- ビジネススキル
- 2022.11.19
IT系の仕事には何がある?仕事に有利な資格とその将来性を徹底解説
IT系の仕事とよく聞きますが、具体的にどんな仕事があるのかよくわかっていない方もいるのではないでしょうか?ひとことで「IT系の仕事」と言えども、様々な業界があり、職種も広範囲に渡っています。この記事では、IT系の仕事を具体的に紹介すると共に、有利な資格とその将来性について解説します。
IT企業とは?
まず最初に「ITの意味」を確認しておきましょう。ITとは「Information Technology」の略で、情報技術という意味です。簡単に説明すると、PCなどのコンピューターや、インターネットなどのネットワークに関する技術のことになります。
また、多くの業種が存在するIT企業ですが、大きく分けると下記4つに分類されます。
①ハードウェア業界
ハードウェアとは物理的な機器のことです。
- パソコン
- パソコンの周辺機器
- スマートフォン
- タブレット
- ゲーム機
- 家電
- VR
- ドローン
- 3Dプリンター
などの端末本体の製造・販売を行っているのがハードウェア業界になります。近年、ハードウェアの高性能化が進んでいるため、ハードウェアだけを扱っている企業は減少傾向にあります。
ハードウェア業界の会社例
富士通・EPSON・Apple
②ソフトウェア業界
ソフトウェアとはPCなどのハードウェア上で多様な処理を実行するプログラムのことです。このプログラム(OSやアプリケーション)の開発を行っているのがソフトウェア業界になります。
- OS(Windows・Linuxなど)
- ビジネス向けシステム
- ゲームソフト
- スマートフォンのアプリ
など、ソフトウェアは業務効率化から娯楽まで、幅広い分野に渡っています。
ソフトウェア業界の会社例
Microsoft・ソフトバンク・Salesforce
③情報処理業界
情報処理サービス業界の会社はSI(システムインテグレータ)と呼ばれ、企業向けに情報処理やWeb上のサービスなどを提供しています。SIの役割は、顧客企業が抱えているITに関する問題と課題を解決することです。
- ヒアリング
- 分析
- システム開発の企画
- 提案
- 開発
- 納品
- システム運用
の順番で工程を進めます。
顧客企業の課題解決には、新たにシステム開発するだけでなく、現在の状況の見直しや改善が必要な場合も少なくありません。そのためSIはコンサルティング業務も請け負うことがあります。SIは、グループ会社のシステム開発を行う会社と、他社の開発運用を行う独立系の会社の2種類があります。
情報処理業界の会社例
日本IBM・NTTデータ・Sky
④Web・インターネット業界
Web・インターネット業界は、インターネットブラウザやアプリを経由してサービスを提供している会社です。
個人向けのサービスも多く、検索サイトや、知人と写真などを手軽にシェアできるSNSもWebサービスの一種です。特にインターネット上で商品やサービスの売買を行うEC(Eコマース=オンライン販売)は、今や多くの企業にとって欠かせない販売チャネルとなっています。
Web・インターネット業界の会社例
Amazon・楽天・Yahoo!
IT系の仕事の種類と平均年収
IT企業の業務は多岐に渡るため、多くの職種があります。ここでは業種を4つに分類し、代表的な仕事の種類と平均年収について解説します。
※平均年収参考:doda
開発・エンジニア職
システムエンジニア(SE)
システムエンジニア(SE)の仕事は、プログラムやソフトウェアの仕様書を作ります。具体的にはクライアントの要望をヒアリングした後、システムの基本設計、詳細設定、テストをし、システムが設計通り動作することを確認後、保守・運用を行います。
◆システムエンジニア(SE)の平均年収:404万円
プログラマー
プログラマーの仕事は、システムエンジニアが設計した仕様書に基づいて、コンピューターを動かすプログラム言語を使ってシステムやソフトウェアを作るためのプログラミングを行います。システム上のバグを発見することもプログラマーの重要な仕事の一つです。また、プログラムの導入や分析などを行うこともあります。
◆プログラマーの平均年収:404万円
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアの仕事は、コンピューターネットワークの設計・構築・保守・運用・管理を行います。ネットワークに障害が発生した場合、ユーザーに多大な損害を与えてしまうため、保守の徹底はもちろん、トラブル発生時には迅速な対応が求められます。
◆ネットワークエンジニアの平均年収:433万円
システム保守運用
システム保守運用の仕事は、サーバーやネットワークがトラブルで停止しないように、システムの管理・運用をします。 運用は「トラブルを未然に防ぐ」、保守は「トラブル発生時に迅速に対処する」ことで、サーバーやネットワークが問題なく稼動しているかを常に監視し、トラブルを未然に防いで安定したサービス提供が求められます。
◆システム保守運用の平均年収:416万円社内SE
社内SEの仕事は、自社のシステム構築や運用保守、社内インフラの整備、社員からの問い合わせ対応などを行ういます。仕事は多岐に渡り、企業によって業務内容や担当する範囲は異なります。業務内容はシステムエンジニア(SE)に近いですが、社内SEは基本的に自社内のシステムに関わる業務のみを担当します。
◆社内SEの平均年収:452万円
営業・コンサルティング職
営業
IT営業の仕事は、クライアントの要望に合わせて、システム開発や運用、パッケージソフト、Web制作、ネットワーク機器など、ITに関連するサービスや商品の提案・販売です。営業スキルだけではなく、扱う商品やサービスに関する専門知識も必要となります。
◆営業の平均年収:478万円
セールスエンジニア
セールスエンジニアの仕事は、自社の商品やサービスを販売するセールス(営業)と、技術的な知識とスキルを持つエンジニア(技術者)の両面で、クライアントに製品の提案と導入後のサポートを行います。エンジニアと名がついていますが、実際の業務は営業寄りです。
◆セールスエンジニアの平均年収:495万円
システムコンサルタント
システムコンサルタントの仕事は、クライアントの業務内容を理解した上で、抱えている経営課題をIT関連の技術やノウハウを駆使して課題を解決することです。 ビジネスの利益向上のために、自身の知識と情報と思考力で、経営課題の解決の道を探求するのがシステムコンサルタントの役割です。
◆システムコンサルタントの平均年収:584万円
ITコンサルタント
ITコンサルタントの仕事は、企業の経営戦略に沿ってIT戦略を策定し、システムの見直し、開発や最適化を提案し企業の経営を助けることです。ITコンサルタントは、ITを活用して企業の課題を解決する専門家と言えます。
◆ITコンサルタントの平均年収:585万円
マネジメント職
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーの仕事は、IT分野の開発を行うチームの責任者として、その実行計画の作成、予算、メンバー、進捗管理を行います。その仕事の範囲は、コストの管理、人的リソースの調達、クライアントや経営陣との交渉など多岐に渡り、プロジェクト全体の最高責任者と言えます。
◆プロジェクトマネージャーの平均年収:671万円
ブリッジシステムエンジニア
ブリッジシステムエンジニアの仕事は、人件費の安い国へ開発を委託する「オフショア開発」において、日本側の企業と現地スタッフとのコミュニケーションの懸け橋となり、プロジェクトの進行を管理することです。SEとしての知識とスキルに加えて、語学力、コミュニケーション力、調整力が必要となります。
◆ブリッジシステムエンジニアの平均年収:540万円
Web系専門職
Webエンジニア
Webエンジニアの仕事は、Webサイトで使用するWebアプリケーションの開発・設計・管理など、Web開発全般を行います。その守備範囲は広く、システムの企画から、設計、サーバー選定、デザイン、コーディング、テスト、SEO対策、サイト誘導、Webマーケティングなど広範囲に渡るスキルと知識が必要です。
◆Webエンジニアの平均年収:416万円
Webデザイナー
Webデザイナーの仕事はは、クライアントの要望に基づいたイメージのWebサイトを制作することです。デザインだけではなく、テーマやコンセプトの企画段階から携わり、HTMLやCSSを用いたコーディングも行います。Webサイトの見た目だけではなく、操作性の良さも考慮したデザイン力も必要となります。
◆Webデザイナーの平均年収:354万円
Webマーケター
Webマーケターの仕事は、ひとことで表すと「Webを活用して売上を伸ばすこと」です。具体的には、商品販売ページ作成、SEO対策、ネット広告運用、SNS運用などのマーケティング戦略を立て実行します。「お客様はどうしたら買いたくなるのか?」を理解し想像する力が必要となります。
◆Webマーケターの平均年収:476万円
IT系の仕事は未経験でも挑戦できる
IT系の仕事は専門性が強く、その分野の資格やスキルがない未経験者にはハードルが高く感じている方も多いのではないでしょうか。ですが、求人サイトを見てみると「未経験歓迎」の職種が結構多くある印象です。ここではIT業界未経験者でも挑戦できる職種について解説します。
IT系未経験の定義
「未経験者歓迎」の記載がある求人を目にした時、「未経験とはどんなレベルのことをなのか?」と疑問を持ち、応募をためらってしまう方もいるはずです。
プログラマーの場合、未経験者とは「プログラミングの基礎知識はあるが、業務として使ったことがない」という定義が多いようです。また、他の職種であってもIT業界で仕事をするわけですから、
- パソコンの基本操作
- ブラインドタッチ
- Word・Excel等のOffice系アプリの操作
- Webを使っての検索
- 資料作成
などのパソコン操作は、無理なくできるスキルは身につけておく必要があります。
IT系未経験、何歳までOK?
異業種からIT業界へ転職を考える場合、何歳までなら可能性が高いのか?気になるところです。
24歳〜27歳はポテンシャルで見てもらえるので、未経験でも第二新卒層として採用されやすいと言われています。また、30歳以上になると、業界・業種経験は当たり前で、できればマネジメント経験も必要となってきます。とはいえ、年齢は1つの目安です。IT業界でどんな仕事がしたいのか、そのためにはどんなスキルや経験が必要なのかを把握し、資格を取得するなどの準備をして挑戦してみる価値は大いにあります。
IT系未経験でも挑戦できる仕事
未経験者でも比較的挑戦しやすい職種は下記となります。
- 事務
- 営業
- プログラマー
- システムエンジニア
- ネットワークエンジニア
- Webデザイナー
IT業界は、日々新しい技術が生まれ進化が早いため、新しいことを吸収し理解する力が求められます。技術系の職種の場合、未経験でIT業界に飛び込み、一定のスキルと知識を身に付けた後、独立するという道もあります。エンジニア、マーケター、デザイナーなどは、フリーランスで活躍している人が多い職種です。
IT系の仕事に有利な資格
IT業界で仕事をしていく上で、取得すると有利になる資格があります。資格は大きく分けると「国家資格」と「ベンダー資格」の2つになります。「IT資格は必要ない」という声を耳にしますが、IT業界未経験者の場合は取得しておくと、有利に働く場合が多いです。
国家資格
ITパスポート
通称「iパス」と呼ばれ、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験で、最も基礎的な資格になります。初めて挑戦するIT系の資格に最適です。
試験はパソコンを利用したCBT方式で行われます。試験時間は120分で四肢択一式です。全部で小問が100問あり、
- ストラテジ系(経営全般):35問程度
- マネジメント系(IT管理):20問程度
- テクノロジ系(IT技術):45問程度
で構成されています。
◆ITパスポート試験の詳細はこちら
基本情報技術者
基本情報技術者資格は「ITエンジニアの登竜門」と言われ、情報技術を活用した戦略立案と、システムの設計・開発・運用に関しての知識と技能が問われます。プログラマー・システムエンジニアなどのIT職種の人、またはこれから従事しようとする人が対象です。
試験はパソコンCBT方式で行われます。試験時間は午前150分・午後150分で多肢択一式です。
- 午前 出題数:80問 解答数:80問
- 午後 出題数:11問 解答数:5問
◆基本情報技術者試験の詳細はこちら
ベンダー系資格
ベンダー資格とは、IT関連製品の製造・販売するベンダー(企業)が、自社製品の操作技術や管理技術のレベル認証を目的とした民間資格制度のことです。
AWS認定資格
AWS(Amazon Web Services)はAmazonが提供するクラウドサービスで、AWS認定とは、Amazon Web Servicesに関する専門知識やスキルを有していることを認定する資格のことです。 近年、インターネット上にあるサービスやシステムの多くがAWSのクラウドサービスを使って開発されており、それに伴ってAWSクラウドサービスにおける運用・保守ができる人材の価値が上がっています。
◆AWS認定資格の詳細はこちら
オラクルマスター
オラクルマスターは、日本オラクルが提供する「Oracle Database」の技術を認定する資格のことです。 データベース製品は数多くありますが、「Oracle Database」は世界で高いシェア率を維持し続けています。オラクルマスターには、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのグレードに分かれています。この資格は民間資格ですが、シルバー以上は世界基準として認められています。
◆オラクルマスターの詳細はこちら
マイクロソフト認定資格
マイクロソフト認定資格とは、マイクロソフト製品についての必要な知識と技術を取得していると証明できる資格のことです。マイクロソフトの認定資格は各項目ごとに体系化されていて、「Fundamentals認定資格」「ロールベースの認定資格」「Additional certifications」の3つに分かれています。
【まずはMOSから】
MOSとは「Microsoft Office Specialist」の略で、マイクロWordやExcelなど、オフィスで使うソフトの操作スキルの資格です。実施基準が約200ヶ国で同一なので、海外でもそのスキルを証明できます。
MOSにはWord、ExcelのほかにPowerPoint、Access、Outlookの5つの試験があります。よく使われるWordとExcelには、一般レベル(アソシエイト/スペシャリスト)と上級レベル(エキスパート)の2種類があります。
◆MOSの詳細はこちら
IT系の仕事は多種多様!自分のやりたい職種にチャレンジしてキャリアアップ!
今やIT業界以外の企業でも、IT関連の職種の人材は必要不可欠になっています。IT系の仕事は多岐に渡り、多くの企業は人材不足の傾向にあります。また、専門性の高い職種も多いので、その平均年収は他業種と比べると高くなっており、業界としての将来性もかなり高いと言えます。
その反面、30歳以上の場合、他業種からIT業界への転職は狭き門と言われています。ですが、自分がやりたい職種を絞り込み、事前に有利な資格を取得するなどして挑戦する価値は大いにあります。
最後に、IT業界はベンチャー企業などの新しい会社も多く、社内環境の整備が追いついていない会社もあります。自分がやりたい仕事ができるかはもちろんのこと、IT業界の会社を選ぶ1つの基準として、健康経営優良法人に認定されているなど、従業員の心身の健康について配慮している企業かどうかも加えてみるとよいでしょう。
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