- 健康経営
- 2022.10.03
失業手当はいくらもらえる?受給される条件や期間、もらえるまでの日数などもわかりやすく解説!
離職後、次の仕事を探すまでの間、生活していくために「失業手当」という支援を受けられる制度があります。 働きながら転職活動をすることが難しかったり、病気などで仕事を続けられなかったりして、やむを得ず離職した経験がある人もいるでしょう。
離職後も、受給資格があれば申請して失業手当を受けられるため、安心して社会復帰のための準備ができます。 しかし、失業手当をいくらもらえるのか、支給される条件について、詳しく理解していない人も多いでしょう。 ここでは、失業手当についてもらえる金額や支給される条件、期間などをご紹介します。
失業手当とは
失業手当とは、仕事を辞めた人に対して離職後の生活やお金の心配をせずに、一日でも早く再就職ができるように国が行っている支援です。 正式名称は「雇用保険」といい、公的保険制度の中の1つにあたり、支給される条件を満たせば誰でも受け取れます。
しかし、受給可能期間が定められていたり、自分で申請しなければ受け取れなかったりするため注意が必要です。
失業手当を受給できれば、ある程度の期間は金銭的そして精神的にも余裕を持って生活できます。金銭的な不安から焦って転職先を探すと、転職に失敗する可能性があるため、できるだけ失業手当の支給条件を満たしてから離職しましょう。
失業手当が支給される条件
失業手当は、離職すれば全員がもらえるわけではありません。 支給されるにはいくつか条件があります。ここでは、失業手当が支給される条件についてご紹介します。
離職前に雇用保険に加入していた
働いていなかったり、業務委託など会社に属していなかったりする人は雇用保険に加入できません。会社に雇用されている場合のみ、以下の条件を満たせば自動的に雇用保険に加入させられます。
- 31日以上続けて雇用される見込みがある
- 期間の定めなく雇用される
- 雇用期間が31日以上ある
- 雇用契約の更新が必要だか、31日未満で雇用終了の予定がない
- 雇用契約の更新に関する決まりはないが、同じ雇用契約で31日以上雇用契約を継続した実績がある
- 1週間の所定労働時間は20時間以上
要約すると、最低でも31日以上は継続して働き、かつ1週間に20時間以上働くことが約束されている場合に加入できます。 失業手当の支給条件は、離職する前の1~2年のうち一定期間以上雇用保険に加入していることです。
この期間は離職理由によって異なります。 転職やキャリアアップのためなどの一般的な離職者は、2年間のうち12ヶ月以上雇用保険に加入していなければなりません。
最低でも1年間は同じ会社で働かなければ、失業手当はもらえないようです。しかし、病気やリストラなど自分が希望しない理由による離職は「特定理由離職者」や「特定受給資格者」として認定され、支給条件も異なります。
上記の場合は離職前の1年のうち、6ヶ月間以上雇用保険に加入していれば受給できます。自分の離職理由を踏まえて、どの条件で失業手当をもらえるのかを確認しましょう。
就職の意思があるができない場合
転職活動を積極的に行うなど、就職する意思は確認できるが選考に落ちるなどして就職できていない場合も条件に入ります。
しかし、離職者1人ひとりの就職に対する意思を確認することは困難です。そのため、ハローワークに通って求職活動をし、就職の意志を証明しなければなりません。 原則4週間に2回以上と定められており、受給期間中は毎月行うことが必要です。
すぐに就職できる状態
離職後、すぐに求職活動を開始し、就職できる状態であることも条件に入ります。そのため、妊娠や怪我、病気などが原因で離職した場合は、すぐに働けないため失業手当をもらうのに時間がかかります。
しかし、すぐに就職できない状態で離職しても、手続きをすれば失業手当を後から受け取ることは可能です。まずは失業手当の受給期間を延長してもらえる申請をする必要があります。これにより、本来は1年以内に貰い終えなければならない失業手当を、最長4年以内まで延長できます。
子どもの保育園入園が決まったり、病気や怪我の治療が終わったりするなど、いつでも就職できる状態になってから求職活動をし、就職する意思が認められれば失業手当が支給されるようです。
時間はかかりますが条件を満たせば必ず受給できるため、自分に当てはまる受給条件を確認しましょう。
失業手当はいくらもらえる?
失業手当の金額は、基本的には前職の給料の50~80%ほどで、その割合は人により異なります。以下の順番で割り出せるため、自分がいくら失業手当をもらえるのか確認しましょう。
- 日割り賃金=過去6ヶ月間で支払われた給与の合計÷180
- 日割り基本手当=日割り賃金×50~80%
- 失業手当合計=日割り基本手当額×給付日数
まずは前職の日割り賃金を算出します。賞与は抜きにして、過去6ヶ月間で支払われた給与の合計を180日で割って計算しましょう。 日割り賃金額には上限と下限があり、下限は2,657円と決まっていますが、上限は年齢により異なります。
29歳以下の6,835円が1番低く、45~59歳が8,355円と最も高額です。最低でも2,657円以上はもらえますが、年収が高い人は上限を超える可能性があります。年齢と照らし合わせながら確認しましょう。
日割り賃金がわかったら、そのうち50~80%の額が失業手当の日割り額です。この割合は前職の日割り賃金により異なります。 日割り賃金が5,030円未満であれば前職の80%もらえますが、12,380円以上であれば50%まで下がります。
離職前に、自分の日割り賃金を計算して、大体月にいくらぐらいもらえるのか把握しましょう。
失業手当がもらえる期間はどのくらい?
失業手当は永遠にもらえるものではなく、受給できる期間が決まっています。そのため、期間内に転職活動を済ませる必要があります。また、離職後も計画的にお金の管理をするために、いつから失業手当がもらえるのかを確認することも大切です。ここでは失業手当がもらえる期間と、いつからもらえるのかについてご紹介します。
失業手当をすぐには受け取れない
失業手当は、離職後に申請してすぐにもらえる訳ではありません。支給開始日は離職理由により異なります。離職理由は、リストラや倒産などの「会社都合」による離職か、転職やキャリアアップなどの「自己都合」の2種類に分けられます。
会社都合による離職では、支給開始までの待機期間が1週間で、比較的すぐに受け取れます。妊娠や出産、怪我や病気などの「特定理由離職者」も会社都合に含まれます。失業手当の申請をすれば、求職活動開始後1週間で受け取れるでしょう。
自己都合離職では、待機期間が2ヶ月あるため受け取るまでに時間がかかります。 2ヶ月間収入がなくなることを見越して、離職前は数ヶ月分の生活費を貯金しておきましょう。
受給期間は基本的に1年間
一般的な理由で離職した場合、失業手当は離職した翌日から1年間の間に全て受給し終えなければなりません。そのため、申請が遅れて一年を過ぎて給付額が余っていた場合も受給できなくなります。一般的な自己都合退職では、受け取るまでに2ヶ月かかり、待機期間も受給期間に含まれます。そのため早めの申請が大切でしょう。
また、実際に手当を受け取れる期間は雇用保険に加入していた期間と年齢によって異なります。最短が1~10年未満で90日、最長が20年以上で150日です。長く勤めれば給付期間も長くなりますが、だいたい3~5ヶ月ほどです。
とくに若いうちに離職した場合、ほとんどが3ヶ月程度しかもらえません。離職前に応募する会社の目星をつけておくなど、転職活動は計画的に行いましょう。
失業手当の申請方法
失業手当は、離職後に自動的に入ってくるものではなく、自分で申請する必要があります。ここでは失業手当をもらうための申請方法についてご紹介します。
1.離職票を会社から受け取る
失業手当を受け取るためには、ハローワークから失業していると認められなければなりません。離職票とは、離職したことを証明する書類で、離職後10日ほどで会社から送られてきます。 離職票をもってハローワークに行き、失業手当の申請を行いましょう。
2.求職活動をする
失業手当を受け取るためには、就職する意思があることが認められなければなりません。そのため、ハローワークで積極的に求職活動をし、就職する意思があることを証明しましょう。 とくに失業手当の申請を行い、失業認定を受けるまでの間は積極的に活動することをおすすめします。 晴れて失業認定を受けられれば、失業手当の支給が始まります。早くて申請から1ヶ月、おそくとも2ヶ月後から受給できるでしょう。
3.月に2回求職活動を続ける
失業認定は原則1ヶ月に1度のペースで行い、失業状態が継続しているか、就職の意思はあるのかを確認します。 そのため、支給が決まったあとも積極的にハローワークに通い、求職活動を続ける必要があるようです。
原則月に2回以上はハローワークで求職活動をしたり、就職セミナーなどに参加したりしなければなりません。 受給期間が終了するまで毎月行う必要があるため、他の転職エージェントを利用している人も忘れずにハローワークへ通いましょう。
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失業手当を受給して焦らず仕事先を探そう
今回は失業手当について、いくらもらえるのかや受給期間、もらえる条件についてご紹介しました。 1年以上働いていれば、基本的にはほとんどの人が失業手当を受け取れます。期間や金額は人により異なりますが、給与の60%ほどが3ヶ月間保証されることが多いでしょう。
転職活動の期間を予め決めて、失業中は計画的に過ごすことをおすすめします。 また、転職後に労働環境が悪いなどの理由で再び離職することを防ぐために、健康経営を実施する会社に転職すべきでしょう。健康経営を実施する会社は、社員の健康を第一に考えているため、ワークライフバランスが安定しやすい環境を整えています。
労働環境による離職は防ぎやすいため、一度会社選びに失敗した人は健康経営優良法人に選出された会社の中から選ぶことをおすすめします。
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