- 健康経営
- 2022.02.24 (最終更新日:2022.03.27)
予防医学とは?具体的な取り組みやメリット

予防医学を取り入れて健康を維持しよう

今回は予防医学とはどのようなものか、実践方法まで解説します。予防医学を実践し、より健康な生活を過ごす参考にしてください。
予防医学とは

予防医学・代替医療振興協会や日本予防医学会では、予防医学指導士の資格も登場しており、予防医学に関する注目度はより高まっています。
予防医学が注目されるようになった背景
予防医学が注目されるようになったのは、予防すべき病気の変化と、医療費や介護による社会的負担が増大したことです。予防すべき病気が時代によって変化したことも大きな要因です。1900年ごろであれば、日本人の死因は、結核・肺炎・胃腸炎がありました。しかし、これらの病気は医学の発展や感染防止策が行われたことで、徐々に少なくなってきました。
しかし、高度経済成長期以降は、食べ物や栄養に困らない時代になり、「食べ過ぎ・飲み過ぎ」による健康問題が問題になっています。1960年以降の三大死因も変化し、がん・心疾患・脳血管疾患が上位にくるようになりました。これらは食べ過ぎや飲み過ぎなどによる肥満などから発展する可能性がある病気です。
内閣府の世論調査によると、国民の感じる「悩みや不安」として、54.5%が「自分の健康」と回答したことからも、健康に関する関心は高まっているといえるでしょう。
アメリカの研究によると、健康増進が進み、就業時間の拡大や生産性の向上により、人的資本が拡大するというエビデンスもあります。
参考:経済産業省「予防・健康づくりの意義と課題」
予防医学はビジネスで注目を集めている

体重や健康状態の記録ができるアプリや、運動に誘導できるゲームも成功例の一つです。
近年KDDIや資生堂など、予防医学に直接関係ない企業が、ヘルスケアサービスなどの分野で企業が参入し、今後企業で予防医学への参入や事業化は進んでいくと考えられます。
参考:経済産業省「ヘルスケアサービス 参入事例と事業化へのポイント」
予防医学を実践するには

一次予防:生活習慣病の改善
一次予防として考えるべきは、生活習慣病の予防です。生活習慣病は生活習慣が原因となる病気の総称で、糖尿病・高血圧・脂質異常症・動脈硬化症などが該当します。これらの病気は日本人の三大死因であるがん・脳血管心筋・心疾患の原因になるため、予防医学で最初に取り組まれることが多い対策です。
具体的な対策としては以下のものがあります。
- 喫煙をやめる
- 定期的な運動をする
- 飲酒は適量を守る
- 1日7〜8時間の睡眠をとる
- 適正体重を維持する
- 朝食を毎日摂る
- 間食をしない
二次予防:早期発見・処置
二次予防では、病気の原因を早期発見することです。早期発見することで、合併症や重症化を防ぎます。具体的な方法としては、健康診断や人間ドックを受けることです。最近では郵送検査キットのように、自宅でさまざまな医療検査が行えるサービスも登場しています。早期発見できた場合は、早期治療を行い、必要に応じて保健指導を行います。早期発見できることで、難病でも治療で治る可能性が高まり、入院費や治療費の削減にも効果的です。
三次予防:機能回復
三次予防としては、リハビリや機能回復訓練を行うことです。病気後の機能回復を行い、社会復帰の支援、再発防止を目的に行います。リハビリや機能回復では、肉体面での機能回復だけではなく、精神的な健康支援も重要な予防施策です。理学療法士や作業療法士によるサポートが求められます。
予防医学は健康経営の実践でも重要

予防医学の観点を健康経営に取り入れることで、社員が病気になる前に予防できます。健康経営に取り組むことでの具体的なメリットは以下の通りです。
- 生産性向上やモチベーションアップ
- 企業のブランドイメージの向上
- 優秀な人材の確保がしやすくなる
- 離職率の改善
- 医療費負担の削減
- 資金調達がしやすくなる
予防医学を日々の生活に取り入れよう

この記事を参考に毎日の生活に予防医学の観点を取り入れてみてはいかがでしょうか。