- 健康経営アドバイザー
- 2021.12.17 (最終更新日:2022.04.06)
コロナうつとは?健康経営との関連性を解説

増加傾向の「コロナうつ」

新型コロナウィルス感染症の拡大によって、コロナうつになる人が少なくありません。
新型コロナウィルスにより生活面・将来への不安や規制された生活のストレス、感染の恐怖などさまざまな負担が積み重なることで発症するのがコロナうつです。
今回は、コロナうつの症状や企業での対策などをご紹介します。
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コロナうつとは

新型コロナウィルスによる自粛生活や感染への不安があることから、コロナウィルスに関連したストレスによって心身に不調が現れる状態のことを指しています。
うつ病は、「遺伝的要因」と「環境的要因」に分けられ、コロナうつは環境的要因が原因といえるでしょう。
テレワークの多い会社に勤めている方も要注意です。
実はテレワークの影響でコミュニケーションの不足となり「テレワークうつ」を引き起こしている人が急増しているといわれています。
自社でこんな症状はないでしょうか。
- テレワークで外に出る機会がかなり減ってきている
- 最近部下の様子がおかしいと感じることがある
- 在宅ワークで社内のコミュニケーションが減っている
- ネガティブな考えになることが多いと感じることが多くなった
コロナうつ症状・治療
うつ状態を放置して「自然に治す」というのはおすすめできません。放置されたうつ病は症状が悪化し治りにくくなってしまうからです。
最悪、場合は悲劇をもたらしてしまう可能性も考えられるでしょう。
従業員が「いつもと違うな」「おかしいな」と感じましたら、専門家に相談することをおすすめします。
話を聞いてもらうだけでもかなり違うはずです。
コロナうつ症状
目安となるうつ病や抑うつ状態の症状には、主に以下のようなものがあります。- ネットやテレビで新型コロナの情報に触れて不安な気持ちになる
- コロナへの感染が怖く外出できないこと
- 在宅勤務になり人とのコミュニケーションが減ったこと
- 外出が減り運動することがなくなった
- 新型コロナの影響で仕事を失ったこと
- 収入が減ったいつも不安感がある
行動面に症状が出ることがあり、周囲の人から受診を勧められて病院を訪れるケースもあります。
コロナうつ治療法
新型コロナウィルスが間接的原因になってさまざま症状が現れます。治療法は通常のうつと同じく心理的アプローチまたは薬によるアプローチです。
①心理的アプローチ➡ストレスの原因に対する治療
②薬によるアプローチ➡気分が落ち込むなどの症状に対する対処(症状が大きく日常生活に支障をきたしている場合)
厚生労働省のホームページ「こころの耳」で紹介されている新型コロナに対するこころのケアについてもご参考にしてください。
新型コロナ感染症対策(こころのケア)https://kokoro.mhlw.go.jp/etc/coronavirus_info/
「コロナうつ」は早期発見・早期対応がカギ

不調のサインを知っておけば早期発見と対応に役立つでしょう。
メンタルヘルスの不調者の兆候例
- 遅刻早退欠勤が増える顔色が良くない
- 口数が減る
- ささいなことで腹を立てる
- 身だしなみが悪くなる
- 仕事の能率の低下
- ミスが目立つ
- 人づきあいが悪くなる
- やる気が出ない
- 仕事に行きたくない
- 気分が落ち込みがち
- イライラする
- 悲観的になる
- 睡眠障害
- 頭痛下痢・便秘
会社としてもメンタルヘルスの不調の未然防止対策が重要となるでしょう。
職場の管理監督者が部下の変化に気づいた場合は、話を丁寧に聞くように努めます。
本音を引き出すには、プライバシーを配慮した環境で聞き役に徹することが大切です。
話を聴いた結果、専門家への相談が必要だと感じたら業務調整の検討を要する可能性もあるでしょう。
産業医選定義務のない企業の場合は、都道府県に設置されている産業保健総合センターの地域窓口(地域産業保健センター)に相談できます。
利用には一定の規制があります。
あらかじめ登録しておいた方がいざという時に速やかに対応できるでしょう。
定期的に関わっている社会保険労務士が、勤怠悪化に気づいたことがメンタルヘルス不調の早期発見と対応につながったケースもあります。
さまざまな関係者がメンタルヘルスについて感度を高めておくことが大切です。
企業ができるメンタルヘルス対策

- ストレスチェック制度
- ラインによるケア
1.ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度の主な目的は「メンタルヘルス不調の未然防止」である一次予防です。ストレスチェック制度が事業者にて円滑に導入できるよう「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を無料で配布しています。
このプログラムでは、ストレスチェックの受検・ストレスチェックの結果出力・集団分析が出来るプログラムです。
ダウンロードサイトHTTP://crosscheck.mhlw.go.jp/
2.ラインによるケア
厚生労働省はメンタルヘルス不調者に対する取り組みとして「労働者のこころの健康保持増進のための指針」策定し、その中で「4つのケア」の実施を推奨しています。メンタル対策は3つの対策として分類できます。
- 一次予防として、職場環境改善や労働者のストレスマネジメントの向上
- 二次予防として、メンタル不調者の早期発見と対応
- 三次予防として、メンタル不調者の職場復帰や再発予防
【4つのケア】
①セルフケア- 労働者自身がストレスやメンタルヘルスに対して理解すること
- みずからのストレスに気づき、予防や対処を行うこと
- 管理監督者による支援
- 職場環境の改善
- 労働者からの相談対応
- 職場復帰における支援などを行う
- 労働者や経営者などを支援
- メンタルヘルス対策を立案・推進する
- 外部専門家のサービスの利用
- 職場復帰などの支援を受ける
メンタルヘルスを推進するにあたって留意事項があります。
- こころの健康問題の特性
- 労働者の個人情報保護への配慮
- 人事労務管理との関係
- 家庭・個人生活等の職場以外の問題
健康経営におけるメンタル不調者に対する取り組み

環境整備・ヘルスリテラシーの向上・ストレスチェックの実施です。
健康経営は、企業の経営目標達成のために従業員ひとりひとりの健康を管理するという取り組みになります。
つまり働く人の心身の健康と働く環境を整え企業の利益を向上させていこうという考え方です。
健康経営優良法人の認定を受けるには、企業の規模に関わらずストレスチェックを行う必要があります。
50人未満の事業場については当分の間努力義務です。
しかしメンタルヘルス不調は企業の規模に関わらず働く人に起こりうるため企業としては取り組む必要があると考えられるでしょう。
健康経営ではストレスチェックの実施のみではなく、メンタルへス不調者への対応に関する取り組みも評価項目です。
- メンタルヘルス不調予備軍に対する相談窓口を設置
- その周知を図っていること
- 不調者が出た場合の支援体制の整備等の対策を定めていること
健康経営の取り組みは多面的にアプローチできます。
栄養・運動・睡眠・コミュニケーションです。
例えば、メンタルヘルス不調の症状にある運動不足やコミュニケーション不足などの解消にも効果があります。
少し運動をすることで気分がリフレッシュできるでしょう。
社内のコミュニケーション不足を解消にもつながり、運動による適度な疲労感が睡眠の手助けとなります。
健康経営の取り組みでは、総合的に企業にとっても従業員にとってもメリットのある取り組みです。
健康経営のメンタルヘルスに対する取り組み例
■ストレスチェックの実施
従業員50人未満のすべての事業場において、ストレスチェックの実施を必須としています。■メンタルヘルス不調者への対応に対する取り組み
企業としてメンタルヘルス不調者に向けた対応策をあらかじめ策定・実行をする必要があります。- 対象者には定期的な医療関係者(第三者)面談を実施
- 対象者の職場復帰時は意志の意見をもとに状況に合わせた支援を実施
- 対象者の職場復帰にあたっては、短時間勤務・業務制限等の配慮をすることとする
- 相談窓口の設置
- 外部の相談窓口と契約し、当該窓口の利用を促している
それが企業の生産性向上や経営目的達成へとつながるでしょう。
まとめ

さまざまな負担が積み重なることで発症するのがコロナうつです。
会社としてできることは、まずは従業員の変化にいち早く気づいて対策・対応することです。
メンタルヘルス不調は仕事の質や量に大きく影響するため、企業での早期発見と対応が重要になります。
ストレスチェック・ラインケア・健康経営を自社に取り入れてコロナうつ対策に注力してはいかがでしょうか。
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