- 健康経営
- 2021.11.15 (最終更新日:2022.03.26)
ゲーミフィケーションで社員のやる気向上?健康経営との関連性もご紹介!
- 目次
仕事は楽しく取り組む時代
例えばダイエットは、自分ひとりでもくもくとダイエットするのではなく、スマホゲームで楽しみながら運動や食事制限を行えるようになりました。
こうしたゲーム感覚で何かを行うことは、日常生活で幅広く普及しており、ビジネスシーンでも取り入れ始めています。
特に社員のモチベーション維持や、集中力維持に課題を抱えている企業では、ゲーム感覚を業務に取り入れるだけで、社員の業務に対する姿勢が変わるかもしれません。
今回は、そんなゲーム要素を業務に取り入れる、ビジネスでのゲーミフィケーションについて解説します。
ゲーミフィケーションとは?
ここからはゲーミフィケーションの内容を解説します。
概要
ゲーミフィケーションとは、英語の「Gamification」が由来しており、日本語では「ゲーム化」を意味します。
本来ゲームを目的としていない分野において、ゲーム要素を取り入れ、楽しみながら取り組める環境にするのが一番の狙いです。
ゲーミフィケーションの歴史は決して浅くなく、学生生活での学習や、日常生活のあらゆる場面においてもゲーミフィケーションが含まれています。
例えば買い物時に店舗でもらえるポイントカードもゲーミフィケーションのひとつです。
歴史は浅くないものの、ビジネスシーンで取り入れられるようになったのは最近で、企業の社員教育やその他キャンペーンでも取り入れられるようになりました。
社員のやる気を上げ、モチベーション高く取り組んでもらいたい業務にゲーミフィケーションを盛り込んでみてはいかがでしょうか。
ゲーミフィケーションで導入すべき要素
ゲーミフィケーションを導入し、その効果を十分に発揮させたい場合は、全世界的に普及しているテレビゲームの要素を巧みに取り入れるのが重要です。
以下の要素を上手に取り入れ、参加者が高いモチベーションを維持したままイベントに参加できるように工夫してみましょう。
探求要素
RPGのゲームでは探求要素(クエスト)を多く含んでいます。
探求要素とは、最終ゴールまでに小さなブロック・エリアが用意されており、その一つひとつをクリアすることで、最終ゴールにたどり着きます。
こうした探求要素をビジネスシーでも取り入れ、最終ゴールにたどり着く過程で、小さな成果を感じられる構成がおすすめです。
スコアの可視化
あらゆるジャンルのテレビゲームで取り入れられている要素で、スコアの可視化があります。
RPGでは、自身や所持しているアイテムなどのレベルが上がっていき、ゲームが進むにつれ成果を感じられます。
また、その他のジャンルのゲームでも獲得したスコアを可視化でき、ゲームを進めた成果を感じられる構成に組み立てましょう。
報酬
ほぼ全てと言っていいほど、多くのテレビゲームにはプレーヤーが報酬をもらえる仕組みが含まれています。
プレイヤーが成長するのに必要な報酬を獲得することで、高いモチベーションでゲームを進められます。
ビジネスで報酬の要素を取り入れる際は、自己成長に繋がる報酬をバランスよく与えられるように企画しましょう。
ゲーミフィケーションの取り組み例
ここでは、ゲーミフィケーションを取り入れられる観点をご紹介します。
社員教育
新入社員教育で、会社の規定や業務のマニュアルを学習させる際にゲーミフィケーションを取り入れる方法です。
新入社員教育では、受講者が受け身の姿勢になり、自身で積極的に行動しづらい環境に陥りやすく、工夫が必要です。
特にコロナ禍では、リモートでの教育が増え、より一層自分から意見を発信する人材に育成しにくいのではないでしょうか。
こうした環境下においても、ゲーミフィケーションを巧みに取り入れることで、受け身姿勢から主体的姿勢に変えられます。
社員教育で課題を感じている企業は、簡単なイベントからでもゲーミフィケーションを取り入れてみましょう。
マーケティング
企業が顧客に向けてマーケティング調査を実施する際に、頻繁にゲーミフィケーションが取り入れられます。
一般的には、商品購入時に受け取るレシートやダイレクトメッセージ等で案内されるアンケートがそれに含まれます。
こうした企業から顧客向けのゲーミフィケーションは社会的にも普及されていますが、今後は社内のマーケティング調査でも取り入れてみるのも面白いかもしれません。
例えば、自社の新商品に向けたマーケティング調査で、社内でアイディア出しキャンペーンを実施し、出してもらった数に応じて報酬を与えてみるのはいかがでしょうか。
ゲーム感覚で、柔軟な発想から生まれる斬新なアイディアが創出されるかもしれません。
ゲーミフィケーションのメリット
では、実際にゲーミフィケーションを導入することによるメリットを見ていきましょう。
楽しみながら業務ができる
ゲーミフィケーションの最大のメリットは、難しい内容でも社員が楽しみながら業務できることです。
今まで通り、難しいことに真面目に取り組むだけでは業務の進み具合は変わらないないのではないでしょうか。
楽しさやユーモアを業務に取り入れられれば、柔軟な頭で効率的に業務にあたれる社員も出てくるかもしれません。
目標を立てやすくなる
ゲーム感覚で業務を設定することで、社員の目標も明確化します。
例えば、課題をいつまでに完結させれば報酬がもらえるなど、本来終わらせてほしい仕事の期間を上手にゲーム要素を含めることで、高いモチベーションのまま業務にあたれるのではないでしょうか。
社員が積極的に参加できる
自身から積極的に意見を発しない社員や、受け身状態で主体的な行動が取れない社員でも、ゲーム要素を含んだ楽しい業務であれば取り組む姿勢は変わるかもしれません。
またゲーミフィケーションの取り入れる際に、自身で積極的に動かなければ進められないように企画することで、社員は自然と自ら主体的に動くようになるでしょう。
社員の積極性に課題を感じている企業では、ゲーミフィケーションの導入をおすすめします。
ゲーミフィケーションのデメリット
ここからはゲーミフィケーションを導入した際のデメリットと、デメリットへの対策をご紹介します。
面白い企画を取り入れる必要がある
ゲーミフィケーションを導入する一番の目的は、楽しむことです。
社員がわくわくできない企画の場合、受ける社員にとっては付き合わされている感覚になり、高いモチベーションを維持できません。
社員が楽しめる企画にするためにも、記事の冒頭で紹介した、「ゲーミフィケーションで取り入れるべき要素」を巧みに組み合わせ、受ける側が積極的に参加できる企画を考案しましょう。
企画に手間がかかる
上記でも述べたように、開催する企画は楽しみながら行える設定が必要です。
参加者が大規模になりやすい、新入社員教育や全社員対象のイベントでは、より工夫して企画する必要があります。
もしコストをかけられる企画では、イベントを請け負う会社に依頼するか、画期的なソフトやシステムを導入することで本格的なゲーミフィケーションを導入できます。
コストを一切かけられない企業では、全て自社の社員で企画・立案が必要になりますが、社員から意見を集め、どういうイベントを希望しているかヒアリングを実施しましょう。
また、Googleの無料アプリ「フォーム」や「スプレッドシート」をうまく活用することで、新しいシステムを導入せずにイベントを開催できます。
健康経営にゲーミフィケーションを取り入れる
近年注目されている健康経営とゲーミフィケーションを同時に取り入れ、相乗効果で効果を発揮できるかもしれません。
ここからは、健康経営とゲーミフィケーションの融合についてご紹介します。
健康経営との関係性
健康経営は、社員に自身の健康を意識させ、会社側からも社員が健康的な生活を送れるように後押しします。
コロナ禍で心と体の健康を維持しにくい現代で注目されつつあり、導入する企業が増加中です。
しかし健康経営で実施するイベントでは、実際に体を動かす必要があり、中には参加を嫌がる社員もいるかもしれません。
そうした社員がいる場合、ゲーミフィケーションを健康経営に取り入れ、楽しみながら積極的に参加できる環境を整えてみましょう。
健康経営観点での導入事例
ここからは、健康経営にゲーミフィケーションを融合させる導入例をご紹介します。
ウォーキングイベント
社員の個人スマホにウォーキングアプリをインストールしてもらい、1日で歩いた歩数を社員間で競わせます。
自分自身の歩数を可視化できるだけでなく、他の人の歩数を確認できるため、自身の運動具合を比較できます。
週間で順位付けし、歩数が多かった人に報酬を与える仕組みを設定すれば、社員に運動の意識付けができ、近年では特に問題視されている運動不足を回避させてみてはいかがでしょうか。
禁煙イベント
喫煙者が多い職場では、たばこを吸わないと業務に集中できない社員や、非喫煙者からクレームがあがるなど、課題を抱えている企業も少なくないのではないでしょうか。
こうした課題を解決するために、禁煙イベントを開催する企業が増加傾向にあります。
禁煙イベントで実施する内容は、喫煙者にたばこのリスクを教育させたり、禁煙が成功した場合に禁煙手当を支給したりしています。
この禁煙イベントに、ウォーキングイベントのような他の人と競わせるような要素を取り入れれば、禁煙に向け喫煙者が真剣にイベントに参加できるかもしれません。
まとめ
今回はビジネスシーンで取り入れるゲーミフィケーションについて解説しました。
難しい業務や、多くの社員が嫌がる仕事でもゲーム要素を巧みに含めることで、今までよりも高いモチベーションで楽しく業務に集中できます。
しかし、ゲーム要素の取り入れ方や企画内容を誤ると逆効果になるので注意が必要です。
ゲーミフィケーションの導入時にコストをかけられる場合は業者に依頼するのをおすすめしますが、コストをかけられない場合は、今回紹介した無料アプリで企画できるか検討してみてください。
近年注目されている健康経営にゲーミフィケーションを取り入れることで、社員の健康をこれまで以上にサポートできるでしょう。
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