- 取組事例
- 2022.01.11 (最終更新日:2022.03.27)
育児休暇の取得方法とは?取得期間や男性が申請時にやるべきことをご紹介
共働きが当たり前となった時代の救世主?
現代の日本では共働き世帯が増加しています。
各世帯の収入が減少し続けており、共に働かせざるを得ない環境にある家庭や、女性の社会寝室促進の流れを受け、今後もさらに共働き世帯が増加するでしょう。
一方で、少子化も日本の課題のひとつとなっており、共働きの世帯が子供を育てられる環境を作れるかが大きなポイントとなります。
仕事を続けながら子育てにも集中するためには、育児休暇の取得が必要不可欠で、男女共に取得しやすい社会づくりが求められています。
今回は、育児休暇に焦点を当て、現在の状況と取得するためのヒントをご紹介します。
育児休暇制度とは?
ここからは育児休暇制度の概要と休暇期間について解説します。
そもそも育児休暇とは
育児休業とは、労働者が自分たちの子供を養育するために取得できる休暇制度で、1歳に満たない子供がいる労働者が取得できる制度となっています。
年々、各世帯ごとの平均年収が減少している日本では、共働き世帯が増加傾向にあり、仕事と子育てを両立させられることから多くの人が取得を望んでいる制度です。
共働き世帯が増えていることから、会社的に育児休業の取得を理解する動きが強まっている現状です。
また、近年では男性が育児休業を取得する流れがより強まってきており、男性が育児に参加しやすくなりつつまります。
しかし、男性の育児休暇取得率は未だ低迷し、社会的に普及しているとは言い難い現状で推移しています。
休暇期間
育児休暇とは1歳に満たない子供を養育する労働者が取得できる制度のため、1年間の休暇期間だと思うかもしれません。
しかし、出産予定日の6週間前から適応される産前休業というものがあり、また出産後8週間は産後休業に入り合計で14週間の休業期間が設定されています。
この産後休業を終えた次の日から取得する休暇期間(約10ヶ月間)のことを育児休業と呼びます。
例えば2020年1月1日が出産予定日の場合、2019年11月20日から産前休業に入り、出産後8週間後の2020年2月26日までが産後休業に該当されるのです。
2020年2月27日から2020年12月31日までが育児休暇期間ということになります。
近年の育休取得状況
次に近年の育休取得状況をご紹介します。
女性は出産後の産後休業を経て育休に入りやすい傾向にあり、育休の取得率は高いものの、男性の取得率は未だ低迷したままです。
しかし近年では、働き方改革やコロナ禍による生活の変化が男性の育休取得を促進させており、社会の流れが大きく関係しているのです。
働き方改革における取得促進
近年では働き方改革が広がりを見せるようになり、会社内の業務内容や制度の見直しが進んでいます。
これは日常業務に限ったことではなく、育児休暇に対する考えも変わりつつあり、男性が育休を取得しやすい空気が流れ始めているのも事実です。
共働き世帯が増加している日本では、以前よりも男性が家事や育児への参加がより求められています。
育児への参加の第一歩として、育休の取得が進み、今後もこうした社会的な理解が深まっていくでしょう。
コロナ禍における取得促進
2020年の春から始まったコロナ禍によって、育休の取得に大きな変化がありました。
コロナの影響で、子供を保育園に預けられなくなったり、企業の業績悪化によって従業員に無休休暇として休ませたりする動きが強まり、育児を目的とした休暇を取得する人が増えています。
子供を保育施設に預けられない場合や、外に連れ出す恐怖から家の中で子供を見ておかなければいけない時間が増えた人にとっては、育休の取得が重要なものとなりました。
育休が取りやすい仕事・業種
ここからは、育休取得が進む業種や、取得しやすい仕事をご紹介します。
男性の取得率が高い業種
男性の育休取得率が高い業種は、「金融業」や「保険業」と言われています。
また、近年特に取得率が伸びている業種は「サービス業」で、2018年から2020年にかけて取得率が増加しているのです。
こうした業種の取得率が高い要因は、「ダイバーシティ経営の推進」や「柔軟な勤務形態が推進」が進んでいることが挙げられています。
ダイバーシティ経営とは、企業経営にダイバシティ(多様性)を取り入れ、あらゆる可能性や今までにない価値を創造する事業活動のことです。
ダイバーシティ経営を進めている企業では、共働き世帯が増加傾向にある日本において、従業員の育休取得が必須であると企業側が理解し、取得を促す姿勢を見せ始めています。
また働き方改革の煽りを受け、裁量労働制やフレックス勤務など柔軟な勤務形態を導入している企業も増加し、柔軟な考え方の広がりが育休取得の理解が進む要因でしょう。
一方で、育休が進んでいない業種は「宿泊業」や「飲食業」が挙げられています。
こうした業種は、業務の繁忙や閑散が自身の裁量で決まるのではなく、時期やイベント期間が大きく左右する特徴があります。
人手不足で欠員を補う余裕がないことも要因として含まれるでしょう。
男女共に取得率が高い業種
次に男女問わず育休の取得率が高い業種は、「情報通信業」や「復業サービス業」となっています。
こうした業種は、近年進んでいる「女性の社会進出促進」が影響しているとされており、女性が多い職場では、育休に対する理解がより高い傾向にあります。
また、業務における男女の業務分担が固定されていないことも要因のひとつでしょう。
男女の業務分担が固定されている業種では、女性の育休取得率が高くても男性の取得が伸びない場合があります。
業務に男女の役割がない業種は、男女共に育休取得が推進できる業種と言えます。
産休〜復職までの流れと手続き
ここからは出産前の休暇申請と育休取得、復職までの流れをご紹介します。
産休の申請
まずは子供が産まれる前に取得できる産前休業の手続きについてです。
一般的には出産前の6週間前から休暇に入れ、手続きの際は会社への申請が必要です。
妊娠から出産までの間はいつでも申請可能ですが、産前休業と産後休業が重なり、長期の休業となるため会社には早めに伝えることをおすすめします。
特に、業務の引き継ぎが必要となる場合は、時間を要する場合があるので、より早めの申請を心がけましょう。
産休を会社に申し出た後、「産前産後休業届」を提出するのが一般的です。
産後休業前の申請
産休期間中に「産前産後休業届」を会社に提出している場合、産後休業が認められます。
産前・産後休業どちらも、休業期間中に健康保険料や厚生年金保険料の支払いが必要です。
しかし日本年金機構へ「産前産後休業取得者申出書」を提出することで、こうした負担を免除してもらえるため、産休期間中に申請するのがおすすめです。
「産前産後休業取得者申出書」の提出書類は、日本年金機構の公式ホームページから印刷できるので、事前に確認しましょう。
育児休業終了届
出産後8週間を過ぎ、子供が1歳になるまでの期間を育児休業期間として設けられていますが、予定よりも育児休業期間を早く終えた場合は「育児休業終了届」の申請が必要です。
書類には、予定よりも早く育休を終えた理由や職場復帰する日程を記載します。
その他の申請
上記で紹介した申請以外にも、「出産手当金の申請」や「健康保険への扶養追加申請」、「育児休業給付金の申請」などがあります。
これらの申請は、提出する場所、記載事項が異なったり、申請可能資格の有無が存在したりしますので、各申請方法は会社の人事や地域役所などで確認しましょう。
男性が育休を取るために必要なこと
ここからは男性が育休を取得する時に必要なこと、取得しやすくするポイントを解説します。
事前に上司・仲間に相談する
育休期間の長さに関係なく、取得を考えている方はより早い時期に上司・同僚に相談することをおすすめします。
従業員が一人でも職場を離れる場合、人事的な変更や業務の引き継ぎ等が発生します。
こうした会社側が取らなければいけないことには時間を要することもありますので、上司に事前に相談し、補欠要員の構成などをイメージしてもらえるような配慮が必要です。
また、こうした事前の対応は職場復帰した後にも影響するため、手を抜かずに誠意を持って対応しましょう。
社内の人と良好な関係を築く
次に、育休を取得する直前だけではなく、日常的に社内の人と良好な関係を築きましょう。
育休を取得することで職場の仲間に負担を背負わせることも少なからずあり、良好な関係が気づけていないと育休前と後の人間関係が悪化することもあります。
「あの人が育休を取るならしかたない」や「あの人のためにも頑張ろう」と思ってもらえるような人間関係を築くのが理想です。
引き継ぎを早めに行う
最後に必要なポイントとして、業務の引き継ぎは早めにかつ的確に行うことをおすすめします。
これが重要な理由は、育休前の混乱を避けることもありますが、引き継ぎがうまくいっていないと育休中に連絡が来たり、最悪なケースでは出社せざるを得なかったりします。
子供が産まれたあとは不慣れな生活が続き、途中に仕事ができるほど余裕がないかもしれません。
こうしたことがないように、業務の引き継ぎは早めに確実に行いましょう。
また、引き継ぐ相手がその業務に慣れていない場合は、他の従業員にフォローをお願いし、業務内容のマニュアルを作成するのもおすすめです。
育休中の自身の生活と会社で働く仲間のためにも確実な引き継ぎを意識して行いましょう。
まとめ
今回は育休の現状と各手続きの申請方法、男性が育休を取得する時のポイントを紹介しました。
10年前・20年前と比べれば、男性が育児休暇を取得する割合が向上しているものの、未だ高い水準とは言えません。
また、ひと昔前とは変わり、より多くの女性が社会進出する傾向にあり、共働き世帯が増加しています。
こうした日本社会では、男性の育児参加をより活発にさせる必要があり、育児休暇取得の推進を進めていかなければいけません。
今後も男性が育児休暇取得を社会全体で認め合い、推進していく動きが必要でしょう。
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