- ビジネススキル
- 2022.09.02 (最終更新日:2022.09.05)
テキストコミュニケーションとは?チャットやメールで意識するポイント|注意点も解説
- 目次
リモートワークが推奨されビジネスがグローバル化することで、テキストコミュニケーションが重視されつつあります。電話や対面コミュニケーションとは異なるメリット・デメリットをもつため、不便に感じる人もいるでしょう。しかし通常のコミュニケーションと同じように、受信者への思いやりをもった伝え方を意識することで円滑なコミュニケーションが可能です。
今回はテキストコミュニケーションの重要性と取り入れるためのポイント、注意すべきことをご紹介します。
テキストコミュニケーションとは
テキストコミュニケーションとは、メールやチャットなど文字ベースのコミュニケーションのことです。新型コロナウイルス感染症の流行とともに、テレワークが推奨され、サテライトオフィスやワーケーションが台頭してきました。またグローバル化が進み、時差のある国とやりとりすることが増えた結果、チャットやメールなどの時間を問わない連絡手段が重宝されるようになっています。
対面コミュニケーションでコミュニケーションスキルが求められてきたように、非対面のテキストコミュニケーションでもその活用スキルが求められます。メリット・デメリットを理解して、誤解のないよう注意しながら最大限に活用していくことが重要です。
テキストコミュニケーションのメリット
テキストコミュニケーションのメリットには、以下のようなものがあります。
- 送信内容が記録として形に残る
- 発信者の都合のよいタイミングで連絡できる
- 受信者の都合のよいタイミングで確認できる
- 伝える前に内容をチェックできる
- 大勢の人に向けて同タイミングで発信できる
しかしテキストコミュニケーションならば、送信履歴を振り返ることで言った・言わないの問題を回避できます。またこれにより送信前に内容をチェックできたり、大勢の人に1度で伝達することが可能になりました。
受信者の都合のよいタイミングで確認できるので、発信者も時間や相手の都合を気にせずに連絡できるというメリットもあります。これによって確認や返信のタイミングが受信者主導になりました。
電話や対面コミュニケーションでは発信者主導だったコミュニケーションが、テキストコミュニケーションでは受信者主導になったことは大きな変化といえるでしょう。
テキストコミュニケーションのデメリット
テキストコミュニケーションのデメリットには、以下のようなものがあります。
- 反応が分からないので感情が伝わりづらい
- 書き方次第で誤解を生む可能性がある
- リアルタイムの会話が成立しづらい
- 緊急時には不向き
また受信者のタイミングで内容を確認できる受信者主導のコミュニケーションは、お互いの予定を合わせなくてもよいというメリットがある一方で、発信者の任意のタイミングでコミュニケーションがとれません。即時性に劣るという点は大きなデメリットでしょう。
ただしスマホやタブレットが普及して時間や場所を問わずメッセージを確認することができます。また、スマホやタブレットを支給して、テキストコミュニケーションを推進する企業もあります。
ミスコミュニケーションが重なると、ストレスが増えたりお互いの信頼度が低下するでしょう。テキストコミュニケーションがもつメリット・デメリットを理解して、適切に活用することが重要です。
テキストコミュニケーションを使いこなすポイント5つ
テキストコミュニケーションによって円滑に仕事を進めるため、活用のポイントをご紹介します。次の点を意識してテキストコミュニケーションをとるとよいでしょう。
1、5w1hを意識する
5w1hとは「誰が、なぜ、何を、いつ、どこで、どのような方法で」という伝達事項のポイントをまとめたフレームワークです。この6点を意識的に伝えることで、テキストコミュニケーションにおける誤解を減らせます。特にテキストコミュニケーションでは「誰が」という主語が抜けがちなので注意しましょう。たとえば「〇〇の件は確認済みなので進められます」という連絡も、一見すると問題なさそうですが「誰が」が明確に記載されていないため、〇〇の件を実際に進めるべきなのは発信者か受信者かわかりません。
こうした情報の細部までを伝えることが、テキストコミュニケーションでは重要です。確認のために複数回のやりとりが生じるとストレスになり、異なる認識のまま業務を進めるとあとになってミスが発覚する場合もあります。伝えるべき情報は最初から丁寧に記載することで、少ないやりとりでも済むよう工夫することが重要です。
2、はじめに結論・目的を述べる
テキストコミュニケーションでは、文頭に結論や目的を記載しましょう。最初に「〇〇の件について」や「〇〇したいと思います。なぜなら〜」とメッセージの要件を伝えることが大切です。最後まで読まないと結論や目的がわからない文章は、読み手のストレスになります。結論や目的を読む前に疲れてしまったり、文章の意図を整理できず困惑させてしまうでしょう。
まずはその文章の最も伝えたいことを伝え、そのあとに理由や根拠、過程を伝えることで、読み手もスムーズに理解できます。
3、簡潔なメッセージを心がける
短い文章で的確に要件を伝えるよう意識しましょう。長いメッセージは確認するだけで時間がかかり、要点をまとめる労力が必要になります。限られた業務時間で効率的に情報を処理するためには、少ない文字数で確実に要件を伝えるテキストコミュニケーションが重要です。箇条書きや【かっこ】を使って、効果的に情報をまとめましょう。テキストコミュニケーションツールには引用機能がついていることもあるので、前述の情報は引用機能を使うのがおすすめです。発信者にとっては記載の労力、受信者にとっては確認の手間を省けます。また文章では長くなって伝えきれない場合には、電話や対面コミュニケーションなど別の手段をとることも大切です。
4、絵文字を使って印象を柔らかく
文章中に絵文字や記号を使って、メッセージの印象を柔らかくしましょう。電話や対面コミュニケーションと比較して、対面コミュニケーションは表情や声の調子といったヒントがないため相手の感情を推察できないというデメリットがあります。感情がわからないと微妙なニュアンスが伝わりづらく、書き方によっては誤解が生じてしまう危険性があり注意が必要です。たとえば「わかりました」と「わかりました!」では相手に与える印象が異なり、感嘆符がついていたほうが明るく積極的な印象になります。また「わかりました、ありがとうございます!」と感謝の一言を添えると、コミュニケーションもスムーズになるでしょう。
5、即リアクションを心がける
受信者は早めのリアクションを心がけましょう。電話や対面コミュニケーションではその場でコミュニケーションが成り立つため、反応やその後の対応がすぐに確認できます。一方テキストコミュニケーションは反応を返すタイミングが受信者にゆだねられているので、発信者は「メッセージが届いているか」「返信は来るか」と不安になってしまうでしょう。メッセージを受信したら、まずはリアクションを返すことが大切です。決断を求めるメッセージの場合、メッセージを受けとったタイミングでは対応できないこともあります。その際は「〇〇までに返信します」や「改めて連絡します」といった返信によって、発信者の不安感を減らしましょう。テキストコミュニケーションツールによっては、リアクション機能がついているものがあります。絵文字だけでもいいので「メッセージを受け取りました」ということを発信者に伝えましょう。
活用のための5つの注意点
テキストコミュニケーションには、電話や対面コミュニケーションにないデメリットがあります。テキストコミュニケーションならではのトラブルもあるので、未然に防ぐために以下の点に注意するとよいでしょう。
1、言葉の定義を明確に
メッセージを送る際には、言葉の共通認識が重要です。たとえば社内でよく使われる言葉や業界用語、関係者だけが使う隠語は、言葉を使う全員が理解しているようで定義付けが不十分な場合があります。言葉の定義や理解があいまいだと誤解やミスが生じる可能性があり、注意が必要です。よく使われる言葉はあらかじめマニュアル化して共有することで、認識の統一を図りましょう。特に新入社員や部署異動してきたばかりの従業員にはしっかりと伝えることが大切です。仕事における連絡は誤解やミスがないよう、共通理解のもと事実関係を明確にして伝えましょう。
2、議論が必要なトピックは会議ツールで
議論が必要な内容は、テキストコミュニケーションではなく対面コミュニケーションで行いましょう。テキストコミュニケーションには感情が伝わりづらいというデメリットがあります。そのため細かいニュアンスを伝えたり、指摘が増えてネガティブな印象を与えたりする際には不向きです。また質疑の応答が長く続きそうな場合や、文章では簡潔に説明するのが困難な場合もテキストコミュニケーションに向かないでしょう。コミュニケーション方法のメリットを生かしきれないと、ミスや誤解につながる恐れがあります。必要に応じて電話やWeb会議ツール、直接会うなどのコミュニケーションツールを併用することが大切です。
3、緊急の連絡には不向き
緊急の連絡は電話や対面コミュニケーションで行いましょう。テキストコミュニケーションは受信者主導のコミュニケーションのため、必ずしも発信者が希望するタイミングでやり取りできるとは限りません。ほかにも、緊急の連絡を見逃してしまう可能性もあります。1つのコミュニケーションにこだわらず、状況とスピード感に応じて適切なコミュニケーションツールを選択しましょう。
4、指摘は必ず褒めてから
テキストコミュニケーションで指摘を行う場合には、相手の気持ちを配慮しましょう。テキストコミュニケーションは文字だけで気持ちを伝えなければならないため、微妙なニュアンスが伝わりづらく、書き方によっては誤解が生じる危険性があります。ネガティブな内容を伝えたり、指摘をしたりする際には特に注意が必要です。たとえば「迅速にご対応いただきありがとうございます!ところで1点確認したいのですが〜」と相手に対する感謝やねぎらいの言葉、褒める表現を文頭に加えるだけで柔らかい印象になります。語尾に「〜のところが間違っているかもしれません」と「かも」をつけるのもおすすめです。
テキストコミュニケーションは高圧的かつ一方的な指示になる傾向があります。相手に対する思いやりを意識して、信頼関係を築くコミュニケーションの工夫をしましょう。
5、判断の背景も説明する
必要に応じて、判断に至った経緯も交えながら説明しましょう。テキストコミュニケーションにおいて、目的や結論を簡潔に伝えることは重要です。しかし電話や対面コミュニケーションとは異なり、物事の前後関係やニュアンスが伝わりづらいというデメリットがあります。たとえば電話や対面コミュニケーションなら、伝達過程で疑問に思ったこともその場で質問して解決できますが、テキストコミュニケーションでは不可能です。
即時性のないテキストコミュニケーションにおいて、受信者の疑問や不安はあらかじめ回避することが重要です。目的や結論の理解を促進するためには、物事の背景や経緯を説明するとよいでしょう。
健康経営とコミュニケーション
コミュニケーションは業務を円滑にする一方で、滞るとミスや遅れが増え、生産性を低下させる原因にもなり得ます。コミュニケーションの円滑化は、生産性や企業価値の向上を目指す健康経営においても重要な要素です。
健康経営とは
企業が経営理念に基づいて従業員の健康保持・増進に取り組むことで業績や企業価値の向上を目指す健康経営。健康診断や健康相談を実施したりメンタルヘルス研修を行なったりして身体・精神的健康を支えています。たとえばワーク・ライフ・バランスに配慮した働き方改革やスキルアップ研修などは精神的健康をサポートする企業の事例です。従業員の精神的健康を支えることで生き生きと働ける職場環境が整備され、結果として企業の生産性を向上させています。
コミュニケーションの促進
社内で円滑なコミュニケーションが行われると、業務をスムーズに進行させ生産性アップにもつながります。しかし新型コロナウイルス感染症が流行した影響で、社内コミュニケーションは減少傾向です。これまでとは異なるコミュニケーションが求められ、ミスコミュニケーションが増えて、従業員のストレスもたまりやすい状態といえるでしょう。企業ではチャットツールを導入したりコミュニケーション研修を行ったりして、社内コミュニケーションを推進しています。リモートワークの促進とともに減少した社内コミュニケーションを補完するため、社内報を導入したというのも効果的な事例ひとつです。テキストコミュニケーションにおいても生産性を支える円滑なコミュニケーションが行えるよう、企業のサポートが求められています。
関連コラム
効率的な仕事のために求められるテキストコミュニケーション能力
テキストコミュニケーションの重要性と取り入れるためのポイント、注意すべきことをご紹介しました。電話や対面コミュニケーションとは異なるメリット・デメリットをもつため、不便に感じる人もいるでしょう。
しかし通常のコミュニケーションと同じように、受信者への思いやりをもった伝え方を意識することで円滑なコミュニケーションを交わせるようになります。
リモートワークが推進され、ビジネスがグローバル化することでテキストコミュニケーションは今後ますます重視されてくるでしょう。仕事を効率的に進めるために、今回ご紹介したポイントを参考にテキストコミュニケーション能力を鍛えてみてください。
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