- 働き方改革
- 2022.06.15 (最終更新日:2022.06.16)
シングルマザーが働きやすい仕事とは?職場を選ぶ際のポイントも紹介
- 目次
シングルマザーは、一家の大黒柱と子育てを両立する必要があります。さらに子どもが小さい場合、子どもが体調不良になりやすく、急なお休みが必要になることも。
全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、シングルマザーのうち44,2%は正社員、43,8%はパートです。この結果から正社員とパートの差がほとんどないことが分かります。今回はシングルマザーにおすすめの仕事や、職場を選ぶ上で気を付けるポイントについてご紹介します。
【正社員】シングルマザーにおすすめの仕事5選
1.事務
正社員として働いているシングルマザーのうち、31.7%が事務の仕事をしています。事務職の中でもWindows・Excel・word・簿記などに加えて、医療事務などの専門的なスキルを持っていると、強みになり、良い条件で採用されやすくなるでしょう。
2.専門的・技術的な仕事
正社員として働いているシングルマザーの30.5%が専門的・技術的な仕事をしています。事務に次いでほぼ同じ比率になっている専門的・技術的な仕事ですが、例を挙げると「医師」「歯科医師」「獣医師」「看護師」「薬剤師」「研究者」「経営者」などがあります。専門的であればあるほど、キャリアを築きやすいので安定して働きたい方におすすめです。
3.サービス業
正社員として働いているシングルマザーのうち、14.6%がサービス業の仕事をしています。サービス業は、土日祝が仕事となることが多く、子どもとのスケジュールと合わせにくいといったデメリットもあります。
小さいお子様がいるご家庭なら、近くに頼れる方がいる場合、子どものお世話をお願いしたり、ベビーシッターに子守りをお願いするのも良いでしょう。
4.生産工程
正社員のシングルマザーのうち、6.3%が生産工程の仕事をしています。サービス業と比べて比率はかなり少ないですが、工場での勤務は細かい作業が得意な方や、突発的な残業が嫌な方に向いている職業です。
また、正社員として雇用されると、時間の確保しやすさに加えて、福利厚生が利用できるメリットもあります。
5.管理職
正社員のシングルマザーのうち、3.9%が管理職の仕事をしています。数字としては少ないですが、長い目で見た時にとても安定した職業であると言えます。
責任の重い役職でもあるため、シングルマザーとしての心労や健康面などには十分な注意が必要です。余裕がない時は、家事代行を呼ぶなどサービスに頼るようにしましょう。
【パート】シングルマザーにおすすめの仕事5選
1.サービス業
パートで働いているシングルマザーのうち、32.8%がサービス業の仕事をしています。サービス業は、就職の倍率が低いため早く仕事を見つけたい方におすすめの職業です。また、資格が要らず、誰でも気軽に挑戦することが可能です。
その分サービス精神の差が出やすく、精神的・肉体的疲労の大きい仕事でもあります。
2.事務
次に多いのが事務の仕事です。パートで働いているシングルマザーのうち、15.2%が事務の仕事をしています。長時間座っていられることから、楽な仕事と思われがちですが、立てない辛さがあるのです。
また、長時間ずっと同じ姿勢で集中し続けると、首・肩・背中のコリに慢性的に悩まされることになるでしょう。ほかにも、営業職のような移動がないため、オフィスに苦手な人がいると離れることができないというデメリットもあります。
3.販売
パートで働いているシングルマザーの12.7%が販売の仕事をしています。雑貨店やアパレル、スーパーなど、接客業・レジ・陳列整理などを主に行う仕事です。
パートであっても地道に働き続けることで、正社員へ契約変更したり、運営管理・販売商品の管理など管理職を目指したりも可能となり、子どもが小学校高学年に差し掛かったころからさらにキャリアアップを目指せます。
4.生産工程
パートで働シングルマザーのうち、10.8%が生産工程の仕事をしています。生産工程の仕事では、業務時間や想定される残業時間が決まっていたり、昼間と夜間で交代することが前提のため、ある程度決まった時間で仕事を終えられるメリットがあります。
シングルマザーは、子どものお迎えをしたり夕ご飯の支度をしたりするので、残業で遅くなるのは避けたいところです。そのため、労働時間をコントロールできる生産工程のような職業がおすすめです。
5.運送・清掃・包装
パートで働いているシングルマザーの7.0%が運送・清掃・包装の仕事をしています。運送の仕事は比較的拘束時間が長くなりがちですが、清掃・工場での包装だと、安定した勤務時間で働くことができるため、子どもとの時間も確保しやすいでしょう。
シングルマザーの働き方は子どもの状況によって選ぶ
シングルマザーは生活のために収入が必要ですが、子供の状況によって仕事や働き方を選ぶ必要があります。
1.小学校に上がっていないときはパートや契約社員がおすすめ
小学校に上がっていない子どもは体調を崩すことが多い傾向にあります。子どもが体調を崩してしまった時は、お母さんが仕事を早上がりしたり、休んだりしなければなりません。しょうがない事ではありますが、職場に迷惑をかけることになりますし、過労で自分の体調まで悪くなりかねません。そのため、子どもがまだ小さいうちは、アルバイト・パート・契約社員など、勤務時間が決められている働き方がおすすめです。正社員として安定して働きたいという方は、夕方以降ベビーシッターに来てもらうのも良いでしょう。
2.小学校に上がっている、または高学年以上は正社員へシフト
子どもが小学校に上がると、体調不良などの問題が起こりにくくなります。以前より仕事に費やす時間を増やすことができるため、パートから徐々に正社員へシフトしてきましょう。
また小学校高学年くらいになれば、ご飯を自分で用意して食べたり、遠くなければ習い事も自分で行き帰りができるようになります。お母さんが全てお世話をしなければいけないフェーズを超えるので、将来のキャリアプランに沿って仕事に集中できるタイミングです。
シングルマザーが仕事をしやすい職場とは?選ぶ時のポイントを説明
シングルマザーが仕事を探すときは、ただ単に働けるだけでなく、子育てとの両立ができる仕事を慎重に選ぶ必要があります。
1.シングルマザーへの理解がある
シングルマザーは、毎日の育児・家事に加えて子どもの体調面でのトラブル対応をすることが多く、職場で早退したりシフト変更をする機会がどうしても頻発してしまうものです。
職場選びで重要視したいのが「シングルマザーへの理解があるかどうか」です。上司が女性であったり、子育て中やまたその経験のある方など、理解のある従業員が職場にいることで、とても働きやすくなります。
2.認定マークのある職場
企業の5つの認定マークをご存じでしょうか。女性の健康的な仕事復帰やキャリアアップを後押ししてくれるもので、「くるみん・プラチナくるみん」「えるぼし」「ユースエール」「安全衛生優良企業(ホワイトマーク)」「なでしこ銘柄」と5種類あります。
「くるみん」は、仕事と子育ての両立ができるような一般事業主行動計画が一定の基準を超えている企業のみ、厚生労働大臣からの認定を受けることができます。また、「プラチナくるみん」は、「くるみん」の認定をすでに受け取った企業のみ申請できるもので、求められる基準がより高くなっています。
「えるぼし」は、女性が活躍できる環境が整った優良企業を厚生労働大臣が認定したものです。採用・継続就業・労働時間や働き方・管理職比率・キャリアコースと、5段階評価があり、比較しやすくなっています。
「ユースエール」は、若者の採用・育成に積極的かつ、雇用状況が優良である中小企業を対象に厚生労働大臣が認定するものです。休職中の若者と企業のマッチングが高まる効果があります。
「安全衛生優良企業(ホワイトマーク)」は、労働者が安全で健康的に働ける環境が整っており、高い安全衛生水準を満たし続けている企業が厚生労働大臣が認定します。
「なでしこ銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性が活躍できる環境に優れている上場企業を認定する制度です。投資家へのアピールにもなります。
このように、多くの企業が良質な環境を従業員に提供できるよう努力を重ねています。さらに、従業員の長期的な健康を考慮した企業が受けられる「健康経営優良法人認定制度」もあります。企業理念に基づいて従業員への健康投資をおこなってくれるため、シングルマザーも働きやすいでしょう。
3.土日祝休み・昼間の仕事
土日祝休みの仕事であれば、休日に子供と過ごす時間が確保できます。近場でお出かけをしたりなど、多くの時間を子どもと一緒に過ごすことが可能です。
また、昼間の仕事であれば朝と夜子どもに会うことができるため、すれ違いを防ぐことができます。「土日祝休み」と「昼間の仕事」の2つのポイントは、子どもとの時間をしっかりと確保したいという方におすすめです。
4.託児所が併設されている
幼稚園や保育園の申請が通りにくくなっている今、託児所が併設されている職場を選ぶことで、仕事をしながら安心して子どものお世話をしてもらうことができます。
また、職場に併設されているため、急な残業があったとしても融通が利きやすいというメリットがあります。子どもを養っていくためにしっかり仕事をしていきたいけど、幼稚園や保育園に間に合うか心配という方におすすめです。
5.今までのスキルを活かせる
前職で培ってきた経験や業務のスキルなど、得意分野を活かして働くと、以前より良い条件で働ける可能性があります。もしやりたい仕事があっても、子どもを養うことが第一優先のため、小学校高学年などある程度成長してから挑戦する方がいいでしょう。
シングルマザーは子どもの成長状況に合わせてキャリアアップしよう
シングルマザーになると、子どものお世話をしつつ生活費を稼がなくてはなりません。しかし、子どもの年齢に応じて働き方を変えていくことで、効率よくキャリアアップでき、子どもとの時間も確保しやすくなるでしょう。自分ひとりで大変な時は、両親や親しい友人に手伝ってもらったり、家事代行サービスを利用するなど、周りの助けをたくさん借りてください。そして、長く働き続けることができる仕事を見つけましょう。
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