• 働き方改革
  • 2022.08.16

働き方改革で女性の活躍を推進する企業の特徴とは?具体的な企業の取り組み事例もご紹介

考える女性
目次

最近はワークライフバランスを整えるために働き方改革が様々な企業で行われています。 中でも、女性活躍推進法の影響で「女性が活躍できる環境を整える」ための働き方改革が注目されており、多くの企業の課題にもなっているでしょう。

女性は出産や育児などライフステージが変化するにつれて、働き方も柔軟に対応する必要があります。女性のライフステージに合わせた働き方を提供できる企業でなければ、女性が社会で活躍し続けることは難しいでしょう。 今回は、働き方改革を通して女性が活躍しやすい環境作りに取り組む企業を、事例とともにご紹介します。

女性活躍推進法とは

オフィス街にいるビジネスウーマン

女性は妊娠・出産などのライフステージの変化などから社会で活躍しにくいのが現状です。 出産前にキャリアを積んでいても出産後は退職したりパートにシフトしたりと、ある程度子どもに手がかからなくなるまで、社会で活躍することを諦める女性が多くいます。

出産後も同じように社会で活躍したい女性を後押しするため、2016年に「女性活躍推進法」が施行されました。 主な内容は女性が活躍しやすいように働き方改革をすることを対象とされた企業に求めるものです。

社員数300人以上を抱える企業は女性活躍推進法に取り組むべき対象となっています。 主に残業・労働時間の見直したり、女性を積極的に管理職へ登用したりするなど、育児中の女性も活躍しやすいように働き方改革をすることが重要視されています。 女性活躍推進法に取り組むと、「えるぼし認定」という認定を厚生労働省から受けるため、えるぼし認定を受けている企業は、育児中の女性も働きやすい傾向にあるでしょう。

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女性が活躍するための働き方改革が遅れている理由

悩む女性

2019年に発表された男女平等度合いを指数化したものである「世界ジェンダー・ギャップ報告書2020」では、参加国153国中、日本の順位は121位と非常に低い順位でした。 主要先進国7ヶ国の中では最下位で、世界と比べても日本は遅れを取っていることがわかります。 ここでは、なぜ女性が働きやすい環境への働き方改革が進まないのかについてご紹介します。

出産や子育てなどに関する福利厚生が整っていない

出産後、仕事と育児を両立するための福利厚生が整っていないため、社会で活躍することをあきらめる女性が多くいるようです。 会社によっては産後の時短勤務制度がないケースもあり、フルタイムで働きながら育児をしなければなりません。 また、子どもが小さいうちは体調を崩しやすく、急に会社を休まなければならないときもあります。育児に対する理解が少ない会社では迷惑がられることもあり、肩身の狭さから退職したり、非正規雇用に変更したりするケースもあります。

さらに、日本の会社では男性の育休取得率も低いため、夫婦で家事や育児の分担をすることが難しく、仕事以外の負担は女性にかかりやすいのが現状です。 育児中も男女平等に働くためには、家庭での男性による協力が必須のため、男女共に育児に対する理解がある会社がおすすめでしょう。

労働環境が悪い

育児中の女性が働き続けるために大切なことは、子どもの成長に合わせて働ける環境です。 子どもが小さいうちは体が弱いケースもあり、体調を崩した時は子供のそばにいてあげたり、学校行事などはなるべく参加したいと思う女性が多いでしょう。 そのため、出産後の数年間は仕事よりも子どもの状態を優先して生活することを望みます。

子どもの体調不良による急な休みや学校行事に合わせた休みを取りにくい環境だったり、残業が多く帰宅時間が遅すぎたりすると育児中の女性にとっては厳しい環境です。 時短制度を利用したり、前日や当日申請でも有給が使える環境が整った企業であれば育児中の女性でも働きやすいでしょう。

管理職の高齢化により企業の考え方が古い

管理職が育児をしていた頃は女性は専業主婦として家事と育児に集中し、男性が外で働くことが一般的でした。 そのため、共働きで育児をする家庭の状況に対する理解がなく、自分達が育児をしていた頃と同じように考えてしまうケースが多いようです。 「育児は女性がするもの」のように考え方が古い管理職が未だ多くいるため、男性の育休取得率が上昇せず夫婦で分担することが難しくなってしまいます。

男性も育休を取得することが当たり前である企業であれば、共働き夫婦の育児について理解ある管理職の可能性が高いでしょう。 女性だけでなく、男性の育休取得率についても注目するのがおすすめです。

女性活躍推進法に基づいた働き方改革に取り組む企業の特徴

手を伸ばす女性

妊娠・出産を経て育児中が女性にとって一番働き方について悩む時期でしょう。 女性活躍推進法が制定されてから、さまざまな企業が育児中の女性も社会で活躍できるように取り組んでいます。 ここでは、女性活躍推進法に基づいて働き方改革をおこなう企業の特徴についてご紹介します。

出産や育児に対するサポートが充実している

女性が社会で活躍することを諦めてしまう理由として多いのは出産・育児によるライフステージの変化です。 今までと同じように夜遅くまで残業したり、毎日当たり前のようにフルタイムで出勤することは難しくなります。 そのため、時短勤務が利用できたり、急な休みや早退に対応したりなど育児に対するサポートが充実している企業は、女性活躍推進法に沿って働き方改革をしているでしょう。

管理職による女性のライフステージの変化への理解がある

企業内の時短勤務制度や休暇制度が整っていても、管理職による理解がなければ制度を利用できないケースもあるようです。遅刻や早退、急な休みなどに対して「自分たちの負担が増えるから控えて欲しい」など心ない言葉を投げかけられる事例もあります。 管理職が育児中の働き方に対して理解すれば、勤務時間なども柔軟に対応する社風である可能性が高いでしょう。

ライフステージの変化に合わせたキャリアプランが豊富である

ある調査によると、能力やスキルへの自信のなさから、管理職になりたくないと考える女性が80%以上存在するようです。女性がキャリアを積んで昇進したり、管理職になったりすることに対して消極的であることがわかります。企業内全体が「昇進は男性がするもの」という考えの場合、女性に管理職になるための社内教育をしておらず、スキルアップする機会がないことが原因と考えられます。

妊娠や出産、育児によるライフステージの変化から仕事量を減らし、子どもが成長して仕事に比重をかけられるようになっても仕事量を戻してもらえないケースもあるようです。 そのため、女性が管理職に多数在籍していたり、出産経験のある女性社員のスキルが高い企業は女性が働きやすいような働き方改革に取り組んでいるでしょう。

えるぼし認定を受けている

えるぼしは、女性活躍推進法に基づいて働き方改革を行い、一定基準を超えた企業に厚生労働省から与えられる認証です。 えるぼし認定には3段階があり、満たした基準の数に応じて上がります。女性の採用率・継続就業率・働き方・管理職比率・キャリアプランなど5つの基準があり、1~2つを満たすと1段階、3~4つを満たすと2段階、5つ全てを満たすと3段階に上がります。

また、3段階の上に「プラチナえるぼし認定」という最上級の認定があり、5つ全ての基準をプラチナえるぼし専用の基準で満たすことで認定されるようです。 そのため、えるぼし認定企業から選ぶ時は獲得している認証段階が高い企業を選べば育児中の女性も働きやすいでしょう。

女性活躍推進法に向けた企業の働き方改革事例5つ

協力する社員

女性活躍推進法に向けて、企業では実際にどのような働き方改革をしているのでしょうか。 ここでは女性活躍推進法に基づいた企業の取り組みについてご紹介します。

会議には必ず女性も招集し男女差をなくす

こちらはマイコミュニケーション株式会社によって行われた働き方改革です。 マイコミュニケーション株式会社では、女性の管理職が少なく、出産や育児、介護などと仕事の両立が難しいことから能力のある女性が埋もれてしまうことが課題でした。 管理職は育児中の女性にとって大変であるというイメージを打破するため、まずは残業を減らし労働環境の改善から始めたようです。

会議には各地区から必ず女性も召集することで、「管理職は大変である」というイメージを払拭することに務めました。 その結果、2ヶ月後には部長やエリア責任者になる女性が現れ、女性社員が抱いていた管理職に対するイメージを変えることに成功したようです。

社長自ら女性社員に産休・育休の使用を促す

こちらは西田建設株式会社によって行われた働き方改革です。 西田建設株式会社では、建設業ということもあり女性の営業職・技術職が少ないことが課題でした。男性が働く職場というイメージを変えるため、女性が働きやすいように働き方改革を行ったようです。 女性の採用数を増やすために広報やTV番組には女性社員が積極的に発信し、社員面談は社長自ら行い、産休や育休の取得を促すなどさまざまな努力を重ねました。

その結果、女性営業職や技術職が増えコミュニケーション力が高まり、各部署で連携をとることで産休・育休を取得する女性社員のフォローができるようになったようです。

在宅勤務やフレックスタイム制など柔軟な働き方に対応する

こちらの働き方改革は株式会社サイバードによって行われました。 クリエイティブ系の職種であることから離職率が高く、優秀な人材を定着させることが課題でした。育児中も働きやすい職場であれば女性社員も定着しやすいため、優秀な人材が流れてしまうことを防ぐ狙いがあったようです。 クリエイティブ系の職種は基本的にオンラインで完結できる仕事も多くあります。

在宅勤務やフレックスタイム制の適用範囲を拡大して多様な働き方を可能にすることで、育児中も無理なく働ける環境を整えました。 その結果、えるぼしの3段階目の認定を獲得し、産休・育休申請をする女性も増えて出産後も仕事を続ける意識が高くなったようです。

社内に託児所を設置する

これは株式会社エム・エスオフィスで実際に行われている働き方改革です。 以前から、育児と仕事を両立させることの難しさから退職をしてしまう女性が多いことが課題でした。 結婚・出産を理由に退職する女性が出ないように働きやすい環境を作ることを目標に取り組んだようです。

子供の預け先がなく困っている社員のために、子連れ出勤を許可し社内に託児所を設置したり、週2回は一斉退社をしたりして家族の時間を確保させる取り組みを行っています。 育児をしながらでも働きやすい環境を整えたことで、育児時短勤務を利用している女性の管理職が誕生したり、女性の離職率が下がるなどの効果が表れているようです。

女性も活躍できるような働き方改革に取り組む企業を選ぼう

今回は出産・育児など、ライフステージが変化した女性も働きやすい環境を整えるために働き方改革を行う企業についてご紹介しました。 仕事と育児の両立に理解を示している企業であれば、出産後も働きやすく無理なく続けられるでしょう。

えるぼしのほかにも、健康経営を実施している企業であれば基本的な労働環境や育児中の世帯に対する福利厚生が充実している可能性があります。 転職時は健康経営優良法人に認定されている企業から選ぶのもおすすめです。出産後も長く働き続けるために、女性活躍推進法に沿った経営をしている企業を選びましょう。

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