- 健康経営アドバイザー
- 2022.03.04 (最終更新日:2022.03.27)
くるみんとは?企業が子育て世代を応援
企業の子育て支援認定制度
少子化が進む日本において子育て支援に積極的に取り組む企業を認定する制度を「くるみん」といいます。
採用や離職防止の面でも優位に立つため注目されています。
多様な働き方が求められる昨今、環境整備への意識が高まっていることで必要な取り組みとも言えるでしょう。今回は「くるみん」についてご紹介します。
採用や離職防止の面でも優位に立つため注目されています。
多様な働き方が求められる昨今、環境整備への意識が高まっていることで必要な取り組みとも言えるでしょう。今回は「くるみん」についてご紹介します。
くるみんとは?
少子化対策として子育て支援に積極的に取り組む企業に対して、厚生労働大臣認定を受けた企業の認定マークの愛称を「くるみん」と読んでいます。
マークは赤ちゃんが優しく包まれる事を表すとともに、企業とその職場ぐるみの少子化問題や子育てに取り組む事を表しています。
認定マークには、「くるみん」と「プラチナくるみん」の2種類あります。
プラチナくるみん認定は、より高い水準の取り組みを行っている企業であることをアピールできる特例認定マークです。
次世代育成支援対策推進法に基づく認定は一定要件を満たせば、規模・業種等にかかわらず申請ができます。
この法律において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育てに関する一般事業主行動計画策定・届出・外部への公表・労働者への周知を行うことが義務とされています。(100人以下の企業は努力義務)
マークの意味
くるみんの意味は、赤ちゃんを優しく包む(くるむ)を表し、暖かくおくるみで包むことを表したものです。マークは赤ちゃんが優しく包まれる事を表すとともに、企業とその職場ぐるみの少子化問題や子育てに取り組む事を表しています。
認定マークには、「くるみん」と「プラチナくるみん」の2種類あります。
プラチナくるみん認定は、より高い水準の取り組みを行っている企業であることをアピールできる特例認定マークです。
くるみん制度とは?
くるみん認定制度は、厚生労働省が次世代育成支援対策推進法※に基づき行っている認定制度です。次世代育成支援対策推進法に基づく認定は一定要件を満たせば、規模・業種等にかかわらず申請ができます。
次世代育成支援対策推進法とは?
次世代育成支援対策推進法は、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備するために定められた法律です。この法律において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育てに関する一般事業主行動計画策定・届出・外部への公表・労働者への周知を行うことが義務とされています。(100人以下の企業は努力義務)
くるみん認定による企業のメリット
くるみん認定には、以下4つのメリットがあります。
子育て支援を積極的に取り組む企業としてステークホルダー等に周知することによって、企業価値向上をアピール可能です。
さらにくるみんマークおよびプラチナくるみんマークを企業の商品・広告・求人広告等に掲載ができます。
くるみんマーク・プラチナくるみんマークを使用可能なものは以下のとおりです。
優秀な人材の流出を防ぐためにも、くるみんマークは企業にとってアピールポイントになり得るでしょう。
(令和3年10月から令和9年3月まで)
くるみん認定企業:1回の認定につき1回
プラチナくるみん認定企業:1年度ごとに1回
企業の受注機会の増大を図る観点から、ワーク・ライフ・バランス等を推進する企業を積極的に評価し、ワーク・ライフ・バランス等推進企業を評価する項目が設定されています。
総合評価落札方式を採用する入札案件は、特に技術力のある中小企業にとって大きなチャンスとなるでしょう。
- 企業イメージの向上
- 採用や人材の定着
- くるみん認定による助成金
- 公共調達における加点評価
1.企業イメージの向上
厚生労働省のウェブサイト内にくるみん認定企業として企業名が掲載されます。子育て支援を積極的に取り組む企業としてステークホルダー等に周知することによって、企業価値向上をアピール可能です。
さらにくるみんマークおよびプラチナくるみんマークを企業の商品・広告・求人広告等に掲載ができます。
くるみんマーク・プラチナくるみんマークを使用可能なものは以下のとおりです。
- 商品(商品パッケージなど)
- 衣服(着用する制服など)
- 事業主の広告(折込広告など)
- 取引に用いる書類または通信(名刺、封筒、FAX送信票など)
- 事業主の営業所・事務所・その他事業場(事業所の看板・車など)
- インターネットを利用して公衆の閲覧に供する情報(ホームページなど)
- 雇用者の募集広告や募集などの案内文書紙面(ハローワークの求人票にも掲載可能)
2.人材の定着や離職を防ぐ
仕事と育児を両立しながら働きたいと考える世代のキャリア継続を支援することにより、従業員の定着率や採用率アップ等に貢献します。優秀な人材の流出を防ぐためにも、くるみんマークは企業にとってアピールポイントになり得るでしょう。
3.助成金活用
子育て支援環境を整備する観点から、認定を受けた中小企業に対し、上限50万円の助成金を支給する中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業が実施されています。(令和3年10月から令和9年3月まで)
くるみん認定企業:1回の認定につき1回
プラチナくるみん認定企業:1年度ごとに1回
4.公共調達における加点評価
公共調達を実施する場合は、くるみん認定企業・プラチナくるみん認定企業を加点評価するよう国の指針において定められています。企業の受注機会の増大を図る観点から、ワーク・ライフ・バランス等を推進する企業を積極的に評価し、ワーク・ライフ・バランス等推進企業を評価する項目が設定されています。
総合評価落札方式を採用する入札案件は、特に技術力のある中小企業にとって大きなチャンスとなるでしょう。
くるみん認定基準
くるみん認定基準は、令和4年4月1日よりくるみん認定・プラチナくるみん認定の基準改定等が行われ、新しい認定制度もスタートします。
新たな認定制度「トライくるみん」が創設され、くるみんマークも改定される予定です。
※トライくるみん認定を受けていれば、くるみん認定を受けていなくても直接プラチナくるみん認定を申請できるなどの変更点があります。
現行のくるみんの基準も維持しつつ、さらに少子化対策を考慮した新しい基準や不妊治療と仕事との両立に関する認定基準が盛り込まれます。
自社PRとして有効なくるみん認定ですが、認定取り消しや辞退などの問題は毎年起こっており、こういった事態を避けるためにより厳しい基準となることが予想されるでしょう。
くるみん認定基準【令和4年4月1日以降新基準】
令和4年4月1日からくるみん・プラチナくるみんの認定基準が改定されます。
新基準に準じた基準を紹介させて頂きます。
新基準は赤字記載となりますので、現行の基準と合わせてご確認ください。
①雇用環境の整備について、適切な行動計画を策定したこと。
②行動計画の計画期間が2年以上5年以下であること。
③行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。
④行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること。
⑤男性育児休業等の取得に関する基準のどちらかを満たし厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。
・男性育児休業等取得率10%以上であること。
・男性育児休業等・育児目的休暇取得率20%以上であること。
⑥女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であること。
厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。
⑦3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者に次の制度や措置を講じていること。
・育児休業に関する制度
・所定外労働の制限に関する制度
・所定労働時間の短縮措置
・始業時刻変更等の措置に準ずる制度
⑧計画期間終了日が属する事業年度において次のいずれも満たしていること。
・フルタイム労働者等の法定時間外・法定休日労働時間平均が各月45時間未満であること。
・月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。
⑨具体的な目標を定めて実施していること。
・所定外労働時間削減のための措置
・年次有給休暇取得促進のための措置
・短時間正社員制度・在宅勤務・テレワーク・働き方の見直しに資する多様な労働条件整備のための措置
⑩法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。
新たな認定制度「トライくるみん」が創設され、くるみんマークも改定される予定です。
※トライくるみん認定を受けていれば、くるみん認定を受けていなくても直接プラチナくるみん認定を申請できるなどの変更点があります。
現行のくるみんの基準も維持しつつ、さらに少子化対策を考慮した新しい基準や不妊治療と仕事との両立に関する認定基準が盛り込まれます。
自社PRとして有効なくるみん認定ですが、認定取り消しや辞退などの問題は毎年起こっており、こういった事態を避けるためにより厳しい基準となることが予想されるでしょう。
くるみん認定基準【令和4年4月1日以降新基準】
令和4年4月1日からくるみん・プラチナくるみんの認定基準が改定されます。
新基準に準じた基準を紹介させて頂きます。
新基準は赤字記載となりますので、現行の基準と合わせてご確認ください。
①雇用環境の整備について、適切な行動計画を策定したこと。
②行動計画の計画期間が2年以上5年以下であること。
③行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。
④行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること。
⑤男性育児休業等の取得に関する基準のどちらかを満たし厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。
・男性育児休業等取得率10%以上であること。
・男性育児休業等・育児目的休暇取得率20%以上であること。
⑥女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であること。
厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。
⑦3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者に次の制度や措置を講じていること。
・育児休業に関する制度
・所定外労働の制限に関する制度
・所定労働時間の短縮措置
・始業時刻変更等の措置に準ずる制度
⑧計画期間終了日が属する事業年度において次のいずれも満たしていること。
・フルタイム労働者等の法定時間外・法定休日労働時間平均が各月45時間未満であること。
・月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。
⑨具体的な目標を定めて実施していること。
・所定外労働時間削減のための措置
・年次有給休暇取得促進のための措置
・短時間正社員制度・在宅勤務・テレワーク・働き方の見直しに資する多様な労働条件整備のための措置
⑩法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。
プラチナくるみんの基準【令和4年4月1日以降新基準】
プラチナくるみん認定は、より高い水準の取り組みが求められ、特例認定であるプラチナくるみんの認定を受けるには、12の要件を「すべて」満たす必要があります。
12の要件のうち8つ(①~④・⑥~⑧・⑩)はくるみん認定基準と同じなため、それ以外の4つの要件について紹介します。
①男性育児休業等取得に関する基準のどちらかを満たしていること。
・男性育児休業等取得率30%以上であること。
・男性育児休業等・育児目的休暇取得率50%以上であり、育児休業等を取得した者が1人以上いること。
②すべての措置を実施しており、㋐または㋑のうち、少なくともいずれか一方について、定量的な目標を定めて実施し目標を達成したこと。
㋐所定外労働時間削減のための措置
㋑年次有給休暇取得促進のための措置
㋒短時間正社員制度・在宅勤務・テレワーク・働き方の見直しに資する多様な労働条件整備のための措置
③女性継続就業に関してのいずれかを満たしていること。
・子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が90%以上であること。
・出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合が70%以上であること。
④育児休業等または育児を行う女性労働者が就業を継続・活躍できるような能力向上またはキャリア形成支援の取り組みにかかる計画を策定し、実施していること。
プラチナくるみんを取得した企業は、その後の行動計画策定・届出の代わりに「次世代育成支援対策の実施状況」について毎年少なくとも1回で公表する必要があります。
・1回目の公表は、プラチナくるみん取得後おおむね3ヶ月以内
・2回目の公表は、公表事業年度終了後おおむね3ヶ月以内
認定取得を検討される際には、厚生労働省などから最新情報を取得しましょう。
12の要件のうち8つ(①~④・⑥~⑧・⑩)はくるみん認定基準と同じなため、それ以外の4つの要件について紹介します。
①男性育児休業等取得に関する基準のどちらかを満たしていること。
・男性育児休業等取得率30%以上であること。
・男性育児休業等・育児目的休暇取得率50%以上であり、育児休業等を取得した者が1人以上いること。
②すべての措置を実施しており、㋐または㋑のうち、少なくともいずれか一方について、定量的な目標を定めて実施し目標を達成したこと。
㋐所定外労働時間削減のための措置
㋑年次有給休暇取得促進のための措置
㋒短時間正社員制度・在宅勤務・テレワーク・働き方の見直しに資する多様な労働条件整備のための措置
③女性継続就業に関してのいずれかを満たしていること。
・子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が90%以上であること。
・出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合が70%以上であること。
④育児休業等または育児を行う女性労働者が就業を継続・活躍できるような能力向上またはキャリア形成支援の取り組みにかかる計画を策定し、実施していること。
プラチナくるみんを取得した企業は、その後の行動計画策定・届出の代わりに「次世代育成支援対策の実施状況」について毎年少なくとも1回で公表する必要があります。
・1回目の公表は、プラチナくるみん取得後おおむね3ヶ月以内
・2回目の公表は、公表事業年度終了後おおむね3ヶ月以内
認定取得を検討される際には、厚生労働省などから最新情報を取得しましょう。
認定取り消し
認定取り消しとなるケースは次の通りです。
是正勧告を受けて是正していない場合も不認定や認定取消の対象とすることになりました。
認定基準を満たさなくなった場合や、それ以外の自発的な理由等によって認定・特例認定を辞退できます。
- 重大な法令違反があった場合
- 公表および労働者への周知を適切に行わない場合
- 認定基準を満たさなくなった場合
- くるみんマークやプラチナくるみんの表示と紛らわしい表示をした場合
- 不正の手段により認定を受けていた場合・認定一般事業主が社会問題となるような事件を起こした場合
- 次世代育成支援対策の実施状況について虚偽の公表を行った場合
- 不正の手段により特例認定を受けていた場合
- 特例認定一般事業主が社会問題となるような事件を起こした場合
是正勧告を受けて是正していない場合も不認定や認定取消の対象とすることになりました。
認定基準を満たさなくなった場合や、それ以外の自発的な理由等によって認定・特例認定を辞退できます。
まとめ
今回は「くるみん」について紹介しました。
くるみんは、子育て支援に積極的に取り組む企業を認定する制度です。
積極的に少子化対策を行うことで、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現に貢献します。
そして企業としても従業員の定着や助成金の活用や公共調達における加点評価によって、事業の大きな発展へとつながります。
くるみん認定取得することは、自社の利益だけでなく社会貢献に寄与するでしょう。
ぜひこの機会にくるみん認定を目指してはいかがでしょうか。
くるみんは、子育て支援に積極的に取り組む企業を認定する制度です。
積極的に少子化対策を行うことで、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現に貢献します。
そして企業としても従業員の定着や助成金の活用や公共調達における加点評価によって、事業の大きな発展へとつながります。
くるみん認定取得することは、自社の利益だけでなく社会貢献に寄与するでしょう。
ぜひこの機会にくるみん認定を目指してはいかがでしょうか。
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