• 健康経営
  • 2021.08.30 (最終更新日:2022.03.26)

健康経営・ホワイト企業を前面に押して採用活動を行う

目次

会社での施策のすべてを人事担当者は把握しておくこと

人事担当 会社で健康経営を行なっていたり、ホワイト企業の認定をとっていたりと、社員が働きやすい環境づくりをしているのにもかかわらず、人事担当者と連動をしていないばかりに、せっかくの会社のアピールポイントを前面に出せていない場合があります。

例えば、健康経営を行なっている企業では、健康経営を行なう部署を新設し、他の企業が行っていないような新しいことに取り組んでいるところもあります。ですが、健康経営の部署は独立しているため、他部署との連携が取れておらず採用をおこなっている人事とも連携が取れていないことがあるのです。

さらに人事部が健康経営やホワイト企業ということに対して、それほど関心を持っていなかった場合、会社でいくら行っていたとしても採用の場面でいかされることはありません。人事担当であれば、自社内で健康経営やホワイト企業になるためにどういった施策をしているのかを把握しておくことが大事です。

健康経営の何が採用に強いのか

求職者 疑問 健康経営を行なっている企業であっても、人事担当者が深く理解していなければ、せっかくの会社の利点を就職活動を行っている人に伝えることができません。健康経営を行なっているから、会社のPR欄に「健康経営をしています」とだけ書いただけでは意味はないということです。

そもそもなぜ「健康経営」を行っている企業は就職活動者にとってポイントとなるのでしょうか?

新卒者、転職者ともに健康経営を行なっている企業に対しての感覚が変わってきています。健康経営優良法人の認定が始まった頃であれば、ごく一部の人しか、その言葉の意味を理解していませんでした。それが健康経営を行なう企業が増え、一般の認知度も上がってきています。そうなると今度は、優秀な人材は「健康経営」をうたっているというだけでは信用できないという考えに至るように。なぜなら、健康経営をしていると言っても、企業によって取り組み方にばらつきがあるということを知ったからです。

健康経営優良法人の認定を取らなくても、認定を取っている企業よりも健康経営を行なっている企業もあれば、その逆も存在します。もちろん健康経営優良法人の認定を取っているというだけあって、素晴らしい健康経営を行なっている企業もあります。ホワイト500やブライト500、健康経営銘柄ともなってくると、健康経営のプロと言えるので名前だけで価値はあります。

ではそういったネームバリューがないと健康経営をアピールできないのかというと、それも違います。何をどんなふうにしているのかが問題になってくるだけです。

健康経営をアピールできるもの

健康経営 アピール 新卒者、転職者は対企業とは違った視点で、その会社のことを見ています。つまり、その会社にはいったら、自分がどういう待遇を受けることになるのか、ということが重要なのです。個人個人の待遇については、面接に行った時に交渉すればいいのですが、ここで重要なのは個人個人の待遇ではなく全社員に対する待遇。

健康経営を行なっているということは、会社が社員の健康を考えた経営を行なっているということです。つまりそれは、全社員に対しての待遇ということになります。だからこそ、新卒者、転職者はその企業がどんな健康経営をしているのかが知りたいというわけです。

例えば健康経営の中でも「食」にこだわった施策をしているなら「弊社は健康経営の一環として、従業員の食生活を改善してもらうために、栄養士による献立の紹介や社員食堂での料理の提供をしています」というのも、強い引きになります。

他にも「睡眠」にこだわった施策をしているなら「弊社は健康経営の一環として、従業員の睡眠を良質なものにするために、睡眠セラピーの講師を呼んでセミナーを開いたり、体に合った枕の選び方をレクチャーしております」というのも強い引きになるでしょう。

どんな健康経営をしているのかを細かに伝えることで、新卒者、転職者の目に留まるようになります。

ホワイト企業であることの何が採用に強いのか

採用活動 健康経営と同じなのですが、ホワイト企業であることがどれほどのことなのかを、人事担当者は知っておく必要があります。世の中ではホワイト企業が増えてきたといっても、まだ「増えてきた」だけであって、ブラック企業がなくなっているわけではありません。入社してみたらブラック企業だったという話はいまだによく聞きます。こんな時代だから、ブラック企業はもうないだろうと思わずに、ホワイト企業であることを誇りに思うべきです。

ただホワイト企業だということを言葉として書くのは、ホワイトマークに認定されている場合だけで、それ以外は自社のことを「ホワイト企業」と書いてもうさん臭さがどうしても出てきてしまいます。そのため、これも健康経営の場合と同じで、ホワイト企業として何をしているのかということを具体的に書く必要があります。

そのためには、ホワイト企業として何をしてきているのかを明記するのですが、新入社員や転職者が「当たり前」と思うことを書いてもアピールにはなりません。むしろ、それを大々的に言うことで、以前までは違ったのか、実はまだ古い習慣が残っているのではないかと勘繰られてしまうからです。

ここでも新卒者、転職者にとって嬉しいと思えることを書いていく必要があります。

ホワイト企業をアピールできるもの

福利厚生 ホワイト企業としてアピールをするのは、健康経営をアピールするよりも難しい面があります。ホワイト企業と一言でいっても、ほとんどの会社は多方面において従業員が働きやすい職場環境を整えているはずです。ですが、その言葉一つ一つの言葉に重量感があるため、会社をアピールしたいだけなのに、会社にカラーをつけることになりかねないからです。

例えば、女性が働きやすい環境づくりをしている一環で女性の幹部率が高い、子育て支援ができている、というのがあるとします。ただそれはホワイト企業としての施策の一部に過ぎないのですが、新卒者、転職者からしてみると女性重視の会社だと思われてしまうため、女性からの応募は多くても、男性からの応募は減るかもしれません。

ですので、人事担当として今回はどういう人が欲しいのかを定めてからではないと、ホワイト企業のアピールは難しいということです。

「女性」「若者」「子育て」「シニア」「多国籍」など、的を絞った施策ではなく、年間休日、記念日休日がある、有休消化率が高い、残業は何時間以内というものであれば、性別年齢国籍関係なく、全員に当てはまることですが、それだと会社のアピールとしては弱いというところがありますので、健康経営をアピールするときよりは絞り込みが重要となります。

人事部は会社が行っている施策の全てを知っておくべきか?

人事担当 これは難しいことですが、「人」に関わることであれば知っておくべきでしょう。人に関わることは、健康経営やホワイト企業の施策の中でも社内向けに行っていることだけではなく、社外向けに行っていることも含まれます。

就職活動をしている人は、会社が社員に対してどんなことをしているのかも気になりますが、会社が社外の人間に対してどういったことをしているのかも気にしています。例えば、会社がある地域でのお祭りに参加したり、ボランティア活動をしていたり、地域と共存していくようなことをしているのであれば、それもアピールポイントになります。

会社独自で行っていることが、もしかすると一般社員には知れ渡っていないことという可能性もあります。会社として行っていること、社長や取締役が行っていることを改めて調べてみると、新卒者、転職者にとっては応募動機に繋がることという可能性もあるので重要です。

「人」に関わることを全て知るのは大変かもしれませんが、優秀な人材を確保できるかは、人事担当者がどこまで把握しているのかにも関わってくることなので忘れないようにしましょう。

人事担当者も健康経営やホワイト企業の施策担当になる

人事担当者が健康経営の施策担当者を兼務するということはよくある話です。ホワイト企業の施策になってくると、範囲が広くなるためすべての担当を兼務するのは難しくても、人事部内に施策部隊を作ることはできるでしょう。

健康経営やホワイト企業は、その会社で働く社員のためというのが1番ですが、それだけではありません。社員のために行ったことは、全て会社のためへと跳ね返ってきます。その恩恵の一つが有利な人事採用です。それなのに、人事担当者が健康経営やホワイト企業であるということを理解していないのは何よりももったいないと言えるでしょう。

特に「健康経営」は、幅広い人に認知される言葉になってきたものの、まだ知らない人もいます。ということは、この言葉を知っている人はポテンシャルの高い人というふうに振り分けることができるため、採用ではぜひ使っていきたい言葉です。

もし中々いい人材を採用することができないと悩んでいるのであれば、健康経営やホワイト企業の施策内容でふるいにかけるのも一つの手です。どんな部署の採用であっても健康経営やホワイト企業は社会のことを勉強していれば目にする言葉ですし、一時期はCMで「健康経営」についてもとある企業が流していました。

ぜひ「健康経営」と「ホワイト企業」の二つを人事採用に有効に使ってみて下さい。これまで採れなかったようないい人材と出会えるかもしれませんよ。
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