健康経営と食生活の関連性は？健康な生活のために意識するポイントについて

目次

• 健康経営に「食」の観点は欠かせない
• なぜ健康経営と食生活が関連するのか？
• 健康を意識した食生活をしないことで考えられるデメリット
• 健康的な食生活のために必要なことは？
• 企業として行える食生活に関する取り組みは？
• まとめ

健康経営に「食」の観点は欠かせない

企業において重要な施策である健康経営、その取り組みの中でも重要視されるのが「食」に関する観点です。
健康な生活を送るために必須である、食生活の管理。
忙しさにかまけて簡単に済ませてしまったり、そもそも食事に対する意識自体が低くなってしまっている方も多いのではないでしょうか。
また、健康経営についての取り組みを導入・検討している企業が増えていますが、健康のルーツといってもいい食生活に関する取り組みについては徹底できていない、もしくはそもそも取り組み自体行えていないという企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康経営の観点でも非常に重要となる、食生活に関する取り組みや食生活に関する意識について解説していきましょう。

なぜ健康経営と食生活が関連するのか？

従業員が健康な体で業務に取り組むためには、食生活の改善や管理が欠かせません。
食生活が乱れてしまうと、体が持つ免疫機能が弱まることで風邪をひきやすく、生活習慣病を発症するリスクも高まってしまいます。
これにより、企業側にも医療費の負担や欠勤率・離職率の増加にもつながるため、健康経営において食生活が重要であることがわかるでしょう。
実際、健康リスクと生産性の関係性に関するデータを見た時、その中の半分を閉めているのが肥満や栄養バランスなど、食生活に関連することでした。
また、農水省が食生活に関する意識調査を行ったところ、20〜40代の男性の50%・20代の女性の40%が、健康な食生活を「心掛けていない」と回答しています。
これらのデータからも、企業の取り組みとして健康的な食生活を推進していくことが必要だと判断できるでしょう。
効率的・生産的な業務を遂行するためにも、従業員の健康管理を食の視点から行っていきましょう。

健康を意識した食生活をしないことで考えられるデメリット

健康経営において食生活の意識が重要になることはわかりましたが、反対に健康を意識しない食生活を続けると、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
まず考えられるのが、先ほども少し触れたように、免疫力の低下や病気を発症するリスクが高まることが考えられます。
不規則な食生活を送ることで肥満や高血圧・糖尿やアルコール依存症など、食に関連する病気は非常に多いため、これらを予防する意識を持ちながら日々生活しなくてはなりません。
食生活の乱れはそのまま病気の進行につながる、と考えると非常に怖さを感じる方がほとんどではないでしょうか。
また、食生活の乱れが原因で体調を崩してしまうと、業務を行う上で重要なパフォーマンス能力が下がってしまうことも考えられます。
例えば、過度に食べすぎて肥満になり、動くことが億劫になってしまって外回り営業に影響が出たり、反対にあまり食べていないことで栄養不足になってしまい、業務中もぼーっとして思うように作業が進まなかったりということが発生します。
また、食生活の影響で体調が乱れて出勤できなくなったり、そのまま離職につながってしまう可能性も0ではありません。
このように、健康を意識した食生活を行わないことは、体に悪影響があるだけではなく、健康的なワークライフを崩してしまうことも想定できます。
そのため、働き盛りの方にとっては非常に重要な観点であり、企業としても、従業員の食生活の把握・管理は非常に重要な観点であることがわかるでしょう。

健康的な食生活のために必要なことは？

では、日常的に意識できる、健康的な食生活を送るために必要なことについてご紹介します。

1日3食を心がける

健康的な食生活のために何より大切なことと言っても良いのが、規則正しく1日３食を心がけることではないでしょうか。
特に、忙しい・ゆっくり寝ていたいという理由から、朝食を抜いてしまう方は非常に多いのではないでしょうか。
朝食を抜いてしまうと、脳を働かせるためのブドウ糖が不足して脳がうまく機能せず、記憶力や集中力が低下してしまいます。
脳のエネルギー源となるブドウ糖は、睡眠中にも消費されているため、朝起きた段階では不足しています。
そのため朝食を摂らないということは、エネルギー不足のまま仕事に行ってしまうことと同じということになります。
また、体内時計の調整のためにも朝食が重要な役割を持ちます。
1日の活力のスタートを朝食でまかない、昼食・夕食で補填するような意識を持っておくと、朝食に対する意識も高まるかもしれません。

間食・暴飲暴食をしない

健康的な生活のためには、食べることが重要になることはわかりましたが、かといって食べすぎてしまうのはNGです。
間食や暴飲暴食が続くと、肥満や高血圧になってしまい、そのまま生活習慣病を発症してしまう可能性があります。
生活習慣病は、名称の通り日常生活においての習慣が原因となるものがほとんどであるため、誰もが行う食事という「習慣」にも大きく関連することがわかるでしょう。
間食や暴飲暴食が原因で食生活が乱れ、健康に影響が出てしまうと、パフォーマンス能力に影響が出ることも考えられます。
そのため、やはり規則正しい食生活が健康経営においても重要であることがわかります。

栄養バランスの取れた食生活

1日3食を心がける・間食と暴飲暴食をしないと心掛けても、忙しさの中ではなかなか意識しきれず、栄養バランスの観点が疎かになってしまうことが考えられます。
特に野菜不足になってしまうことが懸念されます。
野菜不足だと、ビタミンやベータカロテン・ポリフェノールが不足してしまい、生活習慣病の発症を抑える「活性酸素」が十分に確保できません。
野菜が摂れていないことで考えられる生活習慣病は、糖尿病や高血圧などで、さらにそれが進行してしまうとガンや脳卒中など、重大な病を発症する可能性があります。
積極的に野菜を摂ることで栄養バランスが保たれるため、日頃から食事に野菜を取り入れる意識を高めておきましょう。

企業として行える食生活に関する取り組みは？

最後に、健康経営に導入できる食生活に関連する取り組みをご紹介します。

社員食堂の導入

社員食堂を導入することで、社内で栄養バランスの取れた食事ができるようになります。
導入にはコスト・時間がかかってしまいますが、企業ごとのオリジナルメニューなど、独自性を出しやすいといったメリットがあります。
また、社員食堂は福利厚生として魅力的なポイントとして見られる傾向にあるため、健康経営に配慮した会社であると求職者からの評価が高まる可能性も期待できるでしょう。

宅配弁当業者と提携

最近では、さまざまな飲食店が宅配業者と連携をしています。
コロナ禍においても便利なサービスですが、好きなものを好きなだけ頼めてしまう側面もあるため、栄養バランスなどの点で不安があります。
企業としての取り組みで宅配業者と連携することで、社員食堂と同様、栄養バランスのとれたお弁当などを宅配できます。
あくまで健康的な食生活を企業でサポートするためのものであると前提した上で導入しましょう。

朝食を摂る習慣をつける取り組み

先ほども触れましたが、朝食は1日の食事の中でも重要なポジションであるにも関わらず、摂らずにいる方も多いのが現状です。
会社で簡単な朝食を摂れるような取り組みを導入することで、普段朝食を摂らない方でも自然に取り入れられるようになるでしょう。
自動販売機の内容を充実させる
日々の業務が忙しく、食事の時間が惜しいという方が多い企業に特におすすめなのが、自販機の内容を充実されるということです。
最近ではパンやおにぎりなど、手軽に食べられるものを販売している自販機も多く見られます。
社内に導入すれば、外回りの前の空き時間に簡単に済ませられたり、それこそ朝食を時短で摂るのが可能です。

外部の専門家に協力を得る

健康経営に食に関する取り組みを導入したい！と思っても、何から始めていいのかわからないという悩みも多いでしょう。
そんな時はいっそ、外部の管理栄養士などに協力を得ましょう。
専門的な視点で食に関する取り組みを考案することで、企業としての方向性とマッチングさせた上で効果的に実践できます。

その他手軽に行える取り組み

上記に紹介した取り組み以外にも、手軽に行える取り組みがあるのでご紹介します。
例えば、旬のフルーツなどを従業員に提供する「フリービタミン制度」や、日頃接点のない従業員同士で食事をする「シャッフルランチ」の導入などが挙げられます。
また、食生活に関する知識を共有できるポスターを貼り付けたり、食生活改善用のアプリを作成したりと、さまざまな取り組みの例があります。
それぞれの企業の方向性に合わせた取り組みを実践しましょう。

まとめ

今回は、健康経営にも大きく関わる食生活の重要性について触れてきましたが、いかがでしたか？
健康で豊かな気持ちで業務に取り組むには、食生活の観点から見直し、整えていく必要があります。
個人で意識して改善できないわけではありませんが、健康経営の取り組みとして実践する方が、社内全体の意識が向上しやすいでしょう。
費用をかけずに手軽に行える取り組みも多いため、ベンチャー企業でも取り組むことが可能です。
食生活に関連した健康経営の取り組みを実践したいと考えている企業の方は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。