• 働き方改革
  • 2022.07.11 (最終更新日:2022.08.26)

育児・介護休業法が改正!2022年度知っておきたいポイントと【産後パパ育休】のメリット・デメリット

赤ちゃんを抱っこするパパ
目次

2022年の4月から育児・介護休業法が一部、改定されました。今回はより男性が育児に参加できるような制度に変わっていますが、変更された内容をどのように活用をすればいいのでしょうか。

そんな育児・介護休業法の改定部分と活用したいポイントについて、わかりやすく解説していきます。

改定された育児・介護休業法の変更点6つ

赤ちゃんを高い高いするパパ

2022年度に改定された育児・介護休業法の内容とは

2022年度に改定された育児・介護休業法の項目についてご紹介します。
改定された部分はすべてが施行されているわけではありませんが、内容について理解しておくと、今後の産休・育休の過ごしかたをイメージしやすいでしょう。

1)育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け(2022年4月1日〜施行開始中)

 今年から施行開始した制度です。わかりやすくまとめると以下の内容になります。
▶︎誰に?
  • (本人または配偶者の)妊娠・出産の届出をした労働者
  • 特別養子縁組に向けた監護期間にある子を養育している旨の申し出をした労働者、養育する意思を明示した労働者
  • 養子縁組里親として委託されている子を養育している旨の申し出をした労働者、受託する意思を明示した労働者 など
▶︎何を?
1~4の全てを周知(説明)することが必要になります。
  1. 育児休業・出生時育児休業に関する制度(制度の内容など)
  2. 育児休業・出生時育児休業の申出先(例:人事課、総務課など)
  3. 育児休業給付に関すること(制度の内容など)
  4. 労働者が育児休業・出生時育児休業期間において負担すべき社会保険料の取り扱い
▶︎いつ?
労働者が希望の日から円滑に育児休業を取得することができるように配慮し、適切な時期に実施することが必要です。

<具体例>
  • 妊娠・出産の申出が出産予定日の1カ月半以上前に行なわれた場合
    →出産予定日の1カ月前までに
  • それ以降、出産予定日の1カ月前までに申出が行なわれた場合
    →2週間以内
  • 出産予定日の1カ月前から2週間前の間に申出が行われた場合
    →1週間以内
  • 出産予定日の2週間前以降に申出があった場合 / 子の出生後に申出があった場合
    →できる限り速やかに措置を行なうことが必要になります。
▶︎どうやって?
  1. 面談(オンライン可)
  2. 書面交付
  3. FAX
  4. 電子メール等 のいずれか
※3、4は労働者が希望した場合に限ります。

2)有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 (2022年4月1日〜施行開始中)

▶︎2022年3月まで
【育児休業の場合】
  1. 引き続き雇用された期間が1年以上
  2. 1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでないこと
▶︎2022年4月から
1の要件を撤廃し、2のみへ変更
 ※無期雇用労働者と同様の取り扱い
(引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外可)
※育児休業給付についても同様に緩和

3)育児休業給付に関する所要の規定の整備【雇用保険法】(2022年10月1日から施行予定、一部2022年9月1日〜) 

今回の改正では、育児休業を取りやすい雇用環境の整備や、妊娠・出産を申し出た労働者に対する個別対応が義務づけられることになりました。 雇用環境の整備には具体的に以下の措置が挙げられ、事業主はこのいずれかの内容を講じる必要があります。
  1. 育児休業や産後パパ育休についての研修を実施
  2. 育児休業や産後パパ育休についての相談窓口体制の整備
  3. 自社の労働者が育児休業や産後パパ育休を取得した際の事例を提供
  4. 自社の労働者への、育児休業や産後パパ育休制度・取得促進に関する方針への周知

4)男性の育児休業取得の取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組み【産後パパ育休】の創設 (2022年10月1日〜施行予定)

産後パパ育休に関しては下記に詳しく記載しています。

5)育児休業の分割取得 (2022年10月1日〜施行予定)

分割取得についても下記に詳しく記載しています。

6)育児休業の取得の状況の公表の義務付け(2023年4月1日〜施行予定)

今後、従業員1,000人超の企業は育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務づけられます。 公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。インターネットなど、一般の方が閲覧できる方法での公表をするようになっています。

 育児・介護休業法の改定された内容で抑えておきたいポイントは?

育児・介護休業法で改定された内容で一番知っておきたいポイントは、今までの育休に加え、新たに【産後パパ育休】が造設されたことです。現在、政府は2025年に向けてパパの育休取得率を30%にアップさせたい目的があり、産休・育休を取得しやすい環境になるように制度として整えています。

【産後パパ育休】の内容と知っておきたいポイントは?

赤ちゃんを抱っこしながら仕事するパパ

新たに造設された【産後パパ育休】とは?

2022年の育児・介護休業法で新たに造設された【産後パパ育休】という制度が造設されました。こちらは名前の通り、ママではなくパパが産後に育休を取れる制度になります。育休とはまた別に、子の出生後8週間以内に4週間まで取得が可能となりました。

新制度、産後パパ育休の内容について

1)対象期間・取得可能期間

対象年齢は出生後〜8週間以内で4週間まで取得可能です。

2)申し出期間

原則休業の2週間まで。
※ただし、職場環境の整備などで、今回の制度見直しにより求められる義務を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は1ヶ月前までとしてよい。

3)分割取得

分割して2回取得可能。

4)休業中の就業

労働者の意に反しないよう労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の  合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。

現在の状況と新制度の比較図

産後パパ育休の表


改正後の働き方・休み方のイメージ(例)
厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

引用元:厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内より

産後パパ育休のメリット

新たに制度として整えられた、産後パパ育休。上記内容となりますが、それを読み解くなかで著者が考えるメリットについてお伝えします。
  • 産後ママが大変な時期の産後8週間までの間をパパがサポートすることができる
  • 2週間前〜1ヶ月前までに申請すれば取得可能なので、取得のハードルが低くなった
  • 分割することが可能なので、夫婦でスケジュール調整することができる

産後パパ育休のデメリット

  • 休業中の就業が可能なので、つい休業中でも仕事をしてしまう可能性がある
  • 産後パパ育休が分割できるため、2回取得する予定でも1回になってしまう可能性がある
デメリットはあくまで「可能性」としてあげています。必ずではないですが、このような内容が法として決まっていると、いつも仕事をメインにしているパパは、「ついつい」仕事が気になってしまう可能性もゼロではないと思うからです。

育児・介護休業法、活用していくために夫婦で確認すること

今年から改定された育児・介護休業法。ぜひ活用していきたいですよね。

4月から改定されているものもあれば、10月から改定されるものもあります。もし現在妊娠されているご夫婦の場合は、出産時期を計算し産後パパ育休の取得ができるかどうか勤務先の会社の規則などを確認しながら、ご夫婦で育児休業や育児方針について相談しましょう。

早めに確認を行うことで、今後のスケジュールが立てやすくなります。

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