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  • 2022.03.24 (最終更新日:2022.03.27)

間違えやすい敬語とは?正しく使ってビジネスシーンを有利に!

目次

意外と気づかない間違った敬語

敬語 間違い みなさんは、自分が正しく敬語を使えていると自信を持てますか?
わたしたちは小さい時から日常的に敬語に触れてきました。
近所の人や学校の先生といった周囲の大人に対してや、あるいは年が近くても、学校の先輩に対しては敬語を使うなど、多くの人が自然に敬語をある程度は身につけてきたものです。

しかし社会人ともなれば、ある程度ではいけません。
間違った言葉遣いはその人の格を下げ、社内の人間や取引先、顧客との信頼関係にも関わってきます。
社会人のビジネスマナーとしても、一人の大人としても、正しい敬語を使えるようになりたいですよね。
今回は「間違えやすい敬語とは?」と銘打って、そもそもの敬語の種類からおさらいした上で、間違えやすい敬語の種類や間違えると失礼にあたる敬語など、実例を挙げながら紹介していきます。
また会社でよくある電話対応のシーンについても見ていきましょう。

敬語の種類とは?

二重敬語 まずは前提知識として、「そもそも敬語とは何か」についておさらいしていきましょう。
敬語とは相手と会話する際、「話し手」「聞き手」「会話に出てくる人物」の3者それぞれの社会的立場に応じて言葉を使い分けるためにあるものです。

例えばあなたが上司と話す時には、上司の方が立場は上のため上司に敬意を表す言葉を使います。
また同期と話す時にも、会話に上司が出てくる場合、その上司に対して敬意を表す言葉遣いをします。

このように話す相手や会話の登場人物によって敬語を使うわけですが、敬語にもいくつか種類があり、正しい使い分けが必要です。
種類ごとに解説していきましょう。

尊敬語

尊敬語は、「相手の動作や相手の状態を高める」ことで、目上の方への敬意や尊敬を表す言葉です。
主語が相手の時、つまり「相手が〜している」という場合に尊敬語を使います。

尊敬語としての特別な動詞を使う場合や、「お・ご」といった接頭語、あるいは「様・さん」といった接尾語を付ける場合など、表現はさまざまです。
いくつか例を見ていきましょう。
  • 来る→いらっしゃる
  • 食べる→召し上がる
  • お荷物
  • ご主人
  • 御社 など

謙譲語

謙譲語は謙遜語とも呼ばれ、「自分がへりくだることによって相対的に相手が高まる」ため、それにより尊敬や敬意を表す言葉です。
尊敬語とは逆で主語が自分になり、「自分が〜している」場合に謙譲語を使います。

こちらも謙譲語の特別な言葉がある場合や、「拙・弊」といった接頭語、「ども・め」といった接尾語を付ける場合などさまざまです。
  • 行く→伺う
  • 言う→申し上げる
  • 私め
  • 私ども
  • 弊社 など

丁寧語

丁寧語は丁寧な言葉遣いをすることで相手に敬意を表し、高める相手がいてもいなくても使えます。

名詞の頭に「お・ご」を付ける、または文末に「です・ます・ございます」を付けるのが特徴です。
頭に「お・ご」を付けるのは尊敬語や謙譲語にもありますが、それらは相手を高めることが目的であり、丁寧語の場合は高める目的がなく、単に言葉を丁寧に表現しているだけといえます。
  • 話す→話します
  • 行く→行きます
  • ある→ございます
  • お料理
  • ご心配 など

間違えやすい敬語の種類一覧

敬語 種類 それではここで、よく使う言葉を敬語に変換した一覧表をお見せします。
「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」それぞれの変換をしっかり覚えましょうね。
  尊敬語 謙譲語 丁寧語
する なさる・される いたす・させていただく します
いる いらっしゃる・おいでになる おる います
会う お会いになる・会われる お目にかかる 会います
言う おっしゃる・言われる 申す・申し上げる 言います
見る ご覧になる 拝見する 見ます
聞く お聞きになる 拝聴する・うかがう 聞きます
思う お思いになる・思し召す 存じる 思います
知る お知りになる 存じる・存じ上げる・承知する 知っています
分かる お分かりになる・ご理解いただく かしこまる・承知する 分かりました
伝える お伝えになる 申し伝える 伝えます
読む お読みになる 拝読する 読みます
行く いらっしゃる・おいでになる うかがう・参る 行きます
来る いらっしゃる・おいでになる・お越しになる うかがう・参る 来ます
与える くださる・お与えになる 差し上げる あげます
受け取る お受け取りになる 頂戴する・拝受する・賜る 受け取ります

敬語を間違えることで失礼になる例文

敬語 変換 正しい敬語を使おうという意識はあっても、種類が多くて覚えにくく、間違えないように使いこなすのはなかなか難しいものです。
間違え方によっては相手に対して失礼になったり、不快感を与えたりしてしまうケースもあるため気を付けたいところですね。

またよくある間違いとして、「二重敬語」というものがあります。
これは例えば「ご覧になられますか?」のように、敬語を複数重ねてしまうことを指すのですが、会話の中でとっさに出てしまうことは多いでしょう。

以下に間違った敬語の例文と、その正解例、どういうことかの解説をまとめて表にしています。

失礼になる例

まずは相手に失礼と思われるかもしれない例です。
間違い例 正しい例 解説
了解です・了解しました かしこまりました・承知いたしました 敬語ではなく丁寧語であり、相手を高める効果はありません。
同僚や部下など、自分と同等以下の立場の人を相手にしたカジュアルな丁寧語です。
ご苦労様です(目上に対して) お疲れ様です 相手を労う意味がある言葉ですが、言葉をかける対象が目上の人から目下の人に対してであるため、目上の人に対しては「お疲れ様です」を使うとよいでしょう。
一緒に参りましょう お供いたします 「参る」は「行く」の謙譲語ですが、「一緒に」という言葉は行く相手と自分が同等の立場になってしまうため、目上の人に使うのは不適切です。
なるほど おっしゃるとおりです 相槌としてよく聞く表現ですが、あくまで「なるほど」は感嘆詞であり、語尾に「です」を付けたとしても決して敬語になるわけではありません。
「おっしゃるとおりです」や「そのとおりですね」などを使うか、つい「なるほど」と出てしまったら続けて「理解できました。ありがとうございます。」などと伝えれば失礼な印象は避けられるでしょう。
~させていただく ~いたします 「させてもらう」の謙譲語として間違ってはないのですが、あまり多用しすぎると恩着せがましく、また回りくどい印象を与えます。

二重敬語の例

次に二重敬語になる例をご紹介します。
間違い例 正しい例 解説
どうぞお召し上がりください どうぞ召し上がってください 「召し上がる」が尊敬語である上、「お~になる」も尊敬語です。
お読みになられますか? お読みになりますか? 「お~になる」と「~れる」と尊敬語が重複しています。
伺わせていただきます 伺います 「伺う」が「行く」の謙譲語で、さらに「~させていただく」という謙譲語もくっついています。
おっしゃられたように おっしゃったように 「お~になる」と「~れる・られる」が重複。
お越しいただけますでしょうか? お越しいただけますか? 「~ます」と「~です」が重複。

どちらの例も、意識していないとつい口に出してしまいそうなものばかりです。
これを機にしっかり覚えておきましょう。

電話における敬語マナーとは?

敬語 使い方 ここまでで敬語の基本的な受け答えはイメージできたかと思います。
それではよくあるシチュエーションとして、電話対応における敬語表現についても押さえておきましょう。
社会人はもちろん、学生でもアルバイト先で電話対応の経験はたくさんありますよね。
電話は相手の表情が分からないため、感情が読み取りづらく、普段の会話以上に言葉遣いや話し方に気を配りたいものです。
電話でのシチュエーション別に、正しい言葉遣いや受け答えの例を紹介していきます。

電話を取る時の注意点

電話を取ってこちらが名乗る時や、相手に名前を聞く時など、最初から注意すべき点はたくさんあります。
基本の名乗り方としては、「お電話ありがとうございます。~(勤務先と名前)でございます。」というのを覚えておきましょう。
普段の電話のように第一声で「もしもし」という呼びかけは不適切です。
はじめはお礼から入るのがよいでしょう。
また、目安として3コール以上待たせてしまった場合は、「お電話ありがとうございます」の前に「大変お待たせいたしました」を忘れないでください。

相手の名前を聞くときは、「恐れ入りますが」というクッション言葉を入れましょう。
また「どちら様でしょうか?」はビジネスシーンでは不適切とされるため、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」という尋ね方をしてください。

シチュエーション別の対処法

電話を取り、いざやり取りが始まった後はどう受け答えすればよいでしょうか。
いくつか例を見てみましょう。
  • 担当者が不在の場合
「申し訳ありません。ただいま〇〇は席を外しております。戻り次第こちらからお電話させるようにいたしましょうか?」

まずは不在に対して謝りましょう。
折り返しが必要かどうかも確認し、相手の電話番号や都合のいい時間帯などを控えておきます。
  • 伝言を頼まれた場合
「かしこまりました。〇〇に申し伝えます。」

「お伝えします」だと自社の人を丁寧に扱うことになるため不適切です。
謙譲語である「申し伝える」を使いましょう。
  • 相手の声が聞き取りづらい場合
「申し訳ございません。お電話が少々遠いようです。」

聞き取りづらいというはっきりした表現は使わず、あくまで電話のせいとして伝えることで、相手を責めているように感じさせない気遣いがポイントです。
また同じことを二度言わせてしまうことになるため、まずはお詫びを伝えましょう。
 

まとめ

敬語 ビジネス 今回は敬語について改めて学んできました。
誰しもが一度は学んでいるものの、完璧に覚えている人は少ないでしょう。
いざビジネスシーンで、尊敬語と謙譲語を場面に応じて正しく使い分けられるかといえば簡単ではありません。
この記事を参考に、よく使う言葉の敬語変換表と、よくある間違い例文はしっかり押さえておきましょう。

今、自分の敬語力に自信が持てなくても、敬語の勉強はいくらでも可能です。
勉強するツールもさまざま、このようなネット記事や本、スマホのアプリなどで自習もできますし、よりしっかり学びたいと思ったら通信教育などもおすすめします。

敬語を正しく使えるというのは、信頼されるかっこいい大人への第一歩です。
恥をかいたり、相手を不快にさせたりしないように、今からでも勉強して身につけていきましょう。
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