- 健康経営
- 2021.07.31 (最終更新日:2022.03.26)
ヘルスケアイノベーションは日々更新されている
- 目次
聞きなれないヘルスケア産業の現在
健康経営を考えている、もしくはすでに健康経営を取り組んでいる企業であれば、ヘルスケア産業は気になる業界の一つです。この業界はこれから革新されていく分野として注目されています。例えば「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト」(経済産業省主催)が毎年行われているのをご存知でしょうか?今年の2月の発表で6回目となりました。また夏には7回目の募集が始まる予定です。
その他にも経済産業省が行っている次世代産業課ヘルスケア産業チームが行っていることがあります。今回はヘルスケア産業の最前線として、このチームが行っていることをご紹介していきます。
その他にも経済産業省が行っている次世代産業課ヘルスケア産業チームが行っていることがあります。今回はヘルスケア産業の最前線として、このチームが行っていることをご紹介していきます。
自治体とヘルスケアベンチャー企業の連携事業
健康経営は企業の働き手の健康を考える経営方法ですが、自治体が市民の健康を考える動きも出てきています。そこで行っているのが、自治体とベンチャー企業が協力して、その地区に住んでいる人の健康を考える事業です。すべての自治体が行っているわけではありませんが、未来を見据えた行動を取っています。
また、自治体とヘルスケア関連のベンチャー企業がどこで知り合ったかと言うと、経済産業省関東経済産業局がマッチングの場所を設けた場所です。こちらも定期的に行われており、流れとしては先に自治体がエントリーを行い、そのエントリーした自治体を見てヘルスケア関連のベンチャー企業がアプローチをして、健康の予防・ケアを一緒に取組んでいくというもの。
では実際にどういったものがあるのかをいくつかご紹介します。
また、これから取り組もうとしている自治体とベンチャー企業も紹介します。
また、自治体とヘルスケア関連のベンチャー企業がどこで知り合ったかと言うと、経済産業省関東経済産業局がマッチングの場所を設けた場所です。こちらも定期的に行われており、流れとしては先に自治体がエントリーを行い、そのエントリーした自治体を見てヘルスケア関連のベンチャー企業がアプローチをして、健康の予防・ケアを一緒に取組んでいくというもの。
では実際にどういったものがあるのかをいくつかご紹介します。
豊中市とCureApp
この二つの団体が協力して行っているのは「卒煙」です。タバコは喫煙者も喫煙者の周りにいる人の健康を阻害するものと言われています。ですが、タバコには中毒性があるため、習慣的に吸っている人にとって、禁煙をすることはとてつもないストレス不可がかかります。そこでスマホアプリ「ascure卒煙プログラム」を活用し「とよなか卒煙プロジェクト」を立ち上げて、豊中市に住んでいる人、豊中市で働いている人に対して実施を行っています。鎌倉市とエクサウィザーズ
こちらが行っているのは健康維持・介護予防をはじめとしたプロジェクトです。株式会社エクサウィザーズが開発しているAI技術を使い、介護に関する様々な課題解決を行っています。またコロナ禍における問題にも追加取り組みとしてプラスしています。これらは鎌倉市に住んでいる人であれば無料で使うことができるものです。葉山市とglobalhealth
こちらではフレイル予防への取組を行っています。超音波筋肉測定器を使って、筋肉状態や運動効果の見える化を行ったりしています。これを行うことで、参加者のモチベーションアップや高齢者の通いの場への参加率を上昇させ、介護保険料の削減につなげています。また、これから取り組もうとしている自治体とベンチャー企業も紹介します。
八王子市と株式会社べスプラ
こちらでは健康無関心層が多い高齢者に無理なく楽しめる形で自分の健康を守れる仕組みを八王子市が求めていました。そこへべスプラが「健康管理」「健康ポイント」「コミュニケーション」をテーマとした人生100年時代の先駆けとなるモデルを提案。脳にいいアプリと健康ポイントサービス(ポイントは、歩いたり、食事をしたり、脳トレをしたり、ボランティアをしたりするともらえる)のモデルの構築を行っています。藤枝市とシルタス株式会社
こちらでは健康課題の1つである高血圧の改善に向けて何かできないかと藤枝市が求めていました。そこで、藤枝市・静鉄ストア・静鉄鉄道が連携し、さらにシルタスが中に入り、住民の購買履歴から栄養傾向が分析できるアプリ「SIRU+(シルタス)」を導入。これにより、購買履歴から栄養バランスを分析し、足りない栄養素を補う健康アドバイスを実施しています。現在は、健康アドバイスがあることで、住民の行動変容に繋がっているかを検証中です。西東京市・府中市とエーテンラボ株式会社
こちらではコロナ禍の外出自粛の影響で高齢者の運動・社会参加の機会が減少しフレイル(虚弱化)の進行の懸念を改善したいということを求めていました。そこでエーテンラボは習慣化アプリ「みんチャレ」を提供。健康のために自分で続けたい目標、例えばウォーキングなどを一人ではなく、誤認のチームで励まし合いながら生活習慣の改善を続けることができるアプリです。誤認のチームはスマホで繋がっており、コロナ禍においても不安や孤独が解消されるという面もあります。介護事業者とヘルスケアベンチャー企業の連携事業
ベンチャー企業と共同で行っているのは自治体だけではありません。介護事業者とヘルスケアベンチャー企業とのコラボも始まっています。例えば、介護施設での職員は体力仕事と言われています。それらを軽減するためのIoT機器等の導入をし、さらに機械で管理・記録もできるためトータル的に介護現場での負担を減らすことができます。
またデイサービスを利用している方の運動不足解消・身体機能低下防止を支援するための運動マニュアルを無期限で無償提供したり、オンラインで介護スタッフと利用者をつなぐことができるオンラインプロジェクトを行っているところもあります。
その他、デイサービスで使用している送迎者を、AIを利用して通所者送迎の配車計画作成を支援し業務の効率化をはかったり、送迎業務のついでに交通弱者(高齢者など)の移動支援をしたりしている。
ヘルスケア産業は、企業だけではなく様々な業種や団体の人たちと手を取り合って開発が進んでいます。
またデイサービスを利用している方の運動不足解消・身体機能低下防止を支援するための運動マニュアルを無期限で無償提供したり、オンラインで介護スタッフと利用者をつなぐことができるオンラインプロジェクトを行っているところもあります。
その他、デイサービスで使用している送迎者を、AIを利用して通所者送迎の配車計画作成を支援し業務の効率化をはかったり、送迎業務のついでに交通弱者(高齢者など)の移動支援をしたりしている。
ヘルスケア産業は、企業だけではなく様々な業種や団体の人たちと手を取り合って開発が進んでいます。
他にもまだまだあるヘルスケアベンチャー企業のサービス
これまで紹介したヘルスケアベンチャー企業のサービスの他にも、まだまだ発表しているものがあります。それらはジャンルに分けられており、予防のカテゴリでは「健康増進・重症化予防・介護予防」「市民・在留外国人向け遠隔医療相談」、診断・治療のカテゴリでは「医療機関向け業務改善」、ケア(生活支援)のカテゴリでは「見守り支援」「高齢者移動支援」「介護事業者向け業務改善」があります。この中でも一番多く開発されているのが最後の「介護事業者向け業務改善」で様々な角度から介護事業者をサポートするサービスが生まれています。また、一般の企業でも相性が良さそうなサービスは予防のカテゴリの中にあるものです。いくつか紹介します。
企業と相性がいいサービス1
株式会社PREVENTが作っている「Mystar」。これは欠陥病の発症予防、生活習慣病の重症化予防を目的とした生活習慣改善支援プログラムのアプリです。スマートフォンアプリと専用機器を使ってライフログを見える化したり、完全オンラインでの重症化予防を実現したり、医療専門スタッフとマンツーマンによる改善支援などをしてくれます。実際に、2019年12月時点で全国の健康保険組合の83か所と契約をしており、幅広く使われています。このプログラムは「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2018」でも優秀賞を受賞しています。企業と相性がいいサービス2
アルケア株式会社が整形外科Dr監修のもとに開発をした、運動器の障害リスクの早期発見及び予防・改善のための行動変容プログラム。日本整形外科学会が策定したロコモ(運動器の障害)度を判定するテストやリスクを判定し、結果に基づく個別の運動処方を実施しています。また歩き続けるための身体づくりとして「あしの健康教室」を行ったり、移動困難者に対しては電話でのサポートをしたり、ロコモ予防サポートツールを提供しています。企業と相性がいいサービス3
Ubie株式会社が開発した「AI問診Ubie」。これは一般向けではなく、医療機関向け業務効率化サービスとして生まれました。コロナ禍における院内感染対策としても使えるように全国の医療機関に提供しています。2020年4月から患者が自宅などからスマホやPCで事前問診ができるようになり、電子カルテと連携できるようになっています。問診時には、患者が答えた内容に対してAIが適切な質問を投げかけてくれるため、医者が問診をするのと同じような効果を得ることができます。現在、200施設以上で導入されています。ヘルスケア産業は企業の課題解決にも役立つ
ここまで紹介してきたのは自治体や介護事業者とベンチャー企業とのコラボによって生まれたプロジェクトです。ですがこれは、自治体や介護事業者がどういった課題があるということを把握したうえで、課題解決のためにベンチャー企業が考えシステムが生まれています。つまり、健康維持・健康増進・健康改善を目指すのであれば、今何を課題としているのかがわかっていないといけないということです。
ヘルスケア産業は伸びて来ているところのため、この先も様々なサービスが生まれてくるでしょう。ですが、そのサービスを使う側がただ便利だから使ってみようというだけでは、健康維持・健康増進・健康改善につながるかと言うと怪しいところです。
ベンチャー企業やヘルスケア企業も、使い手のことを考え開発をしていますが、その場所にぴったりと合ったサービスは、その場所がきちんと課題定義をしないとできません。
健康経営を行っている企業や、ホワイト企業と呼ばれている企業が、まず最初に行っていることは社員へのアンケートや健康診断結果のまとめです。A社が抱えている健康問題、B社が抱えている健康問題は、例え同じ年代の人が働いている企業であっても違うものです。
自社の課題をあぶりだしたうえで、ヘルスケア産業のサービスを見ていくと、自社にぴったりのものが見つかるかもしれません。健康経営はそこから始まります。
ヘルスケア産業は伸びて来ているところのため、この先も様々なサービスが生まれてくるでしょう。ですが、そのサービスを使う側がただ便利だから使ってみようというだけでは、健康維持・健康増進・健康改善につながるかと言うと怪しいところです。
ベンチャー企業やヘルスケア企業も、使い手のことを考え開発をしていますが、その場所にぴったりと合ったサービスは、その場所がきちんと課題定義をしないとできません。
健康経営を行っている企業や、ホワイト企業と呼ばれている企業が、まず最初に行っていることは社員へのアンケートや健康診断結果のまとめです。A社が抱えている健康問題、B社が抱えている健康問題は、例え同じ年代の人が働いている企業であっても違うものです。
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