- 健康経営
- 2022.02.11 (最終更新日:2022.03.27)
テレワーク時代における健康経営とは?主な課題や取り組み事例をご紹介
テレワーク時代における健康経営の在り方
新型コロナウイルスの流行に伴い、テレワークを導入した企業が増加しまし、健康経営への取り組みの変化も求められています。
新たに生じた課題に対して、従業員の健康管理を行うことが難しくなったと感じる企業が多い傾向にあります。
この記事では、テレワーク時代において重要視される健康経営のあり方を、さまざまな観点から紐解いていきましょう。
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健康経営が困難な理由とテレワークとの繋がり
健康経営が困難になった理由には何が挙げられるでしょうか。
理由1:健康状態の把握ができないから
テレワークにより、従業員の健康状態を把握できないと感じる企業が多く存在します。
通常は早退や欠勤率から健康状態を可視化できますが、テレワークだと、体調が優れなくても仕事を続けてしまったり、従業員が無断で休憩時間外に休息していたりなど、働いている様子が見えにくくなるのも事実です。
結局、企業側が従業員の健康状態が悪化してから気付くことになり、対策を取りづらい点が問題視されています。
理由2:心の変化に気づきにくいから
身体上の問題だけでなく、メンタルヘルスの管理も難しいのがテレワークにおける課題です。
オフィスに出社していれば、従業員の顔色や表情が直接見えるため、ちょっとした心情変化を察知できます。
一方で、チャットツールやWEBミーティングのみのやり取りだと、このような些細な変化を見逃しやすくなってしまいます。
実際に、コミュニケーション不足を問題視している企業も増加傾向です。
特に、入社した時からテレワークに切り替わった新入社員の場合、上司に気軽に連絡を取れずに1人で不安や悩みを抱えてしまうケースも見受けられるため、新人社員を含めた従業員全員のメンタルヘルスを守る対策が必要です。
理由3:隠れ長時間労働が生じやすいから
テレワークの導入によって「隠れ長時間労働」が問題視され始めました。
私生活と仕事の切り替えが難しいため、規定の労働時間を超えて働いてしまう従業員が増加しています。
また、テレワークだと残業申請を行えない企業もありますが、今までと仕事量は変わらないため、サービス残業が発生するケースが見受けられています。
このように企業による勤怠管理が課題として挙げられているのが現状です。
こちらの記事では、今だからこそ求められる新しい働き方について紹介しています。ぜひ参考にしてください。
コロナ禍における健康課題
ここでは、コロナ禍において問題視されている健康課題についてご紹介します。
運動量の低下
オフィスに通勤する場合と、テレワークにおける勤務を比較すると、運動量に大きな差が見られます。
オフィスへの出社を前提にすれば、会社までの通勤や休憩時の移動など、消費エネルギーの合計は400kcalを超えるとされていますが、テレワークの場合、消費エネルギーの目安はわずか50kcal程度です。
1日単位で考えるとそこまで大きな問題としては捉えられませんが、1ヵ月単位で換算すると、約7,000kcalもの差が生じています。
また、運動量が低下することで、生活習慣病を発症するリスクも増加するため注意が必要です。
孤立感の増大
テレワークの場合、世間話などの気軽な会話が生まれにくいため、コミュニケーションの機会が減少し、孤独感に悩まされる従業員が増加する傾向にあります。
従業員同士のコミュニケーションの機会が損なわれると、心情的変化にも気づきにくくなります。
また、テレワークはチャットツールによるコミュニケーションがメインであるため、表情や感情が伝わりづらく、従業員同士の意思疎通が困難です。
そのため、ストレスやメンタルヘルスの変化にも気付きにくくなります。また、上司にメッセージを打つときに、必要以上に気を遣ってしまいストレスを感じる従業員も増えています。
肩こり・腰痛の発症
オフィスで勤務している場合、休憩や会議室の移動で体を動かす機会がありますが、テレワークの場合は、体を動かす機会がほとんどありません。
そのため、肩こりや腰痛を発症しやすくなってしまいます。
さらに、オフィスにはデスクワーク用に高さ調整できるチェアが用意されていますが、自宅だとこのようなアイテムが備わっていないことが多いため、不調を引き起こしやすい環境だと言わざるを得ません。
コロナ禍における健康経営の取り組み
コロナ禍においてテレワークを導入する企業には、新たな健康経営に対する取り組みが求められています。この章では、企業が実際に行っている取り組みを紹介します。
健康診断の実施
コロナ禍でなくても、健康診断の受診を定期的に行うのが一般的ですが、検診場所での感染リスクを懸念している企業も少なくありません。
健康診断は、密集空間の回避やマスク・消毒の徹底、体温測定など、感染対策をしっかり行ったうえで実施しましょう。
また、予防接種を受けられるようにすることで、感染症リスクの低減も可能です。
オンラインセミナーの開催
現在は、オンラインセミナーでコロナ禍における健康被害や、対策方法などの教育を行っている企業も増加しています。
健康に関することだけでけなく、デジタル上のコミュニケーションの在り方など、幅広いコンテンツが用意されています。
eラーニングシステムを導入しているケースも見受けられ、業務変革に対する教育を行えます。
特に、コロナ禍で不安を抱えやすい新人に対して、研修の一環としてオンラインセミナーを行うことで、テレワークにおける働き方を事前に確認できます。
健康管理アプリ
個人単位ではなく、企業単位で健康管理アプリを導入することで、従業員の健康状態の可視化が可能です。
健康状態を記録できるクラウドシステムを導入すれば、日・週・月ごとのデータをグラフ化することで、健康上の問題における早期発見が期待できます。
他にも、活動量計、血圧計、体重・体脂肪の記録、食事管理・レシピ管理など機能は様々です。アプリに記録されたデータを見ることで、健康意識の改善も可能です。
ウェアラブル機器
ウェアラブル機器とは、健康管理を行える電子機器で、Apple Watchなどがその代表的なものに挙げられます。
ジョギングやウォーキングの距離やスピードを測ったり、消費カロリーを計算したり、スポーツやダイエットなどに多く用いられます。
テレワーク時の活動量を可視化させることで、従業員が持つ健康意識の向上が可能です。そのため、現在は企業が従業員に着用を推奨するケースが増えてきています。
医師や保健師へのオンライン相談
健康に関する悩みを、専門的な知識を要する医師や保健師へ相談できる環境を整えることが大切です。
コロナウイルスの流行によって、医療機関に足を運ぶのを躊躇している従業員が増えています。
そこで、従業員が気軽に健康相談ができるよう、オンライン上で相談できるシステムを整備することが求められています。
LINEなどのチャットツールや、Zoomなどのビデオ通話を利用して、遠隔医療サービスを提供している医療機関を利用しましょう。
ITツールの整備
テレワークにおけるコミュニケーション不足を解消するために、オンライン上でコミュニケーションを取れるツールを完備する必要があります。
対面ではありませんが、現在はTeamsやZoom、Google MeetやLiveCallなど、従業員同士がお互いの顔を見られるビデオチャットツールを導入している企業が多くなっています。
また、チャットツールに関しても、SlackやChatwork、LINE WORKSなど、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。
スポーツジムの会費補助
テレワークによる活動量の低下を改善するために、企業がスポーツジムの会費を補助することで、運動量の向上が期待できます。
スポーツジムにかかる費用が高く、なかなか行動に移せないという従業員も多いため、企業が会費の一部を負担することで、フィットネスケアを開始できる従業員が増えるでしょう。
他にも、ラジオ体操やヨガ教室の開催など、ヘルスケアの機会を積極的に提供することが重要視されます。
まとめ
今回の記事では、テレワークにおける健康経営の在り方や、新型コロナウイルスの流行に伴って、問題視されている健康課題について詳しく解説しました。
テレワーク時代において、健康経営を目指すことに対して困難に感じる企業が増加傾向にあります。
運動量の低下、孤立感の増大、肩こり・腰痛の発症など、コロナ禍における健康被害は増加しているのが現状です。
そのため、テレワークを実施している企業は、オンラインセミナーの開催や、健康管理アプリ、医師や保健師へのオンライン相談など、健康経営に対する新しい取り組みを行う必要があります。
臨機応変に状況に対応し、従業員の健康を守ることが大切です。
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