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  • 2022.03.23 (最終更新日:2022.03.27)

助成金・補助金・給付金の違いとは?個人事業主の勘定項目も解説!

目次

withコロナ、今こそ知るべき助成金

助成金 コロナ 新型コロナウイルス感染症が世界で初めて確認されたのが、2019年12月でした。中国でのコロナ確認後、瞬く間に全世界に広がり日本も例外ではありませんでした。

コロナが流行し始めた当初、ほとんどの人がインフルエンザ程度と考え、2022年を迎えた今も苦しめられるとは想像もしなかったでしょう。多くの企業がコロナの影響により業績を落とすことになったことはもちろん、個人事業主として働く人々はそれ以上に大きな影響を受け続けています。

これからも続くであろう「withコロナ」を乗り越えるため、さまざまな助成金や補助金などが設けられています。今回は、今こそあらためて確認すべき各支援を紹介します。

助成金・補助金・給付金の違いとは

助成金 補助金 違い そもそも「助成金・補助金・給付金」の違いがよく分からない、という方は少なくありません。まずは各支援金の違いについて、分かりやすく解説します。

助成金

「助成金」は“厚生労働省”が主導しているもので、雇用の増加や人材育成を目的としており“企業”を対象としています。

基本的に返済義務はなく、審査もないため条件を満たせば受け取れますが、細かい申請条件と厳しさが特徴です。

補助金

「補助金」は“経済産業省”が主導しているもので、決められた予算の中で補助金を出しています。助成金と同様、“企業”を対象としています。

補助金においては審査が行われるため、必ず受け取れるものではありません。補助金ごとに用途が決められており、それ以外での使用は許されません。そのため、補助金を受け取ったあとに使用用途の報告を求められる場合もあります。

補助金も基本的に返済義務はありませんが、補助金全体で予算が決められており、短い応募期間と倍率の高さが特徴です。

給付金

「給付金」は、“個人”や“個人事業主”を対象としており、“国・地方自治体”が行っています。審査は設けられておらず、給付金ごとに要件が定められており、要件を満たすことで基本的に受け取れます。

定められている要件においても、極端にハードルの高いものは少なく、経済的に困窮し生活が困難な方を助ける目的で行われています。また、助成金や補助金と同じく、基本的に返済義務はありません。
 

個人・個人事業主向けの助成金・補助金・給付金

助成金 個人事業主 ここからは「助成金・補助金・給付金」に分けて、個人や個人事業主向けの支援を紹介します。今回ピックアップしている支援は、現時点(2022年2月)のもののため、タイミングによっては受付を終了している場合があります。

助成金

助成金からは以下の2つを紹介します。
  • キャリアアップ助成金
  • 両立支援金等助成金
「キャリアアップ助成金」は、従業員を持つ事業主におすすめしたい支援です。目的別に7つのコースが設けてあり、なかでも『正社員化コース』と『短時間労働者労働時間延長コース』は申請しやすいでしょう。

「正社員コース」は、非正規雇用者を正社員へと昇格させたり待遇改善したりすることで1人あたり“最大72万円”を受け取れます。『短時間労働者労働時間延長コース』は、パートやアルバイトの週所定労働時間を延長し社会保険を適用させることで1人あたり“28万4,000円”を受け取れます。

「両立支援金等助成金」は、女性の従業員を持つ事業主におすすめしたい支援です。昨今国全体で行われている“働く女性の活躍推進”にも最適な内容となっています。目的別に6つのコースが設けてあり、どれも仕事と家庭を両立させる内容が特徴です。

「出生児両立支援コース」は、男性の育児休暇取得を推進するもので、中小企業であれば1人目(第一子)の育休取得で最大“72万円”、2人目(第二子)以降は育休取得日数により最大“42万円”が受け取れます。

その他、『介護離職防止支援コース』や『育児休業等支援コース』などおよそ“28万円”が受け取れるものがあります。

補助金

補助金からは以下の3つを紹介します。
  • 事業再構築補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金
「事業再構築補助金」は、2020年4月以降、連続6ヶ月のうちに3ヶ月の合計売上高が10%以上減少しているなどのほか、「思い切った事業再構築」を意欲的に持っていることなどが要件となっています。

中小企業だけでなく、個人事業主として働くフリーランスも対象となっており“100〜6,000万円”(補助率:3分の2)の補助を受けられます。

「小規模事業者持続化補助金」は、個人事業主やフリーランスを含む小規模事業者を対象にした補助金です。小規模事業者の販路開拓・生産性向上などにかかる経費の一部を支援してもらえます。

計画書などを地域の商工会議所へ提出するなど審査を受けたのち、決められた補助金を受けられます。補助上限額は100万円までとなっています。

「ものづくり補助金」は、新商品・新サービスの開発、生産プロセスの開発・向上に取り組む事業者が対象で、対象となる経費の5割を補助するというものです。補助金には「一般型・グローバル展開型・ビジネスモデル構築型」があり、それぞれの上限額が“1,000万円・3,000万円・1億円”となっています。

個人事業主での申請は難しいとされていますが、ものづくり補助金の公式サイトで公表されている割合をみると、従業員5人以下の事業者がおよそ56%となっているため、正しく事業計画書の作成ができるなど正しい手順を踏むことでフリーランスや個人事業主でも補助を受けられます。

給付金

給付金からは以下の2つを紹介します。
  • 住居確保給付金
  • 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金
「住居確保給付金」は、生活が困窮している方を対象に家賃を補助してくれる制度です。具体的な条件としては、“2年以内に離職・廃業”もしくは“給与・報酬を得る機会が離職・廃業レベル”などです。

支給額については、世帯人数により支給上限が決まっており、各市区町村によっても異なります。また、支給とは申請者に振り込まれるのではなく、賃貸の大家さんや不動産会社へ直接支払いが行われるものです。

「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」は、コロナの影響により子どもの通う学校や保育園などが学級閉鎖などで預けられなくなったり子ども本人が感染してしまい通学ができなくなったりした場合に、対象者が子どもの世話により働けなくなった際に受けられる給付金です。

開業済のフリーランスだけでなく、業務委託として働く方も対象です。上記の理由で仕事ができなかった期間を申請することで、1日あたりの定額を支給されます。期間によって支給額が異なり、4,500〜6,750円を受け取れます。また、緊急事態宣言中やまん延防止措置中においては、1日あたりの上限額が“7,500円”に繰り上がります。
 

申請代行のススメ

助成金 申請代行 補助金や助成金について紹介しましたが、個人事業主の場合、申請が複雑であったり作成すべき資料などが難しくスムーズに申請ができなかったりといったケースが多くあります。

そこで検討したいのが「申請代行」です。補助金の申請代行は、弁護士・税理士・行政書士・コンサルティング会社などが行っており、助成金においては社会保険労務士のみが行える決まりがあります。申請代行といってもさまざまで、専門にしているところもあれば基本的に受け付けていないというところもあります。

専門家に頼むことで提出物作成の手間と時間を大きく削減できるだけでなく、審査においてのポイントを押さえられるほか、抜けや漏れの心配がありません。地域にある事務所を探すのはもちろん、インターネット上で受け付けているところもあるため一度見積もりなどをお願いしてみましょう。

助成金・補助金・給付金の勘定項目

給付金 コロナ 個人事業主やフリーランスが毎年苦労するのが「確定申告」です。今回紹介した助成金・補助金・給付金も、勘定項目に加える必要があるため注意しましょう。

各支援を受ける際の注意

基本的に支援には申請期間が設けられています。とくに補助金は公募期間が極端に短かったり、年間の公募回数も数回であったりもします。倍率も高いものが多いため、頻繁にチェックしてすぐに申請できるようにしておくのがポイントです。

また、支援やコースごとに対象条件や受付条件が定められています。自分が対象であるかどうか、申請前に必ず要件を読み込みましょう。

必ず把握しておきたいのが「受給・支給がいつ頃か」という点です。ほとんどの支援は、後払いがベースとなっており支給されるまでに時間がかかるものばかりです。切羽詰まった状態での申請でも、すぐにはお金が入らないため注意しましょう。

勘定項目

助成金や補助金、給付金は基本的に「雑所得」として勘定します。消費税の課税区分は「対象外」で登録しましょう。

ここで注意したいのが、登録する日付です。助成金や補助金などが入金された日ではなく、『支給決定通知書』の日付で行います。その後、実際にお金が振り込まれた入金日に『未決済取引の消し込み』をしましょう。

まとめ

助成金 勘定項目 助成金や補助金は、ある程度の企業しか申請できないと思われがちですが、実際には個人事業主やフリーランスなど小規模事業者も対象であるものが多くあります。

コロナの影響により事業を畳むお店なども少なくありません。こうした金銭的支援を上手に活用してコロナ時代を生き抜いていきましょう。
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