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  • 2022.03.21 (最終更新日:2022.03.27)

バックオフィス業務とは?重要性と課題解決のポイントをご紹介

目次

会社を支えるバックオフィス

バックオフィス とは 会社にはたくさんの部署、業務があります。
そのどれもが大切な役割を持ち、欠けることのできないものですが、その中でも今回は「バックオフィス業務」について解説していきます。

聞き馴染みがある方は多くないかもしれませんが、誰もが知り、多くの人が携わっている部署・業務です。
また対義語として「フロントオフィス」という言葉もあり、それについても触れていきます。

バックオフィスは重要ながらも課題を多く抱えている職種です。
それを解消し、効率化していくにはどうしたらいいか、方法とそれによるメリットを見ていきましょう。
バックオフィスのやりがいについても解説しますので、就職活動をする学生の方や、転職を考えている方などもぜひ参考にしてくださいね。

そもそもバックオフィスとは?

バックオフィス 業務 まずはバックオフィスについて概要を見ていきましょう。
具体的な職種を挙げ、その重要性を解説します。

概要

バックオフィスとは「後方支援」という意味をもち、顧客との直接のやり取りや営業活動をすることのない部署や部門です。
事務や管理業務などの社内向けの業務を担当し、彼らが直接会社の利益を生むことはありません。
顧客と直接関わり利益を上げていく他部署の人たちを支える役割を担い、会社の「縁の下の力持ち」的な存在といえるでしょう。

職種例

バックエンドが担う業務や部門には以下のものがあります。
経理
企業のお金・お金の流れを管理する部門です。
支払いや請求などの出納業務や記帳、決算書作成にあたっての集計などを行います。
  • 財務
経理と似ていると思うかもしれませんが、財務では企業の資金運用・予算管理など、日常的なお金に関する経理よりも大きなお金を扱うイメージです。
より経営者的視点が必要になります。
  • 庶務
一般事務ともいわれ、企業におけるさまざまな雑務を行います。
電話や来客対応、データ入力、ファイリング、書類作成や備品管理など、業務は多岐にわたります。
  • 総務
企業全体に関するさまざまな雑務を行います。
庶務が各部署のことを扱うのに対し、総務は株主総会の運営や会社の社員研修など、より企業全体の重要な雑務を扱うイメージです。
  • 人事
社員の採用だけでなく、既存社員の育成や評価、部署異動や転勤・退職といった、「人」にまつわる多くの業務を行います。
従業員の就業環境を整える意味では、メンタルケアなども重要な業務の一つです。
  • 法務
日常的な取引や契約、取締役会や株主総会など、法務に関する業務の全てを担います。
社内規程を定める、社員の相談窓口になるなど、健全な企業運営には欠かせない重要な部門です。

バックオフィスはなぜ重要?

企業を運営していくにあたって、「生産機能」「販売機能」「事務・会計機能」の3つが重要なのですが、バックオフィス業務はこの中の「事務・会計機能」です。
職種例でも見たとおり、企業のお金の管理や、運営に欠かせない各種手続きを担当するのがバックオフィスであり、「人材」「商品」「情報」など、企業活動の根幹を管理しています。
彼らがいなければ日々の円滑な企業活動は困難であるため、裏方的な役割だからと軽視しては絶対にいけません。

フロントオフィスとの違い

バックオフィスの対にあたる、「フロントオフィス」という業務があります。
顧客との接点がないバックオフィスとは異なり、顧客と直接やり取りをし、企業の損益に直接的に関わるような業務を担うのがフロントオフィスです。
既存顧客や見込み客に営業・販売する「営業部門」や、お客様からの問い合わせやクレームに対応する「コールセンター部門や受付窓口」、市場調査やニーズの分析、商品企画や販売促進など幅広く行う「マーケティング部門」などが、フロントオフィス業務に分類されます。
 

バックオフィスが抱える課題

バックオフィス 効率化 企業活動に重要なバックオフィスには多くの課題が存在します。
バックオフィスならではの課題を4点紹介しますので見ていきましょう。

業務量が過多

バックオフィスが担う業務は専門的なものから日常の雑務まで非常に幅広いため、それら全てを合わせるとかなりの業務量になってしまいます。
また財務や経理、法務や人事などの部門では各種請求書・契約書の処理や、決算に向けた帳簿作成など、ミスが許されない重要な業務というのも負担が大きく感じる要因です。

人手不足になりやすい

利益に直結する部署でないため予算の割り振りが低くなりがちで、人が集まらない傾向にあります。
その上部門によっては専門的知識が必要なため、簡単に業務を割り当てることが困難という側面もあり、人手不足が慢性化しがちです。

属人化しやすい

専門知識が必要となると、どうしてもそれができる人に業務が集中します。
仕事の手順や効率的なノウハウなどが共有されにくく、担当者が休んだり退職したりすると仕事が進まなくなることも少なくありません。

他部署に左右されやすい

後方支援の業務であるため、必然的に他部署とのやり取り、連携した仕事が多くなります。
各部署からの問い合わせや要望にその都度対処する必要があり、本来やるべき自分の仕事が進まなくなるという状態が起きがちです。
 

バックオフィス効率化のメリットとは?

バックオフィス やりがい 多くの課題を抱えるバックオフィスですが、これらの業務を効率化できることでどのようなメリットが期待できるでしょう。

人的ミスの減少

データの集計や入力、帳簿記入、転記など、あらゆる場面でルーティンワークが多くなりがちなバックオフィス業務において、どれほど気をつけていてもミスは起きるものです。
年度末などの繁忙期には特にその危険が高まります。
このようなヒューマンエラーを避けるため、ルーティン業務をシステム化するなど効率化できれば、エラーの防止のみならず処理の速度も向上が期待でき、社員の負担は大きく減らせるでしょう。

属人化の解消

ツールの導入やマニュアル化が進めば、「あの人にしかできない仕事」というのがなくなり、誰がやっても同じ結果が期待できるようになります。
異動や退職に伴う引き継ぎもスムーズになり、無用なトラブルが避けられるでしょう。

生産性の向上

幅広いさまざまな雑務に追われるバックオフィス業務は業務量が膨大になりがちです。
効率化により少しでも一つひとつの業務量が減り楽になれば、こなしきれなかった仕事をこなせるようになり残業時間削減にもつながります。
手がまわらなかった他の仕事もできるようになり、企業全体の生産性アップが期待できますね。
負担が減り、残業も減れば社員のモチベーションも上がるでしょう。
そうなれば従業員満足や離職率低下にも効果的です。

コスト削減

これだけ多くの業務を行うには人員もそれなりに必要です。
効率化することで人員や工数が改善できれば、バックオフィスに関わる人件費は大きく削減できるでしょう。
より力を入れたい他の部門や業務に対して新たに予算を回せるようになります。
例えば効率化としてペーパーレスが実現した場合は、従来かかっていた印刷代や保管費用などの固定費などが削減可能です。

BCP対策とその強化

BCPとは「事業継続計画」のことです。
自然災害やテロといった未曾有の事態、あるいはシステム障害や不祥事といった事態が起きたとしても、企業は経済活動を簡単にやめられません。
重要な業務は最低限続けられるように対策しておく必要があるのですが、バックオフィス業務を外部委託やクラウド化などしておくことで、トラブルが起きた際にも対応しやすくなります。
BCPの観点からも、バックオフィス業務の効率化は大きなメリットがあるといえるでしょう。
 

バックオフィス効率化の方法

バックオフィス 意味 実際にバックオフィスを効率化する方法について、以下で一例をご紹介します。

ツールの導入やクラウドサービスの利用

データ集計などに役立つ、複雑な関数による自動計算などのデジタルツールや、社内の問い合わせに自動で対応してくれるチャットボットなど、ツールを上手く導入することで担当社員の日々の負担やストレスは大きく軽減されます。
現在さまざまなツールやクラウドサービスが展開されているため、それらの信憑性やサービスの品質、費用に見合った効果が得られるかという点を、慎重に判断していきましょう。

アウトソーシングする

企業独自の手法・ノウハウがありがちなフロントオフィスと比べ、事務作業などが主なバックオフィス業務は他社との共通点が多く、外部業者に委託しやすい傾向があります。
自社社員に頑張ってもらうよりも、経理や法務など分野によっては、専門的な知識や経験のより豊富な外部業者に任せる方がメリットは大きいでしょう。

バックオフィスのやりがいとは?

バックオフィス フロントオフィス お客様との直接のやり取りがない彼らは、以下のようなことをやりがいにして、誠心誠意職務にあたっています。

社員からの信頼・感謝

お客様とのやり取りがない代わりに、バックオフィス業務は社内の人たちとの関わりが非常に多くなります。
フロントオフィスの人たちが業務に集中できるよう、陰ながらサポートし続けていくことこそ彼らの仕事であり、常に社員誰かしらの役に立っていると言っても過言ではありません。
社員から直接感謝され、多くの人に信頼される仕事には大きなやりがいを感じられます。

幅広い業務スキルの習得

経理や法務といった専門的な業務から、備品管理や書類作成、データ入力や集計といった各種雑務まで、繰り返しになりますがバックオフィスの業務は多岐にわたります。
そのため自然と多くの仕事を経験できる上、部門によってはかなり専門的なスキルを身につけることも可能です。
人より知っていることが多い、できることが多いというのは誰でも嬉しいものですよね。
それらを身につける機会が多いバックオフィス業務には、大きなやりがいがあります。

課題解決の達成感

会社には日々多くの課題が発生し、対処していかなければなりませんが、その課題内容に応じて深く関わり解決していくのがバックオフィスの各部門の人たちです。
例えば就業環境の整備や、適正な人員配置は人事部門が担当です。
人手不足の部署へは採用活動や異動要請などが必要になるでしょう。
また予算運用や経営計画には財務・経理が関わってきます。
こういった会社規模での大きな課題に対して、経営陣ともコミュニケーションを取りながら解決に向け動いていくというのは、困難であると同時に今後のキャリアにとって非常に有益なものに違いありません。
貴重な経験を積めることは仕事の大きなやりがいにつながります。
 

まとめ

バックオフィス saas 今回はバックオフィス業務について解説してきました。
職種の例を見ても企業活動に欠かせない部門ばかりで、それだけに困難な課題も多く抱えていましたね。
しかしその分、効率化できた時のリターンも大きく、直接利益に関わるフロントオフィス業務の人たちにも、負けず劣らずの利益を間接的に生み出すことが可能です。
社内の人たちとの結びつきが強いバックオフィスは、社員からの感謝や信頼を実感しやすい業務ともいえます。
裏方と軽視できるものでは決してなく、企業運営に必要不可欠で、縁の下の力持ち的存在としてやりがいを感じながら働ける誇れる業務です。
利益の向上、企業のさらなる成長のために、営業成績や商品・サービスの見直しだけでなく、バックオフィスの観点からも改善策を見つけていきましょう。
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