- 健康経営
- 2022.08.01
職場でいじめられたら誰に相談するべき?相談窓口や対処法についてご紹介
いじめは学生の間で起こりやすいイメージをもつ方も多いでしょう。しかし残念なことに、大人になってからもいじめは起こり得ます。いじめの起こりやすい場所は学校から会社に変わり、上司や同僚などから嫌がらせなどを受ける可能性があります。学生に比べて社会人は生活がかかっていたり、次の職場への不安があったりするため、嫌なことがあっても簡単に逃げられません。
しかし、我慢を続けるとストレスによって体調を崩したり、うつ病を発症したりするリスクが高くなります。 今回は職場でいじめが起きた場合の解決策についてご紹介します。
職場で起きやすいいじめとは
職場ではどのようないじめが起きやすいのでしょうか。ここでは職場で発生しやすいいじめについてご紹介していきます。自身の職場でも発生しているものがないか確認してみましょう。
報連相(ほうれんそう)をしてもらえず無視される
無視は職場で最も発生しやすいいじめの1つです。あいさつをしたり話しかけたりしても返事がないなど、コミュニケーションを取って貰えない場合はいじめを受けている可能性が高いでしょう。それだけでなく、仕事に関する重要事項を教えてくれなかったり、出席しなければならない会議に招待されなかったりするいじめもあるようです。
仕事に関する報連相してもらえないため、仕事上のミスが発生しやすくなります。暴力などとは違い精神的なダメージは非常に大きいでしょう。
必要以上に怒る
ミスをした場合、指導や注意を受けることは当然のことでしょう。しかし、ミスをした内容に比べてあまりにも常識の範囲を超えた叱責を受けた場合はいじめにあてはまります。小さなミスにもかかわらず長時間にわたり怒鳴られ続けたり、反省文を書かせたりすることは上司によるいじめと断定できるでしょう。
怒鳴られることは精神的にも強いダメージとストレスを与えるため、あまりに続くとうつ病のリスクも高まります。酷い場合はパワハラ・いじめとして告発できるため、相談窓口や労働局に相談しましょう。
責任や無理難題を押し付ける
膨大な量の仕事を押し付けたり、重大な仕事の責任を1人に押し付けたりすることもいじめにあたります。1人でこなすことは難しい量の仕事を与え、無理やり残業をさせたり、こなせなかった場合に責め立てるなどのいじめもあるようです。また、上司の指示通りに仕事をこなしたのにもかかわらず、トラブルが発生した場合に責任を押し付けることも立派ないじめでしょう。
このようないじめは、いじめられている本人も自分の力不足のせいだと思い込みやすいため非常に悪質です。 特に完璧主義の人は責任を感じて落ち込みやすいため、無理難題を押し付けられた場合は「できなくて当たり前」と考えるようにしましょう。
仕事量が極端に少ない
無理難題を押し付けられるのとは逆に、あまりにも任される仕事量が少ない場合もいじめにあたります。社内においていなくても良い存在・仕事を任せるに値しない存在であると遠回しに意味するようないじめです。このような扱いを受けると社内で居場所がなくなったり、やりがいがなくなったりするため、出社することが嫌になるでしょう。
会社は簡単に社員を解雇できないため、このような手段で退職してほしい社員に対して陰湿な手口を使うようです。また、本来の業務ではない掃除などの雑用ばかり押し付けることもいじめにあたります。
プライベートの過干渉
プライベートについて過度に干渉してくることもいじめのの1つにあげられます。 たとえば有給休暇を取得する理由について詳しく聞かれるなどはいじめにあたり、本来は不要な質問です。有給休暇は労働者の権利であり理由を申告せずに取得することが可能です。旅行や遊びに行くなど、職場の人には言いづらい理由で休むこともあるでしょう。
それを根掘り葉掘り聞いたり、理由について文句を言ったりすることはいじめです。ほかにも恋人についてなどを聞くことも過干渉であり、ハラスメントに当たるケースもあります。
休みがとれない
本人や子どもの体調不良や、親族の葬式や結婚式など急な休みを取らなければならないケースは誰にでも起こり得ます。そのような時にも休みを取ることを許さない上司がいるようです。冠婚葬祭や体調不良などのやむを得ない休みはいつ発生するかわからないため、シフト制の職場ではとくに休みが取りにくい傾向にあります。
しかし、結婚式など何ヶ月も前から休みの申請をしているにもかかわらず、休ませてもらえなかったり、式のあとに会社に来るように命令したりするケースも報告されています。このようないじめはプライベートでの約束を守れなくなり家族や友人、恋人間での関係にヒビが入る可能性もあるでしょう。あまりに酷い場合は転職するのもおすすめです。
いじめが起きやすい職場とは
いじめが起きやすい職場の特徴を知っておけば、いじめの発生を事前に防ぐことができるかもしれません。
労働環境が悪い
残業が多かったり、休みが少なかったりなど労働環境が悪い場合、社員全体の心に余裕がなくなります。プライベートが充実せずいつも仕事に追われているため、ストレスが溜まり誰かを思いやる気持ちが欠落しやすくなるためです。そのような会社の上司はパワハラ・モラハラをする人も多くいるため、その下で働いている部下達もそれが普通であると錯覚しやすくなります。
部下達も自分がされたのと同じように後輩に接するためいじめはなくならず、負の連鎖に陥るでしょう。
外部との関わりがない
社員の人数が少なかったり、人事異動がなく決まった顔ぶれだったりする閉鎖的な職場でもいじめは発生しやすいでしょう。閉鎖的な職場では決まった人としかコミュニケーションを取りません。そのため新入社員や他部署から異動してきた人が入ってきた時に仲間はずれや無視などのいじめが発生しやすい傾向にあります。
こちらも仕事に関する報連相をしてもらえないケースも多くあるようです。閉鎖的な職場では現場にいる社員からしか情報を得られないため、仕事にも影響が出やすいでしょう。周りで味方になってくれる人もいない場合が多く、労働局や相談窓口などの第三者が入らなければ解決は難しいことが予測されます。改善されない場合は転職も視野に入れておきましょう。
評価制度が曖昧
評価制度が整っていなかったり、実力に伴っていない評価を受けたりするといじめが発生しやすいでしょう。 評価の基準が整っていなければ上司による贔屓(ひいき)など正当ではない評価になります。実力があっても上司から好かれていなければ評価されず、反対に実力がなくても上司に好かれていれば高い評価を得られます。
この場合、実力がないのにもかかわらず上司からの贔屓で高評価を得た人に対して周りの社員が不満を感じいじめに発展するケースが多いでしょう。 高評価を得ても周りからいじめられて出勤するのが苦痛であれば、上司や相談窓口に相談するのもおすすめです。
職場でいじめられた時の対処法
職場でいじめを受けた場合はどのように対処すればいいのでしょうか。 効果的な対処法や適切な相談先についてご紹介します。
抱え込まずに相談する
いじめられたことを誰にも相談せずに抱え込むと、対処法もわからず精神的に弱っていきます。悪い方向に思い込んでしまい、最悪の場合うつ病を発症したり自殺したりする可能性もあります。そのため、いじめられた場合は必ず誰かに相談しましょう。 周りに相談できる人がいない場合、社内に相談窓口があれば相談窓口から頼ってみるのもいいでしょう。社内の人間に知られたくない場合は労働局に相談するのがおすすめです。
必要な場合は会社との話し合いを取り持ってくれたり会社に指導したりしてくれます。いじめに対して必要な措置を相談するといいでしょう。 なかには自分の力不足のせいであると思い込み、いじめられていることに気づかずに自分を責めるケースもあるようです。 度を超えた叱責や無視などは力不足によるミスが原因でもあってはなりません。違和感を感じた場合はすぐに誰かに相談しましょう。
証拠を集める
労働局や社内相談窓口に相談する場合、いじめられていることを裏付ける証拠があると話がスムーズに進みます。 とくに社内相談窓口の場合は、いじめの主犯格が会社にとって利益を上げる存在であればうやむやにされる可能性もあります。 嫌味や執拗な叱責を受けているようであればボイスレコーダーで録音しておくのもおすすめでしょう。しかし、無視や責任を押し付けられるなど、実証しにくいいじめもあります。
その場合はやられた日付や時間、無視をされた内容などを細かくメモに記すことも証拠になります。 できるだけ多くの証拠を集めて相談に行くことで信憑性が増すため、スムーズに対応してもらえる可能性が高くなるでしょう。
転職する
社内相談窓口や労働局に相談しても何も改善してくれない場合は転職することをおすすめします。その際、いじめが発生しやすい職場は避けるといいでしょう。とくに労働環境が悪い会社はいじめが横行しやすい傾向にあります。会社を選ぶ時に、「健康経営優良法人」に認定されている会社から選ぶのがおすすめです。健康経営とは、社員の健康に投資をして会社の利益を上げるという経営方針です。
健康経営の方針に沿って活動している会社であれば、ワークライフバランスの整った環境である可能性が高いでしょう。その中でさらに優良な健康経営に取り組む会社には、経済産業省から「健康経営優良法人」の認定を行っています。 厳正な審査の上選出されているため、健康経営優良法人に認定された会社内で労働環境が悪いことによるいじめは発生しにくくおすすめです。
いじめられたら抱え込まずに誰かに相談
今回は職場で発生するいじめや、いじめられた場合の対処法についてご紹介しました。1人で抱え込むのではなく、誰かに相談することで適切な対処法を見つけられるでしょう。全ての労働者が働きやすい環境で働く権利があるため、辛い場合は労働局や相談窓口などに遠慮なく頼るのがおすすめです。
改善が見込まれない場合は転職も視野に入れて、健康経営優良法人に認定された会社から選ぶなどいじめが発生しにくい職場を選びましょう。
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