- 健康経営
- 2022.03.28
ブライト500とは?選ばれた場合のメリットと申請方法をご紹介
健康経営を極めた企業になろう
健康経営を導入する企業が増えている中で、特に力を入れている企業を選定する認定制度のことで、認定された企業は従業員の健康を大切にしている企業であるとアピールできます。
今回は、ブライト500という認定制度を中心に、健康経営優良企業に選定されるまでのフローや、選ばれるメリットについて解説します。
ブライト500とは?
ここからはブライト500の概要とホワイト500の違いについて解説します。
概要
ブライト500とは、経済産業省が創設した「健康経営優良法人」という認定制度があり、その中でも中小規模部門の中で、健康経営度調査結果のトップ500企業にブライト500に認定しています。
健康経営とは、社員の健康を会社としてサポートする活動のことをいい、近年では取り入れる企業が増加し、注目されている企業活動のひとつです。
コロナ禍やストレス社会など、人々の健康を脅かす環境が蔓延している日本において、心身の不調を訴える人が増加傾向にあり、健康維持が重要な課題のひとつになりました。
こうした時代の流れを受け、従業員の健康を会社がサポートする動きが始まり、その規模は徐々に拡大してきました。
ブライト500の選考基準は、「健康経営優良法人の中でも優れている企業」で、「健康経営に関する活動を地域に発信している企業」が含まれています。
また、ブライト500に認定された中小企業には、継続的な健康経営に関する課題解決を行うことと、健康経営普及に向けた発信などの役割が求められています。
ホワイト500との違い
ブライト500と似ていますが、ホワイト500というものも存在します。
ブライト500は中小規模部門の健康経営優良法人トップ500ででしたが、ホワイト500は大規模企業や医療法人のトップ500になります。
存在意義や役割はブライト500と同じで、健康経営の普及に貢献する働きが求められるのです。
注目される背景
ここからはブライト500という認定制度が生まれる背景や、健康経営が注目される理由を深掘りします。
ブラック企業の存在
健康経営が注目される背景のひとつとしてブラック企業の出現があります。
ブラック企業とは、従業員に過酷な環境で働かせたり、支払われるべき給料や残業代が支払われなかったりする企業のことを指すことがありますが、その定義は人によって、業界によって異なるのが現状です。
会社に所属する従業員のクチコミや内部告発によって、一度でもブラック企業と認定されてしまうと、社会的に従業員を大切にしない企業であるというイメージがついてしまい、採用時に募集が集まらないケースや離職率が上昇する事態に発展します。
つまり、企業はブラック企業と思われないような企業活動が必要であり、顧客と同じように従業員を大切にする考え方が広まりつつあります。
従業員を大切にしていることを社会に発信する活動として健康経営を導入している企業が増え、その考えや導入意義に賛同した企業が相次いで取り組み始めました。
健康経営が普及
健康経営が普及したのは、ブラック企業が出現したためだけではありません。
健康を維持できない従業員が増加傾向にあり、企業活動を行う上で欠勤や休業、退職に発展するケースが発生しています。
優秀な人材確保のためにも従業員に健康になってもらい、長期的に企業で活躍できる人材を確保する目的としても健康経営を導入している企業は少なくありません。
ホワイト500・ブライト500に選ばれるメリット
ここからはブライト500に認定された場合に得られるメリットについて解説します。
従業員の健康維持
ホワイト・ブライト500に認定される企業は、健康経営の取り組みが充実している企業になります。
従業員の健康に関する問題は多岐にわたり、取り組むべき項目は数多く存在します。
健康経営優良企業が大きな目標となり、従業員の健康状態や職場ならではの課題に向き合いながらしっかりと取り組みを行い続けることで、従業員の健康維持が実現するでしょう。
またホワイト500・ブライト500を獲得した後も継続的に健康経営に関する取り組みの強化や、発信をし続ける必要があり、その時代に沿った対策を行う姿勢が継続できます。
例えば、近年ではコロナ禍の影響で運動不足に陥っている人が増加している中で、運動不足を解消する健康経営を導入するなど、時代に合った取り組みにも目を向けられるでしょう。
企業の採用
ホワイト500・ブライト500に選ばれた場合、社会的なイメージが向上します。
日本で500社しか選ばれない制度を獲得したことを採用時にアピールできれば、企業への募集が増加するでしょう。
また、こうした健康経営優良企業に選ばれなかったとしても、健康経営に対する社会的注目度は高まっている傾向から、健康経営の取り組みをしっかりとアピールすることで、採用時の募集に貢献する可能性もあります。
まだ健康経営を導入していない企業では、すぐに取り入れられる健康経営のイベントや制度もありますので、検討してみてはいかがでしょうか。
CSR活動やSDGs活動と同じような社会的注目度が集まっている現代だからこそ取り入れる意義があります。
投資家の信頼獲得
上記で説明したように、健康経営優良企業に認定されれば、従業員の健康維持に貢献できるだけではなく、社内外の信頼確保にも役立ちます。
顧客や従業員だけではなく、企業に投資してくれる投資家からの信頼確保にも貢献し、企業の運転資金を集めるのに役に立つこともあるでしょう。
こうした多くのステークホルダーから信頼される企業に成長できるのも、健康経営優良企業に認定された際のメリットと言えます。
健康経営優良企業の申請方法
ここからはホワイト500・ブライト500に認定してもらうための申請方法を解説します。
選定フロー
ホワイト500の申請
ホワイト500に申請する場合、まずは経済産業省が実施する「健康経営度調査」に回答し、健康経営優良法人(大規模法人部門)に申請します。
健康経営度調査に関してはこちらの経済産業省の公式ホームページをご参照ください。
申請が完了し終わった後、健康経営優良法人認定委員会による審査が始まります。
この健康経営度調査は、ホワイト500を選考するためだけではなく、健康経営を何から取り組むべきか、課題にどうやって向き合うべきかわからない企業をサポートもしてくれるため、まだ導入したばかりの企業でも申し込んでノウハウを身につける目的での利用もおすすめです。
そして健康経営優良法人認定委員会が調査した内容を基に、日本健康会議でホワイト500に認定される企業が決まります。
選定スケジュールは以下の通りです※健康経営優良法人2022選定フロー
時期 | 項目 |
通年 | 健康経営に関する取り組みを実施 |
8月下旬〜10月中旬まで |
健康経営度調査に回答と健康経営優良法人(大規模法人部門)に申請 |
3月頃 | 日本健康会議による認定 |
ブライト500の申請
次にブライト500の申請方法についてです。
まずは、加入している保険者が実施している健康宣言事業に参加しましょう。
保険者は、協会けんぽの各都道府県支部、健康保険組合連合会の各都道府県連合会、国保組合等があります。
次に、健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書を経済産業省が調査委託している企業に送付しましょう。
送付が完了後の選考フローはホワイト500と同じで、健康経営優良法人認定委員会による審査と日本健康会議でブライト500の選考が行われます。
選定スケジュールは以下の通りです※健康経営優良法人2022選定フロー
時期 | 項目 |
通年 | 健康経営に関する取り組みを実施 |
通年 |
加入している保険者が実施している健康宣言事業に参加 |
8月下旬〜11月上旬まで |
健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書の送付 |
3月頃 | 日本健康会議による認定 |
認定基準
ホワイト500・ブライト500に認定する際に用いられる基準は、取り組んでいる案件や項目を細かく分けて評価され、それらの総合評価によって選定されます。
経済産業省が公式ホームページで公開している、「調査票サンプル」をご参照ください。※2022年度のサンプルになります。
この認定基準の一覧を見てわかるように、ストレスに関するチェックや、感染症に関するチェックあるため、幅広い取り組みが必要です。
健康経営の導入例
ここからは、健康経営を導入したことのない企業が取り込みやすい導入例をご紹介します。
メンタルヘルス
心の健康を維持するために、メンタルヘルス活動に取り組んでいる企業が存在します。
実際に行うこととしては、ストレスチェックで従業員のストレス状態を可視化したり、カウンセラーを呼んでストレスとの向き合い方を教育したりします。
社内で精神的な不調で休職や退職が増えている企業では、こういったメンタルヘルスに関する健康経営がおすすめです。
運動促進
デスクワークが中心の業種であれば、運動促進の健康経営もおすすめです。
社員のスマホにウォーキングアプリをインストールしてもらい、職場間で誰が一番多く歩いているか競います。
自身だけではない、職場内の人が1日にどれくらい歩いているかを確認することで、運動するモチベーションを維持できます。
リフレッシュ活動
心と体どちらにも課題を感じている企業では、リフレッシュ活動がおすすめです。
オフィスヨガといい、仕事を少しだけ早く切り上げ、全社員でオフィス内ヨガを実施します。
ヨガは血流改善とリラックス効果があり、心と体の健康維持に貢献します。
特に女性の人気が高いことから、女性が多い企業で取り入れるのもいいでしょう。
まとめ
今回はブライト500を中心に、健康経営優良企業について解説しました。
健康経営が注目されつつあり、健康経営活動を導入する企業も増えてきました。
こうした社会的にも珍しくはなくなった健康経営を、より強化している企業としてアピールするために、健康経営優良企業に申請してみてはいかがでしょうか。
また、健康経営の取り組みに自信がない企業であっても、申請フローの中で課題にどうやって向き合うべきかを確認できる側面もありますので、積極的に申し込むことをおすすめします。
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