• 健康経営
  • 2022.02.14 (最終更新日:2022.03.27)

メッツ健康法とは?効果や実践方法・注意点|運動習慣がない人にもおすすめ

目次

運動習慣がない方はメッツ健康法を気軽に導入してみよう

メッツ健康法 普段運動習慣がなく運動しようと思っても長続きしない、という方はメッツ健康法から取り入れてみてはいかがでしょうか。

メッツ健康法はウォーキングのような軽い運動から取り入れられる健康法で、継続して取り組むことで、病気の予防や健康維持に効果があります。

今回はメッツ健康法とはどのようなものか、実践方法まで解説します。メッツ健康法を実践するときの参考にしてください。

メッツ健康法とは

メッツ健康法 とは メッツ健康法とは、メッツという基準で中強度の運動を取り入れることで、健康を維持しようとする健康法です。

メッツ(MET:metabolic equivalent)とは運動強度の単位で、安静時を1としたときに、何倍のエネルギーを消費するか示したものです。歩いているときが3メッツ、軽いジョギングが6メッツというように示されます。このメッツの運動は、低強度〜高強度に分けられており、中強度の運動を20分以上行うのが、メッツ健康法のやり方です。

この中程度の運動を2ヶ月以上続けると、新陳代謝が活発になる、免疫力が高まる、自律神経の働きを高めるなどの効果があり、健康が維持されやすくなります。

メッツの量

メッツの量は、安静状態を1として、以下の表のように分けられます。1〜3未満が低強度、3〜6が中強度、6以上が高強度です。日常生活でのメッツを表にまとめると以下の通りです。
 2  ゆっくりとした歩行(平地、非常に遅い=毎分53m未満)、料理や食材の準備(立居、座位)洗濯、子供を抱えながら立つ
 3 普通歩行(平地、毎分67m、犬を連れて)家財道具の片付け、子どもの世話(立位)、台所の手伝い、大工仕事、楽に自転車に乗る(毎時8.9km)、階段を降りる、軽い荷物運び
 4 自転車に乗る(毎時16km未満、通勤)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)、軽めの農作業
 5 かなり速歩(平地、速く=毎分107m)
 6 スコップで雪かきをする
 7 農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除)
 8 運搬(重い荷物)

運動時のメッツは以下の通りです。
 2  ストレッチング、全身を使ったテレビゲーム(バランス運動、ヨガ)
 3 ボウリング、バレーボール、社交ダンス(ワルツ、サンバ、タンゴ)、ピラティス、太極拳
 4 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1、水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2
 5 野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ(モダン、ジャズ)、水泳(ゆっくりとした平泳ぎ)、スキー、バドミントン
 6 ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)、バスケットボール、水泳(のんびり泳ぐ)
 7 ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール、エアロビクス、テニス(シングルス)
 8 サイクリング(約毎時20km)
 9 ランニング(毎分139m)
 

参考:公益財団法人長寿科学振興財団 「運動強度とエネルギー消費量」より、一部改正

メッツ健康法は本当に効果があるのか

メッツ健康法 効果ある 群馬県で現在でも行われている、中之条研究によって科学的な裏付けが行われています。この研究では1日平均の身体活動から、どのような病気が予防できるか調査し、時間と質の両面でどの程度運動すれば、病気が予防できるかを明らかにしています。

この研究によれば中強度の運動(速めのウォーキング)を20分、8000歩行うと、高血圧や糖尿病、メタボ予防などに効果があるとしています。

参考:健康長寿研究所「中之条研究

メッツ健康法の実践方法

メッツ健康法 実践 メッツ健康法は、中強度の運動を一定時間取り入れ、継続して取り組む健康法です。しかし、中強度と行っても、どのような運動を取り入れればよいか、わからない場合もあるでしょう。どのような運動方法か、次で解説します。

中強度の運動を実践する

メッツ健康法は、3〜6メッツ程度の中強度の運動を20分以上続けます。中強度の運動は、やや速めの歩行、自転車に乗る、階段を降りる程度の運動です。強度が高めの運動だと、スコップで雪かきをするなどまで当てはまります。スポーツで見ると、ゴルフや水中歩行、水泳、野球などが該当します。

実践の上では、軽めのウォーキングを20分以上続けるだけでも、十分な効果があるでしょう。普段運動習慣がなく、早歩きだと疲れる方は無理をしないようにしてください。

室内で実践する場合

普段外出する習慣がない方や、雨の日のような場合、室内でも中強度の運動は可能です。

比較的簡単に導入できるものとしては、踏み台昇降やもも上げなどがあります。踏み台昇降は片足を踏み台に乗せ、反対側の足を乗せて立ってから、片足ずつ足を下ろすことを繰り返す運動です。専用の台がなくても低めの椅子などで実践可能です。

もも上げはこぶし一つ分足を開き、かかとを少しあげた状態から左右交互に腰の高さまでももをあげる運動です。特に道具も必要なく部屋の中でも、十分運動できます。

メッツ健康法を実践するときの注意点

メッツ健康法 注意点 メッツ健康法は簡単ですぐに実践できますが、守るべき注意点もあります。注意点を守らなければ、十分な効果がなく、場合によっては逆効果になりかねません。

大股で速く歩く

メッツ健康法を取り入れる場合は、できるのであれば、大股で速く歩くようにしましょう。普通のウォーキングではメッツ強度は3ですが、速く歩くと、メッツ強度は4〜5程度まで上がります。

特に20〜30代の若い人の場合は、少し意識した早歩きが効果的です。

歩くなら夕方がおすすめ

「日中事務作業で、歩く機会がない」と、意識してウォーキングを取り入れなければならない人もいるのではないでしょうか。そのような場合は、夕方にウォーキングすることがおすすめです。

夕方にウォーキングを取り入れることで、体温が上がり、この時間にもっとも脂肪燃焼効果が高まるといわれています。夕方に実践が難しい場合は朝や昼でも問題ありません。ただし、夜や深夜に実践すると逆効果です。

継続が大切

メッツ健康法は2ヶ月以上続けて初めて効果が出てきます。

ただし、毎日必ず実践しなければいけないというわけではなく、1週間の平均値でみるようにしましょう。1日サボったとしても、1週間での平均運動量が確保されていれば十分に効果があります。

記録して、モチベーション維持することもおすすめ

メッツ健康法を導入する場合は、毎日の歩行や運動量を記録すると、モチベーションが上がり、続けやすくなります。最近では、中強度の運動を記録できる身体活動量計も利用できます。

「なかなかモチベーションが続かない」という方は身体活動量計を導入してみることもおすすめです。

やりすぎは逆効果

メッツ健康法を取り入れる場合、やりすぎに注意が必要です。6メッツ以上の過剰な運動や長時間すぎる運動が当てはまります。

すでに十分な運動習慣があり、スタミナや筋力の向上を目的にする場合は問題ありません。しかし、普段運動をしていない方や高齢者の方の場合、ハードトレーニングは免疫力の低下を招く場合があります。

中之条研究でも、中程度の活動が40分以上している場合、人によっては健康を害するというデータがあるため、過剰な運動はしないよう注意が必要です。

メッツ健康法で無理なく運動習慣を作ろう

メッツ健康法 メッツ健康法は20分間、速めの歩行をするだけでも効果があるため、実践しやすい健康法です。ハードなトレーニングは必要なく、日常生活に自然に導入しやすいため、誰でも継続して実践できます。

この記事を参考に、メッツ健康法を毎日の通勤や通学から取り入れてみてはいかがでしょうか。
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