- 健康経営
- 2021.09.07 (最終更新日:2022.04.06)
ロジカルシンキングはなぜ必要なのか?メリット・デメリットや鍛え方について
- 目次
ロジカルシンキングとは何か
ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングは「ロジカル」と「シンキング」を合わせた言葉です。この言葉が広まったきっかけは「ロジカル・シンキング 照屋華子・岡田恵子著」の本だと考えられています。ここでは、まずロジカルの意味を確認しましょう。ロジカルには以下の意味があります。- 物事を体系的に整理する
- 物事に矛盾が生じないように筋道立てて考える
- 理論に当てはめていく
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 結論(Point)
結論:文章にはPREP法をおすすめしています。
理由:なぜなら、型に当てはめて文章を書くため読み手に伝わりやすくなるからです。
具体例:たとえば、要点から始まる文章は目的やねらいが分かりやすくなります。
結論:そのため、PREP法をおすすめしているわけです。
理由や具体例で具体的な数字や分析結果を用いると、さらに説得力が増します。
なぜロジカルシンキングが必要なのか
ロジカルシンキングは分析を行うときに役立つので、ビジネスパーソンに求められる思考法の1つと考えられています。なぜなら、主観的な視点だけでは思い込みが多くなり、仕事でもミスを起こす可能性が高まるからです。そこで客観的な視点を持てば、より課題を正確に把握しやすくなります。どんな場面でも結果を出し続けるには、さまざまな状況に対応していかなければなりません。状況の変化に応じて対策を続けていけば、結果に繋がります。これは、スポーツ選手などがよく用いる方法です。分析を行うときにロジカルシンキングを役立てれば、筋道の通った話になるので、内容に説得力が出ます。
ロジカルシンキングと類似した言葉との違い
似ているけれど意味の違う言葉に「クリティカルシンキング」があります。この言葉には批判的思考との意味がありますが、一方的に批判するだけではありません。論理や分析結果、情報などを客観的な視点で調査し、正しいのかどうか疑問を持つわけです。物事を全て信じるのではなく、切り口や前提などを適切に疑うのがクリティカルシンキングの思考法になります。「ラテラルシンキング」もロジカルシンキングと類似した言葉です。ラテラルシンキングは、固定された考え方や枠組みにとらわれず、独自の考え方を導き出すための思考法になります。物事の視点を変えたりそもそもの前提を疑ったりするのがラテラルシンキングなのです。
ロジカルシンキングで用いるフレームワークについて
フレームワークとは仕組みの1つで、何かの枠組みのことです。仕事では、戦略や課題について考えるときに大事なポイントをパターン化したものになります。さまざまな種類があり、それぞれ役立てられる場面が異なります。
では、なぜロジカルシンキングでフレームワークを併用するのでしょうか。先ほど、ロジカルシンキングは物事をルールに従って整理しながら、筋道立てて考えることだとお伝えしました。考え出すときりがない内容であっても、フレームワークを用いれば課題を見つけやすくなるわけです。
代表的なフレームワークは「ロジックツリー」と言います。「ツリー」の名前通り、主要な言葉から木の枝が分かれている見た目です。ロジックツリーを用いれば、全体像を共有したり問題を定義して深掘りをしたりできます。
では、なぜロジカルシンキングでフレームワークを併用するのでしょうか。先ほど、ロジカルシンキングは物事をルールに従って整理しながら、筋道立てて考えることだとお伝えしました。考え出すときりがない内容であっても、フレームワークを用いれば課題を見つけやすくなるわけです。
代表的なフレームワークは「ロジックツリー」と言います。「ツリー」の名前通り、主要な言葉から木の枝が分かれている見た目です。ロジックツリーを用いれば、全体像を共有したり問題を定義して深掘りをしたりできます。
ロジカルシンキングのメリットとは
問題解決能力を身につけられる
ロジカルシンキングには、問題解決能力が身につくメリットがあります。論理的なフレームワークを使うので、問題の発生源が特定できるわけです。社会人になるとさまざまな場面で問題の解決が必要になるので、ロジカルシンキングを身につけておくと多くの場面で活躍します。問題解決に必要な考え方がロジカルシンキングなのです。素早く意思決定できるようになる
素早く意思決定できるようになるのも、ロジカルシンキングの特徴です。整理しながら筋道立てて思考するので、基本的に情報の不足や同じ場所で迷うことがありません。問題解決まで最短の距離で進めるので、意思決定の速さにも良い影響が出るわけです。アウトプットしながら整理していけば、チームで情報を共有するさいにも誤解を招きにくくなります。ロジカルシンキングを身につければ、意思決定が速くなるのです。客観性が身につく
ロジカルシンキングは、たくさんの人と議論する際にも役立ちます。大勢でコミュニケーションを取ると情報が複雑になりやすくなります。そのため、何も意識せず進めてしまい会議が時間内に終了しない例も少なくありません。複雑な情報を平行に整理できるロジカルシンキングなら、議題に対する因果関係が確認できるので会議がスムーズに進みます。考える時間ができる
考える時間を新たに作れるのも、ロジカルシンキングのメリットです。個人だけに限らずチームで仕事する場合にも効率化が図れるので、新たにアイディアを練る時間が作れます。日常的に作業の効率化について話し合いができなくても、ロジカルシンキングのおかげでその時間ができるわけです。生産性の向上に繋がる
ロジカルシンキングは、生産性の向上に繋がります。生産性が向上しない原因の1つは、無駄な作業が多いことです。業務が完了するまでの道のりを論理的に思考できるロジカルシンキングを使えば、作業の無駄が省けます。仕事で効率化できるところや、不要なところを意識しながら進められるからです。効率化に成功し仕事の量が減れば、今まで手が回らなかった作業に費やせます。生産性を向上させ仕事を効率よく回せるようになるのが、ロジカルシンキングです。提案力の向上に繋がる
提案力の向上に繋がるのも、ロジカルシンキングの特徴です。提案とは、ただ自分の考えを話せばいいわけではありません。ほとんどの場合、相手の気持ちを汲み取ることも必要になります。相手の立場を考えながら自分の提案を筋道立てて伝えられれば、信頼も増すでしょう。人の気持ちを考えた提案ができるのが、ロジカルシンキングです。ロジカルシンキングのデメリットとは
ロジカルシンキングは仮説を論理的にするので、多様性に対応できないデメリットがあります。商品の企画を論理的思考に基づいて練り上げた結果、どこも個性がなく同じような内容になってしまうわけです。商品に個性がなくなれば、購入してもらうために値下げするしかなく、その結果価格競争になります。ロジカルシンキングは、新たにアイディアを出すよりも仕事の効率化や経営の過程を改善することに向いていると言えるでしょう。
アイディアを考えるさい、ロジカルシンキングに執着してしまうデメリットもあります。説得力のある仮説を導き出せる一方で、考えるための手段の1つにしかすぎないのです。本当に大事なのは考えを導き出す過程なのに、手段に執着してしまう可能性が高まります。
アイディアを考えるさい、ロジカルシンキングに執着してしまうデメリットもあります。説得力のある仮説を導き出せる一方で、考えるための手段の1つにしかすぎないのです。本当に大事なのは考えを導き出す過程なのに、手段に執着してしまう可能性が高まります。
ロジカルシンキングを鍛える方法①
インプットとアウトプットを練習すること
インプット・アウトプットの練習をすれば、論理的思考が鍛えられます。情報を集めて吸収するのがインプット、得た情報を発信するのがアウトプットです。現在はインプットの情報源がたくさんあります。ネット上のWebサイトや書籍、SNSや論文などです。内容に応じて必要な情報を選んでください。アウトプットでは、なるべく具体的に説明をします。たとえば、以下のAの文章は抽象的です。「目標を達成する期間はどれぐらいで、どんな努力が必要なのか」との疑問が湧くでしょう。しかしBの文章を読むと、目標と努力が分かりやすいのではないでしょうか。
Aの文章:収入を得るために毎日ブログを書く
Bの文章:ブログで収入を得るために、三ヵ月で1万PVを目指す。そのために読者のニーズに沿った質の高い記事を毎日書けるようにする
抽象的な説明だと、相手にきちんと伝わらない場合がほとんどです。具体的な説明ができるように練習するのは、相手のためにもなります。
物事の本質を考えること
論理的思考をするために、物事の本質を考えるのが大事です。仕事なら「これは何を解決するために行う業務なのか」と考える癖をつけるといいでしょう。たとえば、あなたが会社で大きなプロジェクトの一員に選ばれたとします。すると、ほとんど無意識に「どうやってプロジェクトを進めていこうか」と考えるはずです。でも、頭の中で終了してしまってはチームメンバーに過程が伝わりません。ここで、ロジカルシンキングのフレームワークを用いて周囲と共有すればどうなるでしょうか。1人よがりの考えになりませんし、チームみんなで本質を見つけやすくなるでしょう。論理的思考をするときには、課題が出てきた背景を確認してください。そもそもの課題自体が間違っていると、せっかくのロジカルシンキングも意味をなさないからです。物事の本質を考える癖がつけば問題解決までに速く辿り着けるようになるので、仕事でも役立ちます。
ロジカルシンキングを鍛える方法②
主張と根拠の土台を作ること
本質的な課題が分かったら、次に答えを導き出します。「文章には、PREP法がおすすめです。」「なぜなら、型に当てはめて文章を書くため読み手に伝わりやすくなるからです。」でいうなぜならの箇所です。主張の土台を作る方法として、演繹法と帰納法があります。- 演繹法とは
「会社員を辞めてブログで収入を得たい」という知人に対して、経験から「続けるのは簡単ではないから止めた方が良い」とアドバイスをする場合。
「ブログで収入を得るのは困難である」という一般的に言われている主張を用いる。
- 帰納法とは
例として、あなたが以下の人たちを見てきたとします。
- ブログを始めたけれど一週間でやめてしまった人
- 半年ブログを続けられたが、収入にはならなかった人
- 結局ブログに飽きて他のビジネスを始めた人
ロジカルシンキングの注意点について
ロジカルシンキングの必要性やメリットを中心に解説してきました。ここで、注意点も確認しましょう。
例:ツイッターのフォロワーを増やすため、フォロワーをカテゴリーごとに分けるのなら
単身世帯や4人家族など、フォロワーの生活スタイルごとに分ける場合。
フォロワーの住んでいる地域ごとに分ける場合。
上記では、どちらが合っているかは発信している内容によって変わるので「なぜその切り口なのか」が大事です。
課題そのものが間違っている可能性がある
ロジカルシンキングの注意点として挙げられるのは、課題そのものが間違っている可能性です。たとえば「集客のためにブログをもう1つ増やすべきか」という課題にロジカルシンキングを使うとします。とはいえ、この課題に対する答えは「ブログをもう1つ増やす」か「増やさない」しかありません。ところが、集客の方法自体が分かっていなければ、ブログがもう1つ増えたところで効果を発揮するとは言えないわけです。「そもそも最初のブログで集客できるようにすべし」という答えが正しいかもしれません。これが、課題そのものが間違っている場合の一例です。ロジカルシンキングは切り口が豊富にある
ロジカルシンキングを行うときの切り口は豊富にあるのを忘れてはいけません。そのため「なぜその切り口に着目したのか」を常に考える必要があります。以下で1つの事例を紹介しましょう。例:ツイッターのフォロワーを増やすため、フォロワーをカテゴリーごとに分けるのなら
単身世帯や4人家族など、フォロワーの生活スタイルごとに分ける場合。
フォロワーの住んでいる地域ごとに分ける場合。
上記では、どちらが合っているかは発信している内容によって変わるので「なぜその切り口なのか」が大事です。
価値観が違う相手だと難しくなる
価値観が違う相手だとロジカルシンキングで説明するのは難しくなります。なぜなら、世の中にはロジカルシンキングという思考法自体知らない人もいるからです。自分では筋道立てて相手に説明できたと思っても、相手にとってはそうではない可能性があります。たとえば「女性が家事をすべしだ」と考える男性がいるとします。男性は50年間生きてきて、このような考え方になったのです。この男性に家事を分担する理由を1つ1つ説明したところで、簡単に理解してくれるでしょうか。価値観自体が異なると、説明が難しいのはこういうわけです。ロジカルシンキングは生産性の向上に繋がる
先ほど、ロジカルシンキングが使えると生産性の向上に繋がると説明しました。生産性を向上させ業務の効率化を図ることは従業員の健康維持に役立ちます。なぜなら、毎日気持ちに余裕が無い場合と、少し余裕がある場合では後者の方が健康的に働けるからです。生産性が向上すると、以下のようなメリットがあります。
当コラムでは、健康経営について情報発信しています。理解を深めたい方は、以下のコラムも合わせてご覧ください。
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まとめ
ロジカルシンキングを解説しました。問題の解決や物事の過程を確認するのに役立つ反面、そもそもの問題自体が間違えているときには注意が必要です。少し難しい話ですが、まずはPREP法やロジックツリーなどのフレームワークを用いて練習するのがいいでしょう。ロジカルシンキングの必要性やメリット・デメリットをおさえれば、効果的に使えるはずです。