- ビジネススキル
- 2022.02.23 (最終更新日:2022.03.27)
リーダーシップとは?身につけるべき7つのスキルと3つのスキル向上方法
リーダーシップとは何か
年齢や社会経験を重ねてきた今、「リーダーシップとは何なのか」「真に身につけるべきスキルとは」とあらためて悩む方も多いでしょう。
今回は、リーダーシップをテーマに“今”身につけるべきスキルについてお話いたします。
リーダーシップとマネジメント
実は「リーダーシップ=マネジメント」ではありません。
「リーダーシップ」とは、チームひとりひとりに目を向けひとつの目標を達成できるよう統制を取り“導く”ことをいいます。「マネジメント」とは、プロジェクトを成功させ成果を上げられるようにするだけでなく、会社の規則や理念に則った業務遂行ができるようプロジェクト全体を管理することをいいます。
さらにシンプルにすると、マネジメントは役職ある上長的立場の人間、リーダーシップは役職にとらわれずさまざま場面で発揮できる力です。しかしながら、マネジメントとリーダーシップは2つで1セットと考えられる場合もあります。両方のスキルをあわせ持つことで、さらに効果を発揮できる場面も多々あるでしょう。
6つのリーダーシップ
リーダーシップ論は、さまざまな経営学者や心理学者が提唱していますが、今回は“ダニエル・ゴールマン”氏の「6つのリーダーシップ」をご紹介します。
ダニエル・ゴールマン氏は、ハーバード大学の大学院にて心理学の博士号を取得したのち、同大学で心理学の非常勤講師として勤務しました。その傍ら、NY・タイムズや心理学の専門誌でも編集者を務めるなど多方面で活躍しています。多数功績を残し心理学に精通した彼が提唱しているのが、これから紹介する「6つのリーダーシップ」です。
- ビジョン型
- コーチ型
- 関係重視型
- 民主型
- ペースセッター型
- 強制型
彼の考えるリーダーシップは、上記のとおり6つのタイプに分類されます。今回は6つの中から、いくつかかい摘んでご紹介します。
「ビジョン型」は非常にポジティブなタイプで、チームが目指すべき目標などを明確にし、道が逸れてしまわぬよう導きます。熱い思いを持つタイプです。
「関係重視型」は、文字通りメンバー間はもちろん、リーダーとメンバーの関係性を重視するタイプです。ひとりひとりと目線を合わせ、良好な人間関係を築くことで任務を遂行していきます。
「強制型」は上記とは全く異なり、全ての判断をリーダーが担い命令するような形で指示を出します。緊急のプロジェクトなど、スピーディーさが必要な場面で活躍できるタイプです。
ひとえにリーダーシップといっても、さまざまな特長や魅力があります。プロジェクトの内容やチームメンバーによってタイプを切り替えることも必要になるでしょう。
リーダーシップに必要な7つのスキル
ここまでリーダーシップの概念的なお話をいたしましたが、ここからはより実用的で実践的な“スキル”についてお話します。今回、リーダーシップに必要なスキルとして“7つ”をピックアップしました。
- コミュニケーション能力
- 誠実性
- 教育・指導力
- 判断・決断力
- 責任を取る力
- 目標設定力
- 実行力
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、リーダーシップに限らずさまざまな場面で効果を発揮します。とくにリーダーシップスキルの中では、最重要といっても過言ではありません。このあと紹介する“誠実性”や“教育・指導力”においても、コミュニケーション能力は必須のスキルです。部下やメンバーとのコミュニケーションが取れなければ、信頼性はおろかリーダーである自分自身の話を聞いてもらえないこともあり得ます。
円滑な業務遂行のためには、日頃からメンバーとのコミュニケーションを図り、信頼性を築いておく必要があります。
誠実性
誠実性もコミュニケーション能力に通ずるところがあります。対人関係において“誠実さ”は円滑な人間関係を築くために必要不可欠です。誠実性は「勤勉性・継続性・真面目さ」とも言われており、人を導く立場にあるリーダーにとっては大切なスキルのひとつです。
さらに具体的に表すならば、メンバーからの信頼が厚いともいえます。メンバーと向き合い、相手の話に耳を傾け真摯であることで信頼度を上げられるでしょう。
教育・指導力
後輩や部下を持つ立場にある場合に必要なスキルが教育・指導力です。リーダーは、業務遂行のためにチームを導くだけではありません。本来の目標から逸れないよう指示していくことはもちろんですが、メンバー本人が自力で進めるよう指導してあげることも大切です。
また、ひとりひとりの得意不得意や魅力を見極め、本人に合った教育や指導を組み上げる必要があります。この見極めにも、コミュニケーション能力が活きてきます。
判断・決断力
リーダーには、時として重要な判断や決断力を求められます。基本的には各メンバーの判断に委ねる方針であっても、重要なポイントや迷って決めかねる場合はリーダーへ相談するでしょう。
そんな時にリーダーが決断できない場合、メンバーからの信頼はガクッと下がるほか、頼りがいがなく不信感を抱きかねません。大切な場面で適切な判断を迅速に下せるよう、日頃から決断力を磨いておく必要があります。
責任を取る力
部下を持つ立場にある場合、必要不可欠なのが責任を取る(負う)力です。先ほど紹介した“判断・決断力”にも通ずるところがあります。責任を取る力があるということは、部下のミスの責任を負える覚悟があるということです。この能力が劣ると、部下からの信頼がないことはもちろん、部下は失敗を恐れ萎縮してしまい本来のパフォーマンスを発揮できません。
部下が本来持っているパフォーマンスを発揮することで本人の成長に繋がるだけでなく、前向きに仕事に取り組めるためチームの雰囲気も明るく活気づきます。
目標設定力
目標設定力とは、プロジェクトの完成や納期に合わせたスケジュールを組む力です。各タスクなどをメンバーに振り分け、タスクに合わせた締切や目標を設定します。しかし、単にスケジュールを組み上げるだけではありません。メンバーの得意分野や能力、これから伸ばすべき力といった教育の面を考えながら組む必要があります。
目標が高ければ高いほど火がつく者もいれば、反対にモチベーションを欠く者もいます。日頃のコミュニケーションで本人の性質を把握しておく必要があるのです。
実行力
実行力は、先ほど紹介した“判断・決断力”に付随するスキルだといえます。
“判断・決断力”は、上長として物事を判断する能力ですが、“実行力”はリーダーである自分自身が率先して物事を進める力です。指示出しばかりで何をしているか分からないようなリーダーではなく、誰よりもプロジェクトに向き合い挑戦しているような実行力のあるリーダーは、自然に信頼性も誠実性も得られます。
トレーニング次第でスキルは向上する
リーダーシップスキルは、生まれ持った能力ではありません。なかには元々のカリスマ性やセンスを発揮させている方もいるでしょう。しかし、トレーニングや意識次第でスキルは身につき、向上させさせられます。
話を聞く力
人は、話を聞いてくれない人間に対しひどく嫌悪感を抱きます。信頼性を失うばかりか、必要とされていないと感じさせてしまい本人の自信喪失へと繋がります。かといって、ただ耳を傾ければよいというわけではありません。例えば部下や後輩が自分へ相談に来た際、手を止めて相手に体を向け、目を見て話を聞きましょう。
「たったこれだけ?」「わざわざそんなことを?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、このわずかな動作を足すだけで人の印象はガラリと変わります。話を聞く力が備わることで「コミュニケーション能力・誠実性・教育・指導力」といった、スキルの向上に繋がります。
感じ取る力
感じ取る力は、察する力ともいえます。
「彼らしくないミスが増えた」「どことなく表情が暗い」「そわそわと落ち着きがない」など、小さな変化をもとにメンバーが困っていないかを感じ取れます。
些細な変化に気づくには、普段からメンバーに気を配っていることが大切です。リーダー側から声かけをすることにより信頼性が高まり、メンバーから積極的にコミュニケーションを取ってくれるようになります。
示す力
示す力とは、目指すべきビジョンへの道のりや定められている方針、本来の目的などから外れてしまわないよう指し示す力です。目の前のタスクや業務を完了することに意識が向いてしまい、プロジェクト全体の目的や最終的に達成すべき目標を見失わないよう導いてあげる必要があります。
示す力を養うには、先ほどお話した“感じ取る力”や“話を聞く力”も大切です。もっというと、示す力が伸びてくることで他2つの力も自然と付いてくるはずです。
まとめ
今この記事を読んでいる方は、これから初めてリーダーを任される方やリーダーを任されたものの上手くチームをまとめられないと悩んでいる方が多いでしょう「スキル」というと難しく特別なもののように感じてしまいますが、実際には“気遣い”がベースであるものばかりです。
この記事を読んでいるあなたは、リーダーシップを理解しようと向上心を持っているだけでなく、チームメンバーと真摯に向き合う誠実さを持っているはずです。難しく考え過ぎず、あなたらしいリーダーシップを目指してください。