- 働き方改革
- 2021.09.13 (最終更新日:2022.03.26)
ワークライフバランスとは?推進するメリットと取り組み方
ワークライフバランスはなぜ必要?
近年、ワークライフバランスという言葉をよく耳にするようになりました。
最近新しくできた言葉ではなく、政府が働き方改革を打ち出して、日本人の働き方が見直されるようになってきてから特に注目され始めたものです。
聞いたことはあるし何となく意味は分かっているつもりでも、実は誤解して覚えられていることも多いのがこのワークライフバランスです。
経営者にどんなものか聞いても一人ひとりで回答が違ってきてしまい、それは本来の意義を理解していないからにほかなりません。
ストレス社会に生きる現代の私たちは、昨今のコロナ禍もあり、働き方がますます多様化しています。
その中でストレスの少ない、充実した日々を過ごすために必要なのがこのワークライフバランスです。
一体どのような考え方なのか、概要を理解した上で、導入のメリットと導入するためにどうしたらいいかを学んでいきましょう。
最近新しくできた言葉ではなく、政府が働き方改革を打ち出して、日本人の働き方が見直されるようになってきてから特に注目され始めたものです。
聞いたことはあるし何となく意味は分かっているつもりでも、実は誤解して覚えられていることも多いのがこのワークライフバランスです。
経営者にどんなものか聞いても一人ひとりで回答が違ってきてしまい、それは本来の意義を理解していないからにほかなりません。
ストレス社会に生きる現代の私たちは、昨今のコロナ禍もあり、働き方がますます多様化しています。
その中でストレスの少ない、充実した日々を過ごすために必要なのがこのワークライフバランスです。
一体どのような考え方なのか、概要を理解した上で、導入のメリットと導入するためにどうしたらいいかを学んでいきましょう。
ワークライフバランスとは
ここでは、ワークライフバランスというものの特徴について見ていきましょう。
そしてこの二つは対立するものではなく、生活が充実することで仕事も捗り上手く進む、仕事が上手く行くことで私生活も潤うというような、お互いが相乗効果を生むものです。
まずここが誤解されやすいポイントで、どちらを重視するか、どちらかを犠牲にするといったことではないのです。
例えばよくある誤解としてこんな例があります。
ワークライフバランスは仕事と生活の最適な比率を表すものではないので、経営者がこういった誤解をしていると、仕事を犠牲にして従業員の生活を充実させるものという、経営面においてある種有害なものに思えるため、手放しに導入とはならないのです。
あくまでも生活と仕事の調和、それによって得られる相乗効果と好循環がワークライフバランスです。
別々に考えて、一方を犠牲にするという発想は無くしていきましょう。
いわゆる働き方改革で見直されることの多いのがこの取り組みで、厚生労働省が定めるファミリーフレンドリー企業の基準は以下のとおりです。
法律は時代とともに改正を繰り返し、現在では募集・採用・配置や昇進において、性別による差別が一切禁じられています。
これら2つの要素があることから、ワークライフバランスは女性支援の施策とも誤解されがちですが、育児休暇は男性も取得できますし昨今ではそれに対する理解も少しずつ深まってきています。
また少子高齢化が深刻な現代では介護をしながら働くことも多くあるため、男性でも女性でも、年齢にもとらわれない全ての働く人にとって大切なのが、このワークライフバランスという考え方です。
概要
一言で言うと「生活と仕事の調和・調整」で、お互いバランスが取れている状態を言います。そしてこの二つは対立するものではなく、生活が充実することで仕事も捗り上手く進む、仕事が上手く行くことで私生活も潤うというような、お互いが相乗効果を生むものです。
まずここが誤解されやすいポイントで、どちらを重視するか、どちらかを犠牲にするといったことではないのです。
例えばよくある誤解としてこんな例があります。
- 仕事とプライベートはキッチリ分ける
- 仕事と生活の比率を半々にする
- 新人の頃はプライベートよりも仕事優先
ワークライフバランスは仕事と生活の最適な比率を表すものではないので、経営者がこういった誤解をしていると、仕事を犠牲にして従業員の生活を充実させるものという、経営面においてある種有害なものに思えるため、手放しに導入とはならないのです。
あくまでも生活と仕事の調和、それによって得られる相乗効果と好循環がワークライフバランスです。
別々に考えて、一方を犠牲にするという発想は無くしていきましょう。
ワークライフバランスを構成する2つの要素
ワークライフバランスにはそれを構成する重要な要素が2つあり、「ファミリーフレンドリー」と「男女均等推進」です。ファミリーフレンドリー
両立支援とも訳され、働きながら育児や介護をするための制度と環境を整えることを言います。いわゆる働き方改革で見直されることの多いのがこの取り組みで、厚生労働省が定めるファミリーフレンドリー企業の基準は以下のとおりです。
- 法を上回る基準の育児・介護休業制度を規定しており、実際に利用されていること
- 仕事と家庭のバランスに配慮した柔軟な働き方ができる制度を持っており、実際に利用されていること
- 仕事と家庭の両立を可能にするその他の制度を規定しており、実際に利用されていること
- 仕事と家庭の両立がしやすい企業文化を持っていること
男女均等推進
1985年に制定された男女雇用機会均等法が始まりとなる、- 男女の性別に関わらず、能力を発揮するために均等な機会が与えられる
- 男女の性別に関わらず、評価や待遇の差別を受けない
法律は時代とともに改正を繰り返し、現在では募集・採用・配置や昇進において、性別による差別が一切禁じられています。
これら2つの要素があることから、ワークライフバランスは女性支援の施策とも誤解されがちですが、育児休暇は男性も取得できますし昨今ではそれに対する理解も少しずつ深まってきています。
また少子高齢化が深刻な現代では介護をしながら働くことも多くあるため、男性でも女性でも、年齢にもとらわれない全ての働く人にとって大切なのが、このワークライフバランスという考え方です。
ワークライフバランス導入のメリット
上記のとおり、社会的な背景が影響して広がりを見せているワークライフバランスですが、実際に企業が導入するとどのようなメリットがあるのか見ていきます。
仕事とプライベートどちらも充実させることが期待でき、特に男性に顕著ですが、プライベートが充実していることで仕事のモチベーションにもつながる傾向があります。
職場全体でモチベーションが上がることにより、人材育成の活発化・職場内のコミュニケーション増加・生産性の向上などあらゆる効果が期待できます。
リーダー社員となる上の方が率先してワークライフバランスを理解し活用することで、その姿を見る後輩社員・新入社員にも、もっと活躍したい成長したいという意欲が出てくるでしょう。
しかしワークライフバランスの推進により、求職者からは働き方が柔軟で社員を大切にしてくれる先進的な優良企業というイメージを持ってもらえます。
獲得した社員も既存の社員も長く働き続けられるため、採用や獲得だけに限らず、人材の定着とそれに伴う育成コスト・研修コストの回収という面でも有効です。
政府の法整備はあっても、例えば保育園への入園が難しくて復職が見込めなかったり、いざ復職しても育児支援が当てにならないだったりと、実際問題仕事を辞めざるを得ないケースが多いのも現状です。
ワークライフバランスが導入・推進されれば女性が長く働ける下地ができるため、女性社員の定着と女性のリーダーの育成・成長が期待できます。
仕事と生活のバランスが取れるということは、現代の日本において常態化してしまっている長時間労働の改善が期待できます。
長く働いたところでパフォーマンスが落ちる分生産性は上がっていきません。
ワークライフバランスにより多様な働き方への対応・生活面充実の取り組みがなされると、長時間労働がなくなり、モチベーションという気持ちの部分以外でも生産性が上がる根拠となります。
企業経営は、自社の成長だけでなく、社会にどう貢献するかというCSR(企業の社会的責任)も重視されています。
社員を大切にする企業・社員に自社のサービスの恩恵がある企業・離職率の低い安心して働ける企業というイメージは、社内にも対外的にもとても魅力的です。
モチベーションの向上
ワークライフバランスは仕事と生活の調和と言いました。仕事とプライベートどちらも充実させることが期待でき、特に男性に顕著ですが、プライベートが充実していることで仕事のモチベーションにもつながる傾向があります。
職場全体でモチベーションが上がることにより、人材育成の活発化・職場内のコミュニケーション増加・生産性の向上などあらゆる効果が期待できます。
リーダー社員となる上の方が率先してワークライフバランスを理解し活用することで、その姿を見る後輩社員・新入社員にも、もっと活躍したい成長したいという意欲が出てくるでしょう。
優秀な人材の確保
終身雇用の考え方がなくなってきた昨今では、企業が新しい社員を獲得するのも、既存の優秀な社員を自社に引き留めることも課題となってきています。しかしワークライフバランスの推進により、求職者からは働き方が柔軟で社員を大切にしてくれる先進的な優良企業というイメージを持ってもらえます。
獲得した社員も既存の社員も長く働き続けられるため、採用や獲得だけに限らず、人材の定着とそれに伴う育成コスト・研修コストの回収という面でも有効です。
女性社員の定着
均等推進で話したとおり、出産・育児への手厚い支援と柔軟な働き方の提案は、女性社員の定着に非常に効果的です。政府の法整備はあっても、例えば保育園への入園が難しくて復職が見込めなかったり、いざ復職しても育児支援が当てにならないだったりと、実際問題仕事を辞めざるを得ないケースが多いのも現状です。
ワークライフバランスが導入・推進されれば女性が長く働ける下地ができるため、女性社員の定着と女性のリーダーの育成・成長が期待できます。
生産性の向上
モチベーション向上でも触れましたが仕事の生産性が上がります。仕事と生活のバランスが取れるということは、現代の日本において常態化してしまっている長時間労働の改善が期待できます。
長く働いたところでパフォーマンスが落ちる分生産性は上がっていきません。
ワークライフバランスにより多様な働き方への対応・生活面充実の取り組みがなされると、長時間労働がなくなり、モチベーションという気持ちの部分以外でも生産性が上がる根拠となります。
企業のイメージアップ
こちらも人材確保のところで触れましたが、世間的なイメージ向上は企業にとって大きなメリットです。企業経営は、自社の成長だけでなく、社会にどう貢献するかというCSR(企業の社会的責任)も重視されています。
社員を大切にする企業・社員に自社のサービスの恩恵がある企業・離職率の低い安心して働ける企業というイメージは、社内にも対外的にもとても魅力的です。
ワークライフバランス実現のための取り組み
それではワークライフバランスを意識した実際の取り組み方をいくつか紹介しましょう。
総労働時間は変わらないことで、導入にあたり給与の調整や昇給・昇格に伴う問題が発生しにくいため、比較的取り入れやすいでしょう。
また生産性が落ちないように、必ず勤務していなければいけない時間(=コアタイム)を設定することもできます。
勤務場所を見直すことで、よりその人に合った働き方が選択でき、企業にとっても、社員の交通費の削減や休業からのスムーズな復職支援、また障がい者雇用などの点でメリットがあります。
注意点としては、社外での勤務ということで、情報漏えいリスクの管理と勤怠の管理、あとは社員同士のコミュニケーション不足によるリスクを管理していく仕組みが求められます。
またこの支援は女性だけが対象になりやすいのですが、そこのニーズは押さえつつ、男性も育児休暇を取得しやすい環境を作ることもポイントです。
制度があっても使いづらいというのは育児休暇だけでなく有給休暇でもそうですが、抵抗なく活用できるような社内風土ができなければ意味がありません。
最近では「イクメン」という言葉もありますが、男性社員の育児休暇取得が促進されれば、必然的に女性が活躍する場面も増え、働き方改革の実現へとつながります。
現状は育児休暇明けの女性社員が対象になるケースが多く見られますが、今後導入する際には、家族の介護をする男性社員や管理職の社員も視野に入れておきましょう。
短時間勤務を導入するにあたって、時間短縮のパターンを複数設定したり、1日あたりの時間を減らす分、総労働時間の枠内で勤務の日数を増やしたりといった工夫が必要です。
さらに短縮勤務の社員だからといって単純な作業ばかり割り振るようになっては、その社員のモチベーションにも関わってきます。
短時間でもコアな勤務ができるよう、チーム全体での仕事の割り振り、短時間勤務社員の勤務時間帯などにも注意しましょう。
ワークライフバランスは繰り返しになりますが、生活面の充実が仕事に活きるというサイクルです。
ジムで日頃から適度な運動習慣ができていれば健康面での安心が保障され、レジャー施設で新しい体験をすることで何か役立つ発見があれば仕事にも役立つかもしれません。
資格取得もものによっては仕事に直結するスキルが身に付きます。
企業としてこれらサービスが整っており社員も利用する風土があれば、より活気をもって日々業務にあたることにつながります。
福利厚生で他社との差別化ができているというのは、働く社員からも求職者から見ても非常に魅力的な一面です。
フレックスタイム制度
1ヶ月以内で総労働時間を規定し、その中で各々が自由に始業・終業時間を設定する働き方です。総労働時間は変わらないことで、導入にあたり給与の調整や昇給・昇格に伴う問題が発生しにくいため、比較的取り入れやすいでしょう。
また生産性が落ちないように、必ず勤務していなければいけない時間(=コアタイム)を設定することもできます。
テレワーク
コロナ禍により一般化したテレワークですが、ワークライフバランスの観点からも導入の価値があります。勤務場所を見直すことで、よりその人に合った働き方が選択でき、企業にとっても、社員の交通費の削減や休業からのスムーズな復職支援、また障がい者雇用などの点でメリットがあります。
注意点としては、社外での勤務ということで、情報漏えいリスクの管理と勤怠の管理、あとは社員同士のコミュニケーション不足によるリスクを管理していく仕組みが求められます。
育児休暇
出産・育児関連の支援は外せません。またこの支援は女性だけが対象になりやすいのですが、そこのニーズは押さえつつ、男性も育児休暇を取得しやすい環境を作ることもポイントです。
制度があっても使いづらいというのは育児休暇だけでなく有給休暇でもそうですが、抵抗なく活用できるような社内風土ができなければ意味がありません。
最近では「イクメン」という言葉もありますが、男性社員の育児休暇取得が促進されれば、必然的に女性が活躍する場面も増え、働き方改革の実現へとつながります。
短時間勤務制度
育児や介護により毎日フルタイムで働くことが難しい社員を対象にするもので、2~3時間の勤務であったり、勤務時間を30分単位で短縮したりといった事例があります。現状は育児休暇明けの女性社員が対象になるケースが多く見られますが、今後導入する際には、家族の介護をする男性社員や管理職の社員も視野に入れておきましょう。
短時間勤務を導入するにあたって、時間短縮のパターンを複数設定したり、1日あたりの時間を減らす分、総労働時間の枠内で勤務の日数を増やしたりといった工夫が必要です。
さらに短縮勤務の社員だからといって単純な作業ばかり割り振るようになっては、その社員のモチベーションにも関わってきます。
短時間でもコアな勤務ができるよう、チーム全体での仕事の割り振り、短時間勤務社員の勤務時間帯などにも注意しましょう。
各種福利厚生の充実
休暇関連に加えて、資格取得の支援やレジャー・宿泊施設の利用、フィットネスジムの利用にあたっての補助も大切です。ワークライフバランスは繰り返しになりますが、生活面の充実が仕事に活きるというサイクルです。
ジムで日頃から適度な運動習慣ができていれば健康面での安心が保障され、レジャー施設で新しい体験をすることで何か役立つ発見があれば仕事にも役立つかもしれません。
資格取得もものによっては仕事に直結するスキルが身に付きます。
企業としてこれらサービスが整っており社員も利用する風土があれば、より活気をもって日々業務にあたることにつながります。
福利厚生で他社との差別化ができているというのは、働く社員からも求職者から見ても非常に魅力的な一面です。
まとめ
何となくイメージだけだったワークライフバランス、この記事で誤解は解けたでしょうか。
仕事と私生活は対立するものではなく共存し相互作用を生むもの。
仕事を楽しくするためのプライベート、プライベートを楽しく過ごすための働き方、それぞれが上手く作用するための考え方がワークライフバランスです。
働きやすい環境は社員の定着と新たな社員の獲得に大きなメリットをもたらし、終身雇用が実質なくなり転職が当たり前になった昨今では、ここで働きたい、長く続けたいと思えることは企業にとって最も嬉しい価値観ではないでしょうか。
働き方、働く人たち自身の考え方が多様化した中で、ワークライフバランスの推進は企業の大きな武器になります。
まだ導入していない企業は、できることからぜひ検討していきましょう。
仕事と私生活は対立するものではなく共存し相互作用を生むもの。
仕事を楽しくするためのプライベート、プライベートを楽しく過ごすための働き方、それぞれが上手く作用するための考え方がワークライフバランスです。
働きやすい環境は社員の定着と新たな社員の獲得に大きなメリットをもたらし、終身雇用が実質なくなり転職が当たり前になった昨今では、ここで働きたい、長く続けたいと思えることは企業にとって最も嬉しい価値観ではないでしょうか。
働き方、働く人たち自身の考え方が多様化した中で、ワークライフバランスの推進は企業の大きな武器になります。
まだ導入していない企業は、できることからぜひ検討していきましょう。
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