- 働く女性
- 2022.04.14
あなたの働き方タイプは?多様化する女性の働き方問題について考える
生き方も働き方も、時代とともに変化する
「男は仕事、女は家庭」、そんな考え方は昔の話となり、今や働く女性も増え働く理由も働き方の選択肢も増えました。
昔は当たり前だった「寿退社」も少なくなり、“女性は結婚が人生のゴール”という考え方は無くなったといっても過言ではありません。しかしながら「女性にとって働きやすい環境か」と問われると、そうではないことも事実です。
そこで今回は「多様化する女性の働き方」をテーマに、海外女性の働き方やどのような働き方があるのかを考えていきます。
働く女性の活躍推進
「働き方改革」を含めて、日本では女性が働きやすい環境づくりや本来の能力を発揮できるよう推進していこうとさまざまな取り組みが行われています。
たとえば2022年4月に改正が施行される「女性活躍推進法」は、企業側が女性の活躍状況を分析・把握し、それを基にした目標や数値を設定、社内での取り組み考えて女性が働きやすい環境をつくり女性の雇用や女性管理職を増やしましょうというものです。
働きたくても働けない女性たちは、私たちが想像する以上にたくさんいます。そうした女性たちが働ける仕組みや環境をつくりあげることで、日本の深刻な人員不足を緩和する狙いもあります。
働く女性・働きたい女性たちが抱える問題
「働きたくても働けない女性たち」とは、一体どのような状況なのでしょうか。もちろん人によって抱えている問題に差はありますが、その多くは「女性特有のライフイベント」にあります。代表的なものを挙げましょう。
- 妊娠・出産
- 子育て
- 介護
これらは女性にとって“人生を左右するライフイベント”といえます。本来は女性だけに負担がかかるべきではありませんが、令和になった現代でもまだまだ女性の役割として認識されています。また「現在働いている女性たち」にも抱えている問題は多数あります。
- 給与が低い
- 昇進できない
- 男性社員との業務差
- キャリアプランの形成
働く女性たちが抱える悩みの特徴として「男性社員との待遇差」が挙げられます。学歴も職歴も変わらない、入社時期も同じ男性同期よりも給与が低かったり、責任のある仕事をさせてもらえなかったりといった「男女格差」を感じることが多くあります。
そして先ほど紹介したとおり、女性には人生を左右する数多くのライフイベントがあるため、キャリアプランの組みづらさもあるのです。
女性が思う本当の働きやすさ
それでは女性たちが考える“本当の”働きやすさとは、一体どのようなものなのでしょうか。それは、上記で挙げた女性たちが抱える問題を見ると分かります。
働きたい女性たちの理想
まずは一大ライフイベントである「妊娠・出産・子育て」です。日本の企業には「産休・育休」の休業制度が設けられています。しかしそれでも“問題”として挙げられる理由は、休業制度を取得しにくいからです。
また、働く母にとっては復帰後の子育てこそが本番といえます。運良く保育園に入れても子どもが体調を崩せば早退や欠勤はやむを得ません。同僚や上司に対し、過剰に頭を下げることがなくなる空気感や雰囲気が働きやすさへと繋がります。
「介護」にも同様のことがいえます。子育てに関しては20〜30代の女性の割合が多く、介護の場合はベテランや役職のついた40代以降の女性が多く当てはまります。
休業制度が気兼ねなく取得でき、復帰後も子育てや介護との両立を理解してもらえることこそ、本当の働きやすさといえるでしょう。
働く女性たちの理想
ここで考えるべきは「男女格差」です。男女平等が国全体で提唱されていますが、まだまだ社会では浸透しきれていないのが現状です。
働く女性たちは、性別に関係なく個人の成績や能力で評価される環境を望んでいます。また、女性であるからとお茶汲みを申しつけられたり、勝手な決めつけで軽い仕事ばかりを振られたりすることは彼女たちを軽視していると思われても当然のことです。
世界の働く女性たち
ここまで日本の働く環境についてお話ししましたが、海外の働く女性たちについてもみてみましょう。
アメリカ合衆国
自由の国アメリカには、働く女性にとって良い面もあればそうでない面もあります。アメリカにも日本でいう「産休・育休」のような制度(FMLA休暇)がありますが、適用条件が非常に厳しく約4割の女性がこの制度を利用できません。国からの手当や支給もないため、産後1〜2週間で職場復帰する女性もいます。
そして良い意味でも悪い意味でも“ドライ”です。ビジネスにおいて性別が影響することはなく、仕事ができれば入社歴などに関わらず女性でも昇進できます。結果が伴わないのであれば即日首を切られます。
また、アメリカは日本に比べて夫が家事育児に協力的であることも大きいでしょう。男性でも育休を取得することが多く、日常的に家族との時間をつくります。夫婦としての話し合いを大切にするため、お互いを尊重し合い結婚後もキャリアを諦めない女性が多くいます。
スウェーデン
2021年英誌エコノミストが発表した「女性の働きやすさランキング」で堂々の第一位を飾ったのがスウェーデンです。
国全体で子育てしやすい環境を整えており、なかでもスウェーデンの「育児休暇」は日本以上に充実しています。スウェーデンでは父親となる男性が“最低3ヶ月”の育児休暇取得が決められています。また、夫婦あわせて480日の育児休暇(有給)を取得できるなど、女性にばかり負担がかからない仕組みができあがっています。
このほか、企業によっては1日の労働時間を6時間としているところもあり、子育てと仕事の両立がしやすいことも挙げられます。
ドイツ
ドイツは日本と同じように、現在女性が働きやすい仕組みを作り上げている段階です。しかし確実に日本よりも先を進んでおり、子育て中の働く女性はおよそ7割が時短勤務です。
女性の管理職も年々増えており、今後さらに女性が活躍できる働きやすい社会へと進化していくでしょう。
ベルギー
ベルギーは、「女性の働きやすさランキング」8位に位置しています。ベルギーの企業では、7.6時間勤務が一般的とされています。また、フレックス制度も多いため日本のように9時出社〜18時退社などの規定がありません。
フレックス制度の場合、朝7〜10時までに出社しコアタイムを守ることで、早く退勤することが可能です。夫婦で出勤時間をずらせば、子供の送り迎えを分担することも簡単にできます。
子育ては女性の仕事という概念がないため、女性も男性も子育てをしながら自分の人生を楽しんでいます。
韓国
お隣の国、韓国はどうでしょうか。「女性の働きやすさランキング」では、28位の日本に次いで29位という結果です。実は日本と似た点も多く、韓国では今も子育ては女性の仕事という考え方が強くあります。
また、企業の多くは出産や育児のための休業制度も整っていないのが現状です。しかしながら日本とは全く違う点もあります。韓国の保育園は、無償で子どもを預けられるという大きな魅力があります。
働いているかどうかに関わらず、子どもを預けられるため働く女性はもちろんですが、キャリアアップやこれから働くことを考える女性にとっても素晴らしい環境といえます。
タイプ別|女性の働き方5選
働く女性といっても、すべての女性がキャリアアップを目指し男性と同じように働きたいと考えているわけではありません。ここからは、働く女性のタイプ別に女性の働き方を5つご紹介します。
キャリア志向タイプ
キャリア志向タイプは、文字通り昇進してバリバリ働くキャリアウーマンを目指す女性です。
自分のしたいことやビジョンが明確で、仕事が生きがいだと考える女性は少しずつ増加しています。キャリアプランをしっかり組み上げ、常に目標を設定しつづけるのがポイントです。子どもをつくる予定がある場合は、夫に専業主夫になってもらうのもひとつの選択肢としてあります。
家庭・子育て両立タイプ
日本に多いのはこのタイプです。実際、出産後も働きたいという女性は多く、そういった女性たちが働きやすいよう国全体で環境を整えている最中です。
産後、フルタイムで働くのは心身ともに削られます。とくに第一子の場合は、初めての出産や子育てということもあり余裕がなくなるケースが多くあります。
理想的な働き方として、時短勤務がおすすめです。時短勤務の制度がない場合、制度が設けられた会社への転職やパートやアルバイトへ雇用形態を変えることでバランスのとれた働き方が可能です。
プライベート優先タイプ
独身もしくは子なし夫婦の女性に多いのが、プライベート優先タイプです。昇進や昇給にあまり興味がなく、毎日淡々と仕事をこなして休日など自分の時間を楽しみたいと考えます。
仕事に対するこだわりがない場合、過度なストレスがなく残業の少ない会社で働くのが理想的です。事務職であれば毎日のタスクに大きな変化もなく、残業の少ない会社が多くあります。
給与第一タイプ
とにかくお金を稼ぎたいというストイックな方もいます。残業にも抵抗がなく、働けるだけ働きたいというタイプです。
趣味や貯金にお金をかけたいなど、お金に関する目標がはっきりしている女性に多いタイプです。お金がモチベーションに直結するため、専門職や営業など、基本給が高い職業ややればやっただけ給与に反映される仕事に向きます。
パラレルワーカー(副業・複業)タイプ
パラレルワーカータイプとは、色んなことに興味を持ち向上心のある女性に多いタイプです。日本でも副業を認める会社が増え、スキル磨きや副収入を目的とした副業をすることが一般的になりつつあります。
また、メインとなる仕事を決めずに複数の仕事を同じ割合で進行することを「複業」といいます。お金目的というよりは、興味のあることを全部したいというタイプです。働き方が多様化している現代だからこそ生まれた働き方です。
まとめ
女性はこういうもの、男性はこういうもの、という概念はなくなりつつあります。男性だからといって、全ての男性が昇進し部下を持ちたいかと言うとそうではありません。逆に女性でも、誰よりも働いて誰よりも早く昇進したい、もっと働きたいと考える方もいます。
国や会社が環境を整えることはもちろんですが、女性自身が多様な働き方からベストな働き方を見つけ選ぶことも大切です。
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