- 健康経営
- 2022.08.29 (最終更新日:2023.11.24)
ホワイト企業とは?ホワイト企業に見られる5つの特徴と見分け方について徹底解説
「ホワイト企業」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、具体的に何かと聞かれると返事に困ってしまう人もいるでしょう。
「ブラック企業」と言えば、長時間労働・低賃金・サービス残業など、劣悪な労働環境のもとで従業員をこき使うといったイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。「ホワイト企業」はその逆で「従業員にとって働きやすい企業」ということになります。この記事では「ホワイト企業の特徴と見分け方」について解説致します。
ホワイト企業に見られる5つの特徴
まず最初にホワイト企業の代表的な5つの特徴から解説します。
ホワイト企業の特徴①:離職率が低い
「離職率が低い」ということは、最も代表的なホワイト企業の特徴と言えます。「離職率」とは、ある時点で働いていた人数に対して、一定期間後に離職した人の割合を示します。一般的には、期初から期末までの1年間で算出することが多いようです。
「離職率の低さ」は、社員の勤続年数の長さにも影響し、転職や退職をしないで同じ企業で働き続ける社員が多いということは、それだけ働きやすい企業ということになります。「離職率が低い会社」=「働きやすい会社」=「ホワイト企業」と判断できます。
「離職率」は、各企業が一般公開しているわけではありませんが、『就職四季報』で確認することが可能です。
ホワイト企業の特徴②:福利厚生が充実している
「福利厚生」とは、給与や賞与とは別に、企業が従業員とその家族に提供する健康や生活へのサービスのことです。ホワイト企業はこの福利厚生が充実しています。
福利厚生には、法で義務付けられている「法定福利厚生」と、企業が任意で提供している「法定外福利厚生」があります。詳細は下記の通りです。
法定福利厚生
- 雇用保険
- 労災保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 子ども・子育て拠出金
法定外福利厚生
- 各種手当
- 社員食堂
- 社宅・独身寮
- リフレッシュ休暇
- 産前産後休暇・育児休暇・介護休暇
- 託児施設
- 運動施設
- 保養所
- 財形貯蓄制度
- 宿泊施設やレジャー施設などの割引制度
「各種手当」には、通勤手当、住宅手当、扶養手当、資格手当、資格取得支援、役職手当、慶弔・災害見舞金などがあります。業務に必要な費用だけではなく、住宅手当や扶養手当のような生活に関する費用を会社が負担することで、社員の生活はより安定し、満足度も上がります。
そのため、さまざまな「法定外福利厚生」を設けている企業は、社員の生活を守ろうという強い思いの証と言えます。
ホワイト企業の特徴③:残業時間が少ない
「残業時間が少ない」ということもホワイト企業の大きな特徴と言えます。具体的には、1ヶ月の残業時間が20時間を下回ると「残業時間が少ない」と判断されます。
ホワイト企業は「定時あがり」が基本で、「残業ありきは論外」という考え方です。常日頃から、不必要な残業が発生しないように「業務内容を見直す」「システム化する」「場合によっては排除する」など、仕事の効率化を図る工夫をしています。
残業時間が増え労働過多になると、身体面・精神面への影響も出やすくなり、場合によっては健康を損なう危険性があります。
ホワイト企業では、
- 残業には上司に承認が必須
- 「ノー残業デー」を設ける
などのルールを設定し「残業をしにくい環境」を作り、適正な労働時間で社員の良好な健康状態保つよう、企業全体で取り組んでいます。
ホワイト企業の特徴④:成長環境が整っている
ホワイト企業は、社員を長期的に雇用することを最優先に考えているので、社員がスキルアップできる「社内研修」や「教育」が充実しています。研修や教育を実施すると、参加する社員の業務が滞り、一時的に売上が落ちたりコストが発生する可能性があります。
このような損失があっても、ホワイト企業では社員の成長のために研修や教育制度を整えているのです。
ホワイト企業の特徴⑤:財務指標が盤石である
ホワイト企業の条件として「会社の経営状態が良好であること」は外せません。いくらやりがいのある仕事でも、働いている会社が倒産してしまっては何の意味もないためです。
企業が長く存続していくためには、業績の良い状態を維持していく必要があります。
業績が下がってくると、給与のアップ・賞与の支給・福利厚生の充実・研修や教育を行うことができなくなり、社員の働く環境も悪くなってしまいます。
求人から読み取るホワイト企業の条件
「ホワイト企業」は働きやすい企業であり、言い換えれば「労働条件が良い企業」と言えます。では、具体的に良い労働条件とはどんなものなのか?求人記載内容からホワイト企業を見分けるコツをお伝えします。
給料が良い
ホワイト企業は、仕事量が適量で、労働負荷が低いという特徴があります。また、仕事量に対して給料が高いといわれています。
女性が長く働ける
女性は、結婚・出産・育児など目まぐるしくライフステージが変わります。それに合わせて、女性が退社することなく無理なく働き続けられる環境が整っている企業は、女性に対する理解度が高いといえます。
このようにホワイト企業は、女性社員が大切にされ長く働ける会社です。
子育て世代への配慮
ホワイト企業には、育児休業・ベビーシッター補助制度など、子育て世代が必要とする制度が整っており、男女の差なくその制度を利用できるようになっています。また、仕事と家庭生活を円滑に行えるように、時短勤務やフレックスタイムなど柔軟な勤務体制が定着しているのも特徴です。
自己啓発の支援
ホワイト企業は、長期雇用を基本に社員を採用しています。そのため、入社時研修をはじめしっかりと時間と費用をかけて、スキルアップを目的とした社員教育環境が充実しています。具体的には、本人の希望に応じたキャリアアップや、資格取得奨励制度、語学留学制度、通信教育制度などです。
女性の活用
積極的な女性の管理職登用をしているのもホワイト企業の特徴の1つです。結婚・出産・子育て・介護などと仕事との両立に対する理解が会社側にあり、女性社員が大切にされ長く働ける会社は、ホワイト企業といえます。
ホワイト企業の見分け方
最後に企業がホワイト企業と認知される基準についてお伝えします。
求人が頻繁に出ていないか
頻繁に求人情報を出している企業は、ホワイト企業ではない可能性が高いです。常に人材を募集しているということは、常に人手不足と考えられます。
ホワイト企業は離職率が低いため、人員に空きが出ることが少ないので頻繁に求人を出す必要がありません。
給与が高く、福利厚生が充実している
働く側は、給与の額・賞与の回数・福利厚生の内容を重視します。
特に福利厚生は、給与と違い義務付けられているものではないので、その充実度によってホワイト企業かどうかを見極めることができます。
残業時間が少なく、有休消化率が高い
2019年4月から施行された「働き方改革関連法」では、従業員の労働時間や有給休暇の取得について新たに制定されました。残業時間が多い、また有給取得率が低い場合は、ブラック企業として認知されやすくなります。
ホワイト企業は、残業時間が少なく、有給取得率も高いという特徴があります。
『健康経営優良法人』に認定されている
「健康経営優良法人」とは、2017年度からスタートした経済産業省の認定制度です。「健康経営優良法人」は、年々増えており「健康経営優良2022」には大規模法人部門2,299法人、中小規模法人部門12,255法人の認定発表がありました(2022年3月9日発表)。
「ホワイト企業のステータス」として健康経営優良法人の認定に注目が高まっています。
▼参考:健康経営優良法人認定制度について(経済産業省のHP)
『安全衛生優良企業認定ホワイトマーク』に認定されている
「ホワイトマーク」とは、厚生労働省から「安全衛生優良企業」として認定された企業を公表する制度です。
企業がホワイトマークを取得するためには、
- 過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がない
- 労働者の健康保持増進やメンタルヘルス、過重労働防止への対策など幅広い取組を実施している
など、約80の基準をクリアする必要があります。
▼参考:安全衛生優良企業公表制度について(厚生労働省のHP)
『えるぼし認定』を受けている
「えるぼし認定」とは、さまざまな面において「女性が活躍しやすい環境づくり」に力を入れている企業の目安となるマークです。女性の活躍推進に積極的に取り組む企業に厚生労働省が認定する制度です。
2020年9月末の時点で、えるぼし認定を受けている企業は全国で1,134社あり、年々増加しています。
▼参考:女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」(厚生労働省HP)
『くるみん認定』を受けている
「くるみん認定」とは、「子どもがいても働ける環境づくり」に力を入れている企業の目安となるマークです。仕事と子育ての両立支援に力を入れて取り組む企業に厚生労働省が認定する制度です。
2022年3月末時点で、くるみん認定を受ている企業は全国で3,801社あり、年々増加しています。
▼参考:子育てサポート認定企業「くるみん・プラチナくるみん・トライくるみん認定、プラス認定」とは(厚生労働省HP)
ホワイト企業の特徴を知って働きやすい環境を手に入れよう!
この記事では「ホワイト企業の特徴」について、労働条件・求人記載内容・認定企業制度など、さまざまな観点から見てきました。
新卒・結婚・出産・育児・介護など、ライフスタイルの変化によってその時々の「働きやすい環境」は変わってきます。就職・転職時に、できるだけ「ホワイト企業の特徴」を有した企業を選ぶことが、より満足度の高い職場選びにつながるはずです。
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