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  • 2022.05.24 (最終更新日:2022.05.25)

知らなきゃ損!会社員なら知っておくべき確定申告のすべて

小銭
目次

所得税の確定申告とは、1月1日〜12月31日の1年間の所得(利益)にかかる税金を計算して、国に報告・精算する手続きです。所得税は、所得を得ているすべての人が納める義務がある税金です。納税者が納めるべき税金を申告する申告納税方式が採用されています。ほかにも相続税や贈与税などが申告納税方式に当てはまります。

 会社員(サラリーマン)・アルバイト・パートは、所属している会社が年末調整という制度で所得税を精算するため、基本的には所得税の確定申告が必要ありません。ただし、会社員でも確定申告しなければならない方がいます。

また、確定申告をすると所得税を支払わずに済む、あるいは所得税額が少なくなるというメリットを受けられる方がいます。それぞれについて確認していきましょう。

会社員でも確定申告が必要なケース

タイピングする男性

確定申告が必要なのは、個人事業主やフリーランスの方だけではなく、会社員でも確定申告が必要なケースがあります。

副業で20万円以上の所得がある場合

会社員の方で副業で20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。

得税は、利益である所得に対して課せられるため、売上から経費を差し引いて所得を算出します。副業に必要だった物品の購入や交通費、送料などが経費に当てはまります。

副業にあたるものを具体的に確認

Ubereats(ウーバーイーツ)は、アルバイトと異なる業務委託の扱いです。所得が20万円を超える場合は個人事業主として確定申告しましょう。

そのほかハンドメイド作品の販売や内職、YouTuber(ユーチューバー)活動、LINEスタンプの販売、個人のブログ収入、投資(外貨預金・FX・株・仮想通貨など)、アルバイト・パート契約で正社員以外に掛け持ちのダブルワークをしている場合は、その所得が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。

オークションやメルカリなどで生活用品や靴など、不用品販売による売上は譲渡所得にあたるため、基本的には課税対象ではありません。しかし、イラストの販売や、30万円以上の貴金属など高額な売買において20万円を超える場合、確定申告での納税が必要です。

そのほか、マンション経営を行っていて家賃収入・駐車場収入など不動産所得がある場合も、20万円以上になれば確定申告が必要です。

なお、ポイントを貯めるポイ活は、雇用契約が発生していないので一時所得あるいは雑所得に分類されます。会社員で給与以外の一時所得や雑所得がある場合、年間で50万円を超える一時所得、あるいは20万円を超える雑所得については確定申告が必要です。

確定申告をすると「会社にバレる」?

副業をしていることが会社に知られる理由は、確定申告をすると副業の所得に課せられる住民税が会社に通知されるためです。

また、年末調整で提出する「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得⾦額調整控除申告書」の中にある「給与所得者の基礎控除申告書」には、「給与所得」の欄があります。ここには副業による給与所得も含め合算して記載する必要があるため、会社にバレます。

住民税は自分で納めることも選択できますが、会社から支払われているケースがほとんどです。住民税は副業とあわせた所得に課せられ、給与から天引きされるので、住民税が高くなることで副業を疑われる可能性があります。

会社員の場合、年末調整は受けなければならないと法律で定められています。そのため、確定申告するという理由で年末調整を受けない選択はできません。

会社からの収入が2,000万円を超える場合

会社からの収入が2,000万円を超える人は会社で年末調整は行いません。会社員であっても自分で確定申告をして納税する必要があります。また2,000万円以上の収入があると副業所得が20万円以下であっても、確定申告をした方がいい、もしくは確定申告が必要になるケースもあります。

退職後に再就職していない場合

会社を退職後再就職していない場合も確定申告が必要です。勤務期間は毎月の給与から所得税が源泉徴収されますが、年間所得にかかる税金額で差し引かれているため、年の途中で退職している場合は税金を払い過ぎていることになります。 そのため、確定申告をすれば払い過ぎた所得税が戻ることになります。

なお、退職後、年の途中で個人事業主になった場合は、会社員として得た所得と併せて確定申告を行います。

確定申告を行わない場合のペナルティ

審議

納めるべき税金があるにもかかわらず確定申告を行わなかった場合は、無申告加算税を支払わなければなりません。無申告加算税は納税額に対して50万円までは15%、50万円を超えると20%です。

納税が遅れた場合も、最大14.6%の延滞税を支払うというペナルティがあります。毎年2月16日〜3月15日が申告期間です。期限は3月15日ですので、遅れないように注意が必要です。

会社員で確定申告をするとメリットがあるケース

空

会社員やアルバイト・パートは、会社が確定申告に代わる年末調整を行うため、基本的には所得税の確定申告は不要です。年末調整では、配偶者控除・生命保険料控除・地震保険控除・社会保険控除・小規模企業共済等掛金控除が対象となります。

それ以外で以下のような控除の対象となる方は、確定申告をすることで税金が戻ってくるため(還付金)、確定申告することで節税対策につながります。

医療費控除年間医療費が10万円以上であった
寄附金控除
ふるさと納税を行った
住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対して寄付を行った
都道府県・市区町村が条例で指定する寄附金を行った
雑損控除
災害により住宅・家財・車両に被害を受けた
住宅ローン控除
住宅ローンを組んで入居1年目である(2年目以降は年末調整にて)
住宅特定改修特別税額控除
自己が所有している居住用家屋についてバリアフリー改修工事を行った
繰越控除
株・FX・先物取引などで損失が出た
(損失を3年間繰り越して利益と相殺できる制度)

会社員の確定申告のやり方

確定申告する会社員

それでは具体的に、確定申告のやり方を見ていきましょう。

確定申告に必要な書類の準備

必要な書類は下記です。これらの書類を申告書に添付(提示)します。

  • 医療費の支払いが確認できるもの(領収書など)
  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
  • 生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料(旧長期損害保険料)の控除証明書
  • 寄附金の受領証
    など

確定申告書の作成

申告書には確定申告書Aと確定申告書Bの2種類がありました。 確定申告書Aは確定申告書Bよりも記入項目が少ないため簡易的な確定申告を行う際、選択されてきた申告書です。

しかしこの確定申告書Aは2023年1月から廃止され、確定申告書Bに一本化される予定です。 申告書の項目に従って必要事項を記入します。

青色申告と白色申告

確定申告には、青色申告と白色申告があります。

青色申告では青色申告特別控除によって、10万円もしくは65万円の特別控除が得られます。それに対して、白色申告は手軽に確定申告ができる分、その特典を受けることができません。

青色申告は提出すべき書類が多く、帳簿への記帳方法も難しいというデメリットがありますが、これから副業を始めるという方には、白色申告より優遇される青色申告をおすすめします。

管轄の税務署に申告する

確定申告書の提出先は、住所地の管轄税務署です。確定申告の受付期間である2月16日〜3月15日に、以下の方法で管轄税務署に申告をします。

  1. 郵送で送る
  2. 直接税務署に提出しにいく
  3. e-tax(イータックス)を利用する
以上で手続きは終了です。

まとめ

会社員であれば会社が行う年末調整があるので、基本的には確定申告が不要です。しかし近年は副業OKとする企業も増えてきました。確定申告が必要になるケースを知っておけば納税を忘れてペナルティを受けることを防ぐことができます。

確定申告をすることで得をする場合もあるため、自分も該当するかもという人は、しっかり調べておきましょう。

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