• 健康経営アドバイザー
  • 2021.08.31 (最終更新日:2022.03.26)

持続可能な企業には「健康オフィス」が必須

目次

はじめに

働き方改革 常に経営者や担当者の悩みトップ3に入る「人材の定着や育成」と言われています。また現在では「働き方改革」によって多様な働き方を求められる時代になってきました。
給料を払えば人は働くという考え方は通用しなくなってきました。仕事という社会的な行為を通じて人生の目標へと近づくことができなかったり、他者から認められなければモチベーションを失い仕事のパフォーマンスも低下してしまいます。いくら給料を支払っても従業員のやりがいにつながる働き方や労働環境を提供できなければ人材の定着や育成に困難が生じます。
そして組織的なパフォーマンスを発揮できず企業価値の低下に陥ります。少子高齢化
さらに少子高齢化社会などの労働人口の減少など、限られた人材と限られた時間で、業務効率と生産性を上げていくか頭の痛い問題です。またひとりひとりのパフォーマンス力を高め生産性を上げていくことはどの企業にとっても急務です。従業員のパフォーマンス力をあげ人材を定着させるためにどんな健康経営のどんな施策をすればいいか頭を悩ませている方に環境整備やポイントを解説します。

健康経営における「健康オフィス」とは?

行動変容

健康経営とは

経済産業省は以下のように定義しています。

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことで、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

分かりやすく言うと、「企業の経営目的達成のために、企業で働く人たち一人ひとりの健康を大切にしよう。」という取り組みになります。健康経営の施策として職場環境を整えることで、働きやすい環境づくりをして人材の定着の目的を有効にします。

健康オフィスとは?

健康経営の施策としての職場環境の整備はその職場で働く従業員全体に直接働きかけることができる有効な方策です。
環境の整備によって健康を保持増進する良い行動を自然と誘発できるできれば、健康意識の個人差によらず、行動変容を促すことも可能です。職場における健康を保持増進する行動は7つに大別でき、各工場は特定の健康課題と関連があることが分かっています。
またこれらの構造は関連する健康課題の予防改善を通じて働く人のパフォーマンス向上につながります(健康経営に貢献するオフィス環境の調査事業成果報告書)働く人がいきいきと健康で企業全体が活気に溢れた状態になるよう空調設備・情報運用など広い観点で職場環境を整えます。
健康保持・増進と生産性を向上する「7つの行動」を促します。それぞれ特定の健康課題と関連がありその職場・企業において解決したい課題に合わせて、課題解決のに効果のある行動を促すように環境を整えることが重要です。

経済産業省オフィスレポートより

健康経営オフィスとは、健康を保持・増進する行動を誘発することで、働く人の心身の調和と活力の向上を図り、ひとりひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できる場のことです。
WHO(世界保健機関)によると、「健康とは単に病気でないでない、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的そして社会的に完全に良好な状態」と定義されています。
健康経営オフィスも、単に疾病予防に貢献するだけでなく、従業員、そして企業がよりイキイキと活気溢れる状態へ導くことを目指しています。

健康オフィスの目的とは?

オフィス環境(空間・設備・情報・運用)を整備し、健康の保持・増進に繋がる7つの行動を誘発することは、それぞれの健康状態に影響し、最終的にはプレゼンティーズム(健康問題による出勤時の生産性低下)やアブセンティーズム(健康問題による欠勤)の解消に結び付くことが明らかとなっています。
【プレゼンティーズムとは、欠勤にはいたっておらず勤怠管理上は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下している状態、アブセンティーズムは健康問題による仕事の欠勤(病欠)を意味しています。】

健康オフィス「7つの行動」

快適
  1. 快適性を感じる
  2. コミュニケーションする
  3. 休憩・気分転換する
  4. 清潔にする
  5. 適切な食行動をとる
  6. 体を動かす
  7. 健康意識を高める

快適性を感じる

職場で快適性を感じながら仕事をする事は運動器感覚器障害メンタルヘルス不調ストレス性内科疾患の予防改善につながります。
周囲の人との距離感を適切に感じれるようなスペースを確保した上で、体格にあわせて調節できる家具や設備を整え、遮光・換気・植木など工夫をして五感で快適さを感じれるすると良いでしょう。

コミュニケーションをする

業務上で必要なものだけではなく、挨拶をする・笑う・感謝をすると言ったインフォメーションフォーマルなものも含めて適切にコミュニケーションすることは、メンタルヘルス不調ストレス性内科疾患の予防改善につながります。
仕事にも食事や休憩にも使えるカフェなどを設ける・他同僚の仕事内容や隣を理解するための情報掲示板やデジタルサイネージを活用する・部署や職位を横断したメンバーで行う掃除など設備は運用を工夫するとよいでしょう。快適性

休憩気分転換をする

昼休みなどの決まった休憩をきちんと取ったり整理整頓などの作業で気分転換を図ったりすることはストレス性の疾患の予防改善につながります。
その後の作業効率を高めるためにも昼寝マッサージなどを取り入れて積極的に疲労を回復すると良いでしょう。また時々雑談する・少しの間離席などをするなどの行動をためらわないような環境や雰囲気づくりもあると良いでしょう。マッサージ

体を動かす

長時間の連続座位を避け、歩いたり階段を利用したりして仕事中に体を動かすことは運動器感覚器障害との生活習慣病の予防改善につながります。
デスクワークや打ち合わせを立って行えるような机を導入したり自然と歩数が増えるように通路やプリンターなどの配置を工夫するほか休憩のついでに軽い体操やストレスができるような場所を設けるのも良いでしょう。運動

適切な食行動をとる

できるだけ身体に良い飲み物や食べ物を適当な感覚で取ることは生活習慣病の予防改善につながります。
職場で提供するメニューは健康意識を向上させるように内容とともに情報提供にも工夫をすると良いでしょう。また食事の間隔を開けすぎないようにコミュニケーションや休憩も兼ねて適量の間食を取れるような場所もあると良いでしょう。栄養

清潔にする

快適で衛生的な職場をするためにまず分煙ををした上で身の周りを掃除したり手洗いうがいをきちんとしたりすることは感染症アレルギーの予防改善につながります。
出入り口やトイレには衛生用品を常備し清潔を保つための行動呼びかける情報提示もをすると良いでしょう。分煙

健康意識を高める

健康意識を高めることは健康づくりの基本です。職場においても日常的に健康情報に触れられるように情報提示配信などの仕方を工夫すると良いでしょう。
また検診以外でも自分の健康状態を確認できるよう休憩スペース等に測定機器を置くのも有効です。健康意識

7つの行動を中心とした活動の前提には、従業員の安全性や快適性を守るための労働安全衛生にかかる種々の環境基準やガイドラインも併せて満たすように配慮することが大切です。

働きやすさをチェックする経営チェックポイント

働き方 健康オフィスの7つの行動と合わせて必要なのが働きやすさをチェックする経営チェックポイントです。
それは、従業員の実質的な働き方です。
労働環境の最低限の基準は法律で定められていますが、最低限の基準で喜んで働く人はいません。制度によって法令の基準以上の労働環境を整備してもそれは表面的なものとなります。実質的な働きやすさの評価のポイントは次のポイントでチェックすることを行います。
  • 従業員が職位や立場の違いを超えて気軽に意見表明や改善を提案できている環境か?
  • 従業員が職位や立場に関係なくお互いを尊重しているか?
  • 組織が責任をもって従業員に業務方法を教えているか?
  • 賞罰が明示された基準に基づき一貫して行われているか?
本当に活力のある組織を作るには、従業員間の人間関係やコミュニケーションのあり方を含め、実質的な働きやすさの向上に取り組む必要があります。

人材確保の安定性をチェック

人材確保 人材確保の安定性をチェックする経営チェックのポイントは安定的な人材確保ができているかどうかです。企業は継続することが前提の組織でありそのためには経済的価値と社会的価値の追求が必要です。しかしその追求プロセスの中で企業を構成する人材は定年などの利用で去っていきます。
価値追求の担い手がいなくなれば企業は継続できなくできないため人材確保の安定性は重要な経営課題となります。
人材確保の必要条件は職務にふさわしい給料ですが、その安定性の向上のためには次のような十分条件が不可欠です。
  • 自社が地域社会で認知され良好な関係にあるか
  • 働く人の視点で必要かつ正確な情報を開示しているか
人材の確保は地域社会に自社を知ってもらうことから始まりです。
遠方からの採用は人材の高まりを学んできます。またテレワークは困難であれば長時間の通勤時間が働く人のライフプランを大きく制限します。ライフプランを制限する測り方は働きがいのある人間らしい雇用働き方の実現を妨げることにもなります。ライフプラン
だからこそより近くで人材を確保する必要があり、そのためには地域社会で自社の認知を高め良好な関係を築く必要があるのです。さらにに働く人の視点で必要かと正確な情報開示しなければ、入社の意思決定を後押しできないどころかそもそも求職者の選択肢にはなりません。景気の動向にかかわらず企業の継続には一定の人材が必要です。人材確保の安定性向上には地域との関係と生徒相手の立場に立ったせいですのコミュニケーションが重要となるのです。人材確保

まとめ

従業員が健康でいきいきと働ける職場環境を構築していくうえで、会社はお金や設備、人材など、限られたリソースによって改善を図らなければいけません。より効率的に職場環境改善をすすめていくためには、解決すべき課題を特定し、必要な解決策を見極めて施策を展開することが重要です。また、他の健康経営施策と同様に、職場環境改善も施策実行だけにとどまらず、その後の検証や改善を含むPDCAサイクルとして継続的に活動を続けることが重要です。
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