- 就職/転職
- 2022.06.25 (最終更新日:2023.05.28)
転職先は健康経営の企業がおすすめ | 具体的な取り組みやメリット・見極めるポイントを解説
「転職先として健康経営の企業を選ぶメリットを知りたい」
「ホワイト企業に転職したい」
このようにお考えではないでしょうか?
転職を考える場合、転職先が「ホワイト企業」であることを重視する人は多いでしょう。しかし、転職先がホワイト企業かどうかを判断するのは困難です。そこで、健康経営の企業かどうかを確認する方法をおすすめします。
こちらでは健康経営の概要やメリット、健康経営の企業かどうかを見極めるポイントについて解説していきます。転職先を検討する際に役立つ内容のため、ぜひ最後までご覧ください。
健康経営とは
健康経営は、1994年2月に「ヘルシー・カンパニー―人的資源の活用とストレス管理」の著者である、アメリカの臨床心理学者ロバート・ローゼン博士によって提唱された考え方です。経済産業省のサイトには健康経営について以下のように書かれています。
このことから、健康経営は企業の成長を見据えた積極的な経営戦略といえるでしょう。
このように健康経営の企業は、食生活の面で社員の健康の維持・増進を図っているのです。
社員が禁煙に取り組みやすい環境づくりが求められます。
社員の意識向上を促す、ソフト面の取り組みといえるでしょう。
業績優先の企業経営ではなく、従業員のメンタルヘルスを含めた健康が企業の生産性を高める上で必要だというもの。つまり、従業員の健康について十分に配慮する経営手法ということです。「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること
引用:経済産業省のサイト
積極的な経営手法でもある
これまで職場における健康管理は、怪我や病気に見舞われない、健康的な職場環境を確保するという考え方が中心でした。それに対して健康経営は、従業員の健康を守ることが企業成長にもつながるという考え方です。従業員の健康を維持もしくは増進させることで、生産性の向上や業績向上を目指します。このことから、健康経営は企業の成長を見据えた積極的な経営戦略といえるでしょう。
健康経営の取り組み
健康経営の企業では、具体的に以下4つの取り組みが行われています。- 食生活の意識向上や改善のサポート
- 禁煙の促進
- 運動不足解消の取り組み
- 健康意識の向上への取り組み
食生活への意識向上や改善のサポート
まず、食生活に関する意識の向上や、改善へのサポートが挙げられます。日々の食生活は、健康面に大きな影響を及ぼすからです。具体的には、社員食堂で栄養バランスのよいメニューを提供したり、専門家を招いて食生活のアドバイスが受けられる機会を設けたりしている企業があります。このように健康経営の企業は、食生活の面で社員の健康の維持・増進を図っているのです。
禁煙の促進
禁煙の促進も取り組みの1つです。社員の禁煙化をサポートすることで、喫煙による悪影響を回避します。具体的な取り組みとしては、オフィス内の全面禁煙化や、喫煙の影響に関する勉強会などです。社員が禁煙に取り組みやすい環境づくりが求められます。
運動不足解消の取り組み
運動不足解消の取り組みも挙げられます。適度な運動による生活習慣病の予防や改善が目的です。具体的には、社員が利用できる休憩室などに運動器具を設置したり、運動イベントの開催やフィットネスタイムを設けたりする方法が考えられます。社員の運動へのハードルを下げることが重要でしょう。健康意識の向上への取り組み
社員の健康意識を向上させることも、大切な取り組みといえます。健康経営のためには、社員ひとりひとりの取り組みが肝になるからです。健康意識の向上への取り組みとしては、健康診断の結果を相談できる場所や機会を設けることや、睡眠の質を向上させるための啓蒙活動などが挙げられます。社員の意識向上を促す、ソフト面の取り組みといえるでしょう。
転職先の企業が健康経営であることのメリット
健康経営の企業への転職には、以下4つのメリットがあります。
労働災害の発生状況の推移によると、2015年以降1,000人を下回りましたが、2021年の1年間の死亡者数は867人と4年ぶりに増加しました。また、残業時間中に負傷した場合、4日目から休業補償給付が支給されますが、休業4日以上の死傷者数は149,918人で、1998年以降最多です。
また万が一、労働災害が起こってしまった場合は原因を早急に突き止めて、再発防止に積極的に努めます。このことは、企業のサイトで公表されていることも多いため、確認してみるとよいでしょう。
このように健康経営の企業は、労災やメンタルヘルスに積極的かつ適切に対応しています。
法人の健康経営について、その取組状況や年月とともに、どのような変化がみられるかを分析する「健康経営度調査」があります(後述する「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のための基礎情報を得るためにも実施されています)。 この健康経営度調査を分析した報告によると、健康経営度の高い企業の方が離職率は低い傾向が見られました。
労働環境の悪さを離職の理由に挙げる人も多くいますが、健康経営の企業では労働時間に見合った業務量や社員が集中して自分の業務に取り組める環境づくりに積極的です。このため、離職率も低くなるといえます。
このことから、健康経営を行う企業への転職は、仕事満足度を高めることにつながるのです。
このようなことから、成長する可能性が高い企業であることは転職先として理想的な選択肢といえます。
- 労災やメンタルヘルスに対応
- 離職率が低い
- 転職後の仕事満足度が高まる
- 企業の成長が見込まれる
労災やメンタルヘルスに対応
健康経営の企業は、労災やメンタルヘルスに対して適切に対応しています。労働災害の発生状況の推移によると、2015年以降1,000人を下回りましたが、2021年の1年間の死亡者数は867人と4年ぶりに増加しました。また、残業時間中に負傷した場合、4日目から休業補償給付が支給されますが、休業4日以上の死傷者数は149,918人で、1998年以降最多です。
参考サイト:令和3年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省)
このような状況に対し健康経営の企業では、会社が社員の勤怠をしっかり把握し、定期的な面談も行っています。業務量に偏りがないかや、ハードルが高すぎる目標設定になっていないかといった確認を定期的に行うことで、メンタルヘルス対策に取り組んでいるのです。また万が一、労働災害が起こってしまった場合は原因を早急に突き止めて、再発防止に積極的に努めます。このことは、企業のサイトで公表されていることも多いため、確認してみるとよいでしょう。
このように健康経営の企業は、労災やメンタルヘルスに積極的かつ適切に対応しています。
離職率が低い
離職率が低いことも、転職先が健康経営を行う企業であるメリットです。法人の健康経営について、その取組状況や年月とともに、どのような変化がみられるかを分析する「健康経営度調査」があります(後述する「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のための基礎情報を得るためにも実施されています)。 この健康経営度調査を分析した報告によると、健康経営度の高い企業の方が離職率は低い傾向が見られました。
労働環境の悪さを離職の理由に挙げる人も多くいますが、健康経営の企業では労働時間に見合った業務量や社員が集中して自分の業務に取り組める環境づくりに積極的です。このため、離職率も低くなるといえます。
転職後の仕事満足度が高まる
仕事への満足度が高まることも、健康経営の企業に転職した場合のメリットです。2022年に行われたインターネットによるアンケート回答方式での調査では、自分が属する会社をホワイト企業と認知している人ほど、転職後の仕事満足度や生活の幸福度が高いという結果が報告されています。このことから、健康経営を行う企業への転職は、仕事満足度を高めることにつながるのです。
企業の成長が見込まれる
企業の成長が見込まれることもメリットの1つです。健康経営の企業が行う取り組みは、生産性の向上や業績のアップにつながります。給与の増加や、福利厚生のさらなる向上も見込まれるでしょう。このようなことから、成長する可能性が高い企業であることは転職先として理想的な選択肢といえます。
転職先が健康経営か見極めるポイント
希望する企業が健康経営かどうかは、以下の2点を確認するとよいでしょう。
認定要件は5つの大項目からなり、2つの部門ごとに評価項目が設けられています。必須あるいは15項目のうち12項目以上といった条件を満たすことが必要です。なお、評価項目は毎年見直しが行われています。健康経営優良法人の認定は、虚偽記載や法令違反等があった場合、返納届を事務局に提出しなければなりません。
一方、健康経営優良法人と混同されやすい「健康経営銘柄」もあります。健康経営銘柄は2015年より始まった取り組みで、「上場企業」であることが条件です。
健康経営優良法人が従業員・求職者・関係企業などからの社会的評価を受けやすくするための制度であるのに対して、健康経営銘柄は投資家にとって魅力ある企業として伝えることで、健康経営の取り組み促進を目指しています。
このような企業についても、健康経営を行っていると判断できるでしょう。
- 健康経営優良法人かを確認する
- 健康経営の実施を社内外に宣言している
健康経営優良法人かを確認する
健康経営に関する制度に、健康経営優良法人制度というものがあります。健康経営優良法人制度とは、健康経営を行う優良な大企業及び中小企業の法人を顕彰する制度です。2017年から始まった制度で、法人の認定は日本健康会議によって行われます。また、部門は「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つです。認定要件は5つの大項目からなり、2つの部門ごとに評価項目が設けられています。必須あるいは15項目のうち12項目以上といった条件を満たすことが必要です。なお、評価項目は毎年見直しが行われています。健康経営優良法人の認定は、虚偽記載や法令違反等があった場合、返納届を事務局に提出しなければなりません。
一方、健康経営優良法人と混同されやすい「健康経営銘柄」もあります。健康経営銘柄は2015年より始まった取り組みで、「上場企業」であることが条件です。
健康経営優良法人が従業員・求職者・関係企業などからの社会的評価を受けやすくするための制度であるのに対して、健康経営銘柄は投資家にとって魅力ある企業として伝えることで、健康経営の取り組み促進を目指しています。
健康経営優良法人ホワイト500
健康経営優良法人ホワイト500とは、大規模法人部門の上位500法人を意味します。「健康経営優良法人2022」としては2,299法人が認定され、その上位法人が「ホワイト500」です。健康経営優良法人ブライト500
健康経営優良法人ブライト500は、健康経営優良法人2021から新たに設けられた制度で、中小規模法人部門の上位500法人を指します。「健康経営優良法人2022」として12,255法人が認定された中の上位500法人が「ブライト500」です。健康経営の実施を社内外に宣言している
健康経営の実施について社内外に宣言している企業かどうかも、見極めるポイントです。 具体的には、健康経営優良法人の認定は受けていないものの、健康経営に取り組むチームや組織の編成や、取り組み内容について社内外に公表している場合などが考えられます。このような企業についても、健康経営を行っていると判断できるでしょう。
健康経営が求められる業種や職種
健康経営はどのような企業においても取り組みが求められています。その中でも、取り組みの結果が業務のパフォーマンスや、社員の健康状態に特に影響を与える可能性がある業種・職種は、以下の2つです。
例えば、パワーショベルやクレーン車、ブルドーザー等の大きな重機を使う工事現場では、操作ミスによる事故のリスクがあります。また、乗客や荷物を目的地まで安全に運ぶことが求められる公共交通機関の乗務員や運転手は、少しの判断ミスが重大な事故につながりかねません。
これらの職種において、健康経営の取り組みが不可欠です。
IT系は近年就業者が多い職種ですが、一般ユーザーが利用する時間を避けてバグの改修を行う必要があるなど、健康課題も多い分野といえるでしょう。
- 重大事故につながる可能性のある職種
- 長時間労働がある職種
重大事故につながる可能性のある業種
社員の健康状態の悪化が大きな事故につながるような建設業や運輸業は、特に健康経営が求められる職種です。例えば、パワーショベルやクレーン車、ブルドーザー等の大きな重機を使う工事現場では、操作ミスによる事故のリスクがあります。また、乗客や荷物を目的地まで安全に運ぶことが求められる公共交通機関の乗務員や運転手は、少しの判断ミスが重大な事故につながりかねません。
これらの職種において、健康経営の取り組みが不可欠です。
長時間労働がある職種
次に注意したいのが、長時間労働や休日出勤が多い職種です。パーソル総合研究所の調査結果によると、30時間以上残業している人の割合が多い職種の1位は配送・物流、2位は商品開発・研究、3位はIT技術・クリエイティブ職となっています。IT系は近年就業者が多い職種ですが、一般ユーザーが利用する時間を避けてバグの改修を行う必要があるなど、健康課題も多い分野といえるでしょう。
転職先が健康経営かどうかを見極めて働きやすい環境を手に入れよう
この記事では、健康経営の概要やメリット、健康経営の企業かどうか見極めるポイントについて解説しました。健康経営に取り組む企業は、離職率が低いことや仕事満足度が高いことなどがメリットとして挙げられます。また、企業の成長が見込まれることも、転職先として検討する上で重視したいポイントです。
これから転職を目指す人は、転職希望先が健康経営の企業かどうかを見極めて、働きやすい理想の環境を手に入れましょう。
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