• 働き方改革
  • 2022.05.23 (最終更新日:2022.05.25)

テレワークの健康管理とは?健康リスクへの対策と運動不足・ストレスの改善方法を解説!

聴診器とキーボードとメモ
目次

新型コロナウイルス感染症の感染状況拡大とともに、通勤の自粛の流れとなりました。在宅で仕事をするテレワークが導入され、勤務環境の変化が生まれています。テレワークの普及によって、さまざまなコミュニケーションの可能性が広がったり、感染予防や自由な働き方ができたりするなど、労働者にとってメリットになることがたくさんあります。

ただ、事前の準備ができない中で始まったテレワークには、長時間労働になるリスクや運動不足、ストレス解消などの対策ができていません。このように解消しなければいけない課題が企業はもちろん労働者にも多く存在しています。

テレワークの健康管理とは

テレワークできる環境

テレワークの健康管理は、これまでのような業務と比べてどのような違いがあるのでしょうか。テレワークを実施すると、在宅時間が長くなり、体を休める時間をより確保しやすくなりますが、メンタル面の不調や運動不足による健康リスクが増加する可能性も考えられます。

テレワークの実施は、心身の体調にどのような変化や影響を起こす可能性があるのでしょうか。またその変化によってどのような課題や不調が発生するのかを見ていきましょう。

テレワーク環境の健康課題とは

テレワークは、新しい仕事のスタイルとして活用されています。これは新型コロナウイルス感染症の影響によって、感染リスクの機会を低下させるべく、多くの企業が職場へ通勤せずに在宅で勤務するテレワークを実施したためです。

ただテレワーク環境には、特有の課題や注意点が存在し、改善しなければならない課題があります。

 通勤がなくなることで運動不足になりがち

これまで特別、運動をしていなかった人も通勤や勤務中には自然と歩いていたはずです。この移動時の歩行がなくなるだけでも大きく活動量が低下します。テレワークの導入によって、意識的に体を動かさない限り運動不足の状況が続き、体重の増加や生活習慣病リスク増加などの影響が出てきます。

コミュニケーション不足や長時間労働によるストレスの増加

職場での勤務がなくなることで、上司や同僚とのコミュニケーションが取れなくなります。もし不明点や疑問点があっても、解決できないまま業務を遂行することになり、ストレスを抱えてしまうことも考えられるでしょう。

また自宅勤務によって、時間的な管理が曖昧になり長時間労働になる可能性があります。また、通勤がないためオンとオフの切り替えが難しく、心身に不調をきたすかもしれません。このようにテレワークによってもたらされる不調やストレスはたくさんあるのです。

テレワーク業務の健康管理を行う目的

テレワーク業務中であっても、職場勤務している場合と同様に労働関係法令は適用されるため、企業側は労働者の勤務状況を管理できるよう適切な仕組みを整備する必要があります。しかし、これまでと同じように従業員の勤務時間や健康状況を把握・管理することが難しくなる可能性があります。

そのため労働環境や健康管理といった法令を遵守するうえで、テレワークを実施している従業員の安全や長時間労働、メンタルケアをどのように対策していけばいいのかを検討しておくことが必要です。

従業員のテレワーク業務による健康状況と労務環境の把握が必要

テレワークの導入によって、従業員には上記のようにさまざまな変化や影響が生じています。企業は、そのような状況を把握するためにどのような対策をする必要があるのでしょうか。

健康状況の把握と不調リスクの解消

テレワーク業務では、業務とプライベートとの区別が曖昧になってしまう可能性が高く、長時間労働に繋がりやすいです。また従業員同士の接点が少ないために、疑問や不明な点が解消されにくく、業務のコミュニケーションが図れず、不安になることもあります。

このようなリスクを軽減するべく、管理システムを構築や、オンライン上のさまざまなコミュニケーションツールを活用し、従業員の勤務状況を適切に把握しましょう。またテレワークでのコミュニケーション不足を改善するために、オンラインミーティングやチャットルームを使って、従業員同士の不安や悩みを解消する機会を設けることも、健康リスクの軽減につながります。

テレワーク特有の労務環境リスク

テレワーク業務において労働関係法令を遵守するための取り組みが必要です。そのためには、従業員、管理職、人事・労務担当者間の適切なコミュニケーションも重要と言えます。

労働基準法で定められている長時間労働に該当しないような環境作りやシステムの整備をすること、労働安全衛生法を順守できるよう健康管理をオンライン化し、産業医などとも連携できるようにツールを活用するのも、労働環境の把握に効果的です。

テレワークでの運動不足・ストレスの改善方法

テレワークできるパソコン

テレワークの導入によって、生活リズムの変化による食生活の乱れ、外出回数の減少による運動不足、生活環境の変化によるメンタルの不調など、さまざまな影響をきたす可能性があります。

テレワークによる体調不良をどのように回避すればいいか見ていきましょう。

テレワークの体調不良解消法①「ストレッチ」

在宅でのパソコン業務は、長時間同じ姿勢で作業をしてしまいがちです。肩や背中を丸めたような姿勢が続くと、肩こりや腰痛の原因になります。これは筋肉が固まってしまうことが影響しています。そのため1時間に1回、姿勢を変えるなどして、筋肉をほぐしてあげましょう。

おすすめはストレッチです。筋肉がほぐしたり、体を柔らかくしたりするストレッチが効果的です。

肩が丸まらないように姿勢を正すストレッチ

① 椅子に座って足を組み、膝の外側に手を添える。
② もう片方の手は椅子の手もたれを持つ。
③ 上半身を捻りながら目線を遠くに置く。

胸を開いて前に出ている肩を戻して姿勢を正すのに効果的です。

体の側面を延ばして背中の丸まりを正すストレッチ

①椅子に座って背中をまっすぐにして、座骨の上に重心を置くことを意識します。
② 両手を頭の上で組む。
③ 組んだ手から重心を意識した座骨までをしっかりと伸ばす。
④そのまま真横に倒していき体の側面を伸ばします。

背筋が伸びて、正しく座る姿勢が意識でき、猫背対策にも効果的です。

テレワークの体調不良解消法②「ウォーキング」

 自宅でテレワークをしていると、通勤時の歩行がなくなるだけでなく、外出する機会も減ってしまいます。また、外の空気を吸う機会も減るでしょう。風や気温を感じたり、体を使って移動したりすることは、心身共に癒されます。

そこで、これまで通勤に使っていた時間で散歩やウォーキングをしてみましょう。適度な運動は生活リズムの維持や運動不足、ストレス解消に役立ちます。

おすすめの散歩、ウォーキング方法

① 20分から30分程度の散歩やウォーキング。
② 2000歩から3000歩を目安に行いましょう。
③ 時間帯は午前中がおすすめ。無理のない範囲で夕方、夜でも。
④ 毎日続けることが大切です。

このような方法によって、筋力低下や生活習慣病のリスク増加を防ぎましょう。また適度な運動は、不安を解消するホルモンの分泌を促し、運動による疲労で良質な睡眠につながるため、メンタルケアにも効果的です。

まとめ

テレワークの導入は、感染リスクの回避や通勤の負担が回避できるといったメリットがあります。しかし健康管理においては、さまざまな課題に向き合う必要があります。在宅時間が長くなることで、メンタル面の不調や運動不足による健康リスク増加の可能性、勤務環境の変化によって発生する長時間労働など対策が必要です。

そのため、従業員の健康を適切に管理し、定められた法令にも対応することが大切です。企業にはもちろん従業員にとってもプラスになるよう、コミュニケーション不足や運動不足を解消するべく、上記の方法を取り入れることを意識してください。

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