- 働き方改革
- 2022.09.30
安全な副業とは?初心者にもおすすめの副業6選|副業の始め方と注意点もご紹介
近年、副業への関心が高まりつつあります。個人の収入を支えるばかりでなく、スキルアップやモチベーションの向上を図ることも可能です。企業にとってのメリットも認められ、それまで禁止してきた副業を容認する企業も増加しています。
一方、副業を始めるにあたって詐欺にあったり、心身の安全が脅かされたりする危険性もあります。今回は日本の副業事情と初心者や未経験者にもおすすめの副業、始め方や健康経営との関わりについてご紹介しましょう。
副業志向が高まる近年
近年、副業への関心が高まっています。5年ごとに発表されている「就業構造基本調査」では、2017年に副業をしている人は雇用者全体の4.0%にあたる267.8万人。また副業を希望している人は約424.4万人でした。副業をしている人・希望している人の数はいずれも増加しています。
副業志向が高まっている背景には、多様な働き方への関心があるでしょう。厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、副業を認める方向性を打ち出しました。あわせて厚生労働省が職場内のルールとしてモデル作成した就業規則からも副業を禁止する内容を削除しています。2018年より実質的に、日本の副業が解禁されたといえるでしょう。終身雇用制度が崩壊し、少子高齢化によって定年年齢が引き上げられた現在、個人の働き方も多様化しています。こうした働き方の変化から、副業によって収入の柱を分散化したい・スキルを身につけたいとして副業への関心が高まっている現状です。
副業のメリット
副業によって得られるメリットは2つあります。1つ目は、副業収入を得られれば暮らしていくうえで必要なお金のリスクマネジメントができる点です。厚生労働省が2020年に発表した「副業・兼業に関する労働者調査」では、副業をしている人の割合は9.7%。働いている人の約1割が副業をしている結果です。副業をしている人の収入は毎月5万円以上10万円未満が13.5%と最も多く、副業も収入源のひとつに数えられます。本業以外に収入の柱があると、本業の収入が減ったりトラブルによって給与を受け取れなかったりしたときにも安心でしょう。収入の柱を分散化することで金銭的なリスクマネジメントになります。2つ目はスキルを向上させたり、習得したりできる点です。本業でつちかったスキルを生かして副業に取り組むことで、スキルアップが期待できます。また副業でのスキルアップが本業に還元されることもあるでしょう。さらに新たなスキルや資格を習得することで、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップを図れます。このように本業以外で収入を得られることとスキルの向上・習得は、副業の大きなメリットです。
副業選びのポイント
副業を始めるなら、自分にあった仕事を選ぶことが大切です。まずはどれくらいの収入を得たいか、副業にどれくらいの時間を割けるか考えましょう。本業やプライベートを圧迫しない範囲で、目標収入と作業量を見極めます。また副業を始めるにあたって金銭的・時間的リスクをどの程度とれるかが重要です。低リスクの仕事は誰でも気軽に始められますが収入に限界があります。一方、金銭的・時間的リスクを負った仕事は成功すれば大きな収益を得られるでしょう。収入と作業時間の目標、そして副業に向き合う姿勢を明確にすることが大切です。副業を始める場合は1度にいろいろなことへ手を出すのではなく、コツコツと長期的に取り組むことが大切です。多くの副業は短期間で成果を出すのが難しい現状があります。安定した収入を得られる見込みのある仕事は、特にその傾向が強いでしょう。たとえ最初のうちは低収入の期間が続いても、諦めずに取り組み続ける必要があります。長く仕事を続けるためには、興味や関心のある仕事を選ぶとよいでしょう。
楽しみながら仕事ができればモチベーションも上がり、長く続けることが副業の安定につながります。副業選びのポイントは、諦めずに長く継続できる仕事であるかを考えることです。
安全な副業選び
安全な副業選びのためには、これまでの経験を生かせる職業を選ぶとよいでしょう。「スマホひとつですぐに稼げる」や「短時間で高収入」などといった非現実的な仕事は避けるべきです。マルチ商法の勧誘だったり高額な情報商材を売りつけられたり、個人情報を抜き取る詐欺だったりする可能性があります。こうした副業を利用した詐欺にあわないためには、情報元や運営企業の安全性を確認することが大切です。口コミや社会的評価をチェックして、安全な副業を選びましょう。過去の経験やスキルを生かせる副業なら、新しく知識を仕入れる必要がないためスムーズに仕事を始められます。経験やスキルを評価されて、案件の獲得や報酬アップにつながることもあるでしょう。一方、誰でもできる仕事や極端に簡略化された作業は単価が低く、長時間作業を続けても大きな収入につながらないことがあります。安定した収入を目指すなら、ある程度の知識がある業界や経験・スキルを生かせる仕事を選ぶのがおすすめです。
初心者・未経験者におすすめの副業6選
これから副業を始めるにあたって、初心者や未経験の人でも始めやすい仕事をご紹介します。簡単な仕事から始めて、時間の使い方や副業をするにあたっての目標が明確になったら、より専門性の高い仕事に挑戦するのもよいでしょう。まずは副業と本業を両立する生活に挑戦してみてください。
1、アンケートモニター
商品やサービスなどを体験し、アンケートに答えることで報酬を得るアンケートモニター。自身の裁量で作業時間や作業量を調節できるので会社員でも気軽に始められます。指定された飲食店で食事をしてアンケートに回答するグルメモニターや、化粧品を試して使用感を回答する美容モニターなど、私生活の出費を抑えられる仕事もあるでしょう。普段の生活のなかで、本業の合間に副業をすることが可能です。2、ポイントサイト
「ポイ活」と言われ、主婦や学生にも人気のポイントサイト。広告動画の視聴やセミナーへの参加によってポイントが得られます。ためたポイントは現金や他のサービスに交換することが可能です。通勤や昼休みなどスキマ時間でできるので、手軽に副業を始めたいは挑戦してみるとよいでしょう。3、データ入力
顧客や商品の情報、手書きのアンケートなどのデータをエクセルやワードに入力していくデータ入力作業。文字や数字を入力するだけなので、特別なスキルが必要なく、自宅にパソコンがあれば手軽に始められます。コツコツと自分のペースで進められ、朝早くや夜遅くなど時間的な拘束がなく取り組めるのも魅力のひとつです。常に一定の求人があるため、毎月安定して稼げるでしょう。4、フリマサイトでの物販
個人間で売買を行うフリマサイト。本や洋服、家具、家電製品、食品までさまざまな商品を販売できます。手軽に出品できるので、主婦や学生をはじめ多くの人に利用されているフリマサイト。設定した商品価格から販売手数料を差し引いた金額が個人の報酬になります。販売額を設定したり販売方法を工夫したりすることで利益につながるのがポイントです。5、Webサイト運営
Webサイトの運営によってGoogleやアフィリエイトの広告収益を得る方法です。アフィリエイトとはインターネット上の広告プログラムのひとつ。Webサイト上で商品やサービスを紹介し、購入されれば広告収益が得られます。まずは興味のある分野で情報サイトを制作し、閲覧数の増加をねらいましょう。閲覧数が増えれば広告収益も期待できるようになります。6、デリバリー・配達員
近年、需要が高まっているのが配達作業員です。新型コロナウイルスの感染拡大を受け商品の宅配サービスが急激に増え、多くの配達作業員を必要としています。配達業務のなかでも手軽にはじめられるのがフードデリバリー。スマホと自転車やバイクなどの移動手段があれば、ライフスタイルにあわせて働けます。休日や夜間は注文が増える傾向にあるため、本業のない時間帯に体を動かしながら働きたい人におすすめです。副業を始めるために
スムーズに副業を始めるためには、しっかりと準備をすることが大切です。副業を始めてから後悔しないためにも、あらかじめ以下の点を確認しておきましょう。
副業の始め方
副業を始めるにあたって、まずは収入の希望や時間の配分、仕事に対する想いなどを明確にします。副業に対して求めるものが金銭的な安定なのかスキルアップなのかによっても、職業の選択は異なるでしょう。本業やプライベートを圧迫せず副業に取り組むためには、あらかじめ副業に割ける時間を明確にしておく必要があります。条件を整理できたら、希望にあう職業を見つけましょう。仕事を得る方法として、インターネットを利用して仕事の受発注を行うクラウドソーシングの活用や自分のスキルをSNSで発信するといった方法があります。実績を積んで、企業やサービスを求める個人に自ら営業するのも一手です。
副業を始める際の注意点
副業を始める際に、本業の就業規則をしっかりと確認しておきましょう。副業についての規定は企業ごとに異なります。副業を禁止している企業もあるので注意が必要です。認められる職種や条件、事前申告の有無などを確認してから副業を始めましょう。さらに副業で年間20万円以上の収入があれば確定申告を行う必要があります。収支を把握し、確定申告が必要な場合は早いうちから準備しておきましょう。注意点について詳しく知りたい方は、下記記事もぜひ参考にしてみてください。
関連コラム
副業と健康経営
健康経営とは従業員の健康維持・増進を目指した企業の取り組みのことです。従業員が健康に生き生きと仕事をすることで、組織の価値や作業効率、生産性の向上を狙います。定期的な健康診断や健康相談、ストレスチェックなどの実施は健康促進事業の一環です。また社内の働き方改革やワーク・ライフ・バランスの見直しを行うことで、従業員のライフスタイルを尊重したキャリアライフを支援します。仕事を取り巻く環境が改善されれば、企業の生産性向上も期待できるでしょう。
健康経営に通じる副業
多様な働き方をサポートする手法のひとつとして、副業支援があげられます。これまで多くの企業で禁止されてきた副業ですが、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表したことで、副業に対する見方が変化しました。2021年にパーソル総合研究所では「副業に関する調査結果」を発表。半数に近い企業が副業を容認しています。個人のスキルアップ支援は業務効率の向上や企業のイメージアップにつながるでしょう。副業を解禁して自由な働き方として支援する取り組みは、健康経営にもつながります。副業支援の注意点
副業を支援するにあたって、社内規則を改定したり情報漏えいの予防対策をとったりすることが大切です。副業における企業の懸念点として、従業員の過重労働や情報漏えいの危険性、労務管理などの事務作業の煩雑化があげられます。あらかじめ副業について社内規則を明確化し、副業の始め方や労務管理の手順を確立することで企業と従業員の双方にとって負担が少なく副業を推進できるでしょう。 従業員が副業を行うことで、モチベーションの向上や視野の拡大、自主性の向上、スキルアップなどの効果が期待できます。正しく副業を推進するためには、取り組みやすい職場づくりも大切です。副業の規定や始め方を社内で周知し、ときには勉強会やディスカッションの機会を設けるなどして、誰もが副業を始めたり続けたりできるようサポートしましょう。スキルやモチベーションアップで本業にも役立つ副業
副業志向が高まる現状と初心者や未経験者にもおすすめの副業と始め方、健康経営との関わりなどについてご紹介しました。本業やプライベート以外に自分にあった仕事を見つけ、継続して取り組むことは収入が増える以外にも多くのメリットがあります。新たな出会いや発見、スキルやモチベーションの向上など、副業は本業やプライベートにもよい影響を与えるかもしれません。本記事を参考に、まずは自分にあった副業探しから始めてみてはいかがでしょう。
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