- 健康経営アドバイザー
- 2021.10.06 (最終更新日:2022.03.26)
有給取得率を上げる方法とは?健康経営の取り組みとの関連
有給取得率で分かる!人材の定着率
企業を経営している皆さんは、有給取得率について日々頭を悩ませているかもしれません。
企業として有給取得率を上げることは、求職者に対して「健康に働き続けられる企業である」というアピールにつながります。また人材の定着にもつながります。
実際に離職や転職の理由としてトップであげられるのが「休暇」です。
働くひとにとって休暇がどのくらい取得できるかどうかは大切です。
今回は企業にとって、有給取得率が高いことでどんなメリットがあるのか、改善ポイントなど紹介していきます。
企業として有給取得率を上げることは、求職者に対して「健康に働き続けられる企業である」というアピールにつながります。また人材の定着にもつながります。
実際に離職や転職の理由としてトップであげられるのが「休暇」です。
働くひとにとって休暇がどのくらい取得できるかどうかは大切です。
今回は企業にとって、有給取得率が高いことでどんなメリットがあるのか、改善ポイントなど紹介していきます。
有給取得率とは?
有給取得率の「有給」とは、基本的に「年次有給休暇」です。
労働基準法で定められたものです。 年次有給休暇の取得日数を年次有給休暇の付与日数で割ったものが有給取得率となります。
従業員が年次有給休暇を、どのくらい取得しているかを示す指標です。有給取得率は、労働環境を知ることにもつながります。
たとえば、
12日の有給休暇を付与された社員が有給休暇を5日取得した場合の有給休暇取得率は41.7%になります(5日÷12日×100)。
労働基準法で定められたものです。 年次有給休暇の取得日数を年次有給休暇の付与日数で割ったものが有給取得率となります。
従業員が年次有給休暇を、どのくらい取得しているかを示す指標です。有給取得率は、労働環境を知ることにもつながります。
有給取得率の計算方法
【取得率=有給休暇取得日数÷有給休暇付与日数×100】の計算で求められます。たとえば、
12日の有給休暇を付与された社員が有給休暇を5日取得した場合の有給休暇取得率は41.7%になります(5日÷12日×100)。
有給休暇取得率アップはなぜ必要?
離職や転職の理由として多いのが、「休暇」です。
休暇日数や有給の取りやすさは、働くひとにとって重要です。社会的背景により、多様な働き方が企業に求められています。
ワーク・ライフ・バランスの定義は「仕事と生活の調和」です。
くわしくいうと、私生活の充実が好循環となり、仕事への相乗効果を生み出すことができます。そのために適度な休養と余暇が必要になります。
有給休暇取得率アップは、企業にとっても重要です。
ワーク・ライフ・コンフリクトとは、ワークライフバランスの対義語の意味です。
仕事と私生活のバランスが崩れてしまっている状態を意味する言葉です。
その原因となるのは、長時間労働や子育て・介護などです。
また突発的に休暇をとる必要が生じても取得できない状態です。
制度があっても現実には有給休暇や育児・介護休暇や時短勤務などをとりづらい環境といった状況もワークライフコンフリクトを生み出す原因となります。
「やりたいことがあるが、それができない状況」というのは、メンタルヘルスによくありません。
従業員がワーク・ライフ・コンフリクトに陥らないように予防することが大切です。また陥ってしまった場合には、その状態を早期に解決してあげることが重要です。
休暇日数や有給の取りやすさは、働くひとにとって重要です。社会的背景により、多様な働き方が企業に求められています。
社会的背景の変化
- 労働人口の減少が深刻化
- 育児と仕事の両立課題
- 超高齢社会による介護と仕事の両立課題
- 仕事とプライベートの充実
- 長時間労働による過労気味
ワーク・ライフ・バランスの実現
企業にとって従業員のワーク・ライフ・バランスを注視することは大切です。ワーク・ライフ・バランスの定義は「仕事と生活の調和」です。
くわしくいうと、私生活の充実が好循環となり、仕事への相乗効果を生み出すことができます。そのために適度な休養と余暇が必要になります。
有給休暇取得率アップは、企業にとっても重要です。
有給取得率アップが企業にもたらすメリットとは?
積極的な有給取得により、適度な休養と余暇が従業員の健康な心身づくりの手助けとなります。従業員だけなく企業にも次のようなメリットをもたらします。- 労働生産性向上
- 企業イメージアップ
- 離職率低下・定着率アップ
- 従業員のモチベーション向上
- メンタル改善
- 多様な人材が能力を発揮できる環境
有給取得率ダウンが企業にもたらすデメリットとは?
反対になかなか有給取得ができないとどうでしょうか?- 離職率が上がる
- 仕事の意欲低下
- 生産性や創造性が低下
- 従業員のストレス増加
- 職場の雰囲気悪化
- 残業代のコスト増加
- 従業員の健康を損なう(過労気味)
ワーク・ライフ・バランスが崩れると?
ワーク・ライフ・コンフリクトの状態となります。ワーク・ライフ・コンフリクトとは、ワークライフバランスの対義語の意味です。
仕事と私生活のバランスが崩れてしまっている状態を意味する言葉です。
その原因となるのは、長時間労働や子育て・介護などです。
また突発的に休暇をとる必要が生じても取得できない状態です。
制度があっても現実には有給休暇や育児・介護休暇や時短勤務などをとりづらい環境といった状況もワークライフコンフリクトを生み出す原因となります。
「やりたいことがあるが、それができない状況」というのは、メンタルヘルスによくありません。
従業員がワーク・ライフ・コンフリクトに陥らないように予防することが大切です。また陥ってしまった場合には、その状態を早期に解決してあげることが重要です。
有給取得率上げるには?有給取得率と健康経営
適切な働きかたを実現するためには、健康経営を企業風土に定着させることです。有給取得率を上げるための取り組みを見ていきましょう。
有給が取りにくい理由は職場によって様々となります。
「みんなも有給も取らないから」
「自分が休むと同僚に迷惑をかける」
「上司の評価が気になる」
個々が抱える問題は様々です。
両立支援をスムーズに受け入れることのできる社内風土を根づかせることが大切となります。
「休むのはおたがい様」という職場の雰囲気が重要です。
さらに経営者や管理職が率先して有給休暇をとることも大切です。
上司が有給休暇を取れば従業員も心おきなく取れるようになります。
計画的な有給の場合は事前に周知することができます。
そのため事前に仕事の調節ができます。業種によっては繁忙期・閑散期などに合わせて計画的に取得するとよいでしょう。
リフレッシュをかねて夏季休暇・年末年始に有給を与えて長期休暇にするのもひとつの手です。
しかし1人当たりの労働生産性は最低クラスです。
長時間働いても生産性は上がらないと意識を変えることです。
「有給を取っている人は、仕事ができている」という考え方を社内に浸透させることが必要です。可能な限り業務をマニュアル化し「ムリ・ムラ・ムダ」を見直すことです。
有給を取れない理由に「仕事が忙しくて休めない」「休むと仕事が山積みになってしまう」などがあります。
業務をマニュアル化することで、「他の人が仕事を代われないので休めない」という事態を避けられます。
企業にとっても生産性の低い働き方をして、残業代を積み重ねている従業員を抱えることはマイナスコストとなります。
次のポイントを押さえて業務の適正化を参考にしてみてください。
会議の効率化を行うことがポイントです。
文書やデータの整理や共有は一個人に頼らない組織的な職場となります。
たとえば担当者が休暇で不在であったとしても、書類の保管場所がすぐにわかるようにしてあれば業務に支障は生じません。
「人に仕事がつく」といった業務形態では、担当者が不在の場合業務がストップしてしまう原因になります。
管理者による労働時間の管理が必要です。
業務分担を適正化することで、スキル向上やメンタルヘルス不調防止に有効です。
結果的に組織全体の業務効率が向上します。
職場全体で協力して業務効率化に取り組みことができます。
例えば、
集中して業務がはかどっている時に限って電話がかかってきたり、上司や同僚から相談があったり、自分の業務に没頭しようとしても難しいと感じたことはありませんか?
自分の業務や職場内での議論、コミュニケーションに集中できる時間を作ることです。現在がんばるタイム中であることを知らせるためにプラカードを活用する方法などがあります。
同じ場所で働いていても自然に共有されるものではないので、繰り返し研修などを開催して知識を広めていく必要があります。
企業風土改革
有給が取得しやすい職場の雰囲気にすることです。有給が取りにくい理由は職場によって様々となります。
「みんなも有給も取らないから」
「自分が休むと同僚に迷惑をかける」
「上司の評価が気になる」
個々が抱える問題は様々です。
両立支援をスムーズに受け入れることのできる社内風土を根づかせることが大切となります。
「休むのはおたがい様」という職場の雰囲気が重要です。
さらに経営者や管理職が率先して有給休暇をとることも大切です。
上司が有給休暇を取れば従業員も心おきなく取れるようになります。
計画的取得促進をする
会社側が計画的に有給休暇取得促進を勧めることです。計画的な有給の場合は事前に周知することができます。
そのため事前に仕事の調節ができます。業種によっては繁忙期・閑散期などに合わせて計画的に取得するとよいでしょう。
リフレッシュをかねて夏季休暇・年末年始に有給を与えて長期休暇にするのもひとつの手です。
業務の適正化
日本は世界でもトップクラスの長時間労働国です。しかし1人当たりの労働生産性は最低クラスです。
長時間働いても生産性は上がらないと意識を変えることです。
「有給を取っている人は、仕事ができている」という考え方を社内に浸透させることが必要です。可能な限り業務をマニュアル化し「ムリ・ムラ・ムダ」を見直すことです。
有給を取れない理由に「仕事が忙しくて休めない」「休むと仕事が山積みになってしまう」などがあります。
業務をマニュアル化することで、「他の人が仕事を代われないので休めない」という事態を避けられます。
企業にとっても生産性の低い働き方をして、残業代を積み重ねている従業員を抱えることはマイナスコストとなります。
次のポイントを押さえて業務の適正化を参考にしてみてください。
①会議のムダ取り
無駄な会議は出席者の時間を奪うものです。会議の効率化を行うことがポイントです。
- 長時間化を防ぐ(時間に制限を設ける 例:昼食前11時開始・定時前1時間開始)
- 開始前に目的・ゴールを明確化する。
- 議論の方向性を一定に保つために資料は事前に配布。
- 会議で結論は必ず出す。
②社内資料の削減
社内向けの必要のない資料作成を最低限にすることです。- 定例報告等は必要最低限の情報のみ記載する。
- 資料のフォーマットを統一化する。
- 管理職は資料作成の目的・用途・基準を正確に伝える。
- 「無駄な資料の作成禁止」を発信する。
③書類を整理整頓
業務の「見える化」は大切です。文書やデータの整理や共有は一個人に頼らない組織的な職場となります。
たとえば担当者が休暇で不在であったとしても、書類の保管場所がすぐにわかるようにしてあれば業務に支障は生じません。
- デスク・キャビネットの整理整頓の状況によって、業務効率に差が生じる。
- 書類1枚を探すための時間を短縮できれば仕事は効率化する。
- パソコン内におけるファイルを整理する。
④標準化・マニュアル化
従業員がお互いフォローできる体制をことが重要です。「人に仕事がつく」といった業務形態では、担当者が不在の場合業務がストップしてしまう原因になります。
- 可能な限り標準化・マニュアル化する
- マニュアル化できる業務を見極めること。
⑤労働時間を適正に管理
労働時間は「時間制約」があることを認識してもらうことです。管理者による労働時間の管理が必要です。
- 長時間労働の発生状況を正確に把握する。
- 業務効率の低下や課題を把握し改善に努める。
➅業務分担の適正化
業務の流れに、業務の効率性を低下させる原因が隠れています。業務分担を適正化することで、スキル向上やメンタルヘルス不調防止に有効です。
⑦担当以外の業務を知る
業務負担が重いときには助け合える環境を作ることです。特定の人への業務負担を解消するために、担当以外の知識を知ることが大切です。結果的に組織全体の業務効率が向上します。
⑧スケジュールの共有化
お互いのスケジュールを確認できるように工夫することが大切です。職場全体で協力して業務効率化に取り組みことができます。
⑨「がんばるタイム」の設定
多くの企業でも活用しており、効果的です。例えば、
集中して業務がはかどっている時に限って電話がかかってきたり、上司や同僚から相談があったり、自分の業務に没頭しようとしても難しいと感じたことはありませんか?
自分の業務や職場内での議論、コミュニケーションに集中できる時間を作ることです。現在がんばるタイム中であることを知らせるためにプラカードを活用する方法などがあります。
⑩仕事の効率化方法の共有
効率的な仕事の進め方を職場全体で共有することは企業の財産となります。同じ場所で働いていても自然に共有されるものではないので、繰り返し研修などを開催して知識を広めていく必要があります。
健康経営との関係
健康経営とは、企業が従業員の健康に配慮することで、経営面においても成果に上げていくというものです。
もっと簡単にいうと、会社が個人の健康を管理するということです。
会社が従業員に「休暇」を与えることに該当します。
健康経営の取り組み自体が、有給取得率アップにつながります。
さらに「休暇」を取ることで従業員の満足度も上がります。
健康経営の取り組みは、従業員が心身共にストレスなく働ける環境づくりの土台づくりともいいえるでしょう。
多様な人材が能力を発揮できる組織の土台づくりが重要です。
企業にとって有給取得義務化による課題もあります。
常に人員不足に悩む企業にとって、仕事へのしわ寄せや人員調整などの課題はないでしょうか。
業務体制改善や環境整備を行わず有給取得を取ることは、かえって仕事が山積みになってしまうリスクがあるからです。
そのために環境整備は大切になります。
ただ単に人事労務管理制度を改善しても効果は多くありません。
まずは健康経営の視点で職場の環境づくりをおすすめします。
もっと簡単にいうと、会社が個人の健康を管理するということです。
会社が従業員に「休暇」を与えることに該当します。
健康経営の取り組み自体が、有給取得率アップにつながります。
さらに「休暇」を取ることで従業員の満足度も上がります。
健康経営の取り組みは、従業員が心身共にストレスなく働ける環境づくりの土台づくりともいいえるでしょう。
多様な人材が能力を発揮できる組織の土台づくりが重要です。
企業にとって有給取得義務化による課題もあります。
常に人員不足に悩む企業にとって、仕事へのしわ寄せや人員調整などの課題はないでしょうか。
業務体制改善や環境整備を行わず有給取得を取ることは、かえって仕事が山積みになってしまうリスクがあるからです。
そのために環境整備は大切になります。
ただ単に人事労務管理制度を改善しても効果は多くありません。
まずは健康経営の視点で職場の環境づくりをおすすめします。
まとめ
今回は有給取得率について紹介しました。
有給取得率を上げることは、従業員だけでなく企業にもメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか?
従業員が職場で安定して能力を発揮してもらえるように、風土とシステムを取り入れることが大切です。
その企業努力が従業員の満足度を生み、企業力向上につながります。
有給取得率向上に向けて取り組みをスタートしてみてはいかがでしょうか?
有給取得率を上げることは、従業員だけでなく企業にもメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか?
従業員が職場で安定して能力を発揮してもらえるように、風土とシステムを取り入れることが大切です。
その企業努力が従業員の満足度を生み、企業力向上につながります。
有給取得率向上に向けて取り組みをスタートしてみてはいかがでしょうか?
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