- 健康経営
- 2021.07.04 (最終更新日:2022.03.26)
働き方改革でホワイト企業になった会社とそれまでの会社との違い
働き方改革前にはたくさんあったブラック企業
働き方改革という言葉に、ネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。経営者も働き手も、働き方改革が行われる前と後では、働き方を変える必要が出てきたので、そう思ってしまうのは仕方のないことです。人は自分で改革を行って、変わっていく事に対しては抵抗はありませんが、人に言われて強制的に改革されることを喜んで受け入れる人は少ないからです。とはいえ、働き方改革は行われ、法律として働き方改革での決まり事を破った企業は罰則が加えられることになっています。
そんな働き方改革ですが、この改革が行われることになったのは、日本が超高齢化社会になった時に、働ける人を増やしたい、健康寿命を延ばしたい、医療費の削減をしたいなどの想いもありますが、それがなかったとしても、各企業は多くの問題を抱えており、すでに倒れる寸前だったともいえます。
働いている人たちも、自分の生活を豊かにするため、みんなの生活を豊かにするためという名目もありましたし、働いた分だけ給料をもらうこともでき、さらに終身雇用制だったので老後まで面倒を見てもらえるということもあって、頑張ることができたのです。ですが、日本の人口は減っていき、高齢者たちが増え、働き手の人口が減り、消費が減り、大量のものはいらずものに溢れ、状況が変わってきました。企業は保身を考えるようになり、終身雇用制ではなく、リストラを行うようになり、社員は使えなくなったら切り捨て状態です。
「これはブラックじゃない」「長時間労働してこそ労働者の鏡」そういった考えが、若い働き手を追い込み洗脳し、さらに若い世代にまで洗脳が続く負の連鎖が起きていたのです。これを止めるために考えられたのが、働き方改革です。
そんな働き方改革ですが、この改革が行われることになったのは、日本が超高齢化社会になった時に、働ける人を増やしたい、健康寿命を延ばしたい、医療費の削減をしたいなどの想いもありますが、それがなかったとしても、各企業は多くの問題を抱えており、すでに倒れる寸前だったともいえます。
かつてブラック企業が当たり前の時代があった
どういうことかというと、働き方改革が行われる前、ブラック企業といわれる会社が当たり前になってきていたからです。大企業もブラック企業ですし、中小企業もブラック企業。ホワイト企業と呼ばれる企業も、ブラック企業に比べればましという程度で囁かれていたぐらいです。ブラック企業と呼ばれる企業が増えたのは平成に入ってからですが、昭和時代の企業もほとんど同じことをしていました。日本の企業は、戦後、物が足りていなかったため、自分たちの生活を豊かにするため大量生産を行っていました。働き手もたくさんいたので、大勢で長時間労働をして大量に物を作っていたのです。その頃は、終電帰りや土日出勤が美徳とされ、風邪をひいても病気になっても働き続けることが、素晴らしいことでした。働いている人たちも、自分の生活を豊かにするため、みんなの生活を豊かにするためという名目もありましたし、働いた分だけ給料をもらうこともでき、さらに終身雇用制だったので老後まで面倒を見てもらえるということもあって、頑張ることができたのです。ですが、日本の人口は減っていき、高齢者たちが増え、働き手の人口が減り、消費が減り、大量のものはいらずものに溢れ、状況が変わってきました。企業は保身を考えるようになり、終身雇用制ではなく、リストラを行うようになり、社員は使えなくなったら切り捨て状態です。
長時間労働が美徳だった時代
企業自体が自分の命を削ってでも働き続けるだけの価値のある場所ではなくなってしまったのに、それでも命を削ることを強いてくるため、働き手はそういった企業をブラック企業だと思うようになった、という側面もあります。また、長時間労働が美徳だった時代の働き手と、現在の若い働き手が同じ職場におり、定年間際の労働者が若手に無理やり長時間労働の美徳を強いていることにも問題があります。「これはブラックじゃない」「長時間労働してこそ労働者の鏡」そういった考えが、若い働き手を追い込み洗脳し、さらに若い世代にまで洗脳が続く負の連鎖が起きていたのです。これを止めるために考えられたのが、働き方改革です。
働き方改革前の企業の当たり前と働き方改革後の企業の当たり前
働き方改革で変わった点はいくつかありますが、仕事をするうえで話題になった一つが「長時間労働の廃止」です。正規雇用での社員の勤務時間は7時間半から8時間が一般的です。ただ、残業を行うこともあり、部署によっては残業のない日はないというところもありました。
初めは、週に1度「ノー残業デー」を設けましょうという触れ込みがあり、いくつかの企業では実際に取り入れていましたが、ノー残業デーがあると、その前後での残業時間が増えてしまうというところがほとんどだったため、残業時間を減らすことには繋がりませんでした。
ですが、長時間労働による健康被害は年々増えていました。働きすぎによる過労死やノイローゼ、自殺者まで出てくるようになっており、一刻も早く改善をしなければいけない状況だったのです。ただ、そんな風に健康被害者が出ていても、経営者も従業員も「体を壊す人が悪い」「それぐらいで倒れるなんて、本人のメンタルの弱さが原因」と簡単に片づけてしまっており、問題視していないというところにも問題がありました。
そういう問題は、これまで理不尽な中で無理やり正当化して働いてきた自分を、みじめだと思いたくないという気持ちも心のどこかにはあるのでしょう。だからこそ、反発を買ってでも国が法律として決めてしまわないと改善できない問題だと判断したのです。
働き方改革での改革の項目が、どれも「当たり前」と思うようになれば、国に対してのネガティブな考えも消えていきますし、心と体が健康になっていくことで、以前の状態がおかしかったのだと気づくこともできます。
そんな中で、出てきたのが「ホワイト企業」です。働き方改革の前は幻だったホワイト企業が、幻ではなくなってきています。
初めは、週に1度「ノー残業デー」を設けましょうという触れ込みがあり、いくつかの企業では実際に取り入れていましたが、ノー残業デーがあると、その前後での残業時間が増えてしまうというところがほとんどだったため、残業時間を減らすことには繋がりませんでした。
経営者・従業員ともに「残業」がなくなると困るという現実
また「残業」が減らない理由として、経営者側からすれば無駄な残業はやめてほしいとは思うものの、成果物を締め切りに間に合わせたい(人員が少なくても)ため、残業をしてほしいと思っていますし、従業員側も必要な残業に追われている人もいるのですが、周りが残業をしているからという理由で残業をしていたり、残業代がないと給料が少ないからという理由で残業をしている人もいるため、経営者・従業員ともに「残業」がなくなると困るというのが、なくならない理由です。ですが、長時間労働による健康被害は年々増えていました。働きすぎによる過労死やノイローゼ、自殺者まで出てくるようになっており、一刻も早く改善をしなければいけない状況だったのです。ただ、そんな風に健康被害者が出ていても、経営者も従業員も「体を壊す人が悪い」「それぐらいで倒れるなんて、本人のメンタルの弱さが原因」と簡単に片づけてしまっており、問題視していないというところにも問題がありました。
そういう問題は、これまで理不尽な中で無理やり正当化して働いてきた自分を、みじめだと思いたくないという気持ちも心のどこかにはあるのでしょう。だからこそ、反発を買ってでも国が法律として決めてしまわないと改善できない問題だと判断したのです。
働き方改革が当たり前になると
国が労働時間に口出しをすれば、会社が悪い、従業員が悪いとは言わず、国が悪いと言えるというのも利点です。長時間労働ができなくなったのは国のせいなのですから、他の人のせいではないと納得できるため、いやいやでも従うことになります。働き方改革での改革の項目が、どれも「当たり前」と思うようになれば、国に対してのネガティブな考えも消えていきますし、心と体が健康になっていくことで、以前の状態がおかしかったのだと気づくこともできます。
そんな中で、出てきたのが「ホワイト企業」です。働き方改革の前は幻だったホワイト企業が、幻ではなくなってきています。
ホワイト企業の考え方
働き方改革前にも「ホワイト企業」と呼ばれる会社は数は少ないものの存在していました。ですが、働き方改革後に言われている「ホワイト企業」とは少し違います。働き方改革前のホワイト企業については、一番初めの項目でも書いた通り、ブラック企業に比べてましな会社という意味合いで使われていました。例えばブラック企業では、長時間労働をさせた挙句、残業代を全額払わなかったり、社員をノイローゼ状態に追い込んで使い物にならなかったら依願退職をさせたりということが普通に行われていました。そういったことをせず、長時間労働をさせても、残業代は全額払う、社員をノイローゼ状態に追い込んでしまったら見舞金を渡して休職してもらうという風習のある会社はホワイト企業だと言われていたのです。ブラック企業と呼ばれている会社に比べると、確かにましかもしれませんが、長時間労働はさせていますし、社員を追い詰めたりもしています。これが本当に「ホワイト企業」と呼べるでしょうか?
働き方改革前の会社は、腐食が激しく、従業員を人として扱っていないところが多かったということがわかります。ですが、働き方改革後に言われる「ホワイト企業」は違います。
ですが働き方改革後、ブラック企業のままではダメだ、ホワイト企業にならなければいけない、ホワイト企業とはどんなものなのか、ということを考える経営者が増えたことは確かです。まずは経営者が、これまでのブラック企業が当たり前という考えをなくすことで、日本の企業は生まれ変わることができます。
働き方改革前の会社は、腐食が激しく、従業員を人として扱っていないところが多かったということがわかります。ですが、働き方改革後に言われる「ホワイト企業」は違います。
厚生労働省が出すホワイト企業の指針とは
働き方改革後、厚生労働省はホワイト企業とはどういうものなのかという指針を出しました。実際にホワイト企業認定を行っています。ブラック企業じゃない会社はホワイト企業だと言っていた時代は終わったのです。ホワイト企業とはどいうことをしている会社で、どういうことをすればホワイト企業になれるのかという最低ラインの指針があるため、それを遵守しなければ「ホワイト企業」とは名乗れません。ただホワイトマーク(ホワイト企業)の認定をしているという認知度が、あまり高くないため知らない企業も多いというのが問題です。ですが働き方改革後、ブラック企業のままではダメだ、ホワイト企業にならなければいけない、ホワイト企業とはどんなものなのか、ということを考える経営者が増えたことは確かです。まずは経営者が、これまでのブラック企業が当たり前という考えをなくすことで、日本の企業は生まれ変わることができます。
健康経営を理解できるようになった人たち
働き方改革とほぼ同じ時にできたのが、経済産業省が認定している健康経営優良法人。健康経営はホワイト企業の認定を取るための一つの項目としても入っています。
健康経営の考え方は、これまで従業員が会社の駒の一つだと思っていた経営者にとって、その考え方とは全く違うもの。従業員を大切に育てるだけではなく、従業員の健康を考えた職場づくりを経営者が行うというものです。
働き方改革前、健康経営はそれほど浸透しませんでした。実際、健康経営は働き方改革前から存在しています。海外では1980年代から徐々に広がっていた経営方法です。そのため、経営者の中には「健康経営」をしている海外の企業もあるということは知っていたはずです。ですが、それを真似しようとはせず、よそはよそ、うちはうちという考えのもと、健康経営を取り入れませんでした。
つまり働き方改革を経て、経営者が健康経営の利点を理解できるようになってきたということです。
働き方改革で企業の在り方が変わり、ホワイト企業とはどういうものなのかを知り、健康経営の意味を理解するという流れが出てきています。今はもうブラック企業が当たり前の時代ではありません。ブラック企業はすたれ、ホワイト企業、健康経営が当たり前の時代になってきています。この先もどんどんとホワイト企業、健康経営をする企業は増えていくでしょう。
健康経営の考え方は、これまで従業員が会社の駒の一つだと思っていた経営者にとって、その考え方とは全く違うもの。従業員を大切に育てるだけではなく、従業員の健康を考えた職場づくりを経営者が行うというものです。
働き方改革前、健康経営はそれほど浸透しませんでした。実際、健康経営は働き方改革前から存在しています。海外では1980年代から徐々に広がっていた経営方法です。そのため、経営者の中には「健康経営」をしている海外の企業もあるということは知っていたはずです。ですが、それを真似しようとはせず、よそはよそ、うちはうちという考えのもと、健康経営を取り入れませんでした。
健康経営の利点を知る
それが働き方改革をきっかけに、日本の企業のありかたが変わっていくんだという方針を見て、これから企業が生き残っていくには健康経営をするのがいいのかもしれないと気づいた経営者が出てきました。つまり働き方改革を経て、経営者が健康経営の利点を理解できるようになってきたということです。
働き方改革で企業の在り方が変わり、ホワイト企業とはどういうものなのかを知り、健康経営の意味を理解するという流れが出てきています。今はもうブラック企業が当たり前の時代ではありません。ブラック企業はすたれ、ホワイト企業、健康経営が当たり前の時代になってきています。この先もどんどんとホワイト企業、健康経営をする企業は増えていくでしょう。
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