- 健康経営
- 2021.06.10 (最終更新日:2022.04.06)
仕事のパフォーマンスと上手に付き合うには。複数の視点を持つことが大切
- 目次
そもそもパフォーマンスとは
仕事の場面で、パフォーマンスと聞く機会が増えました。しかし改めてどのような意味があるのかと問われると、正しく答えられない人もいるのではないでしょうか。今一度、パフォーマンスの意味を確認しましょう。
会社では、主に以下の意味があります。
幅広く意味がある
パフォーマンスという言葉は、幅広い意味を持ちます。基本的には舞台や音楽などの演奏・演技といった意味で使われており、英語の「performance」が語源です。パフォーマンスに関する定義ははっきりしていないので、この言葉が使われる環境や状況によって意味が変化します。「パフォーマンスが向上した」と会社で使った場合、仕事ぶりが向上したとの意味にも捉えられますし、業績が向上したとの意味にも捉えられるわけです。会社では、主に以下の意味があります。
- 仕事ぶり
- 業績
- 売り上げ
- 能力
- 成績
コストパフォーマンスとは
コストパフォーマンスは近年、よく使われている言葉です。商品の価格の割に量が多かったり便利だったりするときに、コストパフォーマンスが高いと評価します。コストパフォーマンスが低いとは、商品の価格の割に量が少なかったりほとんど使えなかったりしたときに判断するわけです。コスパと略されることも多く、この言葉は商品の口コミサイトなどでよく使われています。会社にとっては適切にIT化を進めることや社員のやる気を高めることで、生産性が向上しコストパフォーマンスが良好になります。睡眠不足はパフォーマンスに悪影響である
パフォーマンスの低下に自分では気づけない
ある実験で、自分のパフォーマンスが低下していることに気づきにくいことが分かりました。この実験では2通りのグループを準備し、グループAには6時間睡眠を取ってもらい、グループBには3日間徹夜してもらったのです。実験の結果、グループAは強い眠気を感じなかったものの、グループBは強い眠気を感じました。ところが、実際のパフォーマンスは低下を続けていたわけです。このことから眠気の感じ方は変わらなくても、パフォーマンスの低下と睡眠不足は比例することが分かります。自分では眠くないからまだ仕事ができる、と感じていても、実際には眠気に対して鈍感になっているだけかもしれません。仕事をしていて自分のパフォーマンスに変化はないと感じていても、実は低下していることもあるわけです。
睡眠不足の影響は蓄積する
睡眠不足の影響は、身体に蓄積していきます。6時間しか睡眠しない状態を2週間続けると、1日徹夜したときと同様にパフォーマンスが低下するわけです。これを睡眠負債といい、睡眠不足が慢性的に身体へ蓄積することを指します。睡眠不足が数週間続けば、自律神経のバランスが整わないために高血圧になりやすいです。数ヶ月溜め込めば、ホルモンバランスの乱れが発生し糖尿病や肥満になる危険があります。睡眠不足が数年続くと、セロトニンなどの物質が減少するので抑うつ状態になりやすいです。睡眠不足を放置することにはさまざまな危険がありますから、仕事が忙しい人こそ、普段から睡眠のことを意識してください。パフォーマンスの高い人が心がけていること①
物事の要点をはっきりさせる
パフォーマンスを発揮できる人は、物事の要点をはっきりさせてから取り組んでいます。要点をはっきりさせれば本題を見失うことはありませんし、見失ったとしても元に戻りやすいからです。パフォーマンスの高い人はやるべきことを先延ばしにしません。今年の目標を立てるときを例に挙げます。今年のうちから計画を立てられる人と、年が明けてからでいいやと考えている人とでは、前者の方が能力を発揮できることがよく分かります。パフォーマンスの高い人はこの段階で計画を立てるだけではなく、既に計画に向けて行動していることでしょう。先を見据えて必要なものを考えられる
パフォーマンスの高い人は、先を見据えたうえでこれから先必要となる物事を考えられます。必要なものだけに注目して質を高めることにより、仕事の質を高められるわけです。このような人は目標を目指すために先を見据えているので、1歩ずつ着実に前進できます。はじめて行く場所でも道順や施設などをあらかじめ調べて行けば、起こり得る障害を予測できるのです。パフォーマンスの高い人は、目標を目指すために必要や能力を早く探し出し、その能力を身につける努力をしています。物事を肯定的に捉える
パフォーマンスの高い人は壁にぶつかったとき、はじめに意見を主張します。周囲の人と比較しても、自分の願望などを話すことに抵抗を感じませんし、周囲の願望すら代弁してくれることがあるのです。コミュニケーション能力が高いと言えます。そして頑張ることはありがたいことだと感じているので、壁にぶつかったときでも「仕方なくやらされている」とは思いません。パフォーマンスの高さや低さは、物事の捉え方の部分も大きいわけです。壁にぶつかると、消極的に捉えてたくさん愚痴を言う人がいます。しかしパフォーマンスの高い人は愚痴を言うよりも行動して、結果に繋げます。成功する理由を追求している
パフォーマンスの高い人は、自分が成功する理由を常に追求しています。自分が存在する理由と成功する理由を紐づけて考えるので、高いパフォーマンスを発揮できるのです。仕事ぶりを発揮できる人は、「仕事で成功することを、誰が求めているのか。」と深く考えます。それは仕事のお客さまかもしれませんし、仕事仲間や上司かもしれません。仕事が軌道に乗れば、家族のためにもなります。パフォーマンスを発揮したいと思ったら、誰のために働いているのか、ということをしっかり考えてください。パフォーマンスの高い人が心がけていること②
影響力のある存在になっている
パフォーマンスの高い人は、周囲にとっても影響力のある存在です。価値観が異なる相手に対して、一方的に押し付けるのではなく「こういう考え方もありますよ。」と新しい考え方を提供できるのも、パフォーマンスが高い人の特徴だといえます。人に提供した考え方が肯定的なものである場合、さらに影響力が高まるわけです。今まで生きてきた中で、影響を受けた人物がいることと思います。「この人からは強い影響を受けた」と感じた人物は、どのような人だったか深く考えてください。人に強い影響を与える人物は、成長できるように勇気をくれた人ではないでしょうか。仕事ぶりを発揮できる人は、成長の機会を与えてくれる人でもあります。休憩の取り方が上手である
今までの解説を読むと、パフォーマンスの高い人は常に自己犠牲の精神を持って他人に尽くす人だと感じたのではないでしょうか。ところが仕事ぶりを発揮できる人は、常に自分だけ頑張り過ぎている状態ではなく、休憩の取り方もよく分かっています。休憩を取るというと、仮眠や休みを取ることを思い浮かべるでしょう。しかし「目を閉じて瞑想をする」のように、オフィスで取り入れられるものもあります。
以下のコラムでは、オフィスでできるストレスの発散方法を解説しています。今回の内容でも紹介した「先を見据える」ということには、ストレスを軽減する役割もあるわけです。合わせてご覧ください。
おすすめコラム
仕事のストレスを発散したい!原因の解明やオフィスでできる発散方法
仕事のパフォーマンスと食事の関係
疲れが残りにくい食事とは
仕事のパフォーマンスは睡眠だけに限らず、食事も関係します。疲れが残りにくい食事の方法とは、バランス良く栄養が摂れる定食の形式にすることです。なぜバランス良く栄養を摂るのがいいかというと、疲れを回復するためにタンパク質が必要だからです。しかし摂取がタンパク質だけに偏れば、体内でその栄養を上手に摂り入れることができません。適切な量を摂取して上手に身体へ循環させることが大切ですが、そのためにはビタミンB群が必要です。ビタミンB群は肉や野菜などに含まれているので、バランスの良い食事が大切になります。定食の形式にすると、肉料理や魚料理がメインになるのでタンパク質が摂れるわけです。ご飯はエネルギー源になりますし、副菜があれば野菜類が摂れます。仕事中に眠くなって困った人は、多いのではないでしょうか。糖質を摂りすぎた場合、血糖値が大きく変化しますが、眠気は血糖値が下がるときにきます。仕事中に眠くならないようにするためには、糖質を摂り過ぎないようにするのがおすすめです。米より小麦粉の方が血糖値を上昇させやすいと言われていますが、摂取する量に気をつければ、食べること自体は問題ありません。茶碗一杯や食パン1枚でも糖質はありますが、野菜や肉類などと合わせて摂取することで、血糖値の上昇を軽減します。
野菜を中心とした食事を摂る
野菜は身体にいいと頭で分かっていても、なかなか普段から摂取するのは難しい人もいます。食事のケータリングサービスをしているある会社では、野菜を食べ続けることの難しさを理解し、副菜よりも主食になるサラダの提供を始めました。野菜を毎日摂るのはなぜ難しいのかについて根本的に考えた結果、壁が3つあることが分かったのです。距離が遠いこととお金がかかること、それから美味しくないという考えに辿り着きました。確かにお店が遠ければ、わざわざサラダを買いに出かけるのが億劫になります。1食にかける金額も人それぞれ限りがありますから、サラダを選ぶよりも炭水化物を探してしまう人も多いでしょう。それにどうしても野菜より肉の方が美味しいという人もいますし、種類が豊富な中から1つを選ぶことに対してのモチベーションが続きません。これだけ豊かな食材が身近にあるのに、豊かさゆえの弊害もあるわけです。
実は先進国や若い世代ほど、栄養不足になりやすいと考えられています。アフリカのように食べられる量が少ないために発生する栄養不足もあれば、健康を保てない栄養の偏りもあるのです。現代人は後者の問題を抱えており、20代では男女共に野菜の摂取量が少ない傾向にあります。同社の創業者は、飲食の事業を始める前は全く異なる業種だったようです。そのため飲食に関わる仕事は経験がありませんでしたが、当時同じ会社に勤める先輩が病気にかかったときに、明日は我が身だと感じました。
その頃の食生活は病気にかかった先輩とほとんど変わらない状態だったので、自分が病気になってしまったら家族がどんなに辛い思いをするだろうか、と考えたのです。このようなきっかけで食生活を見直すことになり、晩ごはんに野菜を摂るようにしたところ体調が良かったので、あらためて野菜の影響を実感しました。本記事は仕事のパフォーマンスがテーマですが、仕事のパフォーマンスを上げるには身近な出来事や家族を大切に思う気持ちも関係しています。
パフォーマンスに統一性がないときの対処法
パフォーマンスが統一しないのは当然である
最初にお伝えしたいことは、パフォーマンスに統一性がないのはみな一緒であることです。AIのように機械ではありませんから、人間の仕事ぶりは必ず低下するときが来ます。誰もが一流と認めるような人物でも、スランプを何回も経験しているものです。仕事ぶりが不安定なことに対して、不真面目だと自分を責めたことがある人は多いでしょう。しかしパフォーマンスの低下はどんな人にも起こり得ることですから、低下したものをいかにして元に戻すかが大切なわけです。失敗を恐れないこと
自己評価の高い人がパフォーマンスを低下させると、そのことを受け入れようとしません。早く元に戻すこともできたのに、低迷している時期が数日もしくは数ヶ月かかることだってあるのです。仕事ぶりが統一しないこと自体をなくすのではなく、まるで統一していないように見せる工夫も大切になります。パフォーマンスを戻す方法を知っておくこと
パフォーマンスが統一しないことにばかり目を向けるのではなく、低下した仕事ぶりを元に戻す方法を知ることも必要です。物事には自分の力で変えられるものと、変えられないものがあります。自分の力で変えられないものとは、たとえば他人の気持ちや感情、過去などです。このように考えると、どんなに努力をしても自分の力で変えられないものがあります。ところがパフォーマンスが統一しない人は、自分の力では変えられない物事について、長期的に悩んでいるのです。会社で怒ると怖い上司を怒らせてしまって、いつまでも引きずることがあります。人のことは変えられないので、この場合残念ながら上司を今すぐ穏やかな性格にするのは不可能です。まずは自分がミスをして上司を怒らせてしまったことを受け入れて、起こった事実は変えられないと割り切る必要があります。
さらに話を進めると、そこから自分の力で変えられるものにも目を向けるといいでしょう。自分の将来をより良いものにするために、今の思考や行動を変えるわけです。今の思考や行動を変えることとは、仕事中だけの話ではありません。ビジネス関連の書籍を読んでプラス思考の人たちから影響を受けてもいいですし、仕事帰りに少し遠回りをして美味しい料理を食べに行ってもいいです。働き続けるためにも、考え方をプラスに導くきっかけをたくさん持ってください。
社員のパフォーマンスは会社の要である
社員の仕事ぶりは仕事の質と直結するため、会社にとっても大事なポイントです。そのため健康経営を実施する会社では、社員のパフォーマンス向上も取り組みの一環と考えています。直属の上司と面談をすることは、今でもたくさんの会社が行っていることです。しかし部署や職種の異なる管理者と社員を面談させている会社は、どれぐらいあるのでしょうか。月に1回から2回ほど、他部署の管理者と面談することで、普段とは異なる視点のアドバイスを貰えたり他部署への理解が促進されたりします。
健康経営を行う会社では、社員のパフォーマンス向上やコスト削減のために、先進的な取り組みを行っているわけです。当コラムでは、健康経営について情報発信をしています。会社が社員の健康管理を行う理由が分からない人は、以下も合わせてご覧ください。
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健康経営とは? 企業にとってのメリットと取り組む方法
まとめ
仕事におけるパフォーマンスについて説明しました。仕事での出来事だけに限らず食事や運動など、パフォーマンスが低下する原因は1つだけではないので、日ごろから何をすれば向上できるのか考えるのがおすすめです。
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