- 健康経営
- 2022.07.26
食生活を改善して生き生きと働こう!健康経営と食の関係、取り組み事例もご紹介
食生活の改善は、従業員の健康維持のために重要なポイントです。健康経営の取り組みのひとつとしても注目されています。従業員の身体的・精神的健康をサポートすることで、生産性や社会的評価の向上が期待できる健康経営。その評価項目には食生活の改善に向けた取り組みも含まれます。今回は健康経営と食生活の関係や、改善のための取り組み事例をご紹介します。
健康経営とは?
健康経営とは従業員の健康改善によって生産性を向上させる経営手法のひとつです。企業は健康診断や健康相談の実施といった健康促進事業に取り組んでいます。またワークライフバランスに配慮した働き方改革や、スキルアップ研修を行なって精神的な健康を図るなど、健康経営のための取り組み方はさまざまです。
経済産業省では、2014年度から健康経営銘柄、2016年度には健康経営優良法人認定制度を創設しました。健康経営に積極的に取り組む法人を表彰する制度です。これによって取り組みがわかりやすく、従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ実践している企業として、社会的評価を獲得できます。また健康経営の取り組みを公表することで、求職者が働きやすい会社だと判断することもあるでしょう。健康経営は企業にとってメリットの大きい取り組みといえます。
健康経営における食生活の改善
健康経営の評価項目には「食生活の改善に向けた取り組み」があります。毎日欠かせない食事は、従業員の健康を支える重要な要素です。このような評価項目が設定される背景には、働き世代の食生活の乱れている傾向があります。指摘される食生活の現状を見ていきましょう。
働き世代の食の現状
令和元年国民健康・栄養調査報告によると、食生活を改善したいと考えている人でも仕事や家事、育児などが忙しく、時間がないという回答が多くありました。食生活の乱れは、本人の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、企業にとってもマイナスです。栄養がきちんととれていなかったり食べ過ぎ・食べなさ過ぎを繰り返したりすると、不規則な食生活になります。免疫機能が低下し、風邪をひいたり頻繁に体調を崩したりするほか、警戒しなければならないのが生活習慣病などの病気です。病気になると、企業は医療費の負担や欠勤・離職による労働力低下に対応しなければならず、大きなマイナスになるでしょう。実際に自らの食生活を案じて改善したいと考える人でも、仕事や家事、育児などが忙しく対応できない場合が多いようです。また食生活改善の意思が低い人たちも、栄養満点の正しい食生活が送れているかといえばそうではありません。食に対する関心が薄い現状もあります。まずは、健康な食生活について関心をもつことが大切です。食生活を整えることで健康を目指す動機付けができれば、企業による食生活のサポートも有効に機能するでしょう。
食生活改善によるメリット
食生活を改善することで体調改善や生活習慣病の予防、医療費の抑制といったメリットがあります。体調を整え、風邪などの病気から守ってくれるのが、栄養バランスの整った食事です。たとえばカップラーメンや菓子パンだけといった手軽さ重視の食生活は、ビタミン・ミネラル・鉄分の不足、塩分や脂質のとりすぎ、添加物の影響といった懸念があります。近年増加傾向にある生活習慣病のリスクも高まるでしょう。食生活の乱れが原因のひとつといわれる生活習慣病には、以下のようなものがあります。
- 脂質異常症
- 糖尿病肥満
- 高尿酸血症
- 大腸がん
- 循環器病
令和3年に全国健康保険協会兵庫支部が発表したレセプトデータによる医療費分析結果によると、生活習慣病の医療費は年々増加傾向にあります。入院医療費における原因として生活習慣病とそれ以外を比較すると、生活習慣病のための医療費は30〜39歳から増えはじめ、60歳以上では50%以上です。働き世代の生活習慣病問題は深刻化しているといえます。
生活習慣病は食生活を改善することで予防できます。生活習慣病予防に取り組む厚生労働省の重点項目は以下6項目です。
- 運動施策の推進
- 栄養・食育対策
- たばこ対策
- アルコール対策
- 睡眠対策
- 女性の健康づくり
食生活改善のための取り組み
従業員の健康管理や健康づくりを推進することで、生産性や社会的評価の向上、医療費コストの削減が期待できます。食生活の改善に重点を置いて、実際に取り組まれている事例をご紹介しましょう。
社員食堂の運営
社員食堂を導入して、従業員の健康を食事からサポートする方法です。食堂として調理スペースを整備し定食を提供するのはもちろん、補助サービスを活用する方法もあります。弁当の配達や食事の設置型サービス、栄養補助としてスムージーやサプリを提供するサービスなどさまざまです。補助サービスなら初期費用や従業員の費用負担が抑えられ、一人ひとりの食事スタイルにあわせて幅広く活用できるでしょう。食育セミナーの開催
企業が抱える課題や従業員の関心に沿った食育セミナーを開きます。現在の食生活に問題を感じていない人も、食事の大切さや生活習慣病のリスクに触れることで、興味を持ち行動を起こすことが狙いです。食生活改善のための啓発や病気リスクの解説、実践的なレシピや運動法の紹介などによって行動変容をうながします。専門家の相談窓口を設置
専門的なアドバイスをする保健師や栄養士を配置し、専門窓口を開設します。食生活は、個人的な問題です。一括して行われるセミナーのアドバイスでは、個人の生活スタイルにマッチしない場合もあります。そこで専門窓口を設置し、従業員がいつでも気軽に相談できる環境を整えることで、食事や健康について考えることができるでしょう。ポイントインセンティブの導入
健康維持・増進のための行動習慣や健康診断の結果などをポイント化し、獲得ポイントをインセンティブとして支給する方法も、強い動機付けになるでしょう。たとえばウォーキングをしたり健康診断を受診したりする行動にポイントを付与し、ポイントを貯めることでサービスと交換できるようにします。ポイント獲得というエンターテインメント性によって、楽しみながら健康維持・増進が可能です。食生活を見直して生き生きと働こう
健康経営と食生活の関係や、改善のための取り組み事例をご紹介しました。従業員の健康維持のために、食生活改善は重要なポイントです。また健康経営の視点からも注目されるので、実現すれば従業員の健康維持だけでなく、企業の社会的評価や業績の向上につながります。「食生活の改善のための取り組み」でご紹介したようなサービスや対策を導入してみてはいかがでしょう。
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