以下のように定義しています。
「ニートとは15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者」
つまり、学生や専業主婦はニートには該当しません。
ニートと引きこもりの違い
ニートによく似た言葉としてあげられるのが、引きこもりです。
引きこもりについては、厚生労働省ひきこもりの評価・支援に関するガイドラインで以下のように定義されています。
「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し,原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」
ニートと引きこもりの違いとしてあげられるのは、主に以下の2点です。
- ニートは15歳~34歳に限定されているが、引きこもりは35歳以上も対象である
- ニートは他者との交流や外出といった社会的参加を行っている
ニートを続けることの4つのデメリット
1.経済的な不安が大きくなる
ニートは働いていないため、当然収入がありません。親と同居して経済的な支援がある場合、生活難にはならないでしょう。しかし、親が高齢であったり、1人暮らしでニートであるなど、支援が得られないときは、経済的に厳しくなるでしょう。経済的な不安は大きなストレスになり、健康に支障を及ぼす可能性もあります。
2.社会的地位が低い
ニートは社会的地位が低く、肩身の狭い思いをすることが多くなります。最初にお伝えした通り、ニートは非労働力、つまり働いていない人です。特に理由がなく働いていない若い人に対して、社会はいいイメージを持ちません。時には家族からも冷たい目で見られる場合もあります。
3.自由時間が長すぎて逆に辛い
ニートは働いていないため、働いている人よりは自由になる時間が長いのがメリットです。
- 趣味や好きなことが特にない人
- のんびり過ごすのが苦手な人
- やりたいことをやり尽くした人
しかし、自由時間が長すぎると、下記に当てはまる人はデメリットに感じるでしょう。
4.犯罪に手を染める可能性がある
経済的不安や精神的疲労による生活の苦しさから、犯罪に手を染めてしまう場合があります。経済的不安だけであれば、アルバイトや就職をしてお金を稼げば良いです。
しかし、社会や家族の批判的意見から自信をなくし、就職活動に踏み出せなくなると、万引きや窃盗などの犯罪を犯してお金を手に入れようとしてしまいます。 犯罪を犯すと、さらに就職が困難になってしまいます。
ニートが感じる就職への恐れと対処法
1.新しい環境が怖い
就職すればこれまでの環境と大きく変わります。関わる人や生活時間が変化すると、慣れるまでに時間がかかりますし、新しい環境に適応できないこともあります。 そのため、新しい環境への不安を感じるのです。
新しい環境に対する不安への対処法は、不安を感じているのは自分だけではないと考えることです。人間は変化を恐れる生き物です。あなた以外の人も環境が変わる時には「うまくやっていけるだろうか」と悩んでいます。
しかし、多くの人が小学校から中学校のように、環境が変わった経験をしているはずです。あなたにも、過去に新たな環境に適応してきた経験があるはずですので、就職して環境が変わったとしても、その環境に適応し生活していくスキルが備わっています。
2.人間関係への不安がある
就職すれば同僚や上司、取引先などさまざまな人とコミュニケーションをとることをイメージし、不安に感じてしまいます。コミュニケーションは重要ですし、コミュニケーションを通じてうまく人間関係を構築することで、仕事を効率的に進めていくことができます。
しかし、人間関係を気にしすぎる必要はありません。最初は業務上必要なコミュニケーションがとれれば大丈夫です。仕事に慣れて余裕が出てきたら、うまく人と付き合っていくことを考えれば良いです。
もし、人間関係に不安があるのであれば、人との関わりが少ないポジションでの採用を探しましょう。営業のような頻繁に外に出て働く仕事ではなく、事務やリモートで働ける仕事をおすすめします。
3.採用されないかもしれない
応募しても採用されないのではないかと感じて、就職活動を進めれないことがあります。もちろん、採用にも枠はありますし、企業の求める人材でなければ選考で落ちてしまいます。特に、ニートであればスキルや経験がないためアピールできることが少なく、不採用になることも多いでしょう。
しかし、選考で落ちるのは新卒の就活も転職も同じです。新卒の場合、企業によっては何百倍という倍率の中で就活生は争います。転職では即戦力が求められるため、求められるスキルやレベルが高く、簡単には採用されません。
就職とは採用されない場合の方が多いことを理解して、選考に落ちることを大ごとにとらえないようにしましょう。
4.仕事ができるか不安
「就職してもニートだった自分に仕事ができるだろうか」と考えてしまう人がいます。仕事ができないことで、上司から怒られたり悔しい思いをしたりするのは嫌ですよね。
けれども、心配しすぎる必要はありません。なぜなら、企業はあなたの経歴を知った上で採用しているからです。そのため、最初から大きな成果を求められることはないでしょう。しっかりと教えてもらいながら仕事を覚えていくのが基本です。 もちろん、仕事上必要な指導や注意はあります。
もし、実力に見合わない目標を設定させられたり、ひどく詰められたりするようなことがあれば、転職することもできます。それはあなたが仕事ができないからではなく、企業側に問題があるので、落ち込むことなく次に進みましょう。
ニートが就職先を見つける方法
公的な就職支援機関を利用する
公的な就職支援機関には下記3つがあります。
- ハローワーク
- ジョブカフェ
- 地域若者サポートステーション
ハローワーク
ハローワークは、国(厚生労働省)によって運営されている公共職業安定所です。全国に544か所に設置されており、無料で利用できます。 求人紹介以外にも、さまざまな就職に関する支援を行っています。支援内容は主に以下のとおりです。
- 職業相談
- キャリアコンサルティング
- 就職活動のセミナー
- 職業訓練の紹介
- 応募書類の添削
- 面接指導
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ジョブカフェ
ジョブカフェは、都道府県が運営している若者向けの就職支援機関です。 2022年10月現在46の都道府県に設置されており、中にはハローワークを併設しているジョブカフェもあります。
- 求人紹介
- 就職セミナー
- 職場体験
などを行っており、利用料金は無料です。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(サポステ)は、働くことに悩む18歳~49歳までの人を対象とした 就労支援機関です。 「仕事について相談できる身近な相談機関」として、全ての都道府県に設置されています。
- 専門スタッフによる相談
- コミュニケーション講座
- ビジネスマナー講座
- 就労体験
- 就活セミナー
などの支援プログラムが受けることが可能です。ただし、サポステはジョブカフェと違い、就職先の紹介がないため、注意しましょう。 就職エージェントを利用する 就職エージェントは、就職に関する相談やサポートを専門に行う民間のサービスです。求人情報を独自に調査して実態を把握しているので、信頼できる求人が多いことがメリットになります。
就職エージェントの中には、下記のようなニート向けのエージェントがあります。
就職活動に不安がある人は利用してみてはいかがでしょうか。
ニート向けの職種5選
警備員
警備員は未経験可の求人が多く、募集年齢も幅広いのが特徴です。夜勤の仕事を行えば、日中働くよりも、高い給与を得ることができます。職場によっては1人で勤務するシフトもあるので、人付き合いが苦手という人にはおすすめです。
介護職
人口の高齢化に伴い、介護職の需要も高まってきています。また、警備員と同様、未経験可の職場も多いのが特徴です。入浴介助や排泄介助などがメインでキツい仕事でもありますが、高齢者やご家族から感謝されることも多く、やりがいもあります。介護職員初任者研修、介護福祉士、ケアマネージャーといった資格を取得することで、キャリアアップも可能です。
運送業界
運送業界で働くには自動車運転免許が必要ですが、それ以外の資格や経験を求められることはほとんどありません。現在は通信販売を利用する人も多いため、特に宅配便や長距離トラックの運転手の需要は高い状況です。集中力と体力を要する仕事ですが、1人で行う仕事がメインであるため、人とのコミュニケーションが苦手な人には向いているといえます。
IT関係
システムエンジニア、プログラマーといったIT関連は、パソコン操作が得意な人に向いています。専門知識がないと採用されないと思われがちですが、意外にも未経験可という求人が多い職種です。研修制度が充実した職場を選び、自分自身でも進んで学んでいくことで長く働くことができます。
営業職
営業職は正社員求人も多いことに加えて、未経験可能な職種も多いのが特徴です。ニートの中でも、人と接することや外に出て働きたい人に向いています。営業職で取り扱う商材は、下記のようにさまざまです。
- 自動車
- 食品
- 不動産
- 保険
- オンラインシステム
どの商材を取り扱うかによって働き方も違ってきます。自分はどの商材の営業に向いているかを事前にリサーチしておきましょう。
接客業
接客業は営業と同様に、人と接することが好きな人に向いています。接客業は未経験歓迎の採用も多いです。 また直接人と関わる仕事であり、自分の仕事に対するお客様の反応を間近で見られるため、やりがいを感じやすい職種です。
接客業には、さまざまなジャンルがあります。例えば、洋服を販売するアパレルスタッフや化粧品の販売スタッフ、飲食店のホールスタッフが代表的です。物を売る接客以外にも、ホテルやオフィスの受付も接客に当たります。 幅広い業界の接客があるので、あなたの好きなことや興味のある分野での接客業の応募を探してみてください。
ニートが就職活動の前にしておくとよいこと
1.身だしなみを整える
社会人として身だしなみは整えておきましょう。人は第一印象が非常に重要です。心理学的に、人はコミュニケーションをする上で、55%の情報を目で見て判断すると言われています。そのため、見た目の印象が非常に重要です。
具体的には、髪が目にかかっていないかや髭を整えているか、スーツは綺麗な状態のものかなど、相手から見て清潔感を感じる見た目を意識しましょう。
2.生活習慣を見直す
ニートは働いていないため、生活時間も自分の自由に決めていることが多いです。生活リズムが乱れがちになり、昼夜が逆転している人もいるでしょう。日中家にいることが多く、体を動かしていない人の場合は、体力が低下している可能性もあります。しかし、生活リズムが乱れていたり体力が低下したりという状態では、仕事のパフォーマンスが上がりません。心身の健康を保ちながら働くためには、生活習慣の見直しが必要です。
生活習慣を見直すために、以下のようなことを実践してみましょう。
- 就寝時間と起床時間を1時間ずつ早くする
- 散歩や買い物などで外出して、体を動かす
- ネットやゲームは時間を決めて行う
3.自己分析する
自分のことが分かっていないと、焦りから自分に不向きな仕事を選んでしまい挫折する可能性が高くなります。自己分析本やインターネットの自己分析サイトなどを利用して、自己分析を行ってみましょう。自分の好きなことや嫌いなこと、性格、得意不得意といったことが分かれば、自分にあった仕事を選びやすくなります。
4.アルバイトで働く経験を積む
ニートから一気に正社員になることに不安を感じている場合は、アルバイトから始めてみるのもよいでしょう。アルバイトとひとくちに言っても、1日だけのものから正社員に近い仕事量のものまでさまざまです。初めて働くニートの人には、1日や数日といった短期アルバイトから始めることをおすすめします。
5.基本のビジネスマナーを身につけておく
就職活動をする前に、基本的なビジネスマナーを身につけておきましょう。入社後に仕事をする上で、社内の人やお客様とのコミュニケーションを円滑にするために必要です。
ビジネスマナーには、正しく敬語を使えることや気持ちの良い挨拶ができることなどがあります。マナーができるだけで、相手に良い印象を与えられます。これまでできていなくても、意識すればすぐ改善できる内容なので、身につけていきましょう。
ニートが就職活動を成功させる6つのポイント
1.早めに就職活動を始める
早めに就職活動を始めることをおすすめします。なぜなら、若いうちは企業も教育ができるからです。
企業は採用や教育にコストをかけています。若い人であれば、教育した後も長い期間働いてくれる可能性があるため、コストを回収できます。 しかし、年齢が高いと働ける期間が短くなるため、コスト回収ができない可能性があり、採用をためらってしまいます。
また、公的な就職支援は30代半ばまでの年齢制限を設けているところもあるので、早めに就職活動を始めるのがおすすめです。
2.たくさん応募する
ニートは経歴や実績がないため、応募しても落ちる可能性が高いです。そのため、とにかくたくさん応募しましょう。
応募数を増やすことで、面接を通してさまざまな企業の社員と会話できる機会が増え、企業の雰囲気や自分の適性を判断できます。また、あなたの強みや興味を再認識する機会を増やせます。
そのほか、応募数が多いと面接の経験値が溜まっていくため、だんだんと採用されやすくなるでしょう。面接を通して、話し方やコミュニケーションの取り方を学べれば、入社後にすぐ活かせるので、たくさん応募して経験を積んでください。
3.未経験歓迎に応募する
未経験歓迎の募集に応募するようにしましょう。未経験歓迎の仕事であれば、特別なスキルや経験を求められることもないので、採用されやすいですし、入社後の仕事に取り組みやすいと言えます。
企業は最初から成果を上げることを求めておらず、入社後に教育の機会を設けて成長してもらおうと考えています。そのため、仕事ができるか不安に感じている人も、安心して未経験歓迎の募集に応募してください。
4.不採用でも諦めない
これから就職活動を進めていくと、不採用になることがあるでしょう。不採用通知をもらうと、自分の価値を認められていない気がして落ち込んでしまいます。
しかし、不採用であるからといって、あなたが悪いわけではありません。企業は、あなたのスキルや企業との適正などを総合的に判断して採用しています。 そのため、不採用通知を受け取ったとしても「相性が悪かったのだ」と考え、次の応募や選考に向けて気持ちを切り替えましょう。もちろん、不採用の原因があなたにある場合もあるので、しっかりと反省をして次に活かしてください。
また、就職活動を経験したほとんどの人が、不採用の経験をしています。あなただけではないことを覚えておいてください。
5.やりたいことを明確にする
どんな仕事がしたいのか、なぜその仕事がしたいのかを明確にして、伝えられるようにしましょう。やりたいことが明確であるほど、採用担当者はあなたが働くイメージをしやすく、採用したいと思うようになります。
やりたいことが自分の好きや得意を活かせる内容であれば、再現性が高いため採用される可能性が高まります。
やりたいことが見つからない場合は、就職支援サービスで相談したり、さまざまな仕事に応募して企業との接点を増やしたりして、やりたいことを見つけましょう。
6.大手ばかりに応募しない
ニートである現状を打開しようと考えると、誰もが知る有名企業で働きたいと考えてしまいます。しかし、大手企業よりも中小企業やベンチャー企業の方が採用されやすいのが現実です。
大手企業や有名企業には、たくさんの人が応募します。そのため、経験やスキルのないニートは採用されにくいです。
もし、大手企業に就職したいのであれば、一度中小企業やベンチャー企業で経験を積んだ後に、チャレンジする方が採用確率が上がります。
ニートの就職に関するよくある質問
ニートでも正社員になれるのか
ニートでも正社員になれます。未経験を募集している企業もありますし、アルバイトから正社員登用で正社員になることもできます。
もちろん、必ず採用されるわけではありませんが、しっかりと準備をして就職活動をすれば、ニートでも正社員になることは可能です。
学歴はなくても大丈夫か
学歴がなくても就職できます。就職活動のためにしっかりと準備をし、あなたに合った企業を見つけられれば、問題なく就職できます。
ただし正社員の採用に関しては、採用条件に最低学歴を設けている企業が多いので、自分が条件に当てはまっているかよく確認してから応募するようにしましょう。
就職活動のために揃えるものは何か
就職活動に必要なものは以下のものです。
- スーツ(男性であればネクタイも)
- ビジネスバッグ
- ビジネスシューズ(女性はパンプスなど)
スーツは黒か濃紺のものを選びましょう。就職後も同じスーツを着用するのであれば濃紺がおすすめです。 ただし、応募する業界によってはスーツが必要ない場合もあります。
例えば、アパレルやネイリスト、美容師などの仕事であれば、私服の方が望ましいことがあります。そのため、服装指定があるかを事前に確認しておきましょう。
ニートを脱却できる人とできない人の違い
ニートを脱却できる人はポジティブな思考を持っている人です。ポジティブに物事を捉えられる明るい人の方が、ネガティブで暗い人よりも採用したいと思うからです。
ポジティブな思考で「不採用になっても次がある」「経験や実績がないのだから熱意はしっかり伝えよう」など前向きに考えられる人は、どんどん成長できます。 選考書類の内容や面接での話し方など、改善を繰り返し成長することで採用に近づきます。
反対に「ニートの自分が採用されることはほぼないだろう」「不採用通知が届いたし、自分には価値がないんだ」とネガティブに考えてしまう人は、なかなか次の行動に進めません。面接でもネガティブな印象が伝わってしまい、採用されにくいです。
そのため、ポジティブな思考を持っている人はニートを脱却できる可能性が高いです。
各種サポートを利用しながら、自分に合った仕事に就こう
今回は、ニートが就職先を見つける方法、ニート向けの職種、就職前にしておくことをご紹介しました。
ニートが就職する場合、自分1人の力だけで就職活動を進めるのは難しいことです。今回ご紹介した公的支援機関や、就職エージェントなどのサポートを受けて自分に合った就職先を見つけましょう。そのためには自己分析が必須です。
就職先の選択肢として、健康経営に取り組んでいる企業を選ぶのも大きなポイントです。従業員が心身とも健康で働けるように取り組んでいる企業であれば、ニートの人もストレスが少ない状況で働けます。
就職前の準備として、健康経営に取り組んでいる企業を探してみてはいかがでしょうか。
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